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掲載日:2018年3月29日

ホップ・ステップ・チャレンジ《平成20年》

平成20年度版 働く障害者の応援レポート

障害者福祉・障害者雇用に関心のある方々にご協力いただき、障害者が働く企業を訪問して、障害者本人や企業の担当者にインタビューしていただいたものです。なお、【 】はインタビューを受けて頂いた従業員の方の障害種別、《 》は訪問企業の主たる事業内容です。

うきうきコバトン

巴協栄リネン株式会社川越工場の障害者雇用レポート

インタビューした日

平成21年2月20日金曜日

インタビューした方

巴協栄リネン株式会社川越工場長 大峽(おおば)さん、社員Aさん(知的障害者)

協力レポーター

坂本 法子さん(NPO法人職員・さいたま市)

三浦 雅光さん(NPO法人職員・さいたま市)

こんな仕事にチャレンジしています

ホテル等から回収されるリネン類をシーツ・布団カバー・浴衣等に選別する作業やクリーニングした後の浴衣を一枚一枚広げて積み重ねる作業など

企業概要

巴リネン(株) 川越工場 外観

  • 名称:巴協栄リネン株式会社川越工場
  • 所在地:埼玉県川越市的場2622番地
  • 設立:平成13年
  • 事業内容:リネンサプライ業
  • 従業員:82名
    (うち精神障害者1名、知的障害者1名含む)

レポートー内容

就業者へのインタビュー《坂本さん》

会社を訪問時、Aさんは工場で、ゆかたを広げる作業中。驚く程のスピードです。この工場はホテル・病院などのリネンの仕事をしています。洗いあがったゆかたをプレス機にかけて仕上げていきます。Aさんのゆかたを広げる仕事は、このプレス機にスムーズにかけるための前工程として、とても重要な作業です。その手早さにはリズムが感じられました。

Aさんは、この会社ではまだ1年生ですが、他のクリーニング工場で22年の勤務実績があり、その経験が大いに役立っているようです。

就労の様子

Aさんが、仕事で心がけていることは「時間に遅れないように」「周りの人の指示に従って作業をする」こと。周りの人が優しくしてくれるので続けてこられたというAさんです。そんなAさんの唯一の悩みは「寒いと手が荒れること」という女性らしいものでした。

Aさんの趣味は2つあります。一つ目は、鳥を見る事。自宅で、インコを4羽飼っている事、近くの水上公園で、鳥を見るのが楽しみとニコニコして話してくれました。二つ目の趣味はカラオケ。「スピッツ」の歌がお得意だとか。その明るさと素直さで、Aさんは、今ではいなくては困る存在になっています。

また、訪問時、お休みの日でお会いできませんでしたが、Bさんも働く仲間の一人です。Bさんは精神障害を持ち、働く時間に制限のある方です。Bさんは週3日、8時半から12時までという恵まれた条件の下に働いています。ハローワークで求人を知り、問い合わせの電話をかけてきました。実労働できる日数と時間の短さに、一旦は断ったものの、それにもめげず何度も電話してくる熱意に打たれた工場長は、採用を決めました。

企業の担当者(大峽(おおば)工場長)へのインタビュー《三浦さん》

大峽工場長が、障害者に働いてもらうために最も努力している事は、他の従業員さんに理解を求めること。月曜日の昼礼で、納得してもらえるまで何度も話し合いをしました。そして働く一人として、健常者と障害者の区別なく同等に向き合う事だと言います。また、大峽さんは「障害を持っていても、それに対して甘えない事」だと言い切ります。一見、辛口にも聞こえますが、ご自身の妹さんが聴覚障害を抱えながらも仕事を持ち、結婚・出産・子育て、家まで建ててしまう逞しさを、家族として目の当たりに見てきて「夢をあきらめないで、可能性を信じる事」を知っているからのようでした。

障がい者が働きたいと思ったとき、越えられない壁の一つに「時間」があります。週5日、1日8時間。週何日間だけ、もしくは短時間だけ働きたいと思っている人を何人も知っています。この壁を、今どきの言葉で言うなら「ワークシェアリング」という形で乗り越えさせてくれたのがこの会社でした。

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不二工業(株)の障害者雇用レポートポート

>インタビューした日

平成21年2月17日火曜日

インタビューした方

不二工業株式会社 代表取締役社長 入野さん

社長の奥様、社員Kさん・Tさん(知的障害者)

協力レポーター

石川 智子さん(元教師・三郷市)

金井 由里さん(会社員・川口市)

こんな仕事にチャレンジしています

  • 鋳型づくり(クレーン作業の補助及び砂による鋳型製造作業など)
  • バリ取り(鋳物の表面に付着している鋳物砂、バリを落とす作業)
  • 廃発泡スチロールの減容処理業務

企業概要

不二工業(株)建物外観

  • 企業名:不二工業株式会社
  • 所在地:埼玉県川口市領家4丁目1番8号
  • 創業:昭和12年
  • 事業内容:工作機械・産業機械・風水力ポンプ・船舶内燃機関などの鋳造品製造、廃発泡スチロール処理業務など
  • 従業員:32名
    (うち知的障害のある従業員数3名)

レポートー内容

就業者(Tさん・Kさん)へのインタビュー《石川さん》

不二工業(株)では従業員32人のうち知的障害者3人が(男性)が就労しています。正規雇用として働いていましたが高齢のため、現在は残業手当付き・社宅付の非正規雇用となっています。勤続50年以上です。

普段は、3人とも健常者と共に働いていますが、1人入院中のため、2人について入野社長と奥様から伺いました。本人達も参加し、テーブルを囲んで向き合い、社長や奥様が2人に尋ねたり、確認したりして、人懐っこい笑いや日常のあるがままの人間関係を垣間見ながら行われました。

《三人のプロフイール》

昭和30年代、先々代(初代)の妻(現社長は「先々代のおばあちゃん」と言われる)がある人の仲介で2人(KさんとTさん)を紹介され、その時以来、2人は寮生活をしながら、継続して就労しています。その後、もう一人(Hさん・3男)が入社し、現在に至る。この3人は実の兄弟で、6人兄弟の次男・3男・4男です。

当時の生存者もいないし、どんなやり取りがあったのかは分かりませんが、伝えられていることは、「先々代のおばあちゃんの言葉」を引き継いでいくしかないことで、4代目現社長もずっと引き継がれ、ごく当たり前のように遵守しておられます。入野家の口伝による家訓でしょうか?

