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掲載日:2017年12月1日

見つけた!いきいき停年ライフ

「定年」なんて定めないで年を取らない「停年」を 三遊亭鬼丸

 今年6月、彩の国シニア応援大使に就任した落語家、三遊亭鬼丸です!シニアの皆さんの活躍が社会的にも期待されています。仕事をやめる「定年」ではなく、年を取ることを停(と)めて、仕事や地域活動で輝いているシニアを紹介しようと、突撃取材しました。「何かを始めたい」と思っているあなたの背中をド~ンと押しちゃいます。

 

極める、仕事の喜び

三芳合金工業(株)

 三芳合金工業(三芳町)は、技術力が海外からも注目される特殊銅合金メーカー。定年後の継続雇用にも積極的です。萩野(はぎの)源次郎社長はこう話します。
 「多様な人材がいることで、課題解決へ多様なアプローチができる。雇用を継続するのは、世代の多様性を失うデメリットを理解しているから」
 藤田豊治(とよじ)さん(82)は定年後に電気技術を学び、今も現役です。「仕事こそが生きがい」とか。
 「良い物をつくることに定年はない」と言い切る黒岩孝志(たかし)さん(71)に、落語家である私は特に共感しました。芸も技術も日々の精進(しょうじん)が大事。落語界では50、60歳でもまだ若手といわれます。技術者も同じで、70歳を超えてもまだ「奥が深い」と明言する生き方に引かれます。
 川口久雄さん(75)は「仕事をしていない自分を想像できない」と言います。定年後、自由な時間を過ごしている友人に憧れつつも、働ける喜びを感じているそうです。
 体調を崩した経験のある今多(いまだ)正義さん(73)は言います。
 「多くの人に助けてもらって復帰できた。仕事で体を動かすことが健康にもつながる。それに、まだまだ技術を磨いて稼ぎたい」
 聞けば、皆さんは趣味もしっかり持っています。山歩き、美術館巡り、カラオケなどと実に多彩です。技術を極めるには、人生にメリハリが必要なのかも。これも芸に通じます。


▲製品は航空機にも使われる

 

守る、地域がつながる

南越谷地区安全安心まちづくり推進協議会

 多くの乗降客でにぎわうJR南越谷駅と東武伊勢崎線新越谷駅。昭和40年代後半に両駅が開業すると、のどかだったまちは一変。市街化が進むにつれて、自転車の盗難などが発生するようになったといいます。
 南越谷地区安全安心まちづくり推進協議会は14年前から、夜間の防犯パトロールを続けています。会長の清水俊也(としや)さん(79)は言います。
 「活動を続けて街頭犯罪は半減した。気付いたのは、住民のつながりが地域を守る力になること。パトロールが住民交流の機会になっている」
 小野文夫さん(76)は活動を地域にも広げようとあいさつ運動を始めました。
 「学んだことを地域でも実践することが、結果としてまち全体の安全安心につながる」
 今、活動を支えるのはシニアが中心。川田皓司(こうじ)さん(77)は、こう言います。
 「地域活動は世代を越えた交流の数少ない機会。若い世代と刺激し合うことが楽しくて、やりがいでもある」
 パトロールの責任者、佐藤哲三(てつぞう)さん(69)は、思いを語ります。
 「定年後、地域活動に参加し、初めて地域とつながる面白さに気付いた。参加する喜びを多くの人に知ってほしい」
 地域を支えるシニアの背中。若い世代はきっと、しっかり見つめていると思います。


▲ネオンがともった午後7時パトロールを開始

▲年末は規模を拡大。南越谷地区の「風物詩」だとか

 

託す夢は世界平和

子ども学習教室・英語教室

 狭山市シルバー人材センターは平成25年3月に、小中学生を対象に「子ども学習教室」などを開講しました。
 今回は取材の中で、落語の面白さを子供たちへ紹介しましたが、そばを食べる仕草に挑戦してくれたさくらさんは小学5年生。英語を勉強しているそうです。
 「教室でゲームをしたり、DVDを見たりして勉強する。学校とはまた違ってとても楽しい」
 指導者の一人、北川光枝さん(74)は市民大学でコミュニケーションの方法を学び、子供たちに向き合いました。
 「勉強のスイッチが入った時の子供たちの変化が楽しい。高校合格の知らせは何よりの喜びで、その感動が原動力になる」
 センターは英語教室も開講しています。指導者の平野まき子さん(66)の言葉には、喜びや生きがいを感じます。
 「英語を好きになってほしいから、教え方を研究して興味を引き出す工夫をしている。楽ではないが、生きるエネルギーをもらっている」
 どんな人材を育てたいのでしょう。熊谷永子(くまがいえいこ)さん(72)に聞きました。
 「国籍や言葉の壁を越え、グローバルに活躍する人になってほしい。世界平和に貢献する子供たちが育ったら素晴らしい」
 大きい夢ですね。託された子供たちは立派に成長し、世界で活躍してくれると思います。


