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知事ブログ 知事の太鼓

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掲載日:2016年3月1日

知事ブログアーカイブ(平成28年3月)

3月31日(木曜日)の一打「世阿弥(ぜあみ)の『初心』」

 人事異動の時期が来ました。よく言われる言葉に「初心忘るべからず」というものがあります。これは室町時代の初期に「能」を大成し、『風姿花伝(ふうしかでん)』や『花鏡(かきょう)』といった能の理論書を著わした世阿弥の言葉です。一般的には「物事に慣れてくると慢心してしまいがちであるが、始めた時の新鮮で謙虚な気持ちを忘れてはならない」という意味で捉えられています。ところが、世阿弥がこの言葉に込めた意味は少し違っていたと言われています。

 世阿弥にとっての「初心」とは、それまで経験したことのない新しい事態に直面した時の心構えを意味しています。つまり、「初心を忘れるな」とは、人生の試練の時に、どうやってその試練を乗り越えてきたのか、その時々の経験を忘れてはいけないということを表していたそうです。その上で世阿弥は三つの「初心」について語っています。

 一つ目は、若い時の「初心」です。若い時には失敗して恥をかいたり、苦労したりしながら芸を身に付けるものですが、その経験は必ず後の成功の糧になります。これを忘れてしまっては能を上達させていく過程を自然に身に付けることができず、それ以上、上達することは難しいとのことです。

 二つ目は、歳とともにその時々に積み重ねていく「初心」です。若い頃から最盛期を経て老年に至るまで、その時々に合った演じ方をすることが大切であるということです。過去に演じた一つ一つの風体をしっかりと身に付けていけば、年月を経たときに全てに味が出てくるそうです。

 三つ目は、老齢期の「初心」だそうです。老齢期には老齢期に合った芸風を身に付けることが必要であるとのことです。そして老齢になっても初めて遭遇し、対応しなければならない試練があります。歳をとったら「もういい」ということではなく、その都度、初めて習うことを乗り越えることによって、より高みを目指すことができるということだそうです。

 老齢期にも「初心」があるとの指摘は誠に面白いものです。高齢者の活躍が現在の課題になっておりますが、アクティブシニアがより活躍する社会というのは、正に高齢者の初心があふれる社会と言うことができるかもしれません。県が進めている「シニア革命」の成功の鍵は、正に世阿弥の言うところの老齢期の「初心」なのかもしれません。

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3月30日(水曜日)の一打「FM NACK5にラグビー応援コーナー登場」

 多くのリスナーに支持されているFM NACK5で、4月から「ラグビー応援コーナー」がスタートいたします。初回は4月2日(土曜日)に放送されます。

 このFM NACK5の「ラグビー応援コーナー」は、埼玉縣信用金庫がスポンサーになっています。メインパーソナリティーは、元ラグビー日本代表、現在、立正大学ラグビー部監督で、埼玉ラグビーアンバサダーでもある堀越正己(ほりこし まさみ)さんが務めます。

 放送は、毎週土曜日の18時25分から30分までの5分間です。ラクビー初心者のためのルールの解説や、楽しく試合を見るためのポイントの紹介、県内高校ラグビーの話題、トップリーグなどの注目選手へのインタビュー、7人制女子ラグビー日本代表に多くの選手を送り出しているクラブチーム「アルカスクイーンクマガヤ」の選手のゲスト出演など、盛りだくさんの企画が用意されています。

 初回の放送に当たって、私も応援コメントをさせていただきました。1分程度ですが、私なりにラグビーへの思いを一生懸命お伝えしています。

 今年の夏に開催されるリオデジャネイロオリンピックでは、7人制ラグビーが初めて実施競技となっています。御承知のとおり、日本は男女とも7人制ラグビーの出場権を得ており、活躍が期待されています。そして、2019年にはアジアで初めてとなるラグビーワールドカップ日本大会が開催されます。埼玉県の県営熊谷ラグビー場もその試合会場の一つとして決定しています。

 日本中が歓喜に沸いたイングランド大会南アフリカ戦のあの熱狂を今年の夏のリオデジャネイロオリンピックにつなぎ、そして2019年のラグビーワールドカップにつなげていきたいですね。皆さん、堀越正己さんの「ラグビー応援コーナー」を聞いて、一緒に盛り上げていきましょう。

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3月29日(火曜日)の一打「ふくしまの子どもたちからのメッセージ」

 先日、農林中央金庫福島支店、福島県森林組合連合会、福島県の幼稚園関係者で構成する「ふくしまの子どもたちからのメッセージ実行委員会」から、箱に入った積み木1セットを寄贈していただきました。震災・原発事故から5年の節目を迎えることから、全国の皆さんから温かい励ましと支援を賜ったことに対して、福島県民の感謝の気持ちを届ける趣旨だそうです。

 福島県南会津産材で作られた積み木の箱に福島県内各地の幼稚園児からの感謝のメッセージを書いて全国の知事に贈呈したとのことです。

 私のもとに届けられた積み木には、富岡幼稚園の園児の皆さんたちによって「ありがとう」の言葉とチューリップなどの絵が描かれた箱が付いていました。とても温かい便りですね。

 積み木には、実行委員会委員長の有田吉弘(ありた よしひろ)さんの趣意書と、内堀雅雄(うちぼり まさお)福島県知事の添え書きも同封されていました。震災・原発事故から5年経ち、当時生まれた子供たちも遊び盛りの年頃になりました。そこで、「この子供たちの手を借りて私たちの感謝の気持ちを伝えたい、そして残念ながらもうしばらく復興の道があることもお知らせしたい。」ということになったそうです。

 改めて、「福島、頑張れ。福島県民、頑張れ。私たちはいつも気持ちは一緒だぞ。」ということをお伝えしたいという思いを込めて、このブログでメッセージに対するお礼に代えたいと思います。

