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掲載日:2016年7月29日

知事ブログアーカイブ(平成28年7月)

7月29日(金曜日)の一打「面積で見る経済の数値」

7月22日(金曜日)に、著書『デフレの正体』、『里山資本主義』などでヒットを飛ばしておられる藻谷浩介(もたに こうすけ)さんと対談をさせていただきました。約300人の聴衆を前にしての対談でした。基本的な認識は一致していますし、お互いにファクト(事実)を重視して物事を見るということについても極めて類似しています。したがって、討論番組の「テレビタックル」的な大論争ではなく、私も藻谷さんもやたらと図や数字を出し合う対談になりました。次から次に図や数字が出てきましたので、居眠りをしている人はほとんどいなかったようです。

対談の中でとても刺激を受けたことが一つありました。それは、面積で物事を捉えるという考え方です。物事を見る上でグロスとしての数字や一人当たりの数字などで表すことは多いと思いますが、首都圏など人口が集中している地域の実態は1人当たりの数字では表しにくいということを藻谷さんは指摘されていました。例えば、埼玉県の全体のGDPは約20兆円ですけれども、その中には、実は都内で働いている約84万人の方々の分が入っていません。その人たちの働きは東京都のGDPに加算されてしまうことから、当然、1人当たりのGDPは埼玉県は少なくなり、東京都は多くなる。これは神奈川県や千葉県についても言えることです。同じように、1人当たりの県民所得で見ても、埼玉県が全国19位になったり、神奈川県が16位になったりします。

藻谷さんは、見方を変えて、面積当たりで経済の数字を見るようにしているとのことでした。例えば、埼玉県の農業産出額は全国17位ですが、県土面積で割った単位面積当たりの算出額は何と全国5位になるわけです。農業産出額そのものは北海道が1兆1000億円を超えているところに、茨城県、鹿児島県、千葉県が4000億円台で続いています。しかし、北海道は面積が広いので面積当たりにすると39位になります。逆に、埼玉県は面積当たりで見ると5位ということですので、付加価値の高いものを作っている、単価が高いものを作っているということになるのかもしれません。
同じように、工業出荷額では埼玉県は全国7位ですが、面積当たりにすると5位になりますので、これも付加価値が高いものを作っているということの証拠になるわけであります。

こうした新しい見方を藻谷さんから学ぶことができました。とにかく物事は様々な角度から見なければならないということを改めて考えたところでした。

対談風景 藻谷浩介氏と神津多可思と知事
対談風景:右が藻谷浩介氏。中央は進行役の神津多可思(こうづたかし)埼玉大学大学院人文科学研究科客員教授

7月28日(木曜日)の一打「八ヶ岳型ヒーロー」

7月24日(日曜日)の日本経済新聞のコラム「春秋」にウルトラマンに関する記事がありました。ウルトラマンが誕生して50年になるそうです。「あぁ、もうそんなになるのか」というのが私の実感です。当時はやたらと格好いい制服の「科学特捜隊」が怪獣と戦っていましたが、ジェット機のミサイル攻撃でもなかなかやっつけることができなくて、最後は真打(しんうち)のウルトラマンが出てきてやっつけるというのがパターンでした。こういう内容のコラムでありましたが、何となく、最終的にヒーローに助けてもらうというストーリーを日本人は好むのではないかと感じたところです。

確かに、水戸黄門も最後は印籠(いんろう)で勝負をする。遠山の金さんも「これが見えぬか」というような感じで勝負をする。自分たちではなかなか解決できないけれども、ヒーローが全て問題を解決してくれる。こういう文化を映画やテレビの中では作ってきてしまった気がします。
果たしてこれでいいのかというのがこのコラムの筆者の問い掛けではないかと思いました。言われてみればという感があります。

映画やテレビとは異なり、現実の世界ではヒーローに全てを託して物事が解決するわけではありません。先ごろの東京都知事の辞任の経緯を見ても分かるとおり、特定の人間への過度の期待や権限の集中は、時として驕(おご)りや勘違い、一般の方々との感覚のかい離を生み、結果として人々の期待が裏切られるということになったりもします。やはりシステムとして全体で力を発揮するような、そういう構造にしていかなければならないと思います。

卓越した特定のリーダーが上意下達で物事を進める組織運営を独立峰になぞらえて「富士山型」、これに対して、複数のプロジェクトに権限が与えられ、組織として物事を進める組織運営を、大きな峰を幾つも持つことになぞらえて「八ヶ岳型」と言ったりします。

目標を明確に示し、「八ヶ岳型」の組織体制を整え、全体の力を引き出すことで結果を導く真のヒーローが、今ほど必要な時代はないのではないのかと愚考するところです。

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 7月27日(水曜日)の一打「希望はシルエット」

7月16日(土曜日)から始まった「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016」が24日(日曜日)で終了しました。今年は過去最多となる88の国と地域から919もの作品が集まりました。その中から厳選されたノミネート作品が長編部門、短編部門、アニメーション部門でそれぞれ12本ずつ上映され、この12本の中からそれぞれの賞が選ばれたところです。長編部門ではメキシコのアレハンドロ・グスマン・アルバレス監督の「朝日が昇るまで」が最優秀作品賞になりました。

審査委員長の岡田裕(おかだ ゆたか)さんの講評によれば、主人公が人生の希望を見出すために夜から朝日が昇るまでを野外で過ごすラストシーンがあるわけですが、そのラストシーンで、タイトルが「朝日が昇るまで」にも関わらず朝日が昇る姿を映画のシーンに映さず、シルエットだけを映すという手法が印象的だったと言われました。要するに、朝日は希望の象徴ですが、その希望を抑制的に撮っている点が作品の価値を大きく上げたとのことです。

確かに、希望が簡単に実現するようであればこんなに楽な話はありません。希望というのは簡単には実現しない。ゆえに、かすかなシルエットの朝日から、本当の朝日が昇ってくるまでにはまだそれ以上の努力が必要ということを暗示しているようです。

私も揮毫(きごう)を頼まれたときにはいつも「希望」の二文字を書くことにしています。まさしく、私自身、世の中というのは希望に満ちあふれたものになるべきだし、私たちの努力次第でそれは可能である、そういう思いを持っています。希望がある以上は諦めずに何事も前向きに進むべきだと、そういう思いから、揮毫の題材にしているところです。人生の希望を抑制的に描いた作品が今回の最優秀作品賞であったことに、なんとなく共感を覚えました。

安易に希望は実現できない、しかし、努力の先には、シルエットというかすかで控えめな形ではあっても、希望の象徴である朝日は必ず昇ってくる。そこにこそ、まさしく希望があるような気がいたします。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016 受賞者の皆様
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016 受賞者の皆様

7月26日(火曜日)の一打「とことん訪問 (株式会社関水金属)」

7月21日(木曜日)、「知事のとことん訪問」で鶴ヶ島市のふるさと納税に大きく貢献された株式会社関水金属(せきすいきんぞく)を訪問いたしました。
関水金属は鉄道模型の車両やその関連商品の製造・販売を手掛けています。国内最大のシェアを持つ鉄道模型のパイオニアで、「KATO」(カトー)というブランド名で世界的に認知されている会社です。鶴ヶ島市にふるさと納税した人のうち、関水金属の返礼品を希望する割合は納税額の55パーセントにもなるそうです。ふるさと納税額が埼玉県内で1位の鶴ヶ島市は、この関水金属の鉄道模型などを返礼品として贈ることで正に爆発的な人気を呼んでいるとのことです。

この爆発的な人気を呼んだ模型工場を視察しました。模型は大変精巧なもので、企画・開発から生産・組立まで全て自社内の完全一貫システムにより製造しておられるのが最大の特色です。車両の一部には金属を使っていますが、基本的にはプラスチックの成型で、その上に印刷を施して実物とほぼ同じように作られています。もしミニチュアの鉄道博物館があるとすれば、この会社だけでもそうした博物館が作れるのではなかろうかと感じたぐらいです。この関水金属のすごさをまざまざと感じたところでした。

とことん訪問での知事_株式会社関水金属

7月25日(月曜日)の一打「とことん訪問(株式会社フロロコート)」

「知事のとことん訪問」で川越市にあるふっ素樹脂コーティングの受託加工を行う株式会社フロロコートを訪問しました。この会社は1957年にフライパン、アイロン、湯沸しポットなどのふっ素樹脂加工に日本で初めて成功した東京シリコーン株式会社から、2005年3月に名称変更を兼ねたようなかたちで事業承継した会社です。3,000社もの取引がありながら、ふっ素樹脂加工のパイオニアとして蓄積されたノウハウや加工技術力、研究開発力を生かして、取引先から求められる難しい課題に挑戦しているすごい会社です。

受託加工は、ふっ素樹脂コーティングの「難付着性」、「はっ水・はつ油性」、「耐熱性」などの特性を生かし、自動車の排ガス燃焼装置の部品、あるいは建物の免震装置の部品から人工衛星の部品に至るまで幅広く行われています。加えて、私たちの周辺にある様々な日用品から食品加工などで使っている焼き型に至るまで、ありとあらゆる物が注文を受けて1つ1つ加工されていました。珍しいところでは、たい焼き器などにもふっ素樹脂加工がされていました。私たちはこうした加工が施された機械で作られるたい焼きを食べていたわけです。日頃、私たちはふっ素樹脂加工された部品や製品を目にする機会はあまりありません。しかし、日常生活の様々な場面で使用され、その恩恵を受けていることがよく分かりました。

まさしく日本を代表する企業ということになるのかもしれません。こうした他では真似のできない特別な分野におけるパイオニア企業が埼玉県にも多く存在していることに、改めて埼玉県の強さを感じました。