▲子供たちに寄り添って自身も学ぶ

 

伝える、おもてなしの心

春日部観光ボランティアの会

 「春日部は、観光地として見れば静かで何もないと思えた」と話し始めたのは春日部観光ボランティアの会の生みの親、篠(しの)信子さん(75)。きっと、観光地、那須温泉の生まれだからですね。転機になったのは県が主催した観光ボランティア養成講座。篠さんは言います。
 「ガイドを始めて、まちに魅力がたくさんあることに気付いた。人とつながることが観光ガイドの魅力の一つ」
 伊藤ふじ子さん(69)も、「気付く」楽しさに魅せられた一人。初めてのガイドでは緊張で震えたとか。
 「内気な性格の私が活動に出会って変わった。今は家事よりガイド。まちを歩くと何気ないものに目が止まる」
 吉田百合子さん(70)に粕壁宿(かすかべじゅく)を案内してもらいました。お客様の体調への気配りも欠かせないそうです。
 「ボランティアは、半分は人のため、半分は自分のため。気配りしながら1万歩以上を歩くのはなかなか大変ですが、健康づくりや体調管理にもつながる」
 会長の駒田ひで子さん(69)は、何かを始めたいと思っている皆さんへ、こう呼び掛けます。「まずはお客様として参加して楽しさを知ってほしい。人とつながることや、地域の魅力がきっと背中を押してくれる」
 おもてなしの半分は自分のため。やりがいあふれる笑顔が輝いていました。


▲プロ顔負けのガイドぶり

 

活かしてにぎわいを取り戻す

にこにこ食堂

 「いらっしゃいませ」。にこにこ食堂(川越市)ののれんをくぐると、本間マサノさん(70)が出迎えてくれました。夫の光昭さん(77)はカウンターの向こうで、中華鍋を振っています。ご夫婦は3年前までは中華料理店を経営していました。
 この食堂は、霞ヶ関北自治会が運営するお店。空き店舗を解消し、まちに活気を取り戻そうと始まりました。お店はシニアの力を結集して改装したとか。発案者の自治会役員、浅葉まゆ美さん(62)は言います。
 「お料理好きな人が一日コックさんになる。メニューや値段、盛り付け、食材調達など全てがコックさんの采配(さいはい)に任されます。お客様からのおいしいという言葉がご褒美です」
 10人ほどのコックさんが日々入れ替わって、自慢の味を提供しています。この日は本間さんが当番の「中華ほんま」の日でした。チャーハン定食500円。具材のチャーシューがおいしいのは、前日からの仕込みと秘伝の味が生きているから。ご夫婦は口を揃えてこう言います。
 「毎日でなければなんとかやれると思って。でも、手は抜かない。手間暇かけるのは、お客さんの喜ぶ顔が見たいから。夫婦一緒に働けるのもうれしいし、健康にもいい」
 シニアの力を活かした自治会の挑戦に、未来のまちのにぎわいを見た気がします。


▲まちに活気を取り戻そう

 

育て、つなぐ書き味

日本白墨(はくぼく)工業(株)

 日本白墨工業(三郷市)は「天神印(てんじんじるし)チョーク」の製造元で、専門メーカーとしては国内最古参とか。
 原料である水と焼(しょう)石こうを混合すると硬くなります。この化学反応が書き味を大きく左右し、特に混ぜて練る作業にはコツがいると聞きました。宮本淳司(じゅんじ)社長は言います。
 「長く愛されてきた書き味を守るためマニュアルづくりに取り組んでいるが、数値では表せない技術がある。熟練の技を若い世代に伝えることが必要だ」
 その先頭に立つ水野英男さん(77)は、2人の新入社員を育てています。
 「湿度や気温などに合わせる勘みたいなものがあり、言葉で教えるのは難しい。育てるというよりも、一緒に働きながら教えている。それがやりがいだし、何より若い人と一緒だと楽しい」
 以前は営業職だった吉田正男さん(70)も、働くのが楽しいと言います。
 「体を使うのが大好きで苦にならない。家に閉じこもっているのは嫌いだから、この会社でなくても絶対に働いていたと思う」
 仕事が健康維持にもつながっていると、2人が揃って口にしたのが強く印象に残りました。今は、蛍光色のチョークもあるんですね。若手が育ち、やがて新製品を開発したりするのかな。カレーの香り付きの黄色チョークなんてどうでしょう。


▲型に流して硬くなるのを待つ

 


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産業労働部 シニア活躍推進課 企画・指導担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎5階

電話:048-830-4540

ファックス:048-830-4854

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