2高齢の人と障害のある人のために 1災害に対する日頃の備え (1)家での備え ア家の中の安全対策 家具などが倒れないようにしよう家具や大きな電化製品など倒れるとあぶないものは、できるだけ倒れないよう固定しておく。 ガラスが飛びちらないようにしよう 食器棚やサイドボードなどのガラス戸が割れて飛び散らないように、粘着テープや透明フィルムを貼っておく。 また、割れたガラスなどでケガをしないように、軍手や厚手のスリッパ、運動靴、防災ずきん(帽子)を身近に用意しておく。 物が落ちないようにしよう 家具の上などにガラス製の置きものや重い物を置かない。 置くときは落ちてこないようにする。 食器棚の扉は、開いて、中のものがとびださないように止め金具をつける。 バルコニーの手すりの上などに植木鉢などを置かない。 つり下げ照明器具を固定しよう 蛍光灯が壊れないように、3方向からヒモなどで固定しておく。 火のまわりは片づけておこう コンロやストーブなどのまわりには、燃えやすいものや倒れやすい家具を置かないようにする。 プロパンガスボンベは、外の平らで風通しのよい場所に置き、鎖などで固定する。 灯油缶は栓をきちんと閉めてしまっておく。 消火器、火を消すための水を備えておこう 消火器とバケツを備えておく。 火を消したり、生活のための水として利用するため、浴そうには残り湯をためておく。 安全な場所を作ろう 小さい子どもや介護の必要な人、病人などの部屋には倒れる危険がある背の高い家具などを置かないようにする。 地震のときの家族の安全な場所にもなる。 ブロック塀の安全対策をしよう 古いブロック塀などは、専門家に頼んで点検や補強をする。 安全対策を自分でできない場合は、近所の人や自主防災組織の人などに協力をお願いしましょう イ日ごろからの所持 災害時に身元が確認しやすいよう、障害者手帳、運転免許証、健康保険証などを日ごろから所持しているようにするとともに、家の中での置き場所を確認しておきましょう。 ウ非常持出品の用意 避難するときに持ち出すものは、震災後、避難所で最低限必要なものです。助けが来るまでの間に必要な物や食べ物、衣類などを用意します。 リュックなどに詰めて、いつでも持ち出せる場所に備えておきましょう。 飲み水、食べ物1日3食分程度 水一人1日3リットル程度、ペットボトル入りのミネラルウォーターなど、缶詰など火を通さないで食べられる物、レトルト食品、インスタント食品、ビスケット、チョコレートなどと缶切りや水筒 制限食やアレルギー食品など特別な配慮を要する食料については3日分程度 薬など きず薬、胃腸薬、日ごろ服用している薬、救急セット、救急ばんそうこうなどかかりつけ医療機関のメモやお薬手帳や処方箋のコピーなども準備しておきましょう。 照明器具 懐中電灯、予備の電池、ロウソク、ライター、マッチなど 携帯ラジオ 携帯ラジオ、予備の電池など 衣類 下着、上着、雨具、タオル、毛布、くつ下、軍手など 貴重品 多少の現金、10円玉、公衆電話は停電になるとテレホンカードや、機種によっては100円玉が使えない、重要書類、預貯金通帳、運転免許証や健康保険証、障害者手帳等の写し、印かんなど その他 防災ずきん、帽子、ヘルメット、手袋、SOS発信用器具、笛、防犯ベル、緊急通報システム、火災警報器など、防災カード エ障害別の必要な備え 寝たきり等高齢の人 紙おむつ等介護用品、おんぶひも、車いす、予備のめがね、杖、入れ歯、補聴器、防寒具、おかゆ 目の不自由な人 メガネ、白杖の予備、携帯電話、盲導犬用ドッグフード 白杖…目の不自由な人が歩行時に使用する白色または黄色の安全杖 耳の不自由な人、言語の不自由な人 文字放送ラジオ、携帯電話、補聴器の予備、 補聴器用電池の予備、筆談用のメモ用紙、筆記用具、災害時に必要な会話カード集、おんぶひも、車いす、杖 ぼうこう・直腸機能に障害のある人 人工肛門、人工ぼうこう保有者 ストマ用装具、1週間分とメーカー名・品名・サイズ等のメモ、洗腸セット、水、ぬれティッシュ、輪ゴム、ビニール袋、はさみ ストマ用装具(パウチ)…ぼうこうや腸の病気のために造設した人工ぼうこう、人工肛門の排泄口からの排泄物を蓄える袋(ストマとは、口を意味するラテン語)。 当事者からの声 人工肛門を造設すると洗腸する人もいるが、避難所での洗腸は難しい場合が多い(適当な場所の確保が難しかったり、必要量のぬるま湯が確保できないなど)ので、災害時には自然排便ができるよう、日ごろから訓練をして慣れておくといい。 知的障害のある人 自宅住所や連絡先などのわかるものの所持。服に縫い付けたり、カードにしたものを携帯する。 発達障害のある人 自閉症の人などは、サポートブックの携帯など 医療機関にかかっている人 精神障害のある人や難病の人も含め 地震が起きたときの行動について、あらかじめかかりつけの病院などに相談しておきましょう。 また、家族も緊急時の対応をよく理解しておきましょう。 災害のために、通院先の病院などで診療を受けられない場合もあります。 そのような場合、他の医療機関などでも診療を受けられるよう、お薬手帳や処方箋のコピーをいつも持っているようにしましょう。 また、長い間薬を飲んでいる人は、いつも3日分程度の薬を保管しておくようにしましょう。 困ったときに相談できるように、かかりつけの医療機関、お住まいの地域の保健所、保健センター、精神保健福祉センター等の電話番号を記録しておきましょう。 常時使用する医療機器(酸素ボンベ等)や医薬品の予備を準備し、定期的に使える状態であることをチェックしましょう。 オ防災カードの作成 災害のときの緊急連絡先などを記録しておくとともに、災害のときの身元確認やその場にふさわしい手助けを受けるため、防災カードを作成して、身につけておくようにすると、災害のときに役立ちます。 (2)地域の中での備え ア地域との交流 地域の中で普段からつきあいや交流があることは、災害のときにお互いが助け合う際に大きな役割を果たす場合が多いと言われています。 日ごろから地域との交流を心がけ、近所の人や自主防災組織の人などに、避難するときの手助けなどを頼んでおくようにしましょう。 目の不自由な人や耳の不自由な人は、近所に住む特定の人に、周囲の状況や重要な情報を伝えてもらうようにお願いしておくことも必要です。 高齢者団体や障害者団体、ボランティアグループなどとつきあいがあると、災害のときに様々な手助けを受ける際に役立ちます。 イ防災訓練への参加 市町村や地域ごとに、毎年、防災訓練が実施されています。この防災訓練に参加し、避難方法や避難場所を確認したり、消火器の使い方などを理解しましょう。 ウ災害時要援護者名簿への登録 災害時の迅速かつ的確な安否確認には、災害時要援護者名簿の活用が非常に有効です。 市町村が作成する災害時要援護者名簿へ登録してもらいましょう。 2災害のときの行動 家にいるとき 丈夫なテーブルの下に隠れて、落ちてくる物から身を守る。 移動が困難な人などで速やかにテーブルの下に隠れることができないときは、布団にもぐる、 座布団などで頭を被うなどの行動で身を守る。 倒れやすい家具、電化製品などから離れる。 車いすを使用している人は、安全な場所で車いすのブレーキをかける。 揺れがおさまったら、火を消し、ガスの元栓、電気のブレーカーを閉じる。 目の不自由な人、手の不自由な人は、家族や近所の人を呼んで、確認してもらう。 割れたガラスなどが落ちていることがあるため、できるだけ動かない。 やむをえず移動する場合は、ガラスや落ちてくる物に注意し、軍手や厚手のスリッパ、靴、防災ずきん(帽子)などを身につける。 ドアや戸を開けて出口をつくる。特に団地・マンションでは、ゆがみでドアが開かなくなることがある。 あわてて外に飛び出さない。 エレベーターは、絶対に使用しない。 階段やスロープなどを使う。 エレベーターに乗っている時に地震がおこったら、すべての階のボタンを押し、止まったらすぐに降りる。 途中で止まったら、中にある非常用ボタンを押して連絡を待つ。 外へ逃げるときは、防災ずきんや帽子等をかぶり、瓦やガラスなどが落ちてきたり、ブロック塀などが倒れたりするので注意する。 大地震の後は余震が続くことがあるため、倒れてくる建物や落ちてくる物に注意し、外出をしないようにする。 