福島県の富岡幼稚園の園児の皆さんからの積み木
 

3月28日(月曜日)の一打「大学別桜の名所第1位は埼玉県に!」

 2月27日(土曜日)の日本経済新聞「NIKKEIプラス1」の「何でもランキング」に、「大学の『さくら咲く』名所歩きたい」いう特集記事がありました。東西別に大学の桜の名所が選出されており、東日本の第1位は、埼玉県新座市の跡見学園女子大学新座キャンパスでした。

 新座キャンパスには、何と45種約190本の桜が咲き誇り、珍しいサトザクラもあって、桜の愛好家には必見の場所だそうです。そのほか、東日本におけるランキング上位を御紹介しますと、第2位は、国際基督教大学(東京都三鷹市)、3位は岩手大学(岩手県盛岡市)、4位は北海道大学札幌キャンパス(北海道札幌市)、5位は東京工業大学大岡山キャンパス(東京都目黒区)と続いています。

 身近なところに桜の名所があった訳ですね。跡見学園女子大学新座キャンパスでは3月1日(火曜日)から5月15日(日曜日)まで一般公開しているそうです。5月15日まで桜が咲くのかなという思いもありますが、いずれにしても一見の価値ありということだと思います。

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3月25日(金曜日)の一打「埼玉県内の花・イベント情報」

 3月18日(金曜日)のブログでは県内の桜の名所や見頃を御紹介しました。今日は桜以外の春の花やまつりについて御紹介します。

 まずは、例年4月の半ばに見頃を迎える、さいたま市桜区の「田島ヶ原サクラソウ自生地」が挙げられます。荒川流域のサクラソウがほぼ全滅する中で、今でも100万株とも言われるサクラソウが自生しています。サクラソウの自生地としては我が国で唯一の国の特別天然記念物に指定されています。4月末頃まで咲いているようです。散策を兼ねてゆっくり御覧になるのはいかがでしょうか。

 4月の中旬から5月の上旬にかけては、何といっても秩父市の羊山公園の芝桜でしょう。羊山公園の芝桜は、芝桜ブームの先駆けとして最盛期には100万人もの観光客が訪れたと言われています。広大な敷地を埋め尽くすふわふわの花のじゅうたん、とでも言うべき装いです。花畑の面積は関東でも有数の規模を誇り、芝桜が織りなす様々なデザインがとても素敵です。雄大な武甲山を背景にした景観は一見の価値があります。

 4月2日(土曜日)と3日(日曜日)には、東松山市の上沼公園と下沼公園を結ぶ小路地を灯ろうの明かりで結ぶ「東松山夢灯路(ひがしまつやまゆめとうろ)」が開催されます。古くから残る路地に約1,500基の灯ろうが優しく灯り、雰囲気を盛り上げるコンサートも開催されます。4月中旬から5月上旬にかけては、同じく東松山市のぼたん園が見頃を迎えます。約3万平方メートルの園内に9,100本あまりのぼたんが咲き誇る当園では、ぼたんまつりも開かれます。なお、開花中は駅からの臨時バスが運行されます。

 4月15日(金曜日)、16日(土曜日)には「小鹿野春まつり」があります。初日には全国でも珍しい屋台歌舞伎が上演され、二日目の大祭当日は午前中には絢爛豪華な屋台・笠鉾が曳き廻されます。午後からは歌舞伎が上演され、流鏑馬も行われます。小鹿野歌舞伎と言われ、小鹿野町民の7人に1人は何らかの形でこの歌舞伎に関わっていると言われるくらい歌舞伎で有名なまちです。「百聞は一見に如(し)かず」だと思います。

 4月24日(日曜日)の春日部市の「春日部藤まつり」もお薦めです。春日部駅西口のふじ通りを会場に、マーチングバンドなどのパレードや流し踊り、和太鼓、ヒップホップダンス、よさこいソーランなどが繰り広げられますが、何といっても、1キロ程続くこの紫色の藤の花がとても優雅であります。

※ 県内の花の情報はちょこたび埼玉「観光スポットを探す」ページから検索できます。

写真:一面の芝桜と観光客
羊山公園の芝桜(秩父市)

3月24日(木曜日)の一打「創造性とは何か」

 「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」(講談社現代新書)に大変興味深いことが述べられていました。「進化論」で有名なダーウィンは、1831年、赤道直下のガラパゴス諸島に到着し、そこで彼は「ゾウガメ」や「イグアナ」など、これまで見たことのない多くの奇妙な動物を目にしました。英国に帰国後、彼はこれらの存在を合理的に説明する理論を懸命に考えましたがなかなか妙案が浮かばなかったそうです。その後ダーウィンは英国の経済学者トマス・マルサスの書いた「人口論」を読み、長年かなわなかったブレークスルーを遂げました。

 マルサスが人口の変化を説明するために使った「人口過剰」と「経済的弱者の淘汰(とうた)」という考え方を、ダーウィンはガラパゴス諸島で目撃した奇妙な爬虫類に結び付け、「自然淘汰に基づく生物の進化論」を作り上げました。当時の英国ではガラパゴス諸島の変種動物の存在は、生物学者の間で広く知られていました。また彼らの多くは有名な経済学書である「人口論」も読んでいました。しかし異なる分野の両者を結び付けて進化論を提唱したのはダーウィンでした。

 ロボットの概念を創り上げたことで有名なSF作家のアシモフはこのダーウィンの例を紹介し、「創造性とは一見異なる領域に属するとみられる複数の事柄を一つに結び付ける能力」と述べていたそうです。アップル社を立ち上げたことで知られるスティーブ・ジョブズも「創造性は物事を結び付けることにすぎない」とし、それが可能なのは「他の人間より多くの経験をしているか、あるいは他の人間より自分の経験についてよく考えているからだ」と語っていたそうです。

 確かに誰からの影響も受けずに完全にオリジナルな発明や発見をすることは考えにくいと思います。創造性は別の事柄を一つに結び付ける能力であるという説にはそれなりの説得力があります。何らかの発明や創造的なものに付加する形で新しい発明や創造が始まることはよく知られているところです。