【先々代のおばあちゃんの言葉】

  • 「一生、2人の面倒はみる」
  • 「葬式、墓も入野家でみる」

3人は「働くのが大好き」。時計が読めないため、休みの日でも太陽が昇ると作業場に来て仕事を待っています。そんな姿を何度も見るにつけ、歴代の社長達が何も趣味のない3人の「仕事を奪っても・・・」、「具合を悪くしても心配なので・・・」と配慮された結果、『社宅・残業手当付きの終身雇用として働いて貰っています』と話されました。昭和30年代のその時から、他人でありながら、家族同様に丸ごと受け容れられ、社長宅2階に寮生活者として働いています。初代から2代目、3代目、4代目の現在まで「変わらぬ雇用」が当たり前のこととして脈々と引き継がれています。

【現社長の姿勢・方針】

  • 「なかま」として区別・差別しない
    • 意地悪はなし
    • ダメはダメ、ありがとうは当たり前のこととして繰り返す
  • できることをやらせれば良い
    • 頼まれると喜んで一生懸やるし、責任感はある
  • 地域貢献・社会貢献したい

常に、終始、この姿勢が一貫して、社長や奥様、一族に随所に貫かれていてぶれない。会話の中でもこの言葉が繰返され、小さい規模だからこそできる『雇用の充実さ』とも感じました。大中規模でもトップの「やる気一つ」かと思われますが・・。

相互に目に見えぬ努力や忍耐もあったことと思われますが、前に座っている2人の笑顔や仕草が自然で、優しく、人懐っこい。身なりもきちんとして温厚で真面目な安定感を感じます。体躯も足腰もしっかりしており、肌のつやも良く、髪の量も多く、かなり若く見えます。3人は社長をはじめ、周囲から「Tちゃん」、「Kちゃん」、「Hちゃん」と愛称で呼ばれており、家族の一員のような信頼関係と親しみを感じました。

最近になって、奥様が「将来に向けて心配で青年後見人制度について役所に相談に行き、申請中、返事待ち」とのことだった。役所から「困った時のために役所があるのですよ」と力づけられたとも・・・。奥様がほっとした大安堵の表情を見せられました。現在、3人は本家や他の兄弟との交流関係はないのですが、墓参りには行かれたそうです。

就労の様子1

《仕事の内容》

2人は健康で鋳物工場の仕事に自信もあり、働くのがとても好きだそうです。帽子をかぶり、数分で作業着(上・下)に着替えて、社長と一緒に私達を工場に誘導してくれました。2人の普段の仕事は、天井も高く広い工場内でクレーンで大きな鋳型を下ろす補助や鋳型を運んだ後の作業場所の清掃や鋳物の表面に付着している鋳物砂やバリを落としたり、廃発砲スチロールのリサイクルなどの作業をしています。

就労の様子2

2人は周囲から認められ、信頼され、与えられた仕事をいつものように自信をもって自分らしくこなしているという風でした。何より安心しきっていられる居場所に見えます。工場ではベイゴマや文鎮のような小さい物から、2~5メートルの大きな船の内燃機関などの鋳物製品を製造していて、見るからに男の仕事場です。砂を使うため、砂埃が立つので、防塵マスクをしている人もいます。

《周囲との折り合い》

  • 入社以来、2人は社内でのトラブルは皆無に近いとのこと。
  • 寮生活のトラブルはなし。Tさんが兄の自覚をもってKさん、Hさんと仲良くやっているそうだ。仕事中のトラブルも皆無に近いとのこと。
  • 地域の人たちも3人のことを良く解っており、何も心配はなし。
  • Kさんは、たまに頑固な時、社長に「こちん!」とされるとすぐ納得するそうだ。
    *2代目社長は地域のお世話係の町会長を10年間おやりになっていたとのことである。
  • 3人1チームで仕事をするが、時には若い社員や不慣れな社員に作業の見本をやって見せたりすることもある。先輩というよりも、最も古い最高齢の社員として心得ているようだとのこと。間違えた時はチームで教え合うことになっており、文字が読めないことも含めて、何事もチーム(メンバー)の責任となっている。

《まとめ》

知的障害という特性と3人の性格・能力を客観的にあらゆる方向から判断され、3人にとって適切で心のこもった誠実な対応の繰り返しが、随所に伝わってきました。ぶれないだけでなく、ずれていない。知的障害すら感じさせない2人の働きぶりや周囲との折り合いの良さなどは「人」として最高の共生レベルではないでしょうか。しかも、日々の繰り返しで当たり前に循環しています。・・・当たり前ほどすごいことはない!

「知的障害」を「調和と継続の力」に転換なさしめたのは一体、何だったのでしょうか。
社長が繰返される3人についての言葉と同様、私達も『何も困ることはない、トラブルはなし、完全に溶け込んでいつもいる人、いてくれて助かる人(最高齢者だけでなく一族の知らないことの生き字引)』・・・そんな印象を受けました。

まさに「人」は誠実・適切に関わってくれる「人」の中で成長し、役割を果たすことができるという「証」といえる事例と思いました。

室内の柔らかく軽い空気と2人の穏やかで温厚な表情、社長の温かい眼差しなどが心地良かっただけでなく、2人の存在感に圧倒されたのも事実です。

《感想》

特筆しなくてはならないことは、この事例が、

  1. 全く無名の一民間人の「人」に対する熱い、広い心で始まり、支えられて繋がっているということ
  2. 郷土の鋳物工業の一事業所で実践され続けている

という2点です。

昭和30年代、巷では、吉永小百合の「キューポラのある町」の「寒い朝」が流れていました。法律やハローワークが云々という今とは全く違った時代でした。盲・聾・養護分野でも身体障害・知的障害・精神障害などと別れ、知的障害は、身体障害に比べ、雇用とは最も縁の遠い立場にあった障害でした。それを丸抱えされた先々代のおばあちゃん。

「先々代のおばあちゃん」に丸抱えされることにより、3人は持っている力を存分に発揮でき、自分らしい、安心できる居場所作りが、職場や寮生活、地域でも出来ていることです。何より驚くのは、人並み以上の50年以上の勤続年数とその内容がこの雇用の成功を示していると思います。それには、2人の性格の良さも大きいと感じました。つまり、「先々代のおばあちゃんの言葉」が、雇用の根本にあることに気付かされます。まず、「人」として受け容れられることが大前提であり、これを満たしておられます。ハンディを抱える人間にこれほど嬉しいことはありません。更に、中途半端でなく責任を貫徹するという強い意志を「墓も葬式もうちで出す」という言葉で『人』として最後まで見守るという『宣言』に圧倒されてしまいます。

ハンディがある場合は、特にこのポイントを曖昧にされたり、外されたりすると、必ずやそこでは居場所作りができず、地獄と化し、本人の責任ではない「失業」を繰返すことになるでしょう。果ては就労、日常生活なども不可能という現状も多いのではないでしょうか。

社長の方針は「おばあちゃんの言葉」を受けて、その深い、熱い心を汲み取り、実践、継承されたもので、知的障害(すべての障害者)の3人には適切だったように思われるばかりか、この一貫性あっての今があると気付かされます。3人に対して大らかに、それぞれの特性を踏まえて細やかに誠実な「心配り」が継続して行われています。『人』に関わる仕事の『要』ではないでしょうか。『人』が『人』らしくあるために満たされなくてはならないこと・・・