とことん訪問での知事 フロロコート

7月22日(金曜日)の一打「交通マナー調査」

7月13日(水曜日)の東京新聞(夕刊)に一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が行った「交通マナーに関するアンケート」の結果が報じられていました。6月にインターネットを通じて調査したところ、自分の県の交通マナーが悪いと感じている人の多い都道府県が明らかになったそうです。

交通マナーが悪いと感じている人の割合が1番多いのが香川、2番目徳島、3番目茨城、4番沖縄、5番福岡と続き、愛知、大阪、岡山、福井、山梨までがワースト10です。反対に、交通マナーが悪いと感じている人の割合が少ない都道府県は島根、岩手、長崎、神奈川、山口、東京、秋田、岐阜、鹿児島、滋賀、埼玉の順となります。良い方から数えて埼玉は11番目でした。あくまでも県民が感じている主観的な数字ですので、交通事故の発生状況などと一致しているわけではありませんが、意外にも都市部の神奈川や東京、埼玉などが上位にあります。

また、穏やかな雰囲気だと思われている県で交通マナーが悪いと回答した人が多いなど、私の持つイメージと異なる結果も出ております。人口の多い県は車の数も圧倒的に多いので、交通事故発生数も死亡事故件数も何かとワーストの結果が出やすいところです。しかし、こと主観的な評価に関しては、人口の少ないところの数字がよくないというのは驚きでした。

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7月21日(木曜日)の一打「池井戸潤氏、埼玉に登場」

7月8日(金曜日)、『下町ロケット』や「半沢直樹」シリーズなどのヒット作品で知られる作家、池井戸潤(いけいど じゅん)氏の最新作『陸王』(りくおう)が発売されました。なんと小説の舞台は行田市です。実在する老舗足袋(たび)メーカーをモデルにした物語です。集英社ホームページから作品を御紹介します。

埼玉県行田市にある足袋業者「こはぜ屋」。100年の歴史を有する老舗ですが、その実態は従業員20名の零細企業で業績はジリ貧です。社長の宮沢は、銀行から融資を引き出すのに苦心する日々を送っていました。そんなある日、ふとしたことから新たな事業計画を思いつきます。それは長年培ってきた足袋製造のノウハウを生かしたランニングシューズ、「陸王」(りくおう)の開発でした。社内にプロジェクトチームを立ち上げた宮沢の前には素材探し、困難を極めるソール(靴の底ですね)開発、大手シューズメーカーの妨害など、様々な障壁が立ちはだかります。こうした難局をこはぜ屋はいかに乗り越えていくのかというようなストーリーです。

行田の足袋生産量はピーク時の昭和13年に8,400万足に及び日本一でした。生産事業所の激減した現在でも全国の出荷額に占める割合は大きいのですが、時代の変化の中で往年の勢いはありません。しかし、正に「陸王」のように困難に打ち勝つ独創的な商品開発を進め、立派な足袋を作る足袋メーカーがいくつもあるという、大変頑張っているところでもあります。先般は映画にもなった『のぼうの城』の舞台として有名になり、古代蓮の生息地でも有名です。最近では田んぼアートが世界最大としてギネス世界記録に認定されたところでもあります。こうして足袋蔵(たびぐら)のある町並みを持つ行田市が改めて話題に上ることを大変うれしく思います。

陸王

7月20日(水曜日)の一打「駐日トーゴ共和国臨時代理大使」

7月13日(水曜日)、県議会議員の浅野目義英(あさのめ よしひで)さんの御紹介で駐日トーゴ共和国臨時代理大使のスティーブ・アクレソ・ボジョナさんがお越しになりました。トーゴ共和国はアフリカの西海岸、ベナンとガーナの間にある国で、人口約630万人、面積は日本の約7分の1、リン鉱石がよく採れるそうです。基本的にはコーヒーなどが主な産物の農業国です。

ボジョナさんは28歳の時、独立行政法人国際交流基金の研修生として8カ月間日本に滞在し、日本語を学ばれました。一旦帰国されましたが、トーゴが大使館を日本に開設することになり、その臨時代理大使として再び来日されました。それ以来、日本に約5年間駐在されています。日本文化に対する大きな憧れと日本に対する強い思いを持っておられます。

一緒に来られたさいたま市在住の津田悦子(つだ えつこ)さんを中心とした皆さんは3年前からトーゴに子供用教材などの支援を行っています。そのことがきっかけで、トーゴ国内の小学校とさいたま市立美園小学校とが姉妹校提携を交わしており、ビデオレターや絵画の交換などを行っているそうです。そうしたこともあり、今回、私を訪問してくださいました。ボジョナさんからは、御自身がお書きになった『我心が歌う日本 駐日トーゴ共和国臨時代理大使の日本滞在記』という本を頂きました。