 ヒトの脳は、多くの情報をインプットして正確にアウトプットする「倉庫」としての機能では、コンピュータに遠く及びません。ヒトに求められるのは「倉庫」に保管している知識や経験を、既成概念にとらわれない柔軟な発想で「結合」させ、新しい価値を生む機能、つまり「創造性」ではないかと思います。どのような知識や経験が役に立つかは分かりません。また何を触媒にして、どのような形に発展するのかも分かりません。しかし、多くの経験や多くの人との交流、あるいは視点が違うものを学んだり触れたりすることで、それが触媒になって既成の考え方にプラスアルファされたり、あるいはそれを超えてブレークスルーを遂げたりするのかもしれません。

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3月23日(水曜日)の一打「『埼玉きもの散歩』ほか」

 (株)さきたま出版会から2冊の本をいただきました。さきたま出版会は埼玉に関わる歴史や文化など、様々な郷土に関する書籍を出版をされている大変すばらしい出版社です。

 今回、さきたま出版会は「埼玉きもの散歩 ― 絹の記憶と手仕事を訪ねて ― 」と「埼玉の考古学入門」を新たに発行されました。
  「埼玉きもの散歩」は「絹の記憶をたどり、紡いだひと・もの・まち」をテーマにまとめられたとても興味深く、そしておしゃれな本県のガイドブックです。「NPO川越きもの散歩」の代表である藤井美登利(ふじい みどり)さんが、様々な織物やその職人、絹の名産などを、過去から現在という時の流れを感じながら「きもので巡る、小さな旅」ということで案内をされています。美しい絹織物の写真、懐かしい街の風景写真、さらに各地域の伝統、歴史なども紹介されていて、読み応えもたっぷりです。絹に関わる様々な建物なども広く紹介されており、またそれに関わった先駆者の皆さんたちの物語も挿入されて、大変奥の深いものだと感じながら拝読しました。

 「埼玉の考古学入門」の方は、まだページをめくった程度です。行田市の埼玉(さきたま)古墳群に代表されるように、本県は古墳や集落跡などの史跡が多い地域です。肥沃な土地と農耕に恵みをもたらす豊かな河川を持つ本県は、古来、人々が集い生活する地として良好な環境を作っていたものと思われます。こちらも、そうした想像力をかきたててくれるすばらしい本です。この本についてはまた改めて御紹介する機会があるかと思います。

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3月22日(火曜日)の一打「上尾伊奈獣医師協会のすばらしい取組」

 3月8日(火曜日)に「埼玉県議会動物と共生する社会を推進する議員連盟」(会長:西山淳次〔にしやま じゅんじ〕議員)の皆様から、保健所などに収容される犬や猫の殺処分をゼロにする取組を更に進めてほしいという趣旨の要望書をいただきました。もとより、埼玉県はこの数年来、犬や猫の殺処分を減らす取組をし、議員連盟の皆様からもこの間の県の取組については一定の評価をいただいているところです。しかしながら、ゼロになっているわけではありませんので、県としては今後ともゼロを目指して頑張りたいというようなことを議員連盟の皆様に申し上げたところでした。

 このことに関連して、先日とてもいいニュースを聞きました。3月16日(水曜日)に上尾市と上尾伊奈獣医師協会が「飼い主のいない猫の不妊・去勢手術実施協定書」を締結され、市民が持ち込む飼い主のいない猫、いわゆる野良猫に対する無償手術を4月1日(金曜日)から実施することが決められました。犬と猫の殺処分数の内訳を見ると、近年は圧倒的に猫の方が多くなっています。この問題の解決のため、上尾市は平成25年度から本年度まで、県の「地域猫活動推進事業」による助成を受け、指定モデル地区において、野良猫への不妊・去勢手術などを行ってきました。市内全域を対象とする今回の取組は、殺処分の更なる削減につながることが期待されます。

 この取組で対象となる猫は上尾市内に生息する野良猫です。上尾市職員は、市民からの申請に基づき、猫の現地確認や協力獣医師との連絡調整、申請者が捕獲した猫の動物病院への持込みなどを行うそうです。
  御協力いただける獣医師の皆様には、不妊・去勢手術と手術に係る費用の全額を御負担いただけるとのことです。心から感謝申し上げるところです。

 大変すばらしい協定が結ばれたことになります。このような取組は大事にしたいですね。

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3月18日(金曜日)の一打「埼玉の桜の見どころ」

 寒さも和らいで温かい日が続くようになりました。3月の下旬から4月の上旬にかけてはいよいよ花の季節が始まります。とりわけ桜については埼玉県もなかなかのものですので、少し御紹介したいと思います。

 まずは幸手市の権現堂堤(ごんげんどうつつみ)の桜が3月の終わりから4月の上旬にかけて見頃です。この権現堂の桜は堤に菜の花も黄色く咲きますので、黄色とピンクのコントラストが大変美しく、桜の名所として全国のベスト10に入った所です。是非御覧ください。

 熊谷市の荒川の土手沿いにある桜も、約500本のソメイヨシノが2キロメートルの長いトンネルの形になって評判です。

 また、本庄市の「こだま千本桜まつり」も見事です。こちらの方は4月の上旬から中旬が見頃とされています。5キロメートルにわたって1,100本の桜が小山川(こやまがわ)の河川敷に連なっています。

 皆野町の「みなの美の山桜まつり」は4月9日(土曜日)と10日(日曜日)に開催されますが、約70種類8,000本の桜を誇っているところが有名です。

 景勝の地、長瀞町の桜も「日本さくら名所百選」に選ばれたこともある名所です。約3,000本に及ぶ桜が植えられており、様々な種類の桜が楽しめます。3月26日(土曜日)から4月24日(日曜日)まで桜まつりが開催されています。これも楽しみだと思います。

※ 県内の桜の情報はちょこたび埼玉「観光スポットを探す」ページから検索できます。

画像:一面の菜の花と桜
権現堂桜堤(幸手市)