  1. 愛されたい
  2. ほめられたい
  3. 認められたい
  4. 信じられたい
  5. 人のお役に立ちたい
  6. 自由でありたい・・・

『人間の本心の願い』を満たされていることが良く伝わってきます。広い視野での「人づくり」の根本を熱く直視し、包容されている眼差しを無視することはできません。

社長は一般求人の面接では第一に「礼」を重んじられることや大らかでプラス思考、明るく、逞しいお人柄のように感じました。双方が良いものを出しあっているせいか、室内の空気が柔らかく、軽い感じで流れていて心地よかったです。「おばあちゃんの言葉」を丸ごと受け継いで実践され、ぶれない社長や奥様、一族の真摯な熱い思いに圧倒され、忘れかけていた「日本」の雇用の原型を見せられたような気持ちになりました。振り返ると中心に静かに大きな花が咲いている。熱い、真摯な想いの人たちに囲まれて咲いた尊い大輪の美しい花・・・。

障害を抱えながらも、4人の社長に仕え、自分達の良い所を素直に表現し続けて会社や社長らの役に立ち、喜ばれて、とうとう会社の最高齢者、50年以上の最高勤続年齢の人となりました。とてつもないこの記録は終身雇用なので、今後ますます更新され続けていくでしょう。このこととはおかまいなしに「ただ、ただ働きたい」という幼な子のような無心さがどこまでも尊く、大きな存在として、不動の「人」として、とても眩しく、厳かに映りました。その思いを真っ直ぐに受け止められる社長一族の「まごころ」も光ります。地上に生まれてきた「人」そのものの役割を教えられた衝撃がありました。故糸賀一雄先生のコトバが脳裏の奥で鳴り響きます。『この子らを世の光に』と。

その直後、“この花は不二工業(株)の核となってきたのかもしれない・・・。”
ふっと静かにそんな思いがよぎりました。と同時に「子育てや人づくりは壮大な芸術作品を創作するのと同じこと、一大事業です」と学んだことも思い出しました。

小規模だからこそできる雇用という面もありますが、この事例は障害者雇用のみならず「雇用の原点」ともいえるような気がしました。雇用における障害者と経営者の関わりがとても明確に理解できる事例のように思いました。

入野社長や奥様をはじめ、不二工業株式会社の皆様、Tさん、Kさん、Hさん、日本の障害者雇用の成功の一事例を示してくださって、心からお礼申し上げます。ありがとうございました。

企業の担当者(入野社長と奥様)へのインタビュー《金井さん》

川口といえば鋳物。不二工業株式会社はダム・水門のポンプや工作機械、船のエンジンなどの難しい技術を必要とする鋳物を製造している会社です。ここでは、60歳~70歳台の知的障害のある3名の社員が、ほかの年若い社員に頼りにされながら50年以上も勤めておられました。それも、知的障害者には苦手とされている、多品種少量生産の会社にです。

現在の社長の先々代のおばあちゃんが引き受けたという3名の社員。もう、そのときの経緯を知る人は、本人以外にいません。当初、どのように仕事に慣れたかはもう分かりませんが、知的障害のある社員がシニアになっても働き続け会社に貢献しているという、日本でも数少ない貴重な例だと思いました。

50年以上も雇用を続けることができた、その秘訣はなんでしょうか。

会社の皆さんは、「障害者雇用をやっている」という感覚はありません。「仲間だし、障害があるからといって区別はしたことがない」という会社の姿勢が、その秘訣ではないかと感じました。

社長さんは、「この会社は、鋳物の中でも難しいものを作っているので、人を育てることが重要だと考えている」とおっしゃっていました。また、3人の障害者の方には、得意なことを認め、できないことはチームを組んでフォローする体制を組んでいます。

この「人を育てる」「その人の適性を見る」という、不二工業株式会社の基本的な姿勢があるからこそ、障害のある社員も長年勤めることができたのでしょう。

工場も見学させていただきましたが、新しいことにもどんどんチャレンジする姿が、一般の企業として非常に魅力的な会社でもありました。

社長さんの言葉が身にしみました。

「今は、『障害者雇用』ということで、あえて障害者を区別しているから、みなさんが萎縮してしまうのではないでしょうか。」

将来、障害がある・なしに関係なく、普通に雇用が進むようになってほしい、不二工業株式会社の社員の皆さんたちのように、仲間として分け隔てなく働けるような世の中にしたいと、強く感じた取材でした。

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株式会社ウィングルの障害者雇用レポート

インタビューした日

平成20年12月1日月曜日

インタビューした方

さいたまオペレーションセンター長 押切さん

株式会社ウイングル契約企業社員Aさん(精神障害者)

協力レポーター

佐久間 幸己さん(会社員・桶川市) 平沼 よ(にんべんに予)志子さん(主婦・さいたま市)

こんな仕事にチャレンジしています

(株)ウイングルオフィス

パソコンを使ったデータ入力、チェック作業など

企業概要

  • 名称:株式会社ウイングルさいたまオペレーションセンター
  • 所在地:さいたま市桜区上大久保519
    大久保合同庁舎1号館
  • 創業:平成19年
  • 事業内容:障害者雇用促進事業
    (企業にサテライトオフイスでの障害者雇用を提案し、契約企業と雇用関係を結んだ障害者の勤務をサポートする)
    求人サイト事業、人材紹介事業など
  • 従業員:6名
  • サテライトオフイス(さいたまオペレーションセンター)で勤務している障害者:身体障害者9名、精神障害者6名

レポートー内容《佐久間さん・平沼さん》

銀杏の葉が黄落する初冬の一日、(株)ウイングルさいたまオペレーションセンターを訪れました。

北浦和駅からバスで10分、大久保合同庁舎1号館のなかにあります。隣接した敷地には、去年開校された、さいたま桜高等学園(養護学校)があります。

本社は宮城県仙台市にあり、他に沖縄にもオペレーションセンターがあります。

(株)ウイングルは、これから障害者雇用に取り組もうとする多くの企業が感じる「求職者に対する知識の欠如、手続き的な煩雑さ、特に東京都心部における求職者の払底感、業務創出の困難さ」などに対して、「ノウハウの提供、地方で求人が不足している状態、通勤に困難を感じる求職者の存在、在宅就労の課題など」の解決策として、都心部の会社に「サテライトオフィスの提供、人材の採用、雇用後の従業員サポートなど」をパッケージとして提案し、雇用を創出することをビジネス・スキームとしています。企業の担当者(押切センター長)へのインタビュー《平沼さん》

障害者雇用の背景には、企業、国、地方公共団体が一定数の障害者を雇用しなければならない義務と一方で障害者も働きたい、収入を得たいが雇用してくれる所が見つからないとの実態があります。
言い換えると、企業が障害者雇用に取り組もうとする際の障害者に対する知識のなさや地域的な問題、雇用する側と障害者とのマッチングの問題でもあります。
(株)ウイングルは、契約企業の代行をして、サテライトオフィス(さいたまオペレーションセンター内)での障害害の就労の管理、勤務のサポートをしています。そのサテライトオフィスでの雇用数及び就労移行支援事業、就労継続支援事業A型の利用者は、会社全体で延べ130人にも上るそうです。

当日は若いセンター長の押切さんにお話を伺いました。

(株)ウイングルの立ち上げの経緯について教えてください。
社長の佐藤崇弘さんは、大学在学中に障害者通所施設を開設し、2004年公募で元長野県知事の田中康夫さんの元で福祉課福祉主幹(課長級)に採用された経歴があります。「障害者雇用は、障害者・企業共にメリットがあるので地道に結びつけたい。」との視点に立って会社を立ち上げたとのことです。

(株)ウイングルはどのような仕事をしてますか?

