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掲載日:2020年12月17日

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特定非営利活動法人自立生活センター遊TOピアによる「障害者週間記念イベント2020」

12月3日から9日は、障害者基本法に基づき「障害者週間」と定められています。12月5日(土曜日)、熊谷市で活動している特定非営利活動法人自立センター遊TOピアが「障害者週間記念イベント2020」をオンラインで開催しました。今回はその講演会の様子をお伝えします。

特定非営利活動法人自立生活センター遊TOピアとは

特定非営利活動法人自立生活センター遊TOピアは、障害の有無にかかわらず、自分らしく地域の中で共に学び、共に暮らせる社会を目指し、活動している法人です。平成6年に任意団体「自立生活センター遊TOピア」を設立し、平成14年からNPO法人として活動しています。

自立生活センター遊TOピアは本部、就労継続支援B型事業所、生活介護事業所、共同生活援助・短期入所事業所、指定居宅介護事業所で構成されています。

本部では障害のある人が「生きる力」を身につけられるように、自立生活相談、ピアカウンセリング、自立生活プログラム、介助派遣事業、外出サポート事業を行っています。例えば、自立生活プログラムでは公共交通機関の利用方法、買い物の仕方、健康管理・金銭管理、介助者との接し方、福祉制度の活用方法など、地域生活の中で必要な技術(ノウハウ)を、障害当事者の先輩がリーダーとなり伝え、トレーニングを行っているそうです。

また、これらの障害当事者の支援だけでなく、地域の人々に対する啓発事業を行っており、市民向けの車いす体験会や市内の小学校での講演会を実施しています。

自立生活センターとは

当法人の名前にもなっている「自立生活センター」とは、障害のある人もない人も分け隔てることなく、ともに学び・働き・暮らせるようにサポートや思いを社会へ働きかけて、自立生活を支援するところです。障害者自身がサービスの利用者から担い手に代わっていくことで、最も良い社会サービスを提供していくことを目指しています。(参照:自立生活センター遊TOピアHP全国自立生活センター協議会HP)

障害者週間記念イベント2020「障害のあるWみかちゃんの過去・今・未来~障害のある私たちの自立生活~」

12月5日(土曜日)、「障害者週間記念イベント2020 障害のあるWみかちゃんの過去・今・未来~障害のある私たちの自立生活~」が開催されました。このイベントは毎年12月の障害者週間に合わせて実施しており、障害当事者のゲストを招き、講演やライブ、映画上映などを行っています。今回は、神経筋疾患ネットワーク代表の見形(みかた)信子氏と、特定非営利活動法人自立生活センター遊TOピア副理事長の髙橋美香氏を講師として、オンライン講演会を行いました。(チラシはこちら(PDF:4,385KB)

講演は司会者の質問に対しそれぞれが答えるトークショー形式で行われ、お二人の子ども時代から現在、そして未来についてと多岐にわたるテーマでお話しいただきました。お話しいただいた内容を一部ご紹介します。

障害者週間記念イベントの様子

講師の見形信子さん(左)と髙橋美香さん(右)

子どもの頃・学生生活の思い出

--(見形さん)春日部市に生まれ、28歳まで病院で生活していた。(中学・高校は県立蓮田養護学校に通っており)文化祭実行委員をやったり、軽音部に所属するなど楽しい学生生活だった。

--(髙橋さん)小学校6年間は通常学級に通っていた。校舎はバリアフリーになっておらず、母がサポートをしてくれた。高学年になると、教室が3階になり移動が大変であったが、クラスの子が手伝ってくれた。修学旅行や林間学校にも参加し、夜中には友達と女子トークをするなど盛り上がったのを覚えている。中・高時代は県立熊谷養護学校に通った。中学校時代は生徒会に参加し、高校では障害者甲子園に参加したことが、一番の思い出。

※障害者甲子園とは…全国の障害のある高校生が兵庫県西宮市に行き、地元阪神の障害のない高校生と3泊4日寝起きを共にし、互いの間にある壁をぶち壊すことと、未来の障害者リーダーを育てることを目的に開催していました。期間中は観光をしたり、テーマに沿って意見交換を行い、話し合ったことをまとめ総理官邸へ提出しに行きました。(遊TOピアHPより引用)