テレビ、ラジオ、文字放送ラジオ、パソコン、携帯電話、広報車、防災行政無線などから情報を集める。 家族や近所の人から、地震の状況や周囲の様子、避難の必要性などを教えてもらう。 避難の際に援助が必要な場合は、近所の人や自主防災組織の人などに声をかけて助けてもらう。 必要な場合は、かかりつけの医療機関に連絡し、今後の対応の指示を受ける。 家の中に閉じこめられた場合は、声や音を出して、助けを求める。 笛などは有効です。 大地震の後は余震が続くことがあるため、倒れてくる建物や落ちてくる物に注意し、外出をしないようにする。 テレビ、ラジオ、文字放送ラジオ、パソコン、携帯電話、広報車、防災行政無線などから情報を集める。 家族や近所の人から、地震の状況や周囲の様子、避難の必要性などを教えてもらう。 避難の際に援助が必要な場合は、近所の人や自主防災組織の人などに声をかけて助けてもらう。 必要な場合は、かかりつけの医療機関に連絡し、今後の対応の指示を受ける。 家の中に閉じこめられた場合は、声や音を出して、助けを求める。 笛などは有効です。 職場や学校、福祉施設などにいるとき 机やテーブルの下に隠れ、机の脚をしっかりとおさえて、落ちてくる物から身を守る。 倒れやすい家具や電化製品などから離れる。 ドアや戸を開けて、出口をつくる。 エレベーターは絶対に使用しない。 階段やスロープなどを使う。 エレベーターに乗っている時に地震がおこったら、すべての階のボタンを押し、止まったらすぐに降りる。 途中で止まったら、中にある非常用ボタンを押して連絡を待つ。 学校や福祉施設にいるときは、騒いだりせず、落ち着いて、先生や職員の指示に従う。 また、先生や職員に連絡しないまま家に帰ることはしない。 外出しているとき カバンなどで、看板やガラスの破片など落ちてくる物から頭と首を守る。 ブロック塀や電線などから離れ、しっかりとしたビルや広場に避難する。 まわりの人に声をかけ、周囲の状況を教えてもらう。 目の不自由な人や車いすの人など、必要な場合は、安全な場所へ連れて行ってくれるよう頼む。 耳の不自由な人は、まわりの人に筆談などで、自分のことを伝え、正しい情報を教えてもらう。 必要な時は、かかりつけの病院や診療所に連絡し、これからのことについて指示を受ける。 デパートなどでは 倒れやすいショーケースなどから身を離し、柱や壁際に身を寄せる。 あわてて出口に行かず、係員の指示に従う。 耳の不自由な人は、係員の指示などについて、まわりの人に筆談で教えてもらう。 目の不自由な人は、必要な時は移動が困難であることをまわりの人に伝え、誘導してもらう。 エレベーターには絶対に乗らない。係員の指示に従い、避難は階段を使う。 エレベーターに乗っている時に地震が起こったら、すべての階のボタンを押し、止まったらすぐに降りる。 途中で止まったら、中にある非常用ボタンを押して、連絡を待つ。 地下の商店街では 壁や太い柱に体を寄せる。 火事のときは、ハンカチやタオルで鼻と口をおおい、姿勢を低くして、煙の流れる方向へ壁伝いに逃げる。 耳の不自由な人は、係員の指示などについて、まわりの人に筆談で教えてもらう。 目の不自由な人は、必要な時は移動が困難であることをまわりの人に伝え、誘導してもらう。 停電になっても、非常用の照明灯がつくので、落ち着いて行動する。 電車・バスに乗っているときは 急に止まることがあるので、吊り革や手すりなどにしっかりつかまる。 係員の指示に従って行動し、あわてて、外にとび出さない。 耳の不自由な人は、係員の指示などについてまわりの人に筆談で教えてもらう。 目の不自由な人は、移動が困難であることをまわりの人に伝え、誘導してもらう。 車の運転中 地震を感じたら徐々にスピードを落とし、道路の左側に寄せてエンジンを切る。 揺れがおさまるまで車の外に出ない。 ラジオや携帯電話、カーテレビなどで情報を得る。 車を離れるときは、必ずキーはつけたままにしておく。ドアロックもしない。緊急車両の通行の支障にならないようにする。 海岸では 津波の危険があるので、急いで海岸から離れ、高台など安全な場所に避難する。