埼玉県議会 県議会

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ページ番号:12028

掲載日:2019年10月4日

平成24年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (須賀敬史議員)

次代を担う子供たちを健全に育成するための埼玉哲学について

Q 須賀敬史議員(自民)

子どもたちを健やかに育てたいというのは、いつの時代でも親たちの共通の思いであります。我が国は、戦後目覚ましい経済的な発展を遂げ、生活は豊かになりました。しかし、近年、右肩上がりであった経済は一変し、不況の嵐に包まれています。家族の形も変わり、インターネットなどの情報通信技術、マルチメディアの急速な発展が子どもたちの住む世界、子どもたちを取り巻く環境を大きく変えていきました。
今、多くの子どもたちは、乳幼児期からのメディア接触により、心と体の発達にマイナスの影響を受けています。核家族化の進む現代、仕事と家事の両方をこなしながら子育てをしていく中で、テレビやDVDなどメディアに子守をさせることも多くなっています。インターネットやゲーム機の普及は、子どもたちを人と人とが触れ合うことから遠ざけていきました。子どもたちは、バーチャルリアリティー(仮想現実)の世界に自分の居心地の良い場所を見つけ、血の通わないつながりの中に身を置いているうちに、生身の人間とはうまく付き合えない、集団の中の空気を読めない、集団の中で自分の居場所を見つけられないというようなコミュニケーション能力未発達という状態になってしまいました。もちろん、これは全ての子どもたちに当てはまるわけではありません。しかし、これが今、子どもたちが置かれている環境なのです。
かつて子どもたちは、友達と外で遊んでいました。この議場にいらっしゃる皆さんも、子どもの頃は外で遊んでいたのではないでしょうか。外とは、校庭や公園、広場に限らず、路地裏であったり、神社やお寺であったり原っぱであったり、町じゅうが遊び場でした。遊びを通して、年上、年下の上下関係を学びました。小さな冒険の中で木に登り、塀を越え、階段から飛びおり、公園のブランコをどこまで高くこげるか、そんなことをして、すり傷、切り傷なんて当たり前。でも、その痛い思いをした体験から、どこまでやったら危険なのかという感覚を身に付けたり、遊んでいることで自然と体力や精神力も養われてきました。
子どもたちは、昔も今も好奇心の塊です。わくわくすることが大好きです。それも変わっていません。でも、今の公園には、わくわくする遊具がありません。危険だからといって、使用禁止だったり取り外されたりしています。ボール遊びも禁止、芝生に入っちゃ駄目。そんな公園には何の魅力も感じないのです。だから、公園の外でボール遊びをします。すると、大人が「そんなところで遊んじゃ駄目だ」、「こんなところで何をやっているんだ」と怒ります。公園で大声を出して遊んでいると、近所の大人が「うるさい」と怒ります。子どもたちは、大人に外で遊びなさいと言われ、でも外で遊んでいると怒られる。怒られるから家の中でゲームをしている。家の中でゲームをしていると怒られるので、公園で1人1人がそれぞれの携帯ゲーム機で黙々とゲームをしている。そんな光景をよく目にします。子どもたちの居場所は、一体どこなのでしょうか。
公園の遊具を危険だから禁止したり取り外していく背景には、管理者の責任を強く追及するという風潮があります。知らない子どもたちが遊んでいる声は騒音に聞こえるが、知っている子どもの声はほほ笑ましく聞こえるといいます。私たち大人は、自分たちがかつて好奇心の塊で冒険者であったこと、学校の帰り道、棒を振り回しながら歩いていたこと、大声で走り回ったり小さないたずらをしながら大きくなってきたことを忘れてしまっているのではないでしょうか。子どもたちが町で伸び伸びと育てば、町も育つといいます。もっと子どもたちのすることを見守る目を持ち、怒るのではなく諭し、子どもたちが子どもらしく遊べ、子育てに優しいまちづくりが必要だということに気づくべきではないでしょうか。
日本は人口減少社会に入りました。子どもがどんどん増える時代ではありません。そうであるならば、1人1人の子どもを、将来この国を担っていけるようなグローバル社会を生き抜く力を持った人間に育て上げなければ、世界競争にも打ち勝てません。子どもは社会の宝です。国の未来です。子どもたちを地域で育てるという意識が不可欠です。子どもたちが地域での外遊びの中で自ら育っていく環境をつくり出すためには、親とともに周りにいる大人がそれにどう関わっていくのかという共通の理解の下で、地域づくりや環境づくりを進めていくことが必要なのです。本来は国を挙げて進めるべき問題ですが、まず、この埼玉県が県民を挙げて取り組み、そのあるべき姿を広く示すことはできないでしょうか。
子どもたちの健全育成に向けては、現在も教育行政、青少年行政、福祉行政、保健医療行政や都市整備行政など様々な分野で取り組んでいますが、行政は縦割りになりがちな面を持っています。そこで、本県として確固たる哲学を持って、それをあらゆる行政分野で子どもたちの健全な育成に取り入れ、県民との共通の認識の下で県民ムーブメントを起こしていくべきであると強く考えます。そのためには、知事の、次代を担う子どもたちに対する思いを職員に、そして県民に対してしっかりとアナウンスしていただきたいと思います。
そこで、お伺いします。知事は、現在の子どもたちを取り巻く環境についてどういう思いを持っておられるのか。子どもたちを健全に育てるためには、現在何が欠けていると思われるのか。以上を踏まえて、子どもたちを立派な大人に育てる上げるために、県として一貫して貫く哲学をどこに置くのか。
以上、知事の熱い思いをお聞かせください。