早速読ませていただきましたが、ボジョナさんがいかに日本を勉強され、日本各地を回られたか。また、日本大使館を開設するに当たっての御苦労や大使としての外交活動、そして東日本大震災の経験、そうしたことについて触れられています。日本についての美しい詩がつづられており大変感動しました。その一部を御紹介したいと思います。

「日出る国で、私は見た」

天皇にまみえた
崇高な足取りで
敬意、尊敬
あぁ、崇められるべき君主よ

着物を見た
女性が着ているところを
あぁ、なんと美しい
男性を見た
始めはスカートだと思った
なんという優雅さだ

相撲を見た
エヴァラだと叫んだ
比較の対象
彼らの方がずっと大きかった

富士山を見た
ルフランのように、あちこちで詠われる
頂上は空を突き抜け
真っ白で、雪に覆われていた

桜を見た
花開くところを見た
人々が外に出て、魅入るところを見た

礼儀正しい国民を見た
好奇心が強く、心を開けている
誠実な男性たち
寛容な女性たち

勇敢な国民を見た
一人立ち上がる男のようだ
3月11日の翌日に
この威厳ある国民を見た
休まず働く
全てが復興するように

この誇り高き国民を見た
厳格で規律正しい
真の愛国者たちが咲き乱れる
あぁ、日出る国に感嘆

ボジョナさんは近々本国に帰られるそうですが、次に来られるときは臨時代理大使ではなく正式な大使でしょうし、将来は本国で外務大臣などにもなられるかもしれません。たった30分程度の出会いでしたが、とても心を感じる方でもありました。

トーゴ共和国臨時代理大使のスティーブ・アクレソ・ボジョナさんと知事

7月19日(火曜日)の一打「『渋沢栄一訓言集』慈善と救済」

以前にもこのブログで紹介しましたが、私の尊敬する知人で、渋沢栄一(しぶさわ えいいち)翁の玄孫(やしゃご)にあたる渋澤健(しぶさわ けん)さんから、定期的に「シブサワ・レター」を頂戴しています。毎回すばらしい時代認識をお示しいただき、私も参考にしています。そして、レターの最後には必ず渋沢翁の大事な言葉を紹介しておられます。

今回は「渋沢栄一訓言集」の「慈善と救済」という項目から、「国家の富が増すほど貧民が多くなることは、実験上の事実である。この困難の人をしてよくそのところを得せしめるのがすなわち王道であって、同時に世の富豪家の鑑(かんが)むべきことである。」という渋沢翁の言葉を紹介しておられます。

今日の日本や世界と同じように富の格差はいつの時代もあったのですね。

渋沢翁の言葉を受けて、渋澤健さんは「富を増すイノベーションは格差を呼びます。ただ、イノベーションによって格差は埋められます。持続的成長とは格差を産んで、格差を埋める新陳代謝の繰り返しだと思います。そして、その王道とは富豪だけの義務、特権ではなく、国民全体が歩むところです。」と言っておられます。

正に今日の日本や世界が進むべき目標だと思います。

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7月15日(金曜日)の一打「死せるNINAGAWA、シェイクスピアを走らせる」

今年5月にお亡くなりになった彩の国さいたま芸術劇場芸術監督の蜷川幸雄(にながわ ゆきお)さんの代表作の一つ「NINAGAWA・マクベス」が、追悼公演として来年6月に香港、7月に彩の国さいたま芸術劇場、10月にイギリスで上演されることを、制作する株式会社ホリプロが明らかにしました。

同作は1980年初演で「世界のニナガワ」として認められる端緒となった蜷川さんの代表作です。シェイクスピアの世界を日本の安土桃山時代に移し替え、巨大な仏壇を模した舞台で展開する仕掛けで、国内外で上演され、絶賛を博しました。

昨年9月から10月にかけて17年ぶりに、市村正親(いちむら まさちか)さんと田中裕子(たなか ゆうこ)さんを主演として東京で再演されたものです。ホリプロによると、この舞台を見たイギリスや香港のプロデューサーから生前に上演依頼があったそうです。蜷川さんも乗り気だったと聞いておりますが、残念ながらお亡くなりになりました。

追悼公演は、主演は変えず、長年蜷川さんを支えてきたスタッフが再結集して作るとの話であります。いいですね。「死せるNINAGAWA、シェイクスピアを走らせる」とも言うべきでしょうか。

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7月14日(木曜日)の一打「東京ガスの災害対策視察」

私たちの生活に必須のライフラインであるガス供給を担う東京ガス株式会社と埼玉県は、防災対策における重要なパートナーとして様々な協定を結び、確かな関係を築いています。今回、東京ガス本社の地震防災対策について是非とも見ていただきたいというお話をいただき、早速、東京ガス本社をお訪ねしました。

