Myナビ 彩の国 開く

Myナビ 彩の国

総合トップ

県民向けトップ

事業者向けトップ

テーマ・目的別メニュー

  • 彩の国の安心・安全 危機管理・防災
  • 観光・魅力
  • 健康
  • 知事ブログ
  • マスコット

ドラッグ&ドロップで順番の並び変えが可能です

総合トップ > 県政情報・統計 > 県政資料・県報 > 県政ニュース(報道発表資料) > 2018年度 > 2018年6月 > 最新スパコン技術を駆使して暑さから人々を守る!  熊谷スポーツ文化公園のヒートアイランド対策にスーパーコンピュータによる予測結果を活用

ここから本文です。

 

発表日:2018年6月21日14時

県政ニュース

最新スパコン技術を駆使して暑さから人々を守る!  熊谷スポーツ文化公園のヒートアイランド対策にスーパーコンピュータによる予測結果を活用

部局名:環境部
課所名:環境科学国際センター
担当名:研究推進室
担当者名:嶋田知英

直通電話番号:0480-73-8367
Email:g7383316@pref.saitama.lg.jp

課所名:国立研究開発法人 海洋研究開発機構
担当名:地球情報基盤センター
担当者名:大西 領

直通電話番号:045-778-5848
Email:onishi.ryo@jamstec.go.jp

埼玉県では、ラグビーワールドカップ2019が開催される熊谷スポーツ文化公園を対象に、樹木の植栽など、様々なヒートアイランド対策を実施しています。このたび、埼玉県環境科学国際センターと国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、JAMSTECが所有するスーパーコンピュータにより詳細な暑熱環境シミュレーションを行いました。このシミュレーションにより、ヒートアイランド対策の具体的な効果を事前に予測し、対策の効果を最大化することに貢献しました。

1 予測結果

ヒートアイランド対策として、「並木道」、「小森のオアシス」、「遮熱舗装」を行った際の予測結果は以下の通りです(図1、2)。

  • (1)対策を実施するエリア(対策領域:約15,000平方メートル)の気温は対策前と比べ0.7℃低下し、特に今回整備する「小森のオアシス」付近の気温は、0.9℃低下することが明らかになりました。
  • (2)対策領域の暑さ指数(*1)は大きく改善し、熱中症で「厳重警戒」又は「危険」となる地点が20%減少することが明らかになりました。
  • (3)園路に高木(ケヤキ)を植栽し並木を整備することで、ラグビーワールドカップ2019TM開催年には、対策領域では、観客の動線の約40%が木かげになり、熱中症のリスクが軽減されることが明らかになりました。
  • (4)既存のアスファルト舗装と、対策領域に施工する遮熱舗装の表面温度を比較したところ、日なたで約9℃低下することが明らかになりました。
  • (5)「小森のオアシス」沿い並木道で、樹木を千鳥に配置した場合と、並行に配置した場合、千鳥配置の方が相対的に5%多くの木かげを創出できることが明らかとなりました。この結果に基づき、千鳥配置の植栽が行われました。

2 予測方法

  • (1)スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」(*2)(JAMSTEC所有)を用い、JAMSTECが開発した大気海洋結合モデルMSSG(*3)により暑熱環境シミュレーションを行いました。
  • (2)シミュレーションの対象領域は、熊谷スポーツ文化公園を中心とする5km四方とし、5km四方については5m解像度で、特に対策領域を中心とする、3km四方、高さ400mの領域については、2m解像度でシミュレーションを実施しました。(計算した格子数:約3.4億)(図3)
  • (3)シミュレーションでは、実際の地形、建物、土地利用状況、樹木の位置・種類などの情報を与え、樹木による風への影響や樹木の蒸散作用、建物形状などの影響を考慮し計算しました。
  • (4)予測はすべての格子毎に、気温だけではなく、湿度、地表面温度、風向、風速、日光の放射量などについて行い、その結果を基に暑さ指数についても予測しました。
  • (5)初期条件としては、過去の典型的な猛暑日(2010年8月26日14時)の実際の気温(熊谷気象台平均気温35.7℃)、日射量、風向、風速等を設定しました。
  • (6)以上を基に、対策領域で実施される以下のヒートアイランド対策(図4)の効果を予測しました。
  •    1)並木道:駐車場から熊谷ラグビー場に向かう園路への高木の植栽(ケヤキ、樹高約10m、本数63本、延長390m)
  •    2)小森のオアシス:並木道に隣接する4,600平方メートルの領域に対し、主に高木を植栽
  •    3)遮熱舗装:整備区間の園路(平均幅7m、延長390m)に対し遮熱舗装を実施
  • (7)シミュレーション結果の検証や精度を高めるため、2016年、2017年の夏季に気象観測を実施し、再現性が高いことを確認しました。(平成28年8月5日報道発表:http://www.pref.saitama.lg.jp/a0001/news/page/160805-01.html

