1地域の誰もが知っておくこと、備えておくこと 一般的防災対策 1災害に対する日頃の備え 災害が発生したとき、高齢の人や障害のある人がけがをしないようにするのはもちろんですが、地域の人もけがをしたら高齢の人や障害のある人を支援することができなくなるだけではなく、自らも支援を受ける身になるおそれがあります。 まずは自助、共助が基本という意識で、災害時の安全を確保し、速やかな行動がとれるよう、家庭や地域における日ごろの備えが大切です。 (1)家での備え ア地震を中心とした災害全般 (ア)非常持出品を用意する ぜひ用意しておきたいもの 携帯ラジオ、予備の電池 懐中電灯、予備の電池、ローソク、ライター、マッチ 非常食料と水、ミルクとほ乳瓶、離乳食  おむつ(高齢の人や乳幼児等)とウェットティッシュ おんぶひも 手をつないで逃げるのは危険。背負って逃げる。 防災ずきん、帽子、ヘルメット、手ぬぐい又はタオル、軍手 常備薬 家族、親戚等の連絡先のメモ 10円玉(公衆電話用) トイレットペーパー 簡易トイレ 厚手のスリッパ(運動靴) など あれば便利なもの ラップ、食器の上に引いて利用する。 ゴミ袋、何枚か重ねて水の保管、防水シートや雨具の代用、簡易トイレ ポリタンク貯水用 カセットコンロとボンベ 水のいらないシャンプー 滑り止め付き軍手 多機能なナイフ ロープ、太さ8〜12ミリ、人命救助や衣類を干す時に利用 毛布、ひざ掛けなど SOS発信用器具、笛、防災ベルなど (イ)家具や電気製品を固定する 寝室や出入り口には、できるだけ物を置かない。 家具、エアコン、絵画等の下に頭を向けて寝ない。 家具、電気製品、ピアノ等は固定する。家具転倒シート、固定金具、つっぱり棒、キャスターの固定など。 食器棚の扉に留め金を付ける。滑り止めシートを張って落下を防ぐ。 ガラスに飛散防止フィルムを張る。また、足のけがを防ぐため、厚手のスリッパ等を身近なところに置く。 照明器具を点検する。 (ウ)食料や水等を備蓄する日常生活に支障をきたさないために 最低3日分の食料、水を用意しておく。 風呂の残り湯は、翌日までためておく。 (エ)自宅周辺を確認しておく 避難場所 井戸 公衆電話等の通信手段 ブロック塀、自動販売機等の危険箇所 橋、側溝等の道路状況等 (オ)会社などからの帰宅方法を確認しておく 徒歩帰宅経路 ガソリンスタンド コンビニエンスストア 公園等 (カ)住まいの改修、補強をしておく 昭和56年以前の木造住宅は、耐震診断を受けておく。すべての県土整備事務所とほとんどの市で無料簡易耐震診断を実施しているので利用しましょう。 耐震改修をする。筋交い、構造用合板、耐震金具等 県土整備事務所が実施する木造住宅の無料耐震診断 パソコンソフトによる無料耐震診断を、県内12か所の県土整備事務所で実施しています。 (キ)消火器等の機材の使い方に慣れておく・地域で行われている防災訓練に参加する (ク)家庭での防災会議 地震のとき、家族があわてずに行動できるように、ふだんから次のようなことを話し合っておく。 また、話し合いだけでなく、休日には避難場所まで実際に歩き、通り道の安全を確かめておく。 さらに、職場や学校、福祉施設などにいるときの避難場所についても、確かめておく。 災害がおきたときの家族それぞれの役割 消火器、バケツなど消火の備え 家族の間の連絡方法 避難場所の確認 避難経路の安全確認 非常持出品の確認 家具が倒れないようにすることや家の中・周囲の片付け 高齢の人や障害のある人の避難方法 地震情報を手に入れる方法等 イ風水害 台風や豪雨などの風水害に備え、日ごろから家や家の周囲の点検をし、必要な箇所の修繕等に心がけておくことが大切です。 雨どい、側溝等のチェック。落ち葉や土砂がつまっていないかなど。 屋根や塀等の修繕。雨もりや風で飛ばされたりしないように。 家の周りの整理。物が飛ばされたり、樹木が倒れたりしないように。 浸水危険区域、土砂災害危険区域などの確認等 (2)地域の中での備え ア自主防災組織の活動に参加する 災害への対処は、個人や家族だけでは限界があります。 逆に、住民同士が協力して組織的に行動することで、被害を防止したり軽減するために、出火防止、初期消火、被災者の救出・救護、避難所への誘導、避難所の運営等を効果的に行うことができます。 そこで、町内会や自治会等を活用した、自主防災組織を編成し、日ごろから災害に備えることが大切です。 そこに積極的に参加して、災害時の具体的な役割分担などを明確にしておくようにしましょう。 イ地域防災訓練への積極的参加 地域で協力して、高齢の人や障害のある人も参加しての防災訓練を実施することが大切です。 避難所や避難経路が確認でき、高齢の人や障害のある人がどんな支援を必要としているかがわかります。 