総合トップ > 県政情報・統計 > 県概要 > 組織案内 > 企画財政部 > 企画財政部の地域機関 > 北部地域振興センター > 県民生活 > キラリと光る!NPO法人の活動紹介 > NPO法人熊谷市ほたるを保護する会による「ほたる観賞案内所&ホタルガイド養成講座」
ここから本文です。
掲載日:2018年7月3日
特定非営利活動法人熊谷市ほたるを保護する会は、ゲンジボタルが自生している熊谷市江南地域を中心に、ホタルの生育環境の整備や保護活動などを、盛んに行われている法人です。昨年度、認定NPO法人となりました。
荒廃地の有効活用事業や環境教育などの啓発活動を普段から行われていますが、ホタルが飛び始める5月から6月にかけては、発生地近くに鑑賞案内所を設け、案内を実施しています。今回は、その鑑賞案内所の様子と、年数回、定期的に開催されているホタルガイド養成講座を取材させていただきました。
平成30年6月2日(日曜日)に、ホタル観賞に伺わせていただきました。この日は「江南ほたる祭り」が開催されていることもあり、非常に多くのかたが訪れていました。「ほたる観賞案内所」は、江南総合文化会館ピピア近くに設けられています。案内所ではホタルの生態紹介をしたり、手作りの「ほたる紙芝居」を上演したりして、子どもも興味を持って理解ができるようにしています。また、見どころスポットの案内や、ホタルを捕獲したり、ごみを捨てたりする人がいないよう、各所で見回りもしています。
ホタルが光り始めるのは、もちろん暗くなってからですが、6月ということもあり日が長く、20時近くまで待たなければなりません。少し早く来てしまった人は、鑑賞案内所でほたる紙芝居を楽しんだり、ピピア駐車場に設けられた模擬店をまわったりして、お祭りを楽しんでいました。
20時近くになると、あちこちで光り始めました。ホタルロードに一定間隔で立っている会員のかたの案内を、興味深々で受けている人も多くいます。ホタルは、雨が降り、地面が柔らかくないと成虫として外に出てこられないこと。2年、3年水の中ですごす個体もいること。成虫になると何も食べず、草についた水滴だけを飲んで過ごすこと…。目の前で飛び交うホタルを見ながら学ぶことができ、とても良い勉強になりました。
目の前まで飛んでくるホタルもいます。思わず手を伸ばして捕まえたくなりますが、絶対に捕まえてはいけません。貴重な自生しているホタルであり、寿命も2週間です。今後、この地でよりたくさんのホタルが自然発生するように、皆さんの手で大切にしていきましょう。
地域のかたがたの理解もあり、ホタルは増加傾向にあるそうです。今後も、より広い範囲でさらに多くのホタルが見られるよう、環境保全に取り組んでいきたいとお話されていました。
この講座は、会員のかただけではなく、広く一般のかたも参加することができます。取材させていただいた回は、「ホタルの環境保全と天然記念物」という内容で、天然記念物とはなんなのか、から始まり、ホタルの生息地が天然記念物として指定されることについて、というような講話までありました。
日本で天然記念物の保護について議論が始まったのは明治の終わり頃からで、この時代にはホタルは全国に当たり前に生息しており、保護の対象となることはまずなかったそうです。第二次大戦後、工業化が進むにつれ、様々な動植物が保護の対象になるようになり、ホタルについては現在11の生息地が天然記念物に指定されています。
しかし、保護の課題も多くあり、特に高齢化による保護団体の運営と継承の不安があげられます。行政や団体それぞれが個別に取り組むのではなく、地域の人々も含め、一丸となって取り組んでいく必要性を強調されていました。
この講座は、現時点で後二回予定されています。どの回もとても楽しめるものなので、ご参加されてみてはいかがでしょうか。
ホタルの保護活動に取り組んでいる「熊谷市ほたるを保護する会」ですが、今後は新たな運動を展開していくことを検討しています。それは「ホタルを買わない運動」で、買わなければ捕獲する人が減るという考え方です。
「地域の皆さまのご理解もあり、次第に生息数も増えてきた。今後もより増やしていきたいし、地域にとっての誇りとなるようにしたい」と話すのは、当会副理事長の小柴氏。保護のやり方にも信念があります。
「例えば一帯を立入禁止にすれば、保護をするのは簡単。そうではなく、「公開」してこのホタルを守っていきたい。そうすれば、より地域全体で保護をしていけるし、地域の「誇り」にも思っていただけるのでは」。
今後、熊谷市江南地域が全国的に、ホタルの里として有名となることを期待しています。
熊谷市ほたるを保護する会では、様々なイベントを実施しています。興味のある方は、是非法人ホームページをご覧ください。
電話:048-536-1168
HP: https://kumahotaru.jimdo.com/
Facebook: https://www.facebook.com/kumahotaru/
(別の形で記事をまとめてみました。ご覧ください)(PDF:796KB)PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください