平成30年 > 知事記者会見テキスト版 平成30年10月30日

ページ番号:140057

掲載日:2021年10月31日

ここから本文です。

知事記者会見テキスト版 平成30年10月30日

録画配信をみる

平成30年10月30日(火曜日)

知事発表
アセアン訪問の成果について

アセアン訪問の成果について(PDF:564KB)

知事

今日は、アセアン訪問の報告を行います。10月23日から10月27日までの5日間、インドネシアとベトナムを訪問してまいりました。後ほど、詳しく説明したいと思いますが、アセアンにおける県内企業の支援体制の整備及び人材育成のための関係強化でございます。例えば、ホンダならホンダがタイに進出する場合、その関連企業などは基本的にはいろんな枠組みについて、ホンダの方で様々な準備をしたりアドバイスをしたりしながら、現地にスムーズに事業ができるように関係を構築してまいります。ただ、独立系の企業、つまり中小企業などが、県内の中小企業がタイ、ベトナム、インドネシアなどに進出する場合、まさに窓口で手間取り、あるいはまた政府の方でも必ずしも、まだ開発途上国などにおいてはサービス満点というわけにはいかなくて、いろんな齟齬があったりします。そこで、埼玉県はまさに独立系の中小企業が海外に進出される事業展開をされる場合に、スムーズにできるようにということで、これまで現地政府との協力関係を強化したり、あるいはまた現地での人材の確保、あるいはまた育成に向けた環境づくり、具体的には現地の大学、関係機関との様々な合意を通じて、速やかに人材の確保、あるいは育成などを可能にするような仕組みづくりをしてきたところでございます。

一括してやっていきますが、政府要人との会談を続けてまいりました。インドネシアでは工業大臣にお目にかかり、両国の経済交流と経済発展に向けた相互協力を確認しました。この方はベトナムのフック首相ですね。ベトナムではフック首相に1年ぶりにお目にかかりました。経済面や人材面での交友を促進する取組の拡大について合意しました。ハノイ市の人民委員会の委員長でありますが、日本でいうところの市長さんでありますが、ハノイ市、首都の市長でありますが、意外に首都ではありますが行政手続などが煩雑だったりしていろんな課題があることが判明しておりますので、そうしたことについて、より簡素化していただきたいとか、こういったものについての議論をさせていただきました。また、県内企業と現地政府とのビジネスミーティングをそれぞれやってまいりました。定期協議を行っているところなんですが、政府と私どもと定期協議をやって民間の企業の皆さんと、中身は規制緩和や労務管理などの部分で、現地に進出した県内企業が抱える課題の一つについて現地政府と意見交換をしたりしております。例えば、このフック首相と会談するときも日本のベトナム大使、梅田大使などが同行されまして、日本の現地企業に対する支払いが悪いなど直訴しておりました。プロジェクトに対する、日本企業に対する支払いが悪いかたちで滞っていると。どうも、トップダウンの国なので、日本企業から頼まれたのか、ベトナム大使はなかなか首相に会えないということで、私が会うとなったら横に付いてきまして、5分ほど時間をいただけないというかたちで、それで直訴されておりました。そういうかたちで若干開発途上国は、いわゆる政府の統制が結構強いところがありますので、やはり政府ときちっと議論を詰めておく必要があるということで、既に協定は結んでいるのですけど、必ずしも協定どおりいっていませんよというような話を、このミーティングを現地で行ったりしております。

