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掲載日:2021年6月8日
9月定例会の一般質問は、9月30日から行われました。15人の議員が質疑・質問を行い、活発な論議が行われました。
新井 豪
(自民)
金野桃子
(県民)
山本正乃
(民主フォーラム)
関根信明
(自民)
蒲生徳明
(公明)
柳下礼子
(共産党)
山口京子
(自民)
並木正年
(県民)
飯塚俊彦
(自民)
木下博信
(自民)
権守幸男
(公明)
岡田静佳
(自民)
吉良英敏
(自民)
岡地 優
(自民)
神尾高善
(自民)
※議員の氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。
※ 全質疑質問答弁の全文をご覧になりたい方はコチラ(別ウィンドウで開きます)へ。
新型コロナ拡大による経済の落ち込みはリーマン・ショックを超える状況である。コロナ禍や相次ぐ災害に対し、県として時局匡救事業(※)に倣い、計画期間5か年、公共投資1兆円規模の大胆な財政出動を知事の強いリーダーシップの下で実施すべきと考えるが見解を伺う。
地方財政では構造的に経済対策などに振り向けられる財源は限られる。まず国が先導して財源確保や制度改正に取り組み、地方が対策を行っていく。国が進める防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための公共投資などの下、地域の実情に応じた対策を進めていけるよう国と連携していく。
用語解説「時局匡救事業」
県北部、特に群馬県に隣接する地域では道幅が狭いため群馬県側の道路を生活道路に使う県民が少なくない。県内どこに住んでいても快適に移動できる環境を作るべきだがどうか。また、県北部の医療体制を踏まえ救急搬送時など緊急を要する場合の道路の役割について所見を伺う。
道路は県土を形づくる礎。平時・災害時を問わず強靱な道路の整備が求められる。選択と集中の観点から地域に真に必要な道路整備を進め、生活の質や安全安心を高めていく。また、県北の医療体制を鑑みミッシングリンク(※)の解消を進め、緊急時に人命を守る道路づくりを進める。
用語解説「ミッシングリンク」
道路網において未整備のため途切れている区間。
新型コロナの影響でひとり親家庭から「収入が半分以上減少した」、「ゼロになった」という声が寄せられている。コロナ禍で東京都や富士見市、戸田市などが独自に食糧支援や特別給付を実施している。県としても独自に行うべきと考えるがどうか。
県としては、フードパントリーや子ども食堂(※)の活動を企業や学校給食とマッチングできるよう引き続き支援していく。また特別給付について、県は国の「ひとり親世帯臨時特別給付金」の支給を進めている。まずは迅速な支給と申請漏れを防ぐための周知に努める。
用語解説「フードパントリー、子ども食堂」
フードパントリーとは、生活に困窮するひとり親家庭など、何らかの理由で十分な食事を取ることが難しい状況の人々に食品を無料で提供する支援活動。また、その活動を行う地域の拠点のこと。
子ども食堂とは、地域住民やNPOなどが主体となり、無料または低価格で食事を提供する場。また、家庭において独りで食事をせざるを得ない子どもに、共食の機会を提供するコミュニケーションの場としての役割も持つ。
コロナ禍において失業者が増加する一方、保育園では従業員の確保が一層困難になっている。4月の有効求人倍率は3.2倍と昨年に比べ悪化し深刻である。最たる原因は県内保育士の平均収入が全国平均を下回り関東最下位という賃金の低さにある。この現状をどう思うか。
県内保育士の平均給与が全国平均を下回っていることは大きな課題である。保育士等の給与は国の公定価格(※)に影響を受けるが、本県の公定価格の地域区分は地域の実情を十分に反映していない。これまで国に強く要望してきたが、今後もあらゆる機会に改善を求めていく。
用語解説「公定価格」
地域区分、定員区分、認定区分(保育所、認定こども園、幼稚園)、年齢区分、保育必要量別に、人件費、事業費、管理費などがどの程度必要かを算定したもの。
ケアラーやその経験者が気軽に困り事や介護について話し合える介護者サロンを県内千か所に設置することを提案する。身近な場所に支援体制を整えるため、地域包括支援センターや子ども食堂を活用してはどうか。本県が日本をリードして取り組むべき施策と考えるが所見を問う。
サロン立ち上げの促進策を市町村、介護者サロンなどの関係者と検討していく。子ども食堂は18歳未満のヤングケアラーの悩みの発見の場になり得るが、設置には主催者の理解と協力が必要となる。理解の輪を広げ、ケアラーが身近な場所でサロンに参加できるよう積極的に取り組む。
用語解説「埼玉県ケアラー支援条例」
ケアラーとは、無償で介護や看護をする人。本県では、後期高齢者人口が全国一のスピードで増加していくことが見込まれ、核家族世帯の割合も高い。それに伴いケアラーの負担が高齢者介護をはじめさまざまな場面で問題となっている。そこで県は、ケアラーの支援に関して県の責務などを明らかにし、ケアラーを支えるため、全国初となる条例を議員提案により制定した(令和2年3月31日施行)。
新型コロナの拡大と季節性インフルエンザの流行期が重なり発熱患者の増加が予想される。国は同時流行に備えた地域医療機関での相談・診療・検査体制の整備を求めている。現場で患者対応への懸念の声が上がる中、県としてどのように体制を整え、また周知を図るのか。
両方に対応できる身近な医療機関からの申請に基づき、県が「診療・検査医療機関」に指定し、公表していく。現場の懸念を払拭(ふっしょく)するため、受診ルール順守の啓発や、安全な検査方法のガイドライン策定などを行う。また、新たな体制を県ホームページや新聞広告などで周知する。