3月17日(木曜日)の一打「馬上、枕上、厠上(パート2)」

 昨日に続き、「馬上、枕上、厠上」について御紹介します。中国・北宋の政治家、欧陽脩(おうようしゅう)は、良い考えの生まれやすい状況の一つとして「枕上(ちんじょう)」すなわち布団の中も挙げています。シルバー川柳に「寝て練った 良い句だったが 朝忘れ」というのがあります。一方、夢うつつの状態で妙案が浮かぶこともあれば、その逆に前日には考えがなかなかまとまらなかったものが、一晩寝て頭がすっきりしたら良いアイデアが浮かんだという経験は誰にもあります。

 お茶の水女子大学の外山滋比古(とやま しげひこ)名誉教授は、名著「思考の整理学」の中で「見つめるナベは煮えない」という外国の諺(ことわざ)を紹介しながら、何かを考え始めてから答えが出るまではある程度時間が掛かると説いています。早く煮えないかと絶えずナベのふたを取っていては、いつまで経っても煮えないように、あまり考え詰めていると、出る芽も出ないということだそうです。一晩寝てからだとナベの中は程よく煮えると言います。「枕上の妙、ここにあり」と外山氏は述べておられます。睡眠中には、その日に体験したことのうち、記憶しておくべき事柄と処分すべき事柄の「仕分け」がされているのだそうです。一晩よく寝て、すっきりと整理された状態の脳からこそ良いアイデアが出るのかもしれません。睡眠不足は要注意ということですね。

 最後に「厠上(しじょう)」すなわちトイレですが、温水洗浄便座という世界に冠たる日本のハイテクトイレは、思索にふける場所として最適とも言えるかもしれません。実際トイレに本や雑誌を持ち込んで思索にふける人も少なくないと言われています。しかし、医学的には長時間トイレに入るのは痔の予防には良くないそうです。携帯メールを打ったり、雑誌を読むなどトイレに長居するのは厳禁だそうです。「厠上」での思考はほどほどにというお話です。

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3月16日(水曜日)の一打「馬上、枕上、厠上(パート1)」

 9世紀の中国、北宋時代に活躍した政治家に欧陽脩(おうようしゅう)という人がいました。文学者、歴史学者としても有名で、唐代から宋代にかけて古文によって名声を得た「唐宋八大家(とうそうはちだいか)」の一人にも数えられている人です。

 この欧陽脩は良い考えの生まれやすい状況として「馬上(ばじょう)」、「枕上(ちんじょう)」、「厠上(しじょう)」を挙げています。それぞれ「乗り物に乗っている時」、「布団で寝ている時」、「トイレの中」という意味になります。

 現代の「馬上」と言えば通勤電車でしょう。昨年、ある民間シンクタンクが首都圏に暮らすビジネスパーソン412人を対象に通勤電車の中の過ごし方を尋ねたところ、複数回答(最大三つまで)の1位は「睡眠をとる」でした。以下2位は「何もしない」、3位は「ニュースサイトを見る」、4位「小説を読む」、5位「ゲームをする」でした。思考を深めるような「ビジネス書・自己啓発本を読む」は8位、「新聞を読む」は9位、「ビジネス雑誌を読む」は10位と少数派でした。

 この通勤時間を活用して、物事を考えたり整理をする習慣が身に付けば、正に「馬上」のように良い考えが生まれやすい時間となるかもしれません。ちなみに総務省が行った平成23年の「社会生活基本調査」によると、通勤通学の時間が最も長いのは神奈川県で43分、埼玉県は2位の41分、3位は東京都と千葉県で39分であったようです。この41分をどう活用するか、それによって人生が変わるかもしれません。

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3月15日(火曜日)の一打「草加の製菓会社、国産カカオの量産化に目途」

 草加市の老舗製菓会社「平塚製菓」が、小笠原諸島の母島で、日本では不可能と言われていた国産カカオの量産化に目途を付け、純国産チョコレートの開発に成功したそうです。
  カカオは、赤道を中心に南北の緯度20度以内で、最低気温が16度を下回らず、年間雨量1,000ミリ以上の「カカオベルト」と呼ばれる地域で主に栽培されていることから生産量が限定されています。その一方、途上国などではチョコレートへの需要が拡大しており、このところカカオの国際商品市況は高騰しています。

 平塚製菓は創業115年、チョコレート菓子などのOEM(相手先ブランドによる生産)を中心に行う製菓会社です。同社の平塚正幸(ひらつか まさゆき)社長は、何とか国産カカオによるチョコレートづくりができないかと思い描き、あえて北緯26度に位置する母島で2010年からカカオ栽培に取り組み始めたそうです。
  当初1,000粒の種を植えて、167本が発芽したものの2・3か月で全て枯れてしまい、平塚社長の夢も頓挫(とんざ)しかけたそうです。そこへ小笠原村で農園を経営する折田一夫(おりた かずお)氏から協力の申出があり、埼玉の製菓会社と小笠原の農家の共同プロジェクトがスタートしました。
  本土から1,000キロも離れた母島への重機やハウス資材の輸送、台風や潮風の影響などの難問を一つ一つ乗り越え、2013年に待望の初カカオを収穫しました。その後カカオの実から豆を取り出す発酵・乾燥作業に手探りで取り組み、2015年3月、ついにチョコレートの試作に成功したそうです。

 今年は板チョコにして15,000枚分に相当する0.5トンのカカオの収穫を見込んでいるそうです。今後、量産化に目途をつけ2018年には販売を予定しているそうです。母島産カカオの生産とチョコレートづくりについては、2月9日(火曜日)付けのYAHOO!ニュースや2月12日(金曜日)付けの読売新聞などで報じられています。

 実は、埼玉県と小笠原諸島は意外なつながりがあります。過去にもブログで何度か御紹介しましたが、埼玉が生んだ偉人、塙保己一(はなわ ほきいち)に関連する逸話であります。