また、人材の育成・確保に向けた環境づくりについては、ベトナムでは新たにベトナム労働・傷病兵・社会問題省と覚書を締結してきました。日本でいう労働省だと思っていただいていいと思います。日本の場合、厚生労働省ですけど、厚生労働省みたいなところです。本当は覚書を書くのは副大臣がやります。副大臣と覚書を締結して、ベトナムの技能者・技術者が県内企業で活躍できるような情報交換やセミナー等をしっかり開催していきましょうということについて合意をさせていただきました。また、これまでは技術系の人材を確保しようということでハノイ工業大学、あるいはホーチミン市にある越日工業大学、この2つの大学と協力関係を持っておったのですが、新たにベトナムでは3番目に立派な大学と言われているんですけどベトナム貿易大学、こちらは文系です。文科系の大学ですが、こちらの人材の確保、いわゆる中間管理職などの人材を確保していこうというようなかたちで、ベトナム貿易大学の中の一つにあるベトナム日本人材協力センターというのがございまして、こちらの方との意見交換をさせていただきました。ここの大学の学生120人に、埼玉県のビジネス環境などについて講演というか話をさせていただく機会もいただきました。学生向けに埼玉県並びに県内企業のPRをさせていただき、今後ハノイ工業大学、越日工業大学に続いて3つ目の大学とも交流も進めていくということにいたしました。

これまでの成果ということになりますが、まさしくすべて成果といえば成果なんですが、最終的には県内中小企業の海外ビジネス展開を拡大する上で必要な支援をするというのが目的で、様々なことをやってまいりました。覚書等の締結、24年にはベトナムと経済交流に関する覚書。これは計画投資省との覚書で商談会、セミナーなどをやっていきましょうと。そうした覚書に基づいてベトナムの方でも平成25年にはベトナムの計画投資省の中に埼玉デスクをつくって、現地政府が埼玉県のためにいろんな調整をしてくれる機関をつくっていただいております。最近の傾向として、例えば一昨年は48件(後に「73件」に訂正)くらいの相談だったものが、昨年あたりは96件(後に「121件」に訂正)くらいになっていると、そういうかたちになっております。また、タイとも経済協力に関する覚書、工業省と経済協力に関する覚書をやって、ベトナムでもタイでもサポートデスクを埼玉県がつくっております。企業相談やマッチングの支援をそこで行っております。ベトナムではそれ以外に政府内で、ベトナム政府内で埼玉デスクをつくっていただいております。それから、ベトナムではハノイ市ともやっております。相互協力に関する覚書で、商業施設なんかのフェアについても協力していただきたいというような協定があります。これに基づいて昨年、一昨年、イオンモールでのベトナムフェアなんかが行われたわけでございます。それから、インドネシアの方とも県内企業進出の協力合意を投資調整庁において行いまして、インドネシアにおいてはサポートデスクはつくっておりませんが、りそなグループの金融機関がありまして、りそなプルダニア銀行というのがあって、こちらの方で窓口をつくっていただいて、インドネシアにおける埼玉関連の企業相談を受け付けていただいて、相談業務をここに事実上業務提携というかたちで委託をしております。一方で、それぞれベトナム、タイ、インドネシアで現地企業間でネットワークの会を設立しております。進出した企業同士が年に3、4回集まって勉強会を開いたり、大使やジェトロの所長などを呼んで勉強会を開いたりして、あるいはまたゴルフの会やったりしながら、私どもが行った時は必ず会をやって、交流会をやって、それぞれがお互いにビジネスマッチングができるような、そういうこともやっております。そんなことをやりながら、展示会の支援や商談会、現地大学や駐日大使館とのジョブフェアを開催したり、現地政府との定期協議、最初に御説明しました、そういったことをやって、県内中小企業の海外ビジネス展開の拡大を行っております。ちなみに、平成25年に現地の進出企業、これ埼玉県の部分です、277社だったんですが、30年には363社に増えております。また、県の支援による成約案件等が125件、先ほど申し上げましたこうしたサポートデスク、あるいはりそなプルダニア銀行、こういったところが窓口になりながら、県が支援するかたちでの様々な成約件数が125件と。企業は約100社近く増やしているという状況でございます。こうしたかたちの中で、引き続きこれからも、きちっと覚書等の中身が実施されているかどうか、課題がないかどうかを現地政府との定期協議をしながら確認をしていく。窓口を通じながら相談業務をしていく。一方でしっかりマッチングを行っていく。この3点セットですね。結果として、県内中小企業の海外ビジネス展開を拡大していくという、このような仕組みで、基本的には埼玉県は海外での事業展開を行っているところでございます。以上、御報告申し上げます。

テレ玉

中小企業の海外ビジネス展開の数字の部分で、平成30年で363社となっていますけど、この数字というのはかなりいい成果が出ていると捉えているのか、もう少しできるところがあるのではないかと捉えているのか、このあたりいかがですか。

知事

この数字が?

