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掲載日:2021年12月28日
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(1)ワクチンの効果
(2)変異株に対するワクチンの有効性
(3)感染予防効果がないなら接種する意味はないのか
現在、日本で接種が行われている新型コロナウイルスワクチンは、ファイザー社製、武田/モデルナ社製及びアストラゼネカ社製※1の3種類があります。そのいずれも、新型コロナウイルス感染症に対する発症予防効果※2を確認するための臨床試験が海外で行われており、ファイザー社製で約95%、武田/モデルナ社製で約94%、アストラゼネカ社製で約67%の発症予防効果が確認されています(表)。
※1 アストラゼネカ社製ワクチンの接種対象は、2021年8月時点では、(1)ポリエチレングリコールのアレルギー等の原因で、mRNAワクチン(ファイザー社製及びモデルナ社製)を接種できない人、(2)海外で本ワクチンを1回接種済みの日本在住の人、(3)40歳以上(原則)で接種を希望する人、に限られています。
※2 発症予防効果とは、ワクチンを接種していない人と比べて、ワクチンを接種した人でどれだけ発症のリスクが減少するか、ということを意味しています。
表1 臨床試験概要
以下は、埼玉県内の年齢別陽性者の割合を、第4波と第5波で比較したグラフです。ワクチン接種率が高まった60代以上で、構成比が大幅に減少しているのが見て取れます。
変異株に対するワクチンの有効性については、各国で研究が行われています。 イングランドの研究では、デルタ株とアルファ株に対する、ファイザー社ワクチンとアストラゼネカ社ワクチンの有効性を調べており、その結果は表2のとおりでした4)。また、スコットランドの研究でも、同様に有効性を調べており、その結果は表2のとおりでした5)。いずれの研究でも、変異株に対して一定の効果があることが示唆されています。
表2 イングランドとスコットランドの研究によるワクチンの有効性
変異株に関して詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
国立感染症研究所 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報(別ウィンドウで開きます)
「感染予防効果がないのであれば、重症化しない若者が打つ必要はないのではないか」
こうした意見を目にすることも多いかと思います。
しかしながら、若い方の新規陽性者数が増加しており、その中には重症化する人もいます。現在、日本で接種が行われているワクチンは、いずれも高い発症予防効果が確認されているため、発症を防ぐために接種する意義は大きいと考えられます。
また、感染予防効果についても、接種が進むにつれて研究も進んでいます。アメリカのCDC(アメリカ疾病予防対策センター)によると、mRNAワクチン(ファイザー社製又は武田/モデルナ社製)の2回目接種後14日以降では、ワクチンを接種していない人と比較して、ワクチンを接種した人では感染のリスクが減少する、と報告しています6)。ただし、こうした報告は、臨床試験と条件が異なることが多く、結果に偏りがある可能性があるため、今後も研究を継続していく必要があります。
なお、ワクチン接種後に、発症予防効果が出るのは、2回目接種後1~2週間程度かかると言われています。
そのため、ワクチン接種をしたとしても、油断せず、引き続き感染対策をしていくことが大切です。
1) Polack F. P., et al. N Engl J Med 2020; 383:2603-2615
2) Baden L. R., et al. N Engl J Med 2021; 384: 403-416
3) Voysey M., et al. Lancet 2021; 397: 881-891
4) Bernal, J. L., N. Engl. J .Med. 2021; 385: 585-594
5) Sheikh A., et al. Lancet 2021; 397: 2461-2462
6) CDC, MMWR. 2021; 70(13): 495-500.
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