トップページ > 県政情報・統計 > 広報 > テレビ・ラジオ・広報紙・SNSなど > 広報紙「彩の国だより」 > 彩の国だよりWEB版 > 知事コラム 「やったぞ!埼玉古墳群が「特別史跡」へ」
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掲載日:2020年3月1日
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昨年11月、国の文化審議会が行田市にある「埼玉古墳群」を国の特別史跡に指定するよう、文部科学大臣に答申しました。特別史跡とは「史跡のうち学術上の価値が高く、我が国文化の象徴たるもの」です。言わば、有形文化財の「国宝」に相当するもので、県内初の指定となります。
皆さんは、そんな東日本屈指の埼玉古墳群がある「さきたま古墳公園」を訪れたことはありますか。
埼玉古墳群には、前方後円墳8基と円墳1基の大型古墳があります。そのうち、二子山(ふたごやま)古墳は古墳群の中で最大の前方後円墳です。また、丸墓山(まるはかやま)古墳は直径105メートルと日本最大級の円墳です。さらに、稲荷山古墳出土の115文字の銘文が刻まれた国宝金錯銘(きんさくめい)鉄剣は、東日本とヤマト政権との関係を示す、古墳時代の研究に欠くことのできない極めて重要な資料です。
埼玉古墳群には古代のロマンがあふれています。5世紀後半から7世紀初頭までの約100年の間に9基の大型古墳が造られていますが、これほど短期間に次々と造られた古墳群は他に類を見ません。徐々に大きな古墳を造るといった経緯や技術の積み重ねなく、突如として現れたこの古墳群の「真の主(あるじ)」は誰なのか。さらに、前方後円墳の群れの中になぜ一つだけ日本最大級の円墳があるのか。謎だらけです。今回の特別史跡の指定を契機として、ぜひこの地を訪れ、古代のミステリーに思いを巡らせてみませんか。
この古墳群は昭和初期に農地造成のための土の採取場として一部が壊され、存続が危ぶまれたことがありました。その際、地元住民の皆さんが保存のために奔走し、昭和13年に国の指定史跡となった貴重なものです。
県では、古墳群を万全の状態で保存・管理しながら、その特徴を生かした周辺整備、景観整備を進めたいと考えています。そして、地元の皆さんと連携し、埼玉県の名前の由来ともいわれる埼玉古墳群を、地域の愛される資産として未来につなげてまいります。
また、今回新たに国の史跡に指定される春日部市の神明(しんめい)貝塚、和光市の午王山(ごぼうやま)遺跡を含め、県内には魅力ある文化財が数多くあります。県では、埼玉古墳群を観光、まちづくりの中心として、魅力ある取り組みを進めてまいります。
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