テレ玉

この数字に満足しているのか、もうちょっと頑張れるのではないかと思っているのか…

知事

県で具体的に目標をつくって、それに合わせて頑張ってくださいというのはなかなか難しい話で、なおかつ我々が掌握しないところで勝手にという言葉は失礼でありますが、県とは関係なく進出されていたりする場合もあります。これは何らかのかたちで県と関わりながら行っていただいたグループでありますので、必ずしも何件あげなければいけないとかという考え方は持っておりません。問題はできるだけリスクを減らしてあげる、それから様々な手続きを簡素化していく、そしてまたできるだけ本星に近づくチャンスを増やすと、つまり回り道をしないでできるだけ真正面で勝負ができるようにしていくという、こういう3通りの考え方を私たちは持って、できるだけまさにトラブらないで、リスクをあまり取らないで、中小企業ですから。それこそ大企業と違って、全体の100分の1突っ込むのとは訳が違うようなところが多いわけですから、最低でも10分の1とか5分の1とか3分の1とかという枠の中での資金の投資だとか、そういうのになっていきますので、できるだけ成功してもらわなくてはいけないので、やはりきちっと現地政府との関係を整理しておくと。窓口で様々なリスクの相談をきちっとやっていただいて、それからマッチングを丁寧にやって早めに、本星という言葉は適切かどうか分かりませんが、一番必要な方、必要な企業、必要なところにアクセスが早くできる。それをセットしていくというのでしょうか、これをやって密度を上げていく作業を私たちはやっています。我々にできるのは、やはり極力こういうネットワーク交流会なんかを通じて、何に課題があったりするのかということをよく聞いて、現地政府にそうした課題をきちっとぶつけて、ここで決めていることも文書ですので、大臣はここまで知りませんので、ここに降りて行ったところで違う話になっている可能性というのはよくあることですので、それを正しく私たちがきちっと報告をして、そのためにもある程度政府とのネットワークをきちっとしなくてはいけないので、一定程度の年月の中でお目にかかるチャンスを得ておかないといけないということで、例えばベトナムには合計6回目になりました。それからタイの方も3回(後に「4回」に訂正)、インドネシアの方も3回ですか、訪問して。あんまりこう、最低でも2年ぐらいの間隔ぐらいで行かないと、ちょっと弱いので。もし私なんかが行けない場合も副知事が行って、きちんと埼玉県がこうした様々な支援をやっていることについて、政府が認識していただくと。こういうことを意識していますので、数字についてはちょっとなかなか目標としているものに近づいたか近づいていないか、そういうものまでは把握していなくて、着実に増やしているという感じはあります。交流会に出席していただく人たちの数も増えておりますし、喜んでいただいていると思っています。

テレ玉

訪問回数を重ねることで、やはり良い効果が出ているという実感がおありですか。

知事

そうですね。政府高官もやはり、ある意味ではきちんと対応していただきますので。大使が会えない人たちに私が会っていますので。

テレ玉

今回の訪問で見えた一番大きな課題、これから取り組むべきというのはどういうところにありますか。

知事

基本的にはやはり人材です。どこでもそうですけれども。日本でもそうですけれども、やはりそれぞれ、例えば製造の拠点として、安く人件費をあげようというかたちで各企業は現地に進出をしてきていました。しかし、賃金が上がってきて、もう安くつくろうという時代ではなくて、基本的に良い人材をどれだけ確保するかということに関して、良い製品がつくられると。こういう時代になってきたし、マネジメントも日本人がすべてというわけにはいかなくなってきていますので、極端なこと言えば1,000人の工場で日本人が最初は20人ぐらいいたけれど、今は8人とか。できれば4人にしたい。そうすると、それを埋める現地の管理者が必要になってくるわけですね。まさしく人材ではないといけないもので、そういう人材を確保しなくてはいけないということで、今回大きな目標の中にはやはり、人材を確保するための協議などを行ってきたので、改めてベトナムでは労働副大臣と覚書を交わしながら、人材確保についての支援・協力体制を要望しました。それから、これまでは工業系の技術者を確保することに意識していたのですけれど、マネジメントができる管理者を養成していこうという企業側の要請もありますので、ベトナム貿易大学との関係を作ってきております。このベトナム貿易大学なんかでは日本式経営を学んだ人たちが600人、OBでいます。こうした人たちも視野に入れて今後、人材確保に努めていきたいということですので、人材確保が今回は一番大きな狙いになりました。