まず、東京ガスの地震や防災対策を一元的に管理し、いざという時に総合的な指令塔となる非常事態対策本部室を案内していただきました。東京ガスの備蓄タンクの状況やガス供給ルート等の全体を見ることができる指令室となっていて、何か課題があれば即対応ができるような体制が整っておりました。また、供給指令センターというものがあり、所長、副所長、担当社員2名の合計4人のチームが3組組織され、交替制で24時間、ガスの供給状況を見守る体制になっています。この体制を基本に、何か異常が起これば、そのレベルに応じて、より規模の大きな体制に変えていくというようなシステムができ上がっていました。

ほとんどの家庭のガスメーターには、震度5程度以上になると自動的にガスの供給を止める機能が付いているので、大規模な地震があった場合には、火が消えるようになっているそうです。その点ではガスコンロの火が何かに燃え移ってしまうというようなことにはなりません。そのようなシステムになっていることに驚きました。広瀬道明(ひろせ みちあき)社長をはじめ同社幹部の皆様にいろいろな説明をいただき、若干の意見交換をさせていただきました。改めて東京ガスの供給体制や防災体制等をしっかりと見させていただき、大変参考になりました。

東京ガスの災害対策視察の様子

 7月13日(水曜日)の一打「巨大御朱印、ギネス世界記録に認定」

5月21日(土曜日)、東松山市にある箭弓稲荷(やきゅういなり)神社の御朱印を、実物の24倍もの大きさで忠実に再現するという趣向を凝らした面白い取組が、同神社の御鎮座1300年奉祝記念事業の一環として行われました。
高さ1.42メートル、印面縦横が各1.3メートルという巨大な御朱印を製造し、ユネスコ無形文化遺産の「細川紙」で作った御朱印紙(縦3.4メートル、横2.5メートル)の上に押印、「最も大きな木製スタンプ」として、ギネス世界記録に認定されました。

この巨大御朱印は、比企地域ゆかりの会社経営者11名が実行委員となり作製しました。樹齢約300年のケヤキの無垢(むく)材を小川町の木工会社で加工し、大型連休中に仕上げたものです。印面の「箭弓稲荷神社」の彫刻は、実行委員の1人である印房店経営者の呼び掛けに賛同した全国の印鑑職人の有志十数人が彫ったそうです。
この巨大御朱印は重さが420キロもあるため、細川紙90枚を貼り合わせた特大御朱印紙に押印するのもあり得ない程の一大作業で、フォークリフトとクレーンを使い、更に印鑑職人3人が御朱印の上に乗って押印したそうです。

この経緯については、7月6日(水曜日)、ギネス認定書を受け取られた実行委員長の横塚正秋(よこつか まさあき)さんをはじめ委員の皆さん、宮司の吉田弘(よしだ ひろし)さんが、県庁にお越しになりお話しくださいました。
私もまだ写真でしか見ておりませんが、現在、箭弓稲荷神社にこの御朱印と押印された細川紙が展示されています。

元々、箭弓稲荷神社は、その社名が神様から授かった戦いの弓矢に由来するものでもあります。今後、世界一の御朱印の神社ということで、世界一を目指すスポーツ選手をはじめ、いろいろな戦いに挑む人たち、あるいは世界一になられた人たちが、箭弓稲荷神社を訪問されることを期待しています。そして、何らかの足跡をこの御朱印の展示場に残していただければ、世界一を目指す、あるいは日本一を目指す多くの方に勇気を与えてくれるのではないかと愚考したところです。
リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックが間もなく開催されます。さらに、4年後の東京オリンピック・パラリンピックという好材料もあります。世界一や日本一を目指す人、そして達成した人は、この箭弓稲荷神社に足を運ぶというのも一手かもしれません。

箭弓稲荷神社 巨大御朱印

写真提供:東松山市役所

7月12日(火曜日)の一打「まばたき」

6月12日(日曜日)の日本経済新聞に、まばたきには脳をリフレッシュさせるなどの役割があることが新たに分かったという記事が掲載されていました。まばたきは霊長類に特有の生理的な反応で、人間は1分間に平均20回もまばたくそうです。チンパンジーやニホンザルは1分間に10回以上まばたきをするのに対し、ネコやイヌはほとんどしないそうです。

まばたきは脳内の情報処理と密接に関わっていることが、最近の脳科学の研究から分かってきました。まばたきと脳活動の変化を観察したところ、集中力を発揮するときに働く脳の活動が、まばたきに合わせて一時的に低下したそうです。その反対に、リラックスした際に活動する脳の領域は、まばたきに同調するかのように血流が増えて活発に働いたそうです。ただ、意識的にまばたきを増やしても脳はリフレッシュされないそうです。

心理学の分野では、まばたきを指標に心の動きを探る研究も進んでいるとのことです。例えば、消費者が興味のある商品を目の前にするとまばたきが減ることを利用し、マーケティングや商品陳列に生かすことができるそうです。まばたきの回数が減るときは、重要な情報を目から入れようと集中しているときで、頻繁にまばたきをするときは、興味がなく、情報入力を拒んでいると考えられるそうです。

まばたきは好感度にも影響します。大勢の人がいるような緊張しやすい場面では、まばたきの回数が増えやすいそうです。大統領選挙のテレビ討論会を分析したアメリカの研究では、まばたきが多い候補者が負ける傾向にあるそうです。したがって、まばたきの回数を減らす練習をする候補者も多くいるとのことです。

昔から「目は口ほどにものを言う」と言いますが、まぶたの動きには心の働きが現れるようです。交渉事など、相手の思考状態や心理状態がつかめれば有利に進めることができます。まばたきの役割に注目する研究者が増えているそうですが、今後更に新しい発見があれば、それもまた様々な分野で活用されるかもしれません。

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7月11日(月曜日)の一打「スタンディングデスク」

立ったまま作業ができる「スタンディングデスク」を学校に導入し、座り過ぎの子供の生活を改善しようという動きが、アメリカで広がりを見せ始めています。アメリカでは、子供の通学は保護者が車で送り迎えするかスクールバスの利用がほとんどで、加えて近年、インターネットの普及でインドア派が増え、1日に200メートルさえ歩かない子供もいるそうです。

そこでカリフォルニアにある小学校が目を付けたのが、IT企業などが積極的に利用しているスタンディングデスクでした。段階的に導入したところ、居眠りしたり授業中に動き回ったりするなどの問題行動がなくなる効果が得られ、子供や保護者の間で評判になっているそうです。

スタンディングデスクの効果を研究しているテキサスA&M大学人間工学センター所長のマーク・E・ベンデン氏は、8年前から小学生や高校生を対象に、普通の机と比較した健康状態などを調べてきました。顕著な違いは消費カロリーで、スタンディングデスクの利用者は普通の机の利用者より15%から25%多かったそうです。また、授業への集中度でも差が出たそうです。

アメリカでは、座りっぱなしの生活習慣を意味する「セデンタリー・ライフスタイル」が大人だけでなく子供にも広がっているそうです。セデンタリー・ライフスタイルは、肥満や糖尿病、血管障害につながる可能性が高いと指摘されています。オーストラリアで行われた45歳以上の約22万人を追跡した調査では、1日11時間以上座っている人が死亡する危険性は、4時間未満の人に比べて4割も高いとされているそうです。

スタンディングデスクの導入は、企業ではシリコンバレーなどで人気があり、フェイスブック、グーグル、アップル、インテルなどが利用しています。要するに最先端のIT関連企業ですね。「疲れたら座る」ということに留意は必要ですが、スタンディングデスクは、「脳の活性化」、「居眠りをしなくなる」、「コミュニケーションの活性化」に効果があると言われています。

私も知事に就任して間もない頃に、秩父市にあるキャノン電子株式会社でこのスタンディングデスクを見て以来、知事室では立って職員からの説明を受けたり、決裁をしたりしています。

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7月8日(金曜日)の一打「よく検索された駅ランキング」

乗り換え案内サービス『駅すぱあと』を開発・運営する株式会社ヴァル研究所(http://www.val.co.jp/)は、4月29日(金曜日)、30日(土曜日)を対象にした「よく検索された駅ランキング(2016年4月版)」を発表しました。
何と1位から10位の中に、埼玉県の秩父エリアにある駅が3つも入っていました。

1位は栃木県足利市の「富田駅」(JR両毛線)、ゴールデンウイークに見頃を迎える大藤棚(おおふじだな)が人気の「あしかがフラワーパーク」の最寄り駅だそうです。
2位は京都市の「淀駅」(京阪電鉄京阪本線)、京都競馬場の最寄り駅で、5月1日(日曜日)に「春の天皇賞」が開催されました。
3位に本県の横瀬町にある、ログハウス風の駅舎が特徴の「横瀬駅」(西武秩父線)がランクインしました。ピンクや白など色鮮やかな「芝桜の丘」で知られている秩父市の「羊山公園」の最寄り駅になります。秩父を舞台にしたアニメーション映画『心が叫びたがってるんだ。』(通称:ここさけ)の“聖地巡礼”を満喫できるイベントもこの時期に開催されていました。
「横瀬駅」のほか、4位に「西武秩父駅」(西武秩父線)、6位に「秩父駅」(秩父鉄道)がランクインしました。秩父市・横瀬町一帯の『ここさけ』の聖地を巡るファンが多く訪れたようであります。

何でもあるのですね、ランキングって。「よく検索された駅ランキング」は、今回初めて知りました。それにしても1位から10位の間に埼玉県内の駅が3位、4位、6位と3つも占めているとは驚きで、見事としか言いようがありません。
ほかには「江ノ島駅」(江ノ島電鉄・神奈川県藤沢市)、「笠寺駅」(JR東海道本線・名古屋市)、「高尾山口駅」(京王電鉄・東京都八王子市)、「スポーツセンター駅」(千葉モノレール・千葉市)、「お台場海浜公園駅」(ゆりかもめ・東京都港区)が10位以内にランクインしていました。

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7月7日(木曜日)の一打「嗜好品外来」

6月24日(金曜日)の産経新聞の記事によると、健康効果が期待されるチョコレートなどの嗜好(しこう)品を生活習慣病の予防に取り入れ、積極的に保健指導に生かす全国初の専門外来「嗜好品外来」が注目を集めているそうです。

この「嗜好品外来」は戸田中央総合病院に昨年の10月に設置されました。予約制で週2回、火曜日と木曜日の午後に開かれています。初診時に血液検査や心電図、レントゲン、血管機能検査などを受け、心臓病や脳卒中のリスクを判断。嗜好品の効果的な摂取方法や生活習慣の改善などを指導し、2、3か月後の再検査で効果を判定します。科学的な根拠に基づいて健康への効果が認められた食品を摂取してもらい、薬の投与に頼らないのが特徴だそうです。

例えば、チョコレートに血圧を下げたり善玉コレステロールを増やしたりする作用が認められることに着目し、生活習慣病予備軍の人たちに、カカオ豆のポリフェノール類を多く含んだ「高カカオチョコレート」の摂取方法を指導しています。同様の効果が期待できるものとして、ポリフェノールが多い赤ワイン、α-リノレン酸が多いクルミなども活用しているそうです。

嗜好品と言うと、栄養を取るためではなくその人の好みによって味わい楽しむもの、どちらかと言うと不健康につながるもののようなイメージもあるのですが、好きなものを食べながら健康になれるというのは、これまでにない新しい健康指導方法だと思います。病気の予防にもいろいろあるんですね。

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7月6日(水曜日)の一打「埼玉高速鉄道、黒字化へ」

埼玉高速鉄道は開業以来、赤字でありましたが、先週公表された平成27年度の決算において、初めて約15億円の経常黒字を出しました。

平成13年3月に埼玉高速鉄道は606億円の資本金と1,532億円の有利子負債という通常では考えられないような状況でスタートしました。累積損失も私が知事に就任した平成15年の段階で275億円になっておりました。
民間から社長をスカウトして、3年で補助金ありでの償却前黒字を達成し、6年で補助金なしでの償却前黒字を達成しましたが、最終損益は金利負担などが大きいこともあり、黒字にはなりませんでした。

当初1,532億円あった有利子負債を、開業12年後の平成25年度には1,162億円まで縮小したものの、リーマンショックや東日本大震災の影響もあり、輸送人員が計画に比べて伸び悩んでいました。
こうしたことから埼玉高速鉄道の経営努力だけでは黒字化の実現は難しいという判断をし、平成27年1月に私的整理手法の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決)を成立させ、経営の抜本的な再構築を行いました。
事業再生ADRとは、国の認定を受けた第三者が仲介役となり、債権者と債務者が裁判所を通さずに話し合いで問題解決を図ることです。事業を継続しながら手続きが進められるほか、法的整理に準じた税法上の優遇が受けられるなどのメリットがあります。

これによって有利子負債を半分程度に圧縮させ、毎年の金利負担が大幅に減少しました。また、現有の資産評価を再評価したことにより、減価償却費も半分程度になりました。
また、現執行体制の経営改革に加え、沿線開発の進展や、浦和美園駅を最寄り駅とする埼玉スタジアム2○○2が大規模なサッカー大会の会場になったことによって、輸送人員も押し上げられました。こうしたことが重なり、埼玉高速鉄道発足以来、初めて最終損益が黒字に転換しました。
今後こうした基調をしっかりと続け、財政支援に頼らない自立経営にしていくつもりです。

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 7月5日(火曜日)の一打「今が旬の『ふくしまの桃』を買って、福島県を応援しよう

7月に入り急に暑くなりました。夏の果物がおいしくなる季節の始まりでもあります。そしてこれから「ふくしまの桃」が旬を迎えます。
なぜ「ふくしまの桃?」。埼玉県では東日本大震災直後から福島県の支援を続けています。また、去る5月25日(水曜日)には、九都県市首脳会議において福島県の県産品や観光のPRに連携して取り組むことなどを盛り込んだ「福島の復興・創生に向けた九都県市共同宣言」をいたしました。首都圏を挙げて福島県を支援していこうというものです。

その福島県支援の一環として、埼玉県では「ふくしまの桃」のあっせんをしています。福島県で好まれているのは「シャキッ」とした硬い食感だそうです。福島県の方によれば、通な食べ方としてお勧めだそうです。もちろん、柔らかい食感が好きな方は数日置いて熟した状態でお楽しみいただければよいそうです。
「ふくしまの桃」の時期は9月上旬まで。福島県を代表する品種の「あかつき」から、時期を追うごとに「まどか」、「川中島白桃」、「さくら白桃」などいろいろな品種が楽しめます。