 江戸時代後期、小笠原諸島の領有が日本とアメリカ、イギリス、ロシアの間で問題となった時に、時の幕府は塙保己一が創設した和学講談所を継いだ息子の塙次郎(はなわ じろう)に相談をしました。日本固有の領土である証拠を探し求めた幕府は塙保己一が残した資料に賭けたのです。
  塙次郎は和学講談所に収蔵された資料の中から小笠原諸島が日本の領土であることを証明する歴史資料(明治になり「続々群書類従」に収められる)を発見し、幕府に提供しました。これが決め手となって小笠原諸島が日本の領土であることが国際的に認められました。

 平塚製菓の「純国産のチョコレートづくり」という夢のある取組を通して、遠く離れた埼玉県と小笠原諸島の不思議な縁を感じたところです。

知事の部屋

3月14日(月曜日)の一打「埼玉県独自の児童生徒向け『民泊』」

 最近、東京都大田区の民泊特区制度が話題になっていますが、衛生面や管理面などで難しい課題があるようで、実際はまだ3件しか申請がされていないようです。

 一方、埼玉県でも独自の民泊事業が展開されています。それは秩父地域の民家で小学校から高校までの教育旅行を受け入れるというものです。

 この事業は、埼玉県が受け入れる組織体制や衛生管理に関するガイドラインを策定し、これに基づいて秩父地域おもてなし観光公社と、秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町の1市4町が共同で平成26年度から開始したもので、観光公社が仲介する修学旅行などの児童生徒3~4人を1~2泊で受け入れています。

 宿泊家庭で行われる体験プログラムはそれぞれの民家が考案し、野菜の種まきや収穫、そば打ち、味噌ポテトや冷や汁うどん等の郷土料理づくりなど、バラエティに富んだプログラムを体験することができます。
  例えば、あるリンゴ農家ではリンゴの収穫を手伝ってもらいます。子供たちは朝5時に起床し、ラジオ体操をしてから作業に取り掛かります。都会で生まれ育ち、リンゴの木も見たことがない子供がほとんどで、農作業はとても新鮮に感じられるようです。
  受け入れ民家には宿泊料ではなく、生活体験の指導料として1人当たり1泊5,000円程度が観光公社を通して支払われます。また、子供たちに提供する食事には地場産品を使うことを勧めており、地域への経済効果も期待できる仕掛けになっています。
  秩父地域での民泊事業の様子は、2月3日(水曜日)付けの日本経済新聞(夕刊)でも特集されていました。
  こうした民泊事業は横須賀市なども実施していますが、秩父地域は、受入登録家庭が200軒を超え、300名規模の子供たちを受け入れることができる初めての地域となっています。
  修学旅行を通して滞在先に愛着が生まれた子供たちも少なからずいることでしょう。民泊での生活体験により秩父が「第二の故郷」となるようなファンづくりも事業目的の一つになっています。こうした事業によって埼玉県のファンが増え、将来、再来訪する人が増えるかもしれないという期待もあります。
  埼玉県独自の児童生徒向け民泊の展開をこれからも注視していただきたいと思います。

民泊事業での高校生の様子

 3月11日(金曜日)の一打「元AKB48松井咲子さん、コバトン倶楽部に加入」

 去る3月9日(水曜日)、AKB48の元メンバーであります松井咲子(まつい さきこ)さんが、埼玉応援団(コバトン倶楽部)に加入されました。松井さんは蕨市出身で、蕨市のPR大使も務めておられます。

 昨年8月にAKB48を卒業されて、現在は音大生の傍らタレントやピアニストとしても活動されています。NACK5でパーソナリティをしている番組「見たい!行きたい!話したい!!」は平成28年2月に放送100回を迎えたそうです。そして、4月からスタートするテレビ埼玉の新情報番組「マチコミ」への出演が決定しているそうです。

 埼玉生まれ、埼玉育ちの松井さんは埼玉県をこよなく愛されているので、コバトン倶楽部に加入することを大変喜んでおり、感激もしておられました。コバトン倶楽部の会員証にサインしていただき、御本人から今後の埼玉県のPR活動に向けての抱負も伺ったところです。

 松井さんは埼玉県内の観光地にも家族で随分行かれたようです。また、ピアノコンクールなどでは、彩の国さいたま芸術劇場での発表会にしばしば出場されたとのお話も伺いました。こうした人気のある方にコバトン倶楽部に加入していただくのは大変有り難いことです。折に触れて、埼玉県の宣伝をしていただきたいと思います。松井咲子さんのこれからの御活躍を心から御期待申し上げます。

松井咲子さんと知事

3月10日(木曜日)の一打「チャイルショック」

 2月8日(月曜日)の日経ビジネスに「チャイルショック」という記事が掲載されていました。この「チャイルショック」とは中国(チャイナ)の経済減速の不安と原油(オイル)価格の下落による資源国への打撃に端を発する世界経済の混乱を表す造語だそうです。いま世界経済で何が起きているのか。その記事の内容をかいつまんで御紹介したいと思います。

 2008年のリーマンショック後、先進国での金融緩和の結果発生した大量のマネーは一斉に新興国へ向かいました。しかし、中国の経済減速と原油安をきっかけに新興国バブルは逆回転し始めています。中国やその他の新興国への投資マネーは逃避し、これらの国をますます苦境に追い込んでいます。また、新興国に成長の機会を求めてきた欧米や日本の企業業績も直撃を受け、先行きが見通せなくなっているのが世界経済の現況と言えます。

 「チャイルショック」の日本への波及を防ぐため、日本銀行は1月29日(金曜日)の金融政策決定会合において、史上初めてマイナス金利を導入しました。アメリカはシェール革命により世界一の産油国になりましたが、想像以上の原油安に直面し大半のガス油田が損益分岐点を下回り、シェール革命の夢はしぼんでしまいました。

 ドイツは2000年代に生産拠点を労働コストの安い東欧諸国に移し、輸出競争力を確保してきました。ユーロ安を受け輸出競争力は更に高まり、ドイツの独り勝ち観がありました。しかし、ここにきて難民問題がドイツ経済の輸出産業に打撃を与えているようです。難民問題の影響で国境検査が復活したために物流の停滞が広まっており、恒常的な停滞の可能性が出てきました。輸出大国のドイツにとっては楽観できない状況です。