読売

人材確保の関係でお伺いしたいのですけれども、今回のベトナムの労働省との覚書の締結というのは、国内の、埼玉県の、県内の現地で働いている企業に、技能実習生というかたちでベトナム人の方を受け入れるというのも含まれているものなのでしょうか。

知事

実は両方ありますね。技能研修生などで日本の企業に来てお戻りになる。そういう時に現地の企業で改めて受け入れをする。あるいはまた、逆のパターンもあると思います。現地の企業で就職をして、一定程度の年月の後、今度は日本の本社の方にまた出向で行って、そこで再度学んで、今度は最高幹部になって戻られるとか。そういうことが大体、企業は視野に入っています。そういう意味で、まだ単純に日本の国内の中小企業の中には、いくらか人手不足の解消とか、いくらか賃金が安くつくぞとか、そういう発想で受け入れを模索されている方々もいないわけではないですけれども、もうワンランク時代が動いていると私は思っています。やはりそれぞれの国々は、毎年のように成長率以上に賃金が上げています。だから早晩、賃金が安くつくというような話ではなくなってきますので、やはり現地においても高品質なものをつくるという。あるいは購買力のある高所得者・中所得者の人たちに製品を売っていくという、そういう二面作戦が必要になってきていますので、そういう意識がない企業はなかなか成功しなくなってくるのではないかなと思っています。そういうレベルにきているということを、何となく私たちは企業の皆さんたちと話していても感じるので、そこのレベルに今いっていると理解していただければありがたいかなと思います。

読売

今回、この覚書を結ばれたことで、今後、具体的に何か施策として行っていくもの…。

知事

ここでもさらっと触れていますけれども、やはりセミナー等を開いて日本の方に関心を持っていただいて、具体的に紹介できる企業のリストなんかを出して、企業側もビジネスマッチングのための情報交換会などを開いて、学生の皆さんとマッチングをさせていく。そういうことが必要になってきます。日本でもやっているのです。例えばベトナム大使館内で、日本に留学しているベトナムの学生さんたちを集めて、埼玉県の企業がそこに説明に行っているのです。もう2年連続やっています。そこで就職が決まっているのです。

読売

今回、臨時国会の中で入管難民法の改正が焦点となっていて、その中で職種の拡大で受入枠を拡大というような議論も出ているのですけれども、この人材確保の覚書はそれを見据えたものだったり、それを先取りするようなものという意識というのは…。

知事

そこまでは見据えていません。大枠で企業の必要とする人材についてのニーズをきちんと満たしていくという、こういう枠組みでやっていますので、入管法改正に係るものとは関係なくやっています。

共同

埼玉側から見た課題というのは先ほどお聞きしたのですけれども、現地政府から埼玉県ないし埼玉県内の企業に対しての要望みたいなものが、もし何か具体的なものがありましたら、どういうものがあったか教えていただけますか。

知事

具体的にさほどそういう要望があったわけではありません。総括的にはもちろんあるのですけれども、むしろ埼玉県が熱心に取り組んでいることなどについての評価。そうしたものの話はあって、こういうところはまずいとか、そういう話は受けておりません。むしろ我々の方が、ちょっと話が違うよという話を時々やったりして調整をさせてもらっています。

日刊工

現地の進出企業数が平成30年、363社という数字のところですけれども、先ほど、県と何かしらの関わりがあって進出した企業数が363社ということで良いのか、県からアセアン諸国とかに進出しているのが363社という数字なのかというところを教えてください。