次のような仕事をしています。

  1. 障害者雇用促進事業
  2. アウトソーシング事業
  3. 求人サイト事業
  4. 人材紹介事業
  5. 福祉政策支援事業
  6. 上記各号に付帯する一切の業務

では、当日、見学させてもいました、さいたまオペレーションセンターをご紹介したいと思います。

さいたまオペレーションセンターでは、主に、サテライトオフイスとしての「場所」、障害者雇用の「ノウハウ」、サテライトオフイスで勤務している障害者をサポートする「人」を提供しています。

4つの企業ブース(サテライトオフイス)では、企業から請け負ったパソコン関係の仕事を、それぞれ9名の身体障害者と6名の精神障害者がスタッフと共に仕事をしています。企業の担当者も月に1、2度来て打ち合わせをし、企業のニーズを伝えたり雇用している障害者の様子を見に来るそうです。

和気あいあいとして働きやすそうな雰囲気でした。

また、別のフロアーでは、約16名ほどの障害者が(主に精神障害者)が一人一台ずつのパソコンに向かって職業訓練をしています。常時5、6名のサポーターが居て、判らないことを聞くことができます。ここでスキルを身につけて企業に紹介されるのを待ちつつ、委託業務(データの入力やホームページの管理等)をしています。これは、(株)ウイングルヒューマンサポートの名称で就労継続支援事業・A型事業に取り組んでいるものです。

実際に仕事をされている方と話す中で、自分の障害を受け入れることや障害があることにより困ることを支えてくれる人がいる企業を選ぶことの大切さを実感しました。また、「自分の障害を軽く見られていることを感じると、この人は障害の何が分かるのかと思う」という意見もあり、思い込みや一般論で考えてたり話すことが相手を傷つけることがあることを学びました。

レポーター感想

IT社会の広がりの恩恵を受け、何かとハンディーの多い障害者の働ける場所が広く出来ることは多くの恵みだと思います。

企業が社会的責任を果たし障害者が自立を果たせれば、とても大きなプレゼンスでありプレゼントですよね。業務の仕組みは難しかったですが、明るい気持ちで帰りのバスに乗り込みました。

就業者へのインタビュー《佐久間さん》

見学させていただいた会社からAさん(男性・統合失調症)がインタビューに応じてくれました。

Aさん:大学でアメリカンフットボールをやっていた体格の良いAさんが発症したのは、旅行中だったそうです。大学を中退して入院も経験し、症状が安定してから作業所に通う内に、就労意欲も湧き現在の会社に勤務することになりました。

仕事の内容は?

インターネット上のコンテンツに掲載されたバナー広告等が、クライアントの契約条件と合っているかチェックするのが主な仕事です。

就労の様子

仕事に就くきっかけは?

作業所の就労支援担当者の勧めで(株)ウイングルを知り、この会社に応募し入社しました。

入社してどの位になりますか?

昨年11月に入社しましたが、途中二カ月休養したので1年になりません。

勤務条件は?

11時から15時まで勤務し、昼休みは1時間です。入社当初から有給休暇もあり、私にとって働きやすい会社です。

仕事に就いて良かったこと?

この会社と(株)ウイングルは良いですよ。2ヶ月休んでも戻ってこられた(1番うれしかった)。障害を持った人にお薦めです。
「チームの一員だから戻ってきて」と待っていてくれました。
もちろんですが、給料を貰うのは励みになります。

仕事でつらいことは?

二人で共同して一つのことをするのが苦手です。この会社では一人で出来る仕事を担当しています。3人以上だったら気持ちが楽なので大丈夫です。

仕事をする上で気をつけていることは?

皆で良い雰囲気で仕事が出来るよう考えています。積極的に話題提供などをするようにしています。

これから仕事に就きたい人にアドバイスは?
先ず、自分の病気を認めること。それは、自分の掛かりつけの医師を信用することから始まります。「つまり医師を信用しないと薬の効果も信用できなくなるからです」

会社を選ぶ上で大事にしたことは?

「勤務時間が自分に合っていること」「わきあいあいな雰囲気があること」「支援するスタッフが常駐して面倒をみてもらえる」「個性を尊重してくれる」「自分が必要なことや役割を認めてもらえ、あなたの代わりはいないと言ってくれるような」私にとって環境の良い会社を希望しました。

レポーター感想

趣味は、「漫画を読むことでしょうか」と麻生総理のような回答でした。特にお薦めの1冊はとの質問には「サンクチュアリ(全8巻、池上遼一 作画」を上げてくれました。給料を貰って、コミックをまとめ買いできるようになったのは嬉しいものですと明るく語ってくれたAさんは、職場でもこんな話題を提供してくれるのでしょう。
チームプレイを大事にしたいというのは、アメリカンフットボールをやっていた経験が活かされているのではと感じました。

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株式会社有村紙工の障害者雇レポート

インタビューした日

平成20年11月28日金曜日

インタビューした方

代表取締役 有村さん、社員Aさん・Bさん・Cさん

協力レポーター

田中沙知さん(大学院・横浜市)

こんな仕事にチャレンジしています

  • プリンタスロッタ(シート状のダンボールを指定の形状に裁断し、指定の文字、ロゴ等を印刷する機械)の管理
  • 機械へのダンボールのセットや結束作業など

企業概要

(株)有村紙工 外観

  • 名称:株式会社有村紙工
  • 所在地:入間郡三芳町上富844-2
  • 創業:1969年(昭和44年)3月
  • 事業内容:段ボール箱製造・販売
  • 従業員:28名
    (うち知的障害のある従業員数3名)

レポートー内容

企業の担当者(有村社長)へのインタビユー

今回、お話をしていただいた有村社長はとても気さくで温かい、エネルギーにあふれた方でした。有村社長の言葉はどれもこれも心に響くものばかりです。

「会社に来るか来ないか。働くことで居場所が出来る。」

(株)有村紙工 社長

「法的制度ではなく、困っている人に手を差し伸べるかどうか、自分の子供だったらどうするのかを考えればいい。」

「障害者を特別な存在にしないこと。できないことはできる人が手伝えばいい。」

「自立する意思があるかどうかが大事。継続することが自立につながり、自立は自由へとつながる。」

「社員に給料を払う前に、障害者にも飯を食わせてもらっていることを感謝する。ポイントがはまれば会社の武器になる。」

「最低賃金を値切るような申し出をするな、最低でもそれだけは払え!」

「商品欠陥は出荷前に作り直せばいい。だけど人間関係は取り返しがつかないこともある。お互いに言いたいことが言えるすき間があることが大事。」

障害のある人もない人も,違いは無いんだという強い想いが伝わってきました。障害がある人には、これをしてあげなくてはいけない、あれをしてあげなくてはいけない…そんな難しいことは考えなくてもいい。シンプルに相手を大事に考えるだけでいいのだということを教えていただきました。