今から旬を迎える「ふくしまの桃」ですが、7月10日(日曜日)までに注文していただければ、3,800円のものが特別価格の3,580円で買えます。埼玉県のホームページから入って購入手続きをすると、誰でも買うことができます。
大勢の方々に「ふくしまの桃」を食べて支援をしていただければ有り難いです。そして、夏休みに福島県へ観光をしていただければ、なお有り難いことです。福島県の復興・創生に皆さんの御協力をお願いします。

埼玉県計画調整課 福島応援キャンペーン

7月4日(月曜日)の一打「幻のノーベル平和賞」

昨年は、本県ゆかりの梶田隆章(かじた たかあき)東京大学宇宙線研究所長や大村智(おおむら さとし)北里大学特別栄誉教授のノーベル賞受賞が話題となりました。
実は、本県の偉人、渋沢栄一(しぶさわ えいいち)翁はノーベル平和賞候補になっていたそうです。高崎経済大学地域政策学部の吉武信彦(よしたけ のぶひこ)教授がノルウェーのノーベル研究所にある資料から、第二次世界大戦前にノーベル平和賞候補となった日本人の推薦状況を調べ、渋沢翁が1926年に推薦されていたことを明らかにしています。

吉武教授の調査によると、受賞者を選考するノーベル委員会に対する推薦書は2通あり、1通目はハワイ大学の原田助(はらだ たすく)教授から、もう1通は当時の加藤高明(かとう たかあき)内閣総理大臣、幣原喜重郎(しではら きじゅうろう)外務大臣を含む、政界・財界・学会の関係者17名の連名によるものであったそうです。

推薦理由としては、渋沢翁が日本の社会的、道徳的、教育的指導者の中で著名な人物である点に加え、アメリカやヨーロッパ諸国と日本の財界人の相互理解を促進したこと、日米間の友好促進を通じ世界平和に大きく寄与したことが挙げられているそうです。
また、これに併せてアメリカ・スタンフォード大学の初代学長を務めた魚類学者で平和活動家でもあるデイビット・ジョーダン氏、ハワイ大学総長のアーサー・ディーン氏、アメリカ鉄鋼会社会長のエルバート・ゲーリー氏など、海外の著名人からも推薦書がノーベル委員会に送られていたそうです。

このことから、アジアにおける経済外交のパイオニアとして、渋沢翁の世界平和への貢献が海外から高く評価されていたことが分かっております。残念ながら、受賞には至らなかったものの、吉武教授によると当時のノーベル委員会が数多い候補者の中から渋沢翁を選び、選考のための報告書を作成していたことまで判明したそうであります。同委員会が渋沢翁に大いに注目していたことが伺えます。
もし受賞していれば、埼玉初であることはもちろん、日本初、アジア初のノーベル平和賞になっていたことになります。佐藤栄作(さとう えいさく)内閣総理大臣が1974年にノーベル平和賞を受賞する50年前の話になりますので、いかに渋沢翁の評価が世界的に高かったかということがよく分かります。手の届くところにあった受賞と思うと残念です。

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7月1日(金曜日)の一打「オリンピックは古代ギリシャ戦士の休息」

いよいよリオデジャネイロのオリンピック・パラリンピックの開幕が近づいてきました。

1896年、フランスのクーベルタン男爵の発意により興された近代オリンピックは今年で120年目になります。この世界の平和と民族の祭典の源流が古代ギリシャにあることは誰もが知っているところです。当時のギリシャはアテネやスパルタなど大小500を超える都市国家がひしめき合い、国家間の武力衝突が絶えない社会だったそうです。相次ぐ戦乱により、疲弊した国民と国家の威信を回復させる策として古代ギリシャ人が始めたのが、オリンピアの「聖なる森」での競技会「オリンピック」であったそうです。

4年に1度、競技の行われる7日を挟んで、わずか1ヶ月間ですが、期間中はいかなる争いごとも中止して競技に専念しなければならない「聖なる休戦条約」を守り、古代ギリシャ戦士たちは、つかの間の平和を享受したそうです。紀元前776年に始まったこの古代オリンピックは、ローマ皇帝テオドシウスが紀元後393年に廃止を命じるまでなんと292回、1169年も続けられました。驚異的な歴史を誇る古代オリンピックとは、戦いばかりしていた古代ギリシャ人から必然的に生まれた、平和を求める人間性に基づいた民衆の知恵の結晶であったと言われています。

現代に目を転じてみても、悲しいことに戦争やテロは今なお消えず、国家、民族、宗教などが入り乱れ、世界情勢は混迷の度合いを増すばかりです。しかし、愚かさの一方、崇高で尊厳に満ちた面を合わせ持つのが人間です。オリンピック、そしてパラリンピックではアスリートのパフォーマンスに一喜一憂しながら人間の限りない可能性に驚嘆しつつ、平和の意味をかみしめたいと思います。

もし、古代にならって全ての戦いを休戦にすることができたらすばらしいですね。安倍総理、提案してみませんか。

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