子ども医療費助成は、県の補助を受け市町村が行っている。県の補助対象は入院・通院とも就学前までだが、全市町村において15歳または18歳までに拡大している。県は平成19年度から対象年齢の見直しをしていないが、知事も代わった今、どのような議論がなされたのか。
対象年齢の引き上げについて改めて検討した。中学校卒業まで引き上げた場合今年度予算額の約2倍となる57億円が毎年必要になる。現時点で対象年齢の引き上げは難しい。限られた予算の中、特に負担が大きい就学前の子育て家庭を重点的に支援する現在の政策を維持していく。
妊産婦の死亡原因の1位は自殺であり産前産後の公的ケアの整備が必要となる。県は市町村の行う産後うつケア、産後健診の助成事業を行っているが活用する市町村は少ない。実施主体である市町村の声を聞き制度を見直し、全産婦へのEPDS(※)実施を市町村へ働き掛けては。
県の助成事業を活用する市町村が少ない要因に事務負担がある。県が契約を代行するなど負担軽減に努める。産後うつの早期発見、支援にはスクリーニング検査が重要。全産婦へのEPDS実施に向け必要性や適切な検査についての研修会を行うなど市町村の実情に合わせて働き掛ける。
用語解説「EPDS」
エジンバラ産後うつ病質問票。産後うつ病を産婦に自覚症状のない状態から検出(スクリーニング)するために用いられる。
新型コロナの感染拡大に伴い、マスクやアルコール消毒液、トイレットペーパーや一部の食料品が欠品や品薄状態となった。県ではこれら品不足や価格上昇に対し、不安を払拭(ふっしょく)するためどのような対策を取ったのか。また、今後起こり得る非常時への対策は取られているのか。
必要な分だけ購入するようラジオやチラシで呼び掛け落ち着いた行動を促した。マスクや米など7品目の価格監視や、不当販売を行った12事業者を指導した。今後も消費者への啓発、価格動向の把握や事業者の指導・処分を徹底しパニック買いが生じないようしっかりと取り組む。
コロナ禍において学校の最上級生への影響は特に大きい。学校生活最後の思い出づくりである修学旅行は中止とせずに規模を縮小するなど何らかの形で実施してほしい。県として小・中学校に対し県内観光などの形で行うためのサポートや方針の提示をしていただきたい。
修学旅行の中止を決定した小・中学校は9月1日時点で約3分の1ある。中止を決定した場合でも可能な限り代替策の工夫や実施の可能性を再検討することが必要と考える。この考え方を市町村に示すとともに県内での体験学習の事例を積極的に情報共有するなど支援をしていく。
超短時間雇用は週15分でも通常の職場で役割を持って働ける仕組みの総称である。特に障害や難病などで長時間の勤務が難しい人が対象となる。将来的には子育てや介護をする世帯、高齢者なども対象となるべきである。先進県となり新たな雇用機会をつくるべきと考えるがどうか。
デジタル化の進展や多様な働き方の普及により、働く場所、時間の制約がなくなってきている。超短時間雇用を広めていく好機と捉え、まず障害者雇用の分野から就労事例の研究や紹介を行い普及に努める。成功事例を積み重ね、超短時間雇用による多様な雇用機会の創出を図る。
県警は6月から「止まってくれてありがとう」という感謝型反射式電柱幕400枚を横断歩道脇電柱に設置している。歩行者として「止まってもらった」経験が、自身がドライバーとして「横断歩道で止まる」行為につながると示した調査もある。設置を広めるべきではないか。
感謝型反射式電柱幕は、埼玉大学の大学院生グループによる政策提言のアイデアを参考に設置を進めている。効果検証のため、設置済みの横断歩道4カ所で一時停止率を調査したところ、いずれの場所でも停止率の向上が認められた。今後も、関係機関等と連携し設置拡大を検討する。
センターの活動成果として、性別役割分担意識の解消が進むなど男女共同参画の意識が一定程度浸透した。性に関しては男性女性という区切りだけではなくLGBTQも認識されている。次のステージとして多様性社会での共生の拠点として衣替えするべきと考えるがいかがか。
センターではDVや女性の貧困などの課題に対応するほか、LGBTQの方々の多様な相談や、障害者や外国人、妊娠期の女性など制約を受けがちな方々に対する理解促進の取り組みも行っている。今後ともすべての県民が活躍できる共生社会づくりの拠点機能を担っていく。
本県の人口当たりの職員数は全国最少だが時間外勤務という弊害を生んでいる。さらに新型コロナの影響で特定の部署や個人に大きな負担が掛かる状況である。現状をどう改善するのか。また、非常時だけでなく多様な県民ニーズに対応するためにも働き方改革と職員の増員を行うべき。
働き方改革の推進に向けて、ペーパーレス化などデジタル技術を活用して行政プロセスを見直し、業務効率化と時間外勤務削減を図るとともに県民サービス向上につなげる。感染症対策などの業務急増には、応援体制をとりつつ職員を増員するなど時宜にかなった対応をしていく。
県庁舎は老朽化、狭あい化が著しく、執務環境も劣悪で、さまざまな課題を抱えている。早急に県庁舎再編計画などを策定し、県庁舎の集約化と県警察本部の独立化を図るべきと考える。職員の採用に影響することも踏まえ、輝く埼玉のシンボルとして建て替えるべきではないか。
現在、建物性能の客観的な状態を把握する調査を実施している。また、庁内設置の県庁舎問題検討会では、県庁や県民サービスの在り方を議論している。輝く埼玉のシンボルとなるようまずはしっかりと調査や議論を行い、それらを踏まえ集約化や警察本部庁舎の独立化を検討する。
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