知事

基本的には数の話ですが、現地の進出企業が例えば277社、(平成)25年の段階でありました。(平成)24年からベトナムに行ったりしているのですが、ベトナムだけの数字しか把握できなかったので、(平成)25年から敢えてしました。この時点での現地企業の進出企業、埼玉県内・関係で私どもが把握しているところ。例えばエフテックなどもありますが、しかしこれはもうすでに進出しているわけです。県がお世話したわけでも何でもないのです。ホンダグループの中で行ったと。そういった企業に加えて、少なくても埼玉県が何らかのかたちで応援をさせてもらった分で増やした部分が363社になっている。そういう計算です。ここの部分では、埼玉県が応援したという話ではありません。それ以前に、(平成)24年も含めて入っていた可能性はあるのですが、敢えてそれは切っています。ベトナムは(平成)24年から始めていますので、(平成)25年からすると必ず何件か入っていると思いますけれども、それはもう入れていません。揃えるために。

日刊工

県の支援による成約件数125件というのは、5年間で125件ということで良いですか。

知事

そうです。(後に「平成24年度から本年度までの約6年間の通算件数です。」に訂正)これはまさに埼玉県が何らかのかたちで支援をしている成約件数です。

日刊工

ベトナム政府との協議会で、県内企業から寄せられた操業上の課題というものがどんな課題だったかということと、政府側からきた回答というのがどんな回答だったかというのを教えてください。

知事

その細かいやつに関しては、後で御報告させてください。実は私が大臣とかに会っている時間内に、このビジネスミーティングをやっていまして、私は出席していないんです。たまに「ありがとうございました」とあいさつに行ったことがあります。終わる頃に私もたまたま終わって、実は、もうたった7人とか8人しか行っていないのですが、それを半分に分けて、一方は大臣なんかに会うためのセットをし、一方は政府との協議などについて仕事をしていまして、私はそっちの方に出ていないので、具体的なことについては伺っていないので、後で御報告させてください。

ページの先頭へ戻る

幹事社質問
中学生による祖父母殺傷事件について

安田純平さんが帰国したことについて

産経

2点ありまして、まず、和光市のマンションで、中学生が80代の祖父母を殺傷する事件がありましたが、学校で人間関係の悩みがあったとの報道もありますが、この事件に対する受け止めと悩みを抱える中高生に対してどのようなケアが必要だと思うか、知事のお考えを聞かせてくださいというのが1点と、3年前にシリアで武装勢力に拘束されたとされる県出身のフリージャーナリストの安田純平さんが帰国されましたが、それに対しての御所感をお願いいたします。

