埼玉県議会 県議会

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掲載日:2019年10月4日

平成24年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (井上将勝議員)

院内虐待対策委員会の設置推進について

Q 井上将勝議員(民主・無所属)

全国の児童相談所における児童虐待に関する通告件数は、年々増え続けており、埼玉県においても平成12年度の1186件から平成23年度の4504件と、その通告件数は約4倍となっております。昨年には、県内においても児童虐待死事件が起きたことは記憶に新しく、先ほど枝久保議員もおっしゃっておられました。児童虐待死を防ぎ、児童虐待それ自体を早期に発見するためには、虐待が疑われる段階で積極的に関係機関に通告することが大切です。特に、日々の診療や健診を通して、子育て家庭と接点がある医療機関には児童虐待への迅速な判断と行動、関係機関への連携が高く期待されるところです。
しかし、そのような児童虐待防止に向けた高い期待の係る医療機関の関係者が通告に積極的でないところがあります。
平成18年2月定例議会で、公明党、蒲生徳明議員も一般質問で触れておられましたが、2005年に埼玉県が県医師会に委託して県内小児科と産婦人科の2部門を対象にした調査において、虐待又は不適切な養育を発見したにもかかわらず、関係機関に通告、連絡をとったのは小児科で48.9パーセント、産婦人科では16.8パーセントにとどまっていることが判明しました。また、虐待通告に対して抵抗感が「非常にある」、「多少ある」と回答したものも、小児科が37.5パーセント、産婦人科は26.8パーセントに上るという調査結果が出ました。
医療機関による虐待通告は、その専門性の高さから通常の虐待通告よりも実際、虐待が事実であったと確認される率が高いことから、医療機関が通告をはばかることは、虐待の早期発見の大きな芽を摘むことになります。埼玉県も、医療機関から通告をすべきかどうかの判断が分からない。また、通告した後にどのようなプロセスをたどるか知りたいという医療関係者の声を受け、昨年度、「医療現場で児童虐待を疑ったら」、児童虐待対応ガイドラインを作成いたしました。医療機関において虐待の通告をするときの手掛かりとなる大きな一歩であると考えております。
しかし、通告義務や通告後どうするかについて詳細にフローチャートで触れておりますが、その最初の一歩となる医療機関側が通告をしやすい環境づくりについての記述がない点が残念なところです。通告義務があるのは分かっていても、判断に自信が持てない、虐待の専門ではない、保護者とトラブルを起こしたくないという理由で、虐待の問題を1人で抱え込むことによる結果、通告しないという医師をどう減らしていくかに焦点を当てるべきだと考えます。
医療機関別の虐待通告状況は、日本医師会によると病院が92.5パーセントに上りますので、病院内においていかに一人で抱え込ませないかが大切であり、そのためには虐待に組織として対応する院内虐待対策委員会の設置が有効であると考えます。院内虐待対策委員会は、院内の児童虐待に対応する複数の部門がおのおのの視点から児童虐待かどうか、通告等の行動を行うかどうかなどについて、合議の上判断し、病院としての通告や警察への連絡などを行う組織です。この院内虐待対策委員会が広く病院に設置され、医師一人で虐待問題を抱え込まず、組織として対応する環境が整えば、通告への抵抗感も減っていき、更にはその病院と連携する地域のかかりつけ医にとっても対応方法に困った時には適切な協力を求められるなど、安心材料となります。
東京都においては、チームで行う児童虐待対応、病院のためのスタートアップマニュアル内で院内虐待対策委員会、東京都では(通称)キャップスと呼ばれておりますが、その利点、立上準備、機能など委員会の設置運営方法について相当詳細なマニュアルを作成しております。埼玉県においても、院内虐待対策委員会に関わるマニュアルを作成し、県内病院にその設置推進を図っていくことが必要だと考えますが、福祉部長のご所見をお伺いをいたします。

A 荒井幸弘 福祉部長

昨年度の児童虐待通告の件数は4504件となり、前年度に比べ約30パーセント増加いたしました。
しかし、増加した中身を分析いたしますと、施設入所や里親委託あるいは在宅での指導といったいわゆる虐待案件の数は増えておりません。
これは県の広報等により、虐待に対する県民の関心が高まってきたことと、早期の段階での通告が増えてきたことによるものと考えております。
児童虐待の未然防止や重篤化を防ぐためには早期発見、早期通告が重要です。
児童の心身の状況を直接診(み)ることのできる病院には、この早期発見、早期通告をしていただくことが期待されます。
しかし、病院からは虐待かどうかを判断する手がかりが必要などの御意見をいただいておりました。
そこで、県では県医師会等と協力して「児童虐待対応ガイドライン」を作成し、各医療機関に配布して児童虐待の早期発見、早期通告を促したところでございます。
このガイドラインは、「医療現場で手元に置いて使いやすく」との方針に基づき、虐待が疑われる臨床例や通告先の案内などに内容を絞り、簡潔にまとめたものでございます。
通告に当たっては、各病院内部においてさまざまな手順が取られているものと考えられます。
県内でも、大規模病院である県立小児医療センターや埼玉医科大学病院では、児童虐待に対応する委員会がすでに設けられております。
一方、規模の大きくない病院では、院内のコミュニケーションが取りやすいことから、このような委員会を設置していないケースもあります。
県といたしましては、病院の規模等によってはスタッフ個人に頼るのではなく、組織的な対応が効果的な場合もあると考えております。
そこで、県医師会と相談しながら、「児童虐待対応ガイドライン」に組織的対応の重要性を加え、「院内虐待対策委員会」を設置しようとする病院にしっかり応えられるよう支援してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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