 中国ではリーマンショック対策で打ち出した4兆元(約57兆円)にのぼる経済対策により高まった製造業の生産能力が過剰となっています。経済の減速により余剰感は一段と高まっており、経済の再浮上はセメント、鉄鋼など主要設備産業のリストラができるかどうかにかかっているとも言われています。近年、日本企業は中国に集中しすぎた製造拠点を修正する一環として、ASEANに積極的に投資する海外戦略を採ってきました。しかし、ASEAN各国の製造業の主な輸出先は中国です。中国の経済成長の減速はASEANや新興国経済にもダメージを与えています。

 新たな世界経済危機を回避するための国際協調が正に求められていると思います。

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3月9日(水曜日)の一打「豊かな時代ゆえの課題」

 今後に向けて日本が持続的に成長していくためには人口問題に注視をする必要があります。要するに人口が着実に増えていく、もしくは最低限減らない状況を見通すことができない限り、投資家の心理は縮んでいくと思わざるを得ません。ただし、今すぐに出生率が向上したとしても、赤ちゃんから大人になるまでには時間が掛かるため、少子化対策が実を結ぶのには20年は掛かると思います。そういう意味で、少子化対策は息の長い作業であり、丁寧にコツコツと取り組んでいく必要があります。

 それ以上に私たちが認識しなければならないこととして、日経BPセクションの「2016 世界はこうなる」のコーナーに(株)盛之助代表取締役の川口盛之助(かわぐち もりのすけ)氏による興味深い記事がありましたので御紹介します。

 陸上競技のマスターズ部門では、高齢になるほど日本人スプリンターの活躍が目覚ましいそうです。100メートル競走の105歳部門で京都の宮﨑さんが42秒22の世界記録を樹立したというニュースは記憶に新しいところです。もともと強い水泳競技となれば圧倒的に強い傾向があります。65歳以上の競泳世界記録の4分の1は日本人のシニアが保有しているそうです。元気な老人たちが日々泳いだり走ったりすることができるようになったことは、日本の社会が質的に豊かになったことを意味しています。

 元気を持て余す高齢者がいる一方、その家族たちも、より高度な豊かさを実現した「先々進的な社会」ゆえの悩み事を抱えているそうです。例えば、お父さんは「加齢臭」で悩み、お母さんは近所との「ママカースト」争い、一応就職している娘の部屋は「ゴミ屋敷」状態でいまだに「パラサイトシングル」、息子は友人ができず、学食で「ボッチ飯」等々。こうした悩み事などは少し前の時代から見ると、一見贅沢な悩みに思えるけれども、それこそ正に大多数の国民にとって現実の課題なのだと言います。川口氏はそのことを「贅沢な弱者」と表現されています。

 「なるほど」と思いました。豊かな時代には行政ニーズもビジネスチャンスも贅沢な悩みの中に潜んでいるということなのでしょうか。一つ付け加えさせていただくとしたら、日本社会全体で見たときの課題として、元気な高齢者が活躍できる時と場所を得ていないという課題があると思います。一般的に「弱者」と考えられている高齢者も実は多くの人が元気です。そのパワーを生かしきれていないことは、社会としての「贅沢」と言えるのかもしれません。

 埼玉県でこれから推進していく「シニア革命」は、正にこうした「弱者」に能力と経験を活用できる時と場所を得ていただき、「強者」になってもらうことではないかと思います。

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3月8日(火曜日)の一打「中小零細企業のイノベーション」

 安倍総理は、アベノミクスの果実として積み上がった輸出型企業の内部留保に着目してもっと設備投資や賃上げに反映させるようにと言われています。確かに企業は2014年度時点で300兆円を超える内部留保を有していると言われています。

 なぜそんなことになったのか。これはバブルの崩壊後に過剰な債務、過剰な雇用、過剰な設備といういわゆる「3つの過剰」により逆境に立たされた日本企業にとってコストカットが至上命題になり、正規雇用を非正規雇用に代えるなど人件費を中心に様々なコストカットを行ってきたことが原因の一つと考えられます。そして、リーマンショックを乗り切るためにも、経営基盤を強化し筋肉質の体質に変えるように努めました。また、東日本大震災も影響を与えたかもしれません。いずれにしても、我が国の大企業の多くはしっかりと強靭な体をつくり、少々のことではびくともしないような経営基盤を整えているようです。このことが多額の内部留保の存在となって表れてきているのですが、逆に言うと、リスクを抱え込んででも勝負をしようとする体質が失われている面も否定できません。

 逆に、中小零細企業は正に零細から小へ、小から中へ、中から大へと飛躍するためには、リスクに次ぐリスクを抱えながらもイノベーションに次ぐイノベーションにより、それを突破することでワンランク上の企業に成長してきたわけであります。今の日本を支えるトヨタやホンダの歩みがそれを証明しています。私は、これからの日本の経済的発展は、安倍総理が願う大企業のイノベーションや投資に頼るのではなく、確かな技術と熱い情熱を持った中小零細企業の新たなイノベーションとそこに向けた大胆な投資にかかっているのではないかと思います。もちろん、いくら革新的なアイデアや情熱があっても中小零細企業のイノベーション能力や投資能力には限界があるというのも事実です。また他の企業や大学、研究所などとのネットワークも課題です。

 埼玉県が取り組んでいる「先端産業創造プロジェクト」は、そうした課題を全て解決できるかは分かりませんが、その期待にできる限り応えようとする試みです。このプロジェクトでは、産業技術総合センターや産業振興公社など埼玉県の支援チームに加えて、2,000人からの研究者を擁する国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)とも専門的、先進的な技術分野での連携を行っています。そして、資金の供給や研究開発のマネジメント分野では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けています。もちろん県内外の金融機関による支援にも期待していますし、埼玉県も100億円規模の基金を用意して、このプロジェクトの推進を図っているところです。埼玉県ではこのように中小零細企業のイノベーションや投資を支える仕組みをしっかりとつくっているところです。