3 その他

  • (1)本プロジェクトは、埼玉県環境科学国際センターとJAMSTECが参加する、文部科学省温暖化対策研究「気候変動適応技術社会実装プログラム(SI-CAT)(*4)」による取り組みです。
  • (2)当該シミュレーションの動画は、日本科学未来館(*5)のGeo-Scope(*6)上のコンテンツの一つとして、平成30年6月20日から公開されています。また、本日から、埼玉県の環境学習施設である、環境科学国際センター展示館内の環境情報プラザでも公開されます。
  • (3)熊谷スポーツ文化公園における対策工事は、平成30年8月末に完成する見込みです。

ヒートアイランド対策実施領域とその効果のシミュレーション結果 

図1 ヒートアイランド対策実施領域とその効果のシミュレーション結果

対策前後

図2 シミュレーションから得られた地表面温度

(左)対策前(右)対策後(千鳥配置植樹および遮熱舗装後)。

図3-1  図3-2

図3 熊谷スポーツ文化公園を中心とした3km四方の

暑熱環境シミュレーション対象領域(2m解像度)と土地利用

公園スタジアム課による暑熱対策設計計画

問い合わせ先

環境部  埼玉県環境科学国際センター  研究推進室  嶋田知英

電話  0480-73-8367

国立研究開発法人海洋研究開発機構  地球情報基盤センター  大西領

電話  045-778-5848

用語説明

(*1)暑さ指数(単位:℃、湿球黒球温度、WBGT)

人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい (1)湿度、 (2)日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、(3)気温の3つを取り入れた指標です。暑さ指数が28℃以上の場合には日常生活におけるすべての生活活動において熱中症の危険性が高まります。(日本生気象学会、「日常生活における熱中症予防指針」Ver.3 確定版、2013)

 

日常生活における熱中症予防指針

温度基準

(WBGT)

注意すべき

生活活動の目安

注意事項

危険

(31℃以上)

すべての生活活動でおこる危険性

 

高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。

厳重警戒

(28℃以上~31℃未満)

外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。

警戒

(25℃以上~28℃未満)

中等度以上の生活活動でおこる危険性

運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。

注意

(25℃未満)

強い生活活動でおこる危険性

一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。

日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3確定版」(2013)より

 

(*2)地球シミュレータ

(国研)海洋研究開発機構横浜研究所に設置されているスーパーコンピュータです。2002年3月に、地球温暖化を始めとする気候変動の解析・将来予測、地震や地球内部変動の解明等、世界に類を見ない「人類的課題に挑戦できる世界最速のスーパーコンピュータ」として運用を開始しました。特に気候変動研究分野では、温暖化予測実験に広く利用され、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書作成に大きく貢献しました。また、その高い計算能力は、材料開発、輸送機器改良、デバイス開発、医薬品開発など、最先端の産業分野にまで広がり、従来のシミュレーションでは到達出来なかったレベルの成果が発表されました。

2015年3月に、地球シミュレータにとって2度目となるシステム更新が行われ、シミュレーション能力は、これまでの約10 倍となりました。これにより、従来では難しかった複雑なシミュレーションや、より大規模なシミュレーションを高速に行うことが可能となり、地球環境問題の解決や地殻変動、地震発生機構の解明や津波被害の予測等への更なる貢献が期待されています。

 

(*3) 気候変動適応技術社会実装プログラム(SI-CAT)

気候変動適応策の検討・策定に生かされるような、信頼性の高い近未来の気候変動予測や、気候変動影響予測技術の開発を目的とした文部科学省の研究プロジェクトです。

SI-CATでは、気候変動に伴って増加することが予想される極端気象(猛暑や豪雨)等への自治体による適応策の導入を支援します。

(SI-CATホームページ https://si-cat.jp/

 

(*4) MSSG (Multi-Scale Simulator for the Geoenvironment)

地球全体、特定の地域、さらに特定の都市や街区など、様々なスケールの大気現象と海洋現象を予測することのできるマルチスケール大気海洋結合数値モデルです。一般的な気象・海洋モデルでは、地球全体、特定の地域、都市スケールについて、それぞれに異なるモデルが使用されていますが、MSSGでは、これらのスケールを単一の数値モデルで取り扱うことにより、異なるスケールの間の相互作用を再現することが可能です。

 

(*5) 日本科学未来館

日本科学未来館(東京・お台場)は、いま私たちの世界に起きていることを科学の視点から理解し、私たちがこれからどんな未来をつくっていくかをともに考え、語り合う科学館です。

展示をはじめ、実験教室やトークイベントなどの多彩なメニューを通して、日々の素朴な疑問から最新テクノロジー、地球環境、宇宙の探求まで、さまざまなスケールで現在進行形の科学技術を体験することができます。

 

(*6) Geo-Scope

Geo-Scopeは、国内外の科学者や研究機関から集めたさまざまな地球観測データへ自由にアクセスできる、インタラクティブボードです。大・小サイズのボード計13台が日本科学未来館の展示フロアに並び、タッチパネルによる簡単な操作で、地球スケールの情報を思いのままに探ることができます。生物の生態の季節変化、気候変動、地球環境の未来予測などコンテンツは多岐にわたり、観測データは定期的に更新されていきます。また大型のGeo-Scopeでは、グループでの利用が可能。話し合いながら、新しい地球の見方を探ることができます。( http://www.miraikan.jst.go.jp/exhibition/tsunagari/geo-scope.html より抜粋)

県政ニュースのトップに戻る