また、高齢の人や障害のある人も災害時にとるべき行動がわかります。 2災害のときの行動 (1)地震のとき 地震発生 屋内のとき まず自分の体を守る 姿勢を低くし、クッション等で頭と首を守る。 テーブルなどの下にもぐる。 小さな揺れの時は、直ちに火の始末をする。 揺れが大きいときは、まず身の安全を守ってから火の始末をする。 ドアや戸を開けて逃げ道を確保する 建物が傾くとドアが開かなくなることがある。 エレベーターなら、すべての階のボタンを押して最寄の階で降りる 閉じ込められたら、非常用ボタンを押して救助を待つ 屋外のとき 身の安全を確保する かばん等で頭と首を守る。 ブロック塀、電柱、看板、自動販売機、窓際などから離れる。 落ちてくるものや倒れる危険のあるところには近寄らない。 安全なビル内や公園などに避難する。 パニックにならないよう、店舗やビルなどの係員の指示に従って避難する。 運転中なら急停車せず、徐々に道路の左側に寄せるか、駐車場に入れる。 山崩れ、がけ崩れ、津波に注意。 山や海の近くで、地震を感じたら、すぐに安全な場所に逃げる。 地震直後 揺れがおさまったら、火の始末をする。 熱湯などでの火傷に気をつけながら、すばやく火を消す。 火が出たら、近所に「火事だ!」と知らせ、消すことに全力を尽す。天井に届く前なら消火できる。 ガスの元栓を閉める。 ガス漏れの危険があるので火は使わない。 電気のブレーカーを落とす 夜なら懐中電灯などを使う。 断水に備えて、水を貯める。 電話の受話器が外れていたら元に戻す。 正しい情報を得る。 ラジオや市町村、自主防災組織などから、正しい情報を聞いて、その場にふさわしい行動をする。 外へ逃げるときはあわてずに あわてないで、落ち着いて逃げる。 外へ逃げるときは、帽子を被り、瓦やガラスなど、落ちてくるものに注意する。 逃げるときは歩いて、荷物は少なく。 自主防災組織など、地域の人と協力して集団で逃げる。 荷物を最小限にして、リュックなどを使い、両手が自由になるようにする。 家屋に閉じ込められたら、音を立てて居場所を知らせる。 笛などを携行していると役立つ。 逃げ遅れて煙に巻かれたら、ぬれタオルやハンカチで口を押さえ、壁伝いに、はうように避難路を進む。 階段では、階段にたまっている空気を吸いながら移動する。 火元と反対側に、非常口の誘導灯に沿って逃げる。 少し落ち着いてから 10分程度経ってから 協力し合ってケガなどの手当を。 がれきの下敷きになっている人がいれば、近くの人と協力して救出する。 みんなで助け合って、ケガなどの手当をする。 その後 避難場所に移動する。 避難にマイカーは使わない。 消防車や救急車の通行の妨げになる。 エレベーターは使わない。 家族の安否が確認できていれば、無理に帰る必要はありません。 危険な街中を無理に歩いて帰るのではなく、困っている人の救助を手伝ったり、近くの避難所に向かいましょう。 避難場所 自治体が定めている避難場所 小・中学校など 広域避難場所 避難場所にも危険が迫ったときに避難する場所。 避難所 自宅を失った人等が保護してもらう場所。 徒歩帰宅可能距離など 自宅まで徒歩帰宅が可能な距離 10キロ以内 自宅まで10キロから20キロの人 1キロ増えるごとに10%づつ帰宅可能者が減る。 自宅まで20キロ以上 翌日まで帰宅困難 女性がパンプスで歩ける距離 約2キロ (2)風水害のとき 風水害は、地震と違って、事前の情報が流れるため、行動に留意することで被害を少なくすることができます。 正確な情報入手を。テレビ、ラジオ、携帯等で。 すばやい行動を。河川は急に増水する。 避難するときは、火の始末を忘れずに。 風で飛ばされないようベランダの小物、植木鉢などは室内に。 避難は集団で。自主防災組織など。 冠水で足元が見えないときには、側溝等に落ちないよう杖などで安全を確認しながら。 自分や家族の安全が確保できたら、隣近所の安否を確認しましょう。 浸水により避難所等への移動が危険になったら、 緊急的な避難は自宅2階などへ。 埼玉県防災情報の携帯電話へのメール配信サービス 災害発生時に、気象警報・注意報、地震情報、避難情報、危機管理情報、テロなど、避難所開設情報について、登録の携帯電話に情報を配信するサービスです。 地震や水害などの災害による緊急時の連絡・安否確認 NTT の災害用伝言ダイヤル、171番、や県のホームページの災害用伝言板を利用して安否を確認することができます。 聴覚障害者向け災害時等情報提供ネットワーク 災害情報や地域情報を、登録のパソコンや携帯電話に情報配信する聴覚障害者向けのサービスです。 詳細は、埼玉聴覚障害者情報センターへ。 電話0488143351 ファックス0488143352