自立のために取り組んだこと

--(見形さん)病院での生活のなかで、秋祭りなどの交流イベントを企画した。

--(髙橋さん)高校卒業後、立正大学のボランティアサークルの人と仲良くなり、一緒に遊ぶことも自立につながったと思う。また、自立生活センターにも関わっていた。

2人にとって自立生活センターとは?また、センターと出会ってなにか変化があったか

--(見形さん)センターは障害当事者がワークモデルになれる。障害者がリーダーシップをもち、様々な人のニーズにこたえる場所。また、話を聞いてもらえて、多くの人が頼れる場所であると思う。

--(髙橋さん)高校の時に参加した障害者甲子園をきっかけに、自立生活センターを知った。当時は同級生の健常者がルーズソックスやミニスカートを履いているのが羨ましく、ふつうの女の子になりたいと思っていた。しかし、障害のある人たちと出会い、「障害があってもやりたいことはやっていい。やりたいことをとことん楽しめばいい。」と思うようになった。

生活の中で切ってもきれない「介助者(ヘルパー)」との関係性について

--(見形さん)自立して20数年が経つが、その当時からヘルパーをお願いしている。ヘルパーとの関係性が友達のようになってしまうこともあり、難しい。ヘルパーの中には急にいなくなってしまう人もおり、ショックを受けたこともある。その一方で、体調が悪くても介助に来てくれた人もいたり、夜中にパフェが食べたくなり付き合ってもらった思い出もある。

--(髙橋さん)ヘルパーとの関係は「人対人」。様々な人がいるので、どううまくやっていくかが永遠の課題である。我慢することに慣れていたので、ヘルパーの方に「こんなことを言っていいのか。こんなことを言ったらどう思われるのか。」と考えていた。(障害のある)先輩方が介助者とどんな関係性を築いているのか、見ながら模索していった。介助者と日々お互いの想いを共有することで良い関係を築いていけるのではないかと思う。

コロナ禍での生活の変化

--(見形さん)コロナ禍でヘルパーとの距離感が難しくなった。感染のリスクを考えると近づくことが難しく、心の距離も遠くなっているように感じてしまう。また、オンラインでは画面を通して顔は見えるが、空気感がつかめないので不安。

--(髙橋さん)感染リスクを考えて生活するようになった。自粛でやりたいことを我慢するときもあるが、zoomを通じてつながることができるという新たな良い面もある。

自立を目指している人たちへ

--(見形さん)思った日が吉日。例えばコンサートに行きたいでもいいから、やりたいことをやることから自立が始まる。難しく考えずに、やっていくことが大事。これまで、諦めたことや諦めさせられたこともある。諦めないように、できることを模索することが大事だと思う。

--(髙橋さん)やりたいことは何でもやっていいと思う。「自立=一人暮らし」ではない。小さなこと、例えばメイクをしたいとかでもいいと思うので、ひとつひとつやっていけば良いのではないか。もし私たちにできることがあれば、声をかけてくれたら嬉しく思う。

この他にも、プライベートなことを含めたくさんのことをお話しいただきました。お二人の物事に対する前向きな姿勢が印象的で、「どんなことでもいいから、やりたいことはやってみる」という考えは共通しているように感じました。

障害者への理解を深めるために 

当法人の飯田代表は今回のイベントについて、「障害当事者の自立意欲向上や障害者への理解を深めることを目的に開催している。障害者の想い、暮らしを聞いていただければと思う。」とおっしゃっていました。今回の講演会を通して、自立生活センターとの出会いをきっかけとした障害に対する考え方の変化や、介助者とのエピソード、コロナ禍での生活の変化に対する葛藤など、普段はなかなか聞くことができない障害当事者のリアルな声を聴くことができました。また、お二人がおっしゃっていた「やりたいことは小さなことでもやってみる」ということは、障害の有無に関係なく大事であり、物事に対する向き合い方を改めて考えるきっかけになりました。

当法人では、一般の方に向けた啓発イベントを随時開催しています。興味をお持ちの方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

 関連リンク

自立生活センター遊TOピア(別ウィンドウで開きます)

お問い合わせ

企画財政部 北部地域振興センター  

郵便番号360-0031 埼玉県熊谷市末広三丁目9番1号 埼玉県熊谷地方庁舎1階

ファックス:048-524-0770

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