就業者へのインタビュー

就労の様子

知的障害のある方3名に話をお聞きしました。皆さん勤続6~16年のベテランです。

中でも一番ベテランの方は、プリンタースロッタ(ダンボール箱の印刷と裁断を同時に行う機械)」の扱いを任されていて、社長も「あいつがいなくなったら痛手だなー。」ともらされるくらいの働きぶり。とってもシャイな方でしたが、「自分なんて全然だよー。でも遅いときは11時くらいまで残るかな。お昼ごはんはみんなで食べるし、楽しいよ。」と忙しそうな中,笑顔でお話をしてくださいました。

3名とも、話をしている時も手を動かしていたいという感じで、自分の仕事をきちんとやろうという気持ちに満ち溢れていました。真剣な表情に、こちらも身が引き締まる思いでした。

インタビューを終えて

「人間の究極の幸せは、1.人に愛されること 2.人に褒められること 3.人の役に立つこと 4.人に必要とされること」というお話を、今回のインタビューを機にお聞きしました。この4つの幸せは働いてこそ得られるものです。

だから、障害のある方も当たり前に働くべきだと思います。当たり前に働くためには、働くための当たり前のルールを守ることが必要です。

それは、「1.自分のことは自分でする(食事・排泄等) 2.一生懸命仕事をする 3.簡単でもいいから意思表示をする 4.周りに迷惑をかけない」ということでした。

本人の「働きたい」という意思がルールを守るために必要で、雇用する側はその意思を育てられているということを、今回、有村社長や実際に働かれている方に、お話を聞いて強く感じました。

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田口物産株式会社の障害者雇用レポート

インタビューした日インタビューした日

平成20年10月31日金曜日

インタビューした方

代表取締役 田口さん

協力レポーター

厚見和徳さん(パート社員・桶川市) 鈴木京子さん(本人会世話人・三郷市)

こんな仕事にチャレンジしています

  • 達磨製造工程でのボディづくり
  • 完成品への塗装
  • 箱詰め作業など

企業概要

田口物産(株)外観

  • 名称:田口物産株式会社
  • 所在地:さいたま市岩槻区大字末田2004
  • 創業:大正15年
  • 事業内容:達磨および達磨生地製造
  • 従業員:25名(うち知的障害者9名)

レポートー内容

企業の担当者(代表取締役 田口さん)へのインタビュー《厚見さん》

お忙しいなか、田口社長から直接お話しをうかがいました。

以前は、手作りの達磨製造でしたが、機械化の導入により生産効率を上げることが必須となり、その過程において、それまで内職をお願いしていた越谷の職業センターから、障害のある方を雇用したことがきっかけとなり、現在に至っているとのことでした。

現在、働いている障害を持った方は、皆10年以上の勤続ということで、定着率の高さには驚きました。

雇用する上では、いろいろなご苦労があるようですが、一緒に働くパートさんに障害の特性を理解してもらうということで紆余曲折を経ながら現在の形になってるとのことでした。

また、もっと障害者を雇用できるような各種助成制度の情報がたくさん入るようになれば、他の企業の経営者の取組も一層前向きになるのではと田口社長はおっしゃっておりました。

この一言は、非常に希望のあるお言葉だと私個人は感じました。

レポーター感想

まず、私は、会社が地道に障害者雇用に取り組んでいる姿勢がすごく大きく感じられました。田口社長の「自分の子であると思えば大抵のことはできる」、働く同僚の皆さんに、障害の特性を理解して、教育していくのも重要ですが、本人に対しても肉親であるように厳しく接することは大切なんだど感じました。

お給料を現金で渡すという行為一つを見ても、本人たちへのモチベーションを維持するためには、そうだなと個人的には思いました。

また、本人を取り囲む保護者など家族の方との連携が重要であることも大きいと思います。ノートを使っての連絡、お弁当を作って明るく送り出してほしいとの社長のお言葉は的を得ており、なるほどと思いました。

これは、ちょっと話がそれてしまうのですが、福祉の充実と障害者の自立ということが難しい問題として浮かび上がっている状況が個人的には深く考えさせられました。

就業者へのインタビュー《鈴木さん》

突然の訪問とインタビューに驚いている様子でしたが、気持ちよく答えてくれました。

就労の様子

働いているYさんへのインタビュー(43歳 男性)
「型出ししています。難しいです。」
「9時から5時まで勤めています。」
「家へ帰って、夕飯を食べ、かたづけて、そうじします。」
「4人家族です。給料は食事などにつかいます。」

働いているMさんへのインタビュー(50歳 女性)
「底づくりをしています。難しいです。」
「いろいろ勤めていましたが、病気などして続かなかった。」
「休みは歯医者や、越谷の福祉会館へ行きます。」
「給料は家へ入れます。服とか買います。」
「動物のTv番組を見るのが好きです。」

障害のため、言葉のない方、特徴のある動きをする方など、決して障害が軽いとは思えない(手帳はAの人がほとんどでBが2~3人)のですが、皆さんきちんと働いていました。

レポーター感想

広い工場で皆さん黙々と作業していました。よく、楽しくて明るい職場などと言われますが、仕事とは、自分の任された作業を責任もって完結することだと改めて確認しました。
皆さん、しっかりきちんと働いていました。
社長さんの「自分の子供と思えば苦にならない」、「きちんと働くことを教える」という言葉に心をうたれました。
障害の特徴を理解し、環境などを整備する事で、雇用の枠が広がる事は間違いないと思われました。

そのために、家庭では子供が社会人として働ける様に健康に気をつけ、学校では職業人として社会で生活できる様な態度を身につけて、送り出して欲しいと思います。

また、これからは、継続して勤務できるようなサポート体制や離職、転職、再就職になった時の受け皿や支援体制などの整備が重要であると思いました。

障害のある人達がより多く働く事で企業の労働力としての役割を果たし、企業や社会の障害者に対する偏見や誤解が減少していくのではないでしょうか。

田口物産株式会社は、だるまの完成品を製造している会社です。だるまのボディについては、国内の45%近くを生産しています。

知的障害のある人は、だるまを張子状に作る型出し、底付け、下塗り、箱詰め作業などの現場に2~3人ずつに分れて他の作業員と一緒に働いています。

先代の社長の時より、機械化を進め誰にでも作業ができる様になりました。

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株式会社ニッシン自動車工業障害者雇用レポート

 

平成20年10月16日木曜日

インタビューした方

営業・企画サービス課長 市田さん・社員Tさん

協力レポーター

仙元 仁美さん(主婦・草加市) 中塚さん(主婦・深谷市)