 1月25日(月曜日)のブログでも御紹介しましたように、このプロジェクトからはリチウムイオン電池に代わる可能性を持つマグネシウム蓄電池の実用化に向け、大きく前進するという成功事例も出ております。これから多くのイノベーションがこの先端産業創造プロジェクトから出てくることを楽しみにしております。

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3月7日(月曜日)の一打「台湾南部地震支援募金」

 2月6日(土曜日)、台湾南部でマグニチュード6.4の地震が発生しました。早いもので既に約1か月が経過しました。私は今回の地震を伝える報道を見ながら、東日本大震災の際に台湾から温かい支援をいただいたことを思い出しておりました。台湾は大変親日感情が強く、東日本大震災という日本が大変苦しい時に多くの義援金や支援物資を送ってくれました。世界各国、各地域からの支援の中でも最大規模だったと記憶しています。

 その台湾に何か恩返しができないかと考え、せめて県庁内で義援金を募ろうと職員に声を掛けました。募集期間は約2週間と短い間だったにもかかわらず、12,531人に賛同をいただき、1,581,996円が集まりました。県議会開会中でしたので、3月2日(水曜日)、国際課長から義援金を台湾の窓口に届けさせました。対応していただいた台北駐日経済文化代表処(しょ) 副代表の郭仲熙(かく ちゅうき)氏は「皆様の励ましとお心遣いにとても感謝する。」と大変感激していたとのことです。

 郭氏によると、今回の台湾南部地震による被災に対して日本各地から続々と支援が寄せられているとのことです。県議会でも台湾への支援についての質問がありましたが、東日本大震災で受けた御恩を忘れていない日本国民が多いということでしょう。さらに郭氏からは「台南市は救出活動も終わり、通常の生活に戻っています。倒壊したビルは欠陥建物だったことが判明しており、その他の建物は無事です。余震もなく道路も全く影響ありません。皆さん安心して台湾にいらしてください。」とのお話があったそうです。

 確かに、実際に台湾を訪れるということが何よりの支援なのかもしれません。埼玉県庁の走る宣伝部長、公務員ランナーの川内優輝(かわうち ゆうき)選手も、今回の地震の知らせを聞いて3月20日(日曜日)に台湾の新北市(しんぺいし)で開催されるマラソン大会に参加することにしたそうです。「自分が走って日本も応援しているという思いを伝えたい。」と熱く語っています。大変誇らしく思います。

 台湾からはたくさんの観光客が日本を訪れています。本県では高校生の修学旅行の誘致に積極的に取り組んでおり、埼玉県を訪れる台湾の高校生は年々増加しています。また来年度からは、台湾に埼玉国際観光コンシェルジュを設置し、台湾から更にたくさんの皆さんに来てもらいたいと思っています。これからもどんどんお互いを訪問し合い、交流することで友好親善が更に深まり、埼玉ファン、台湾ファンが増えていくものと確信しています。

写真:義捐金の目録を持つ郭副代表
台北駐日経済文化代表処(しょ)の郭副代表

3月4日(金曜日)の一打「ジュニア・エコタイムス」

 毎年3月に、埼玉新聞の特集記事として環境新聞「ジュニア・エコタイムス」が掲載されています。これは、小学生が身近な環境問題について、自ら見て、聞いて、調べ、考えた内容を新聞形式にまとめたものです。毎年作品を募集し、応募のあった中から選ばれた優秀な作品は、実際に埼玉新聞に掲載され、埼玉新聞ホームページ上でも発表されることになっています。
  この事業は、県と埼玉新聞社が企画し、株式会社エコ計画に協賛していただく形で平成9年度から毎年実施しています。19回目となる今年度は、過去最多となる3,122作品の応募がありました。

 今年度の応募作品の中から、最も優れた作品に贈られる「埼玉県知事賞」を受賞したのは、鴻巣市立馬室小学校の6年生の加藤心渚(かとう ここな)さんの作品です。「年末年始のごみ」を題材に新聞を作っておられます。年末の12月30日がゴミの最終収集日で、その後、新年最初の収集日となる1月4日までに、どのくらいゴミがたまるのかを調べてみたそうです。心渚さんの御家族は、お父さん、お母さん、弟さんと心渚さんの4人世帯です。

 たまったゴミの量は、燃やせるゴミ(生ごみ、紙くず、枝木など)が3袋で135リットル。また、燃やせないゴミ(ガラス類、せともの類、靴など)が1袋で45リットル。燃えないゴミは、年末の大掃除で既に2袋出したのに、さらに1袋出たのだそうです。
  次に、カップ麺や納豆の容器やレジ袋などのプラスチック製の容器包装は、なんと3袋で135リットル。加えて、缶詰が5缶、アルミ缶が7缶、ビンが3本、新聞や雑誌は6.5キログラムも出たそうです。

 思ったよりもたくさんのゴミが出ているということで、4人で話し合い、その結果を「家族で考えたこと、今後やってみようと思ったこと」としてまとめておられます。
  ゴミを少なくするための取組として、「着られなくなった洋服や使わなくなったおもちゃは、使いたい人にゆずる」、「むだな物は買わないようにする!買う前によく考えてから買う」、「野菜の葉や切れ端も、できるだけ使い生ごみを減らす」そして「残さないで食べる」、「シャンプーや洗剤などは、つめかえ用を買う」、「環境に優しいエコマークがついているものを選び使う!」を掲げています。これらのことを家族で確認し合ったようです。

 心渚さんは、こうした内容を新聞の全面を使った形でまとめ、文字だけでなく絵やイラストを巧みに使いながら分かりやすいレイアウトで作品を完成させています。心渚さんの作品は、3月11日(金曜日)発行の埼玉新聞において、今年の「ジュニア・エコタイムス」の巻頭を飾ることになっています。
  毎年、子供たちに環境問題に特化した内容の取組や意見を新聞形式で表現してもらうことは、環境教育の面からも大変意義のあることだと思います。

