災害に備えて 高齢の人と障害のある人、そして地域の皆さんのために はじめに 先の阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、また、新潟・福島豪雨災害、福井県豪雨災害においても、被害者となった方の多くが障害者や高齢者などの災害時要援護者であり、避難情報伝達や避難支援に関する対応などが課題となりました。 そして、本県を含む首都圏においては、今後30年間のうちに、マグニチュード7クラスの地震が70%の確率で発生すると言われています。 このような過去の災害における教訓や、大規模地震の発生予測などを踏まえて、災害時要援護者の地震や風水害などの災害時における一層のきめ細かな支援体制を整備することが緊急に取り組むべき重要な課題となっています。 さらに本県は、今後全国で最も速いスピードで高齢化が進むことが予想され、65歳以上の人口の割合は、平成22年には21%を超えると見込まれています。 こうした状況に対応するため、本県では、平成11年に作成した「地震に備えて〜まちの皆さんと障害のある人のために〜」を、高齢者も対象に加え、風水害を含めた災害を想定したものへと改訂しました。 防災、救助対策については、身近な市町村や障害者団体等の役割が非常に大きいものとなっています。 ぜひ本書を参考にして、それぞれの地域の状況や障害の種別に応じた災害時要援護者のための防災マニュアルを作成していただき、災害時要援護者の支援対策への積極的な取組を期待いたします。 本書が、高齢の人と障害のある人自らがまず自分を守り、安全を確保するために必要な備えをすることができ、そして地域の皆さんが普段からこうした要援護者と関わり支えあっていくことができる地域づくりを進めることの手助けになれば幸いです。