こんな仕事にチャレンジしています

  • 身障者用自動車運転補助装置の設計・製造・組立
  • 経理業務など

企業概要

(株)ニッシン自動車工業

  • 名称:株式会社ニッシン自動車工業
  • 所在地:(本社)埼玉県北埼玉郡大利根町豊野台1-563-12
  • 創業:昭和59年6月
  • 事業内容:身障者用自動車運転補助装置製造・
    取付・販売、車いす用昇降リフト等の
    製造販売、福祉車両のレンタル
  • 従業員:39名(うち障害者数:身体障害者17名)
  • その他:北海道から沖縄まで国内7箇所に代理店設置
    韓国・台湾・タイの海外3箇所に代理店設置

レポートー内容《仙元さん・中塚さん》

今回の訪問は、障害のある方を積極的に雇用されている「株式会社ニッシン自動車工業」本社にお邪魔しました。場所は、東武日光線「栗橋駅」から車で約10分の所にあります。ピンクのコスモスや白いそばの花などが見事に咲く、のどかな田園風景の中を少し車で走るとテクノタウンという工業団地が続きます。その中に会社はありました。工場の前には、様々な車種のたくさんの車が並んでいました。

(株)ニッシン自動車工業は、身体に障害を持った方が車を運転できるように、いろいろな身体障害者用運転補助装置の開発と製造を行っています。運転補助装置は、個々の障害特性に対応するために創意工夫されたオーダーメードの製品です。

障害の部位や不自由さは、人それぞれ違いますので、お客様とよく話し合い、お客様の状態にあった運転補助装置を付けます。車のハンドルを回しやすくするために付ける旋回ノブひとつとっても、いろいろな形があります。

四肢(両手・両足)のうち2つの機能が使用出来れば、運転することは可能であるそうです。見学をしていく中で、運転補助装置の実に細かく計算された部品の数々と機能的な取り付け方法に感心しました。

また、毎年販売される、ほとんどのメーカーの新車にも対応されているとのことで、きめ細かな利用者側の立場に立った企業だと思いました。

大幅な改造だったら、値段も高くなりますが、手動補助装置だけだったら16~27万円位で取り付けることができるとのことでした。

企業の担当者(営業・企画サービス課長 市田さん)へのインタビュー《中塚さん》

従業員数39名のうち、障害を持った方は17名です。全員、身体が不自由な方で車椅子の方が15名で、生まれつきの方は2名です。ほとんどの方は、交通事故あるいは労災事故による障害です。手先の器用さが必要な仕事なので、手の動きに関して
は、不自由はありません。自動車の専門学校等を卒業したわけではなく、入社してから仕事を覚えるということでした。ただ、皆さん車は好きだということです。

会社は全部バリアフリーになっています。30代の方が多く、定着率もいいそうです。10年以上働いている方が10名程度います。もちろん家庭を持っている方もいます。

バリアフリーになっていること以外は、車椅子だからといって、特別扱いはしません。むしろ、健常の人では、考え付かない細かいところまで気がつくので、車椅子の方の意見は非常に参考になるということでした。

レポーター感想

以前、手足に障害がある方の車に同乗させていただいたことがありますが、始めから車のメーカーでそのような仕様にできているのかなと思っていましたが、ニッシン自動車工業さんのような会社で改造するということを初めて知りました。

車椅子の方をたくさん雇用されていることもすごいことだと思いましたが、車椅子の方が自由に外に出て、好きなところに行ける車をたくさん作りだしているということも大きな社会貢献をしている会社だなと思いました。

就業者(組立担当 Tさん)へのインタビュー《仙元さん》

Tさんは、勤務歴15年目のベテラン社員です。

ここでの作業内容は、運転補助装置の組み立てや溶接、取り付けなど手先の仕事が多いので、手先の器用な方が向いているかもしれませんが「基本的には、健常者と条件は同じで何事も働く意欲、やる気が大事でそれが就労を続ける基本です」と力強く話されていました。

就労の様子

働いてうれしいことはとお聞きすると「“ありがとう”と言うお客様の声が励みになります。うれしいです。」と答えてくれました。

当社に就労するまで、ハローワークや集団面接会や他社にもたくさん行きました。
15年前は、まだ偏見も多かったので、面接を何件も受け、就労にこぎ就けるまでいろいろ努力しました。一時はあきらめかけたり、不安になったり、企業には障害者対応のトイレが無い、設備が無いとか、遠回しで働くことを断られたこともありました。

でも、今は、やりがいのある仕事で、車に乗れる喜びをお客様に言われると大変うれしいとのことです。

そして、「必ず自分を必要としてくれる会社がある。根気よくあきらめない、粘り強く探せばどこかにあると思います」と語られていました。

レポーター感想

Tさんの言葉を聴き、障害を持ってしまった自分を励ますように生きてこられ、さらに前向きに根気よく「あきらめない」という、まっすぐな意見に強さを感じました。

健常者であれ、障害者であれ、結局は本人の気持ちの持ち方に、人生のあゆみ方が関わってくるのだろうと思いました。実際、就労に繋がったのは、その時の運のようなものもあるのでしょうけれども、それも前向きに毎日を送っていると向こうからやって来るのかもしれません。そんな人生論を感じてしまいました。

これからの時代は、肢体不自由者でもパソコンに長けている方が多いので、在宅就労などの就労が広まれば良いのではないかと思うし、就労したい、させたい為には企業のハード面の充実が一番望まれます。ハード面が整備されていなければ、肢体不自由者たちは働けないと話されていました。

本当に、働ける環境が備わっていれば、経済面でも精神面でも健常の方と殆ど変わりなく、同じような条件で働いていけると聞き、一人でも多くの方が自立に向けて、障害者でも少しの差別も無く働きながら、地域の中で生活できる社会であって欲しいと思いました。

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三輪精機株式会社の障害者雇用サポート

インタビューした日

平成20年9月4日木曜日

インタビューした方

三井倉総務部長 三井倉さん 副工場長 矢島さん

協力レポーター

渡邉 勝江さん(主婦) 平沼 よ(にんべんに予)志子さん(主婦)

こんな仕事にチャレンジしています

  • シリンダーヘッドやブレーキ製品の組み立て
  • 出荷業務や洗浄業務など

企業概要

三輪精機(株) 外観

  • 名称:三輪精機株式会社
  • 所在地:(本社):埼玉県さいたま市中央区新中里 3-20-30
  • 会社創立:昭和13年8月
  • 年商:177億円
  • 製造品目:自動車用機器・建設機械用機器・油空圧機器・電子制御機
  • 従業員:664名(障害のある従業員数:13名)