知事

まず1点目ですが、個別の案件ですので詳しく私が掌握しているわけではありませんが、これに類するようなお話のことで私なりに考えていることは、一般的に個人として、ストレスに弱い人たちが育つ環境になっているというふうに思っています。例えば対人関係で言えば、家族があり、地域社会があり、学校がありと、こういう構成があります。例えば、様々なストレスで不登校になる。東秩父村などは1人もいないのですね。1つは家族構成が大きい。それから地域社会の塊がはっきりしている。コミュニケーションが良い。学校も比較的そうした家族関係、それから地域社会のまとまりの中で、学校での教えやすさがある。3つ重なって、ストレスに強い子供たちが多くなっている。極端なこと言えば、その辺で仮に私が中学生か何かでふらふらしていると「この清司バカ」と言って、隣近所のあんちゃんとかおっさんから蹴っ飛ばされるのです。それで学校に行くのです。いろんなストレスに家族関係でも、例えば親2人に子供1人であれば、親2人の連合軍対私。あるいは母親と私の連合軍対父親。あるいは父親と私の連合対母親。プラスそれぞれ勝手に1人ずつという4通りの人間関係で終わりますけど、たった2人、今度は子どもが2人になったら、この4通りが8通りぐらいになったり、10通りぐらいになるんですね。子どもが3人いたら、もう15通りぐらいになってしまう。これにおじいちゃんおばあちゃんなんかがいたらもう30通りぐらいになってしまうんです。様々な連合が。対立とか連携、連立諸々がです。もうそれだけでも様々なストレスに対応しているんです。やはり、家族が少人数であればあるほど、家族間でのストレスがないんです。訓練されないわけです。地域社会でもそうです。大勢の人といろんな共同作業があったりすれば、様々なストレスを小さいときから訓練できるんです。少年野球で小学校4年生から中学3年生まで一緒にやっているとかね、草野球を。そういう風景ないです今は全く。あるいは学校でもそうです。大勢の子どもたちがいればいるほどこのストレスに強くなるんですが、一般的にストレスの弱い子が多くなってきてますので、ちょっとしたトラブルでも心が折れる。あるいは自己抑制ができない。ストレスの耐性が無いもので。そういう時代になっている。都市部は都市部になればなるほど。埼玉県だって、昭和35年の高度成長の始まりの時は230万が、今は730万で500万人増えてる。それも多分16号以南の方にたくさん増えてるでしょうから、単純に2.4倍増えたとは思いません。3倍とか4倍増えてると思います。和光市なんかそうだと思います。そういう関係の中で、やはり起こりやすい事件だと思っていますので、しからばどうするかという話になってくると疑似家族、疑似社会を疑似ミニ地域社会をどんどん作っていくしかないと。でも、それも結構困難なんですよ。臨海学校をやろうとか林間学校をやろうとすると「危ないからやめてくれ」なんてね、お父さんお母さんが文句言ったりするんです。困るんです。本当はそういったところで人間の個性が出たり、学業が今一つでもリーダーシップに優れた子供が生まれたり、育ったりとかいろんなストレスの耐性なんかも、違う空間でまたできたりしますので、そういう疑似家族、疑似ミニ社会、そういったものをできるだけ、家族の中で全部できるとは思いませんし、地域社会の中で全部できるとも思いませんし、学校で全部できるかもしれませんができるだけ協力してそういうものを作っていくことが、結果的にはストレスに耐性力のある人間として大きくなる。もうとにかく、温室で最初は育つわけですから。お母さんだけの、1対1の。それにお父さんが加わったり兄弟が加わったりして、徐々にストレスの耐性が増えていくわけです。この耐性をたくさん作るしかないと思いますが、そういうのが少なければ少ないほど確率が悪くなるのではないかなと私は思っております。これはやはり個別ケースなので中々言えないと思いますが、何となくそう思います。

2番目の安田さんの案件ですが、まずは良かったなと正直思います。一部ね、自己責任論だとかそういう話もあります。確かにそれぞれの地区でしかるべき政府機関やら関係機関などで行かないようになどというようなのを振り切って行って、それで危ない目にあったらそれは自業自得だと、そういうふうに言う方々もおられるかもしれませんが、一方ではやはり命は1つしかありませんし、御家族もおられますので、無事戻られてよかったねと。とりあえずは。こんなふうに私は理解しています。

ページの先頭へ戻る

その他の質問
免震・制振用オイルダンパーの検査データ改ざんについて

埼玉

免震・制振装置の検査データ改ざんについてお伺いします。全国的な問題になってまして、県有施設でも県立がんセンターですとか第二庁舎ですとか、そういったところで改ざんが発覚しましたけども、この件についての受け止めと、また、今後の対応などについて何かお考えがありましたらお聞かせください。

知事

まず一番大事なことは、いわゆるKYBグループと川金ホールディングスの子会社、この2社に対しては、より早く所有者に実態についての説明をすることですね。分からないというのが一番不安ですから。また、建物の安全検証を早くやると。これが一番ですよね。一般的にはサンプル調査によればね、震度6とか7ぐらいは大丈夫だというような話もありますが、しかしそれも含めてきちっとやはり所有者に対してここまでは耐えられますけどここから先はまだちょっと見えない部分がありますとか、だからきちっとやりますとかそういうことを説明することですね。それからやはり1日も早く検証結果を明らかにすることですね。その後に今度はなぜそういうふうになったか、原因究明ですね、俗にいう。その上で、再発防止をどうすれば本当にできるのか。この再発防止なんかはその会社だけではなくて、関係機関なんかがやはり1枚嚙んでこなければいけないと思います。検査機関や関係機関がですね。当然、検査などでなぜそれがすっとスルーしたのかとか、そういうのも含めてです。そういうことが重要だと思っています。