A 上田清司 知事

核家族化が進み、家族の単位が小さくなっています。親子だけの家族が多くなって、お爺ちゃんやお婆ちゃんがいません。
従って、家族関係はまさに人間社会の一番の原型ですが、この中でいわば二元連立方程式だとか、あるいは二次元連立方程式だとか、こういう人間関係の連立方程式がなかなか経験できなくなっています。
そういう意味で、兄弟も少ない状況の中で、こうした家族の中での人間関係が経験されずに終わっている。
あるいは、地域に戻ればマンションに簡単に入ることすらもできない。
従って、隣の人の顔が見えにくくなっております。地域社会そのものが閉鎖的になっている。そういう都市部の特色があります。そして、その都市部に多くの方々が住んでいます。
また、ご指摘にもありましたとおり、年齢が異なる子どもたちが大勢で外で遊ぶこともなくなり、縦の人間関係というものが分からなくなっています。
リーダーたるものが何か。そういうものも集団の遊びの中で覚えたり、あるいは最小限度の世の中のルールというものを学んだりしますが、そういう機会も少なくなっています。
学校も少人数学級になっています。好き嫌いがはっきりしますので、人間関係が場合によってはきつくなっていく。故に自分の居場所が少ない。こういうきらいもあると学校関係者からも聞いております。
先生も絶対的な権威がなくなって、学校も唯一絶対の教育の場でもなくなっています。
こういう状況を突破して、私は子どもたちの社会性、生きる力、こういうものをしっかり身につける。これが一番重要ではないか。
どんなに学問ができても、社会性が身に付いていなければ何の意味があるのか。どんなに立派な肩書を持っていても、あるいはまた大学を卒業しても、生きる力そのものがなかたらどうにもならない。
そんなふうに思っておりますので、子どもたちの社会性や生きる力そのものをしっかり育む。それが一番大事だというふうに、私は教育の場面でも思っております。
そこで、そういうものを育むには、いろんなレベルでミニ社会をたくさん経験させていくことが大事だというふうに思っておりますので、教育長ともよく相談して、「教育に関する3つの達成目標」、それをまずは基本にしなければならない。
確かな学力がなければだめだと。そして、体力あるいはモラル、豊かな人間性、そういうものがバランスよく身に付かなければならない。それを確実に達成しようということで、3つの達成目標を年次年次、よくできているかどうかを、学校ごとクラスごとに確認しています。
「みどりの学校ファーム」、これも3年間で各学校に設置いたしました。仲間との協働を通じて生命の尊さ、あるいは勤労の大切さを学ぶことができると思っています。
「青少年夢のかけはし事業」では、埼玉ゆかりのプロフェッショナルから学び・体験する「教室」により、子どもたちの夢の発見と実現を支援することができます。
地域においては、保護者や地域住民が学校応援団となって子どもたちの登下校の安全の見守りやあいさつ運動などに取り組んでいただく。まさに地域ぐるみで応援をしていく。
あるいは、青少年相談員が子どもたちの身近な「お兄さん、お姉さん」となって、多くの仲間と交流する機会を提供しています。
それ以外にも、体験学習、臨海学校、部活動など、何でもそうしたことを徹底してやり抜いていく、取り組んでいくことが大事ではないかと思っています。
大学やNPOなどが連携して展開しています「子ども大学」も、子どもの学ぶ意欲を高めミニ社会を経験してもらう取組であります。
私はこれからも、やさしくて同時にたくましい子どもたちになっていただきたいという思いを持っておりますので、私どもの方からも教育委員会の方に提案をさせていただいておりますし、また、教育委員の優れた提案が教育委員会の中で実行されているものもございます。
いずれにしても関係者が一生懸命、やったふりではなく、事実としてやっていくことが必要だと思っています。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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