レポートー内容

企業の担当者(三井倉総務部長・矢島副工場長)へのインタビュー《レポート:渡邉さん》

  • 障害者雇用に対する企業側の考え
    三輪精機(株)は、社の方針として障害のある方を正社員として採用しています。
    法定雇用数10人のところ、現在は13名(内1名はパート)の方を雇用しています。
    その内訳は、知的障害者5名、身体障害者8名(うち聴覚障害者4名)です。
  • 障害のある方を雇用して感じていること
    「うちの障害者は優秀だから」と三井倉総務部長さんは言っていましたが、実際に現場で一緒に働いている人や指導者の方の配慮と努力には、頭が下がります。
  • 障害者を雇用するに至った経緯
    親戚や知り合いから頼まれて採用したのが最初とのことです。
  • 障害者雇用で配慮している点
    まず、ケガや事故がないように気を配っています。
    また、災害が起きた時に避難しやすいように1階の仕事場に配置しているとのことです。
    先輩社員1名が付いて、仕事を教え込みます。
    教えるのに時間がかかりますが、教えた事に対し精密に仕事をしてくれます。
    仕事は立ち作業です。
    他の人より作業時間がかかる時もありますが、そのような場合は、グループでカバーしています。
    今回お会いしたのは難聴の方でしたが、周りの人が日常の手話や簡単な仕事に関する手話を自主的に学び、その方が異動するときには、後任の方に伝えて行くそうです。
    家族から電話が入った時などは、副工場長が話の内容を吟味して、現場担当者に話をするそうです。
    三輪精機株式会社では、ジョブコーチを必要としていないとのことですが、必要としていないどころか、他の企業の障害者雇用も手伝ってもらいたいなあ!と思いました。
  • 障害者の就労支援機関に対する注文など
    採用にあたっては、実際に仕事を覚えてもらうまで時間がかかるので、職場実習はしていません。
    ん。採用希望者の人間性を見みます。健康、まじめ、素直さ、明るさと本人のやる気があれば勤まるとのことです。
  • インタビューを終えて(レポーターの感想)
    この会社には定年(60歳)があっても、働きたければ65歳迄働けるそうです。
    やはり障害者に対して優しい会社は、一般の従業員の方にとっても働きやすい会社なんだなあ!と思いました。
    また、周りの従業員が障害のある方をよく理解していて、みんなの中に、うまく溶け込めるよう気を配っているのに感心ました。
    とっても、素敵な会社でした。

就業者(聴覚に障害のある方)へのインタビュー《レポート:平沼さん》

大きなヒマラヤ杉が会社の正門にあります。そこの2階のお部屋で、とても暖かい感じの三井倉総務部長さんと矢島副工場長さんに同席して頂いて、お2人の聴覚障害者の方にお話をうかがいました。

当日は筆談でお話をうかがいました。

Aさん 46歳 ゆったりした感じの人で聴覚障害は4級だそうです。

Sさん 22歳 面長で笑顔の素敵なSさんは聴覚障害6級だそうです。

Q1 何の仕事をしていますか?

シリンダーベルトの機械の加工をしています。(Aさん)
ブレーキの組み立ての仕事をしています。(Sさん)
(入社した時は、手話のできる人が周りに何人かいて、作業を1年間つききりで教えたそうです。また、本人の適性と仕事の性質をマッチさせるのに2、3回担当部門を変えたりしたそうです。1人前に働いてもらうのに2~3年はみているそうです。)

Q2 仕事で大変なことは、なんですか? 1日何時間働いていますか?

段取りを取るのが大変です。また、腰が痛くなることがあります。
また、補聴器をいつも付けているのですが、たまに機械のどこかで音が出てしまうと、びっくりしてしまうことがあります。(Aさん)
(*補聴器は音を全て拾ってしまいます。耳の正常な人は必要な音だけ無意識に選んでいるのです。 byレポーター渡邉さん)
部品とかいろいろ覚えるのが難しいです。仕事を覚えたのに失敗してしまった時は、つらいです。
また、上の人からアドバイスを受けて作業が早く進められた時は、うれしいです(Sさん)
仕事は1日8時間します。残業をすることもあります。(Aさん・Sさん)
(会社では、将来一人で生活できるようにと考えて、正社員で採用しているとのことです。)

Q3 辞めないで働く秘訣は? また、これから働く人へのアドバイスは?

自分の仕事をがんばって努力すること。何か分からないことや悩みがあったら、上司に積極的に聞いたり、相談することが大切です。
マナーや礼儀も大切です。(Sさん)
社会に手話のできる人が増えてほしいです。(Aさん)

Q4 楽しいことはなんですか?

Dvd、Cdプレイヤーでエンターテイメントを見るのが好きです。家族にもよく仕事の話をします。 また旅行にも行きます。(Aさん)
映画に行ったり、買い物をしたりゲームセンターにも行ったりします。
卓球が得意で母校に卓球をしに行くこともあります。(Sさん)

インタビューを終えて(レポーターの感想)

私もせめて手話で挨拶ができるようになりたいと思いました。
家族からの連絡も話の内容を吟味して、現場担当者から伝えるようにするなど、会社のきめ細かな配慮が感じられました。
障害者に優しい会社は、きっと健常者にも優しい会社だからこそ、できるのでしょう。クリスマスには、ヒマラヤ杉にイルミネーションが暖かく灯ることでしょう。

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株式会社エム・エル・エスの障害者雇用レポート

インタビューした日

平成20年7月17日

インタビューした方

取締役事業部長 宮腰さん
総務経理グループマネジャー 畑本さん 社員Mさん・Kさん

協力レポーター

福田 昌弘さん(テクニカルライター)

石川 浩さん(株式会社アグリカルチャーセンター・取締役管理部長)

杉澤 裕子さん(福祉施設職員)

こんな仕事にチャレンジしています

(株)エム・エル・エス外観

  • 洗濯物の仕分け
  • 洗濯機への洗濯物の出し入れ
  • 洗濯物のたたみ
  • 搬送用ボックスのシールはがし
  • 商品の積み下ろし
  • 特殊品の仕上げ
  • ドアマットの仕上げ

企業概要

  • 名称:株式会社エム・エル・エス
  • 所在地:埼玉県東松山市新郷83-1
  • 会社創立:平成12年2月
  • 事業内容:クリーニング事業、リネンサプライ事業、洗剤事業、花栽培事業、リサイクル事業、業務用 厨房機器の企画・開発・製作・販売
  • 従業員:88名(障害のある従業員数:20名)

レポートー内容

企業の担当者(宮腰事業部長・畑本マネジャー)へのインタビュー《石川さん》

現在、当社は障害者を20名雇用しています。

会社は株式会社松屋フーズの特例子会社で、業務内容はクリーニング事業、リネンサプライ事業などが中心です。

障害者の方は特定の部門での勤務でなく、個人の適性に応じた部署で勤務しています。

ここでの特徴は一般の従業員と障害者の区別無く仕事の分担、待遇が行われている事です。そのため勤務されている障害者の方も生き生きと仕事をされています。さらに3カ月に1度、全障害者との面接も行いトラブル等の防止に努めておられます。

また、養護学校、福祉施設関係者、各企業、就労支援センター等の見学受入等も積極的に行い雇用拡大にも貢献されています。

これも障害者に対する宮腰部長の理解があっての事です。

私の会社も障害者雇用を行っておりますが、株式会社エム・エル・エスさん同様、障害者であれ1人の人間なのですから、人格を尊重し皆と同様に接する必要があると改めて認識しました。

彼らもこのような働きやすい環境を整えてあげれば、自ずと能力を発揮する事でしょう。

来年も5名の採用を予定し、ますます障害者雇用の場の提供に努められる予定です。

就業者へのインタビュー《杉澤さん》

株式会社エム・エル・エスで働く従業員代表の2名の方と個別にインタビューしました。

Mさん(20歳・男性)

