新県立図書館基本構想検討専門家会議 会議の概要(第2回) 日時  :令和4年10月31日(月曜日)午後3時00分から午後5時00分 開催方法:埼玉会館5C会議室及びオンライン テーマ :新たな時代の埼玉県立図書館の機能 小テーマ1 資料・サービスの提供と県内全体の図書館振興  小テーマ2 対話・交流・創造の促進 参加者: 石川委員(座長)、三國委員(副座長)、湯浅委員、水田委員、山崎委員、奥田委員、井上委員 主な発言 (テキスト版補足:白まるひとつにつき、一人の委員の発言である。) 白まる 図書館サービスの手段や技術だけでなく、理念や目的もしっかり基本構想の中に入れてほしい。図書館が学びというものをどう保障していくか、生存権、学問の自由、集会・結社の自由、出版の自由などがあるが、基本的人権を複眼的な視点から保障する上で、「教育機関」としての図書館がどうあるべきかを押さえる必要がある。同時に、資料・情報を選択・収集、保存し、司書により付加価値を付与して県民へ提供するという図書館の基本となる概念も基盤になろう。  基本構想を検討する際の視点の一つとして、社会や情報環境の変化も踏まえつつも、「言葉」や「文字」意識することも必要なのではないか。 白まる 県立図書館はあくまで一般の利用に与する公共の図書館であって、最新の論文が読みたい研究者だけでないことを考えると、紙とデジタル両方の必要性が今後も続くのではないか。  県内市町村の状況は地域によって様々であり、図書館も同様である。それぞれの問題点は、自分たちでは気付きづらく、様々な事例を見た上で、県から問題点、改善点、アイデア、他の市町村の事例、県のノウハウなどを教えてもらうことで気付けることがある。 白まる 「資料」を考えたときに商業出版物か、非商業出版物か、また、紙か電子かということが論点になる。これからの新たな時代、ということを考えると電子資料に重きを置くべきである。  「サービス」を考えたとき、オンライン目録で利用者がキーワードを入力して発見するだけでなく、ディスカバリーサービス(統合検索)によって、主題に関する様々な情報(新聞記事、雑誌記事、辞書、学術雑誌、それぞれの領域の大学研究など)を見出せるようにしていくべき。 白まる 書籍や文献に限らない情報との接点は、今後ますます期待されるものとなるのではないか。例えば、今の若い世代は画像を使って検索するなど、必ずしも文字に限定して情報を摂取しているわけではない。図書館には図鑑や図録があるが、興味を持った事柄について深掘りしたいときに図書館を離れてしまう、また、離れないと深掘りできないというのは学びの機会の損失。  新しく得た知識をアウトプットし、探求する機会を図書館の中に置くことは、地続きである。情報のダイバース(多様)について議論することで新たなサービスや機能につながるのではないか。 白まる 市町村立図書館とは、協力・協働関係でありたい。フラットな関係を築けないと、市町村立図書館から課題や要望が出てきにくくなる。市町村立図書館の声を細かく聞き、市町村立の課題を一緒に考えていくという姿勢が必要であり、肉声で学び合う、課題を深掘りする関係性を築いていくことが重要である。 白まる 国立国会図書館は納本図書館・保存図書館であるため、現物の貸出しは限定的である。そういった点から、県立図書館においては県内で必要な資料をしっかりと揃えることが重要である。また、今後、外部の情報資源を含めたディスカバリーサービスは重要になってくると思われる。オープンアクセスも含めた多様な情報資源に対して適切に利用者を導いていくことが、今後図書館が広く目指す方向性になるのではないか。さらにデジタルアーカイブにおけるつなぎ役・ハブとしても、県立図書館の役割は重要になってくるだろう。  県民の創造的な活動を支援することにおいて、公民館や他の公共施設でもなく、県立の図書館であるということの意味を意識して構想を検討すべきである。 白まる 専門的な分野は大学図書館との連携で提供できる情報が充実する。予算が限られている中でも、資料を充実させるため連携できるところは連携するなど外部との関わりを考えていかなければならない。