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掲載日:2020年7月16日
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※SHSは県公用車専用であり、県公用車以外の車両への充填はできません。
平成28年4月22日、県庁敷地内にスマート水素ステーションを開所しました。また、同日に本田技研工業株式会社の燃料電池自動車クラリティフューエルセルの納車式も行いました。
現在、埼玉県では4台の燃料電池自動車を公用車として導入しています。スマート水素ステーションで燃料となる水素を製造・貯蔵し、県の公用車へ充填しています。
(出典:岩谷産業株式会社)
スマート水素ステーションは、太陽光などの再生可能エネルギーを利用して水を電気分解し、燃料電池自動車の燃料となる水素を製造・貯蔵・充填することができる施設です。
詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
スマート水素ステーション(外部ページ)
システムサイズ |
W3280×D2140×H2100(mm) |
---|---|
水素製造能力 |
1.5kg/日(0.7立方メートル/h) |
水素貯蔵量 |
約19kg(@15℃) |
電解ユニット |
差圧式高圧水電解システム |
充填圧力(製造能力) |
35MPa(40MPa) |
ユーティリティ |
200VAC/水道水 |
太陽光発電 |
10.92kW(2か所計) |
自動車の排気ガスには、地球温暖化の原因となるCO2や、光化学スモッグの原因になる炭化水素、窒素酸化物などの大気汚染物質が含まれています。また、海外から大量の燃料を輸送する過程でもCO2が排出されています。
一方で、県庁スマート水素ステーションでは再生可能エネルギー(太陽光発電)由来の電気を使って水を電気分解し、CO2フリーのクリーンな水素を製造しています。県庁内2か所の太陽光発電設備で、スマート水素ステーションの使用電力をまかなっています。走行時に水しか排出しない燃料電池自動車との組み合わせにより、水素製造から利用までCO2を排出しないシステムとなっています。
埼玉県庁太陽光発電設備(左:本庁舎南東側敷地、右:衛生会館屋上)
頑丈な材料を用いた機器で水素を製造・貯蔵し、水素を漏らさないように設計されています。水素は無色・無臭のガスのため、専用のセンサーで水素が漏れていないかを常に監視しています。
水素が漏れないよう設計されていますが、万が一漏れることも想定して、水素が拡散しやすい全体構造になっています。側面は丸い穴を多数あけることで通風を確保し、水素製造部は常に強制換気をしています。このような設計によって、空気より非常に軽い水素は拡散し、着火しない濃度まで薄まります。
可燃性ガスを取り扱っているため、火気を取り扱うものから6m以上離して設置してあります。周囲6mには黄色の鋲が打ってあり、日常点検で火気がないことを目視確認しています。また、水素が燃える際の炎(光)は人間の目では見えないので、火炎検知器も設置しています。加えて、散水設備や消火器を設置し万が一の対策もしています。
(出典:岩谷産業株式会社)
このように、幾重にもわたる安全対策を講じることで、スマート水素ステーションを安心して使用することができます。水素は次世代エネルギーとして期待されていますが、可燃性ガスであるので取り扱いには注意が必要です。高圧ガス保安法などに則った安全な利用技術がありますが、利用者側も水素の特性を理解することが大切です。
水素の取扱いに関する教育を受けた担当職員が公用車に水素を充填します。
スマート水素ステーションで充填すると、燃料電池自動車のタンクの半分まで充填でき、200~250km程度走行することができます。また、スマート水素ステーションはパッケージ化されていることで設置面積が小さく、短い工期で設置することができます。
FCXクラリティとソーラー水素ステーション(平成23~27年)
県は本田技研工業株式会社と「環境分野における協力に関する協定」を平成21年3月5日に締結していることから、平成23年から27年まで、スマート水素ステーションの前身であるソーラー水素ステーションの実証実験を県庁敷地内で行いました。この実証試験の成果として、水電解装置と昇圧するためのコンプレッサーの機能が統合された新たな技術が確立されました。
この実証試験は、単に設備の運用実証という意味合いだけでなく、日本の当時の法規に新たな技術への適応を訴えかけるものでもありました。このソーラー水素ステーションの実証を経て、高圧ガス保安法の関係法令の改正や建築基準法における技術的助言などがなされ、市街地へもスマート水素ステーションが設置できるようになりました。
実証期間中にはクラリティフューエルセルの前身であるFCXクラリティの外部給電機能についても実証を行いました。埼玉県警察と合同で、停電を想定した交通信号機への外部給電を行い、問題なく機能することが確認されました。
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