就労の様子

Mさんは、小川町から通勤しています。家族は8人で、ひいお祖父さんも一緒に暮らしているそうです。
働き始めて2年目、仕事で苦労した事はなく、ランドリーの事は全てマスターしています。仕事は、常に一生懸命に取り組んでいます。職場の人達は全員、良い人です。と話してました。

また、頑張って、自動車の運転免許を取得したそうです。お金を貯めて車を購入するのが今の夢。そして、一番、最初に車に乗せるのは家族と、とても親孝行な好青年です。

Kさん(40歳・男性)

Kさんは、東松山市高坂から通勤しています。
仕事は、辛いことも我慢し、くじけないで働いています。ランドリーの事は、全てマスターしていて、後輩の面倒見がいい、働き始めて7年目のベテランです。この職場は、ご飯がとても美味しいとのことです。自分のモットーは、頑張ること。趣味はカラオケで、家にはレーザーカラオケがあるそうです。週に一度は、カラオケに行っているそうです。

また、貯金をするのも趣味で、とてもしっかりしていて、笑顔の素敵な青年です。

仕事が好きで、楽しく働いている様子が、彼らとの会話で手に取るように分かりました。

感想《福田さん》

「企業であるため、経常利益は黒字にしなければなりません」この宮腰さんの言葉は当然だと思います。そして、そのために、機械化による効率の向上や、さまざまなアイデアによる事業の展開と同じ視点で、障がい者雇用に取り組む姿勢が、無理なく、多数の障がい者が働ける環境を創出しているのだと感じました。

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株式会社倉業サービスの障害者雇用レポート

インタビューした日

平成20年5月23日

インタビューした方

代表取締役会長 市川さん、代表取締役社長 川井さん、
社員Hさん(男性)・Eさん(女性)

協力レポーター

高野 理香さん(元福祉施設職員)、大渕 恵里さん(理学療法士・所沢市)

こんな仕事にチャレンジしています

  • 梱包作業、商品取り出しと仕分け、包装紙のシュレッダー
  • 梱包材として使うエアパッキン作成など

企業概要

(株)創業サービス 外観

  • 名称:株式会社 倉業サービス
  • 所在地:埼玉県富士見市下南畑3898-7
  • 会社創立:昭和48年2月15日
  • 営業品目:荷造り及び梱包・発送代行
  • 営業所:富士見本社
    大久保センター(富士見市)
    三芳センター(入間郡三芳町)
  • 従業員:70名
  • 障がいのある従業員:4名(知的障がい)

レポートー内容

今回訪問したのは、企業の印刷物や販促物件などの在庫管理から発送、並びに出荷に伴う業務などを行っている株式会社倉業サービスです。

企業の担当者(市川会長・川井社長)へのインタービュー(高野さん)

障害者雇用に至った経緯は、養護学校からの要請で子どもたちの企業実習を受け入れたことです。実際に養護学校の生徒の働きぶりを見てみて、気になる点はいくつかあったが、ローテーションの仕事や補助的な作業であれば一緒にやっていけるだろうという判断をし、平成3年に初めて養護学校卒業生を採用しました。

雇用していく中で配慮していることは、一人ひとりの能力に応じた仕事をやってもらう。作業を分かりやすくする。具体的には運送会社ごとに梱包用のガムテープを色分けする等、作業ミスを防ぐ工夫をしている。

また、デジタルアソートシステムを導入し仕分けの作業を間違いなく出来る工夫をしている。デジタルアソートシステムとは、品物を入れる棚に明かりが点滅して知らせるというシステムです。株式会社倉業サービスの市川会長と話していると、障害者福祉をとてもよく考えてくださっていることが伝わってきました。なぜなら、ただ障害者を雇用しているということだけではなく、彼らの遠い将来のことまで見据えているのです。

養護学校からの実習を受け入れた時に、市川会長は将来彼らが父母兄弟と離れて独立して生きてゆかねばならない時がくる、少しでも彼らの力になれたらという考えから企業実習受け入れを決めたそうです。

その他にも慈善活動にも積極的です。養護学校の生徒たちを映画館に招待したりして養護学校との交流をとっています。

また、より多くの障害者雇用のために農作業や老人ホームなどの介助職員として彼らが働くことのできる職があるのではないかというアイデアをお持ちであります。

市川会長から、彼らを従業員というより家族として接する温かさを感じました。

就業者へのインタビュー(大渕さん)

株式会社倉業サービスで働いているお二人にお話をお聞きしました。
勤続12年のHさん(男性)と勤続3年のEさん(女性)です。お二人とも、急にインタビューをお願いしたにもかかわらず、快く話してくださいました。

就労の様子

Q. 仕事をしていて、大変なことはなんですか?

Hさん「残業が大変です。8時くらいまで残業することがあります。」
Eさん「梱包が大変です。」

Q. 仕事をしていて、楽しいことは何ですか?

Hさん「梱包をすることが楽しいです。」
Eさん「パッキンが楽しいです。」

Q. どうやって通っていますか?

Eさん「電車とバスを使っています。駅まではお母さんに迎えにきてもらいます。」
Hさん「バスで通っています。」

Q. お休みの日には何をしていますか?

Hさん「買い物に行ったりします。時々、お酒を飲むこともあります。」
Eさん「学校の同級生とお買い物に行きます。好きなアニメのDVDを借りて見ます。」

Q. 携帯電話は使っていますか?

Hさん「はい、持っています。でもメールは得意じゃないです。」
Eさん「メールもします。Hさんは、メールの使い方を教えてあげても覚えないです(笑)。」
Q. 将来、一人暮らしをしてみたいですか?

就労の様子

Hさん「家族と一緒がいいです。」
E さん「今、お父さん、お母さん、お姉さんと住んでいます。お姉さんとは、時々けんかもしますが、一緒に暮らしたいです。」

Q. 仕事をするのに、大切なことは何だと思いますか?

Hさん「梱包の仕事をきっちり、ちゃんとやることだと思います。」
Eさん「忙しくても、パッキンと梱包の両方をちゃんとやっています。」

お二人とも、言葉を選びながら、しっかりと答えてくださいました。会社の方のお話では、残業や休日出勤の際に見たいテレビ番組があったりすると、自分の事情が優先されてしまうこともあるようですが、お二人とも休まずに通勤されていて、それが大事だとのことでした。携帯電話の話題では、お二人が仕事以外のことでも、いろいろと話をしている日常が伝わってきました。職場に話のできる仲間がいるということも仕事を続けていくのには、大切なことだと思います。そして、仕事が楽しいとのお話、また、任された仕事はちゃんとやることが大切だと考えているとのお話が印象的でした。責任とやりがいを感じて働くお二人の姿は、とても素敵でした。

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お問い合わせ

産業労働部 雇用労働課 障害者・若年者支援担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎5階

電話:048-830-4536

ファックス:048-830-4851

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