 私たちの日常生活の中でも、知らず知らずのうち大変多くのゴミを排出してしまっています。加藤さん御一家と同じように、私たちも年に一度はゴミの量や中身について総点検をしてみる必要がありそうです。

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3月3日(木曜日)の一打「スコップとシャベル」

 今回も「悩ましい国語辞典」から、スコップとシャベルはどちらが大きいかという話を御紹介します。
  「日本国語大辞典」では「スコップ」のことは「小型のシャベル」と解説し、「シャベル」のことは「土、砂などをすくったり、穴を掘ったりするための金属製の道具」と解説しています。私が使っている講談社の「現代実用辞典」でも同じようにスコップのことを「小型のシャベル」としております。

 しかし、普段少し大きな穴を掘ったり、雪かきをする時には「スコップ」を使っている気がしますし、花壇など庭いじりをする時には「シャベル」を使っているような気がします。
  一方、「シャベルカー」とか「ショベルカー」という言葉は聞きますが、「スコップカー」という言葉は聞いたことがありません。この場合は「シャベル」の方が大きいイメージがあるようです。いずれにしても、その違いがはっきりしていない気がします。

 この謎に関して、小学館の「大辞泉」では「東日本では大型のものをスコップ、小型のものをシャベルといい、逆に西日本では大型のものをシャベル、小型のものをスコップということが多い」と解き明かしているそうです。
  なかなか使い分けがはっきりしない言葉があるということを改めて知ったところです。しかし、それでもコミュニケーションが成り立っているところに「生き物」としての言葉の柔軟性のようなものを感じます。

 念のため英和辞典でも調べてみたところ、「スコップ」はオランダ語、「ショベル」は英語から来た言葉だそうです。英語の「scoop」という言葉には「(穀物・砂糖・石炭などをすくう)すくいシャベル」という意味のほかに、「(新聞などの)特ダネ、スクープ」という意味もあるそうです。
  時々、政治家の問題発言が新聞などで報じられます。不用意に「シャベル」と「スクープ」されて墓穴を掘ってしまうかもしれません。

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3月2日(水曜日)の一打「流れに棹さす」

 今回は「悩ましい国語辞典」から「流れに棹(さお)さす」を御紹介します。
  夏目漱石の小説「草枕」は、「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される」という有名な書出しで始まります。
  この「智に働けば角が立つ」とは、理性や知恵だけで割り切って振る舞っていると他人と摩擦を起こすという意味です。こちらには、意味の取り違えはあまり生じないと思います。一方、「情に棹させば流される」という部分は、他人の感情ばかりに気をつかっていると足をすくわれるというような意味ですが、「棹さす」を「逆らう」という意味にとってしまう人が結構いるようです。

 「流れに棹さす」という形で「棹さす」が使われる場合に、誤用されることが多いようです。「流れに棹さす」の本来の意味は「機会をつかんで時流にのる、物事が思いどおりに進行する」ということです。ところが最近では、従来になかった「流れに逆らう」や「時流に逆行する」という意味で使う人が圧倒的に増えているようです。
  「棹」は水底を突いて舟を前進させる竹や木の細長い棒です。「流れに棹さす」は、棹を突いて流れに乗って舟を進めて川を下る様子から、物事が思うように進む例えとして生まれた言葉のようです。それが、いつの間にか逆の意味で使われることが多くなっているという訳です。

 漱石の「草枕」の時代では「情に棹させば流される」と言えば、本来の意味で理解されていたのでしょう。しかし、棹を使って舟を進めているような場面を目にすることが少なくなった現在では、「棹さす」行為をイメージするのは難しいのかもしれません。そのため、「流れに棹さす」が、棹を水底に刺してブレーキをかけるようなイメージにつながったのかもしれません。
  人間の感性と言葉の持つ本来の意味との不一致が、このようなところに現れているのでしょうか。

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3月1日(火曜日)の一打「世間ずれ」

 今回も「悩ましい国語辞典」から気になった言葉を御紹介します。
  「世間ずれした人」という言い方があります。この「世間ずれ」は、本来、世間を渡ってきてずる賢くなっているという意味です。しかし、最近は世の中の考え方から外れているという意味だと思っている人が増えているようです。

 この誤りは「世間ずれ」の「ずれ」を「ずれている」と理解していることから生じているようです。「世間ずれ」の「ずれ」は「ずれる」ではなく、世間で揉(も)まれて純粋さを失ったり、悪賢くなったりするという意味の「擦(す)れる」ということです。本来「世間擦(す)れ」であったものが「世間ずれ」と音が変化して表記されるようになり、「ずれ」の部分が強調され、感覚や考え方が他の人と隔たりがあると解釈されるようになったものと思われます。

 2004年度の文化庁が実施した「国語に関する世論調査」では「世間を渡ってずる賢くなっている」という意味で使う人は51.4%、「世の中の考えから外れている」という意味で使う人が32.4%だったようです。
  ところが、直近の2013年度の同調査では「世間を渡ってずる賢くなっている」で使う人が35.6%で、「世の中の考えから外れている」で使う人は55.2%でした。10年近くで逆転した訳です。しかも、10代では8割台半ば、20代でも8割近くが「世の中からずれている」という解釈をしているとのことです。このまま若い世代が年を重ねて世代交代が進むと、この言葉の意味が完全に変わってしまう可能性があります。

 今のところ、辞書に本来の意味を掲げ、その上で補注か何かで「世の中からずれているという意味で使うのは誤り」などの一文を添えるしか手立てはないようですが、「悩ましい国語辞典」の著者である神永氏も、それだけではこの流れを食い止めることは不可能ではないかと指摘されています。

 昔、古文の授業で、「おもしろし」は古典では「すばらしい」という意味であり、「すさまじ」は「つまらない」という意味だと教わりました。その時は、言葉というのは長い年月を経て意味が変化するのだろうと思っていましたが、短い時間でも意味が変化するのですね。

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