埼玉

その後、何かメーカー側から詳しい調査結果とか、何か住民側に説明をしましたとか、そういった報告というのはありますでしょうか。

知事

それぞれから県の方に報告があるとは聞いています。ただ、報告の中身は多少技術的なことですので、ちょっと私には難しいかなと思いますので、どうしてもということであれば担当課長に聞いていただければ技術的な説明もしてくれると思います。私は一応軽く報告は聞きましたが、技術面では分かりませんのでどこまでが安全でどこまでが十分ではないかとか、いずれにしても2社とも報告は受けていると聞いています。

ページの先頭へ戻る

シニアの地域活動に関する意識調査について

埼玉

発表があってから時間が経ってしまって恐縮なのですが、県内の55歳から65歳までの男女600人を対象に実施した地域活動に関する意識調査で、地域デビューをしていたという人が20パーセントという結果がありましたが、この結果に関する受け止めと、今月18日に市町村の担当者を対象に説明会が開かれましたが、シニアの地域活動が広がっていくためには今後どのような動き、流れが必要かとお考えでしょうか。

知事

シニア関連の事業の中で、健康長寿の活動であるとかいろんなものがありますが、地域デビューが基本的には一番難しいかなというふうに思ってました。今回の調査を見ると意外に皆さんがよく働いてらっしゃって、(約)6割からが働いてらっしゃると。残った(約)4割のうちの2割がいわばこうしたボランティアなどの活動をやっていただいているという調査報告ですので、残った4割のうちの2割だから善戦といえば善戦なのかなと。今後、より団塊の世代の人たちがより後半戦に来ると、現場の一線からさらに外れていきますので、逆に言うと仕事はしないけどさりとて若干暇だと。完全に家の中でじっとしているほど弱いわけでもないと。だから、もう少し今度はこの比率を増やすことができるものになるのかなというふうに私は思っています。問題はマッチングですよね。どういう地域デビューの仕方をするのかという。高学歴で文系の管理者みたいな人にシルバー人材センターへ行って中古の自転車を修理して新中古車ぐらいにしなさいなんていう話なんて、これは中々「ドライバーなんて何十年て握ったことねぇぞ」なんていう世界で困難な話になってきますので、同じようにシニアのボランティア活動やあるいは社会活動に関しても、それぞれやはり得意不得意があると思いますので、いかにマッチングさせるかということがやはり問われてるのではないかと思いますので、逆に言うと相談窓口のネットワークの広さと深さ、これをむしろ高めないと満足度が低くなっていけないのかなと思っています。もちろん、この窓口というのは民間も含めてですので、やはり民間の皆さんの中で様々なそういう窓口を持ってるような人たちと、やはり役所というか行政と相当うまく連携をして共同作業をやって間口を広くして、それで深みのあるものを用意をしていくとニーズに応えられるというのでしょうか、御要望に応えられるので、結果としてシニアの地域デビューがしやすくなる。こういうことではないかなというように理解しています。

ページの先頭へ戻る

入管法の改正について

毎日

先ほどの知事発表の中でもちらっと話があったんですけど、入管法の改正についてなんですが、今回一応案の中で人手不足が深刻な14分野で受け入れを拡大しようと。新しい在留資格を2つ設けようということで、介護なんかは県の方でも、県内でも非常に人材が不足していていろいろ取組をされてらっしゃると思うんですが、そういう意味では今回の入管法の改正って期待をする向きもある一方で、この特定技能2号っていうところが在留資格の制限が、期限の制限がないということでいろいろ自民党内とかでも懸念する声も高まって、賛否両論あるんですが、今現在入管法の改正について知事の受け止めをちょっとお聞かせ願えればと思うのですが。よろしくお願いします。

知事

基本的に、物事にはやはり理念というか目的があって自ずから導き出されるものがあると。教育の無償化あるいは保育の無償化にしてもそうですけれども、何のために誰のために何をするのかというのがはっきりしないままに無償化だけが独り歩きすると、無償化を対象にしたビジネスになるわけですね。人材不足だと、ゆえに日本だけじゃどうにもなんないと。海外から人を呼ばなくちゃいけないと。これもまた理念がないところにいくと、もうビジネスになっちゃうんですね。人を簡単にビジネスにしていいのかという。その人にとってみれば、やはり日本は憧れの国。とりわけ親日的なところの国々が多いわけですね。対象国関係なんかは。すると日本に憧れる。日本の文明、文化、工業力、こういうものに憧れてるわけですから。一定程度の賃金の高さなどについても評価してるわけですね。それが裏切られないような仕組みをやはりきちっと用意しないと、やはり日本のファンになって帰っていただく。あるいはもしくは、時と場合によっては、日本に定住される可能性もありと。その時にはまさしく、正真正銘の日本人になるという、そういう気持ちのいい方々になっていただかなければいけないと。何か話が違うよということで、いつの間にか逃げ出して犯罪者になってる、こんな話というのは最悪なわけです。でも、ゼロではないと。犯罪者だけが悪いわけではないですね。受入態勢の中での管理体制の中での課題がやはりなかったわけでもないと。もちろん日本だけが騙しているわけではなくて、送り先機関が騙していたりする場合もあります。こういったところをきちっとやはり整理してやっていかないと、法理論的に入管の技術だけではだめですね。絶対、人として、ベトナムならベトナムとして、ベトナムから来た人たちは、少なくとも最大の日本の友人として帰る。あるいは残るにしても、まさに正真正銘の日本人になるとかそういうクリアなものを整理しておかないと、泥縄ではいけないと思います。やや気になるところですね。これまでの経過を見てますと。若干あるじゃないですか、残念なことに。前ベトナムの駐日大使、すごく仲良くなりましたけど、「まさか技能研修生とかで日本に来ていつの間にかいなくなってその人たちを追いかける仕事が自分の仕事の1つになるとは思わなかった」と言って頭を搔いてましたよ。「かなり重要な仕事になった」って、それが。

毎日

確かに外国人研修生、いかに上手に管理をするかっていうことは1つ課題になっていると思うんですけども、そこをそういう受け入れた後って言うんですか、どのようにお互いにとっていい形で…

知事

事実いい点もあるわけですよね。日本で研究・勉強された人たちが自国に戻って、また素晴らしい企業を起される場合もあるし、また、現地のベトナムの会社にお入りになって成功される。あるいは、仮にベトナムならベトナムの日本企業にまた入られて成功されるとか、いろんなパターンはあるかと思いますが、やはり来られた方がもう絶対人材として評価される、そういう対象になる様な仕組みをきちっと押さえておかないとだめではないでしょうか。必ず人材になるんだという。どういう分野であっても、建築の分野であろうと、介護の分野であろうと、ITの分野であろうと、必ず日本に来たが故にいい人材になったと。故にまたその方々もう1回ステップアップができたとか、故に将来が非常に明るくなったとか、そういうプロセスをきちっと仕組みの中に抑えてほしいですね。少なくとも埼玉県庁で市町村から研修に来られた方が「ひでぇところに来たな」なんて言われないように私たちはやはりしっかり受け止めて、みんなから「良かった」と言われるようにしてるつもりです。市町村から研修に2年なら2年来られた人たちが「いい勉強になったな」と思って、また我々の方も市町村などに行って「いい勉強になった」と言って帰ってくると。そういう関係にならないと、やはり本当の友好国になれないし、ちょっと穴埋めという発想みたいなのもやめた方がいいのではないでしょうかね。人手不足の穴埋めという発想は。結果としてそうなるかもしれないけども、目的は違うところに置かないと。

ページの先頭へ戻る

(終)

お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?