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総合トップ > 県政情報・統計 > 県政資料・県報 > 県政ニュース(報道発表資料) > 2016年度 > 2016年12月 > 体罰を理由とする懲戒処分の取消申立を棄却 ―不当労働行為救済申立事件の一部救済命令について― (埼労委平成26年(不)第1号Y不当労働行為救済申立事件)

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発表日:2016年12月22日13時

県政ニュース

体罰を理由とする懲戒処分の取消申立を棄却 ―不当労働行為救済申立事件の一部救済命令について― (埼労委平成26年(不)第1号Y不当労働行為救済申立事件)

部局名:労働委員会事務局
課所名:審査調整課
担当名:審査調整第二担当
担当者名:弥勒寺、松井

直通電話番号:048-830-6465
Email:a6452-02@pref.saitama.lg.jp

 埼玉県労働委員会(会長 小寺智子)は、平成28年12月22日、標記事件に係る命令書の写しを当事者に交付したのでお知らせします。その概要は次のとおりです。 

~学校法人の団体交渉における対応が不当労働行為に該当し、体罰を行った組合員に対する懲戒処分等は不当労働行為に該当しないとした事案~ 

1 当事者

(1) 申立人 

 埼玉県私立学校教職員組合連合(川越市)

 S高校教職員組合(毛呂山町)

(2) 被申立人

 学校法人Y(毛呂山町)

 事業内容:教育

2 申立年月日及び申立の概要

(1) 申立年月日 平成26年3月31日

(2) 申立の概要 

 平成25年3月に被申立人が生徒や保護者に対して行った体罰に関するアンケートにおいて、申立人S高校教職員組合の執行委員長Xから体罰を受けたことがある旨の回答があった。

 このことを契機として被申立人がXに対して、平成25年4月1日に懲戒処分及び学級担任外しを行ったことは、不当労働行為(労働組合法第7条第1号)に当たる。

 また、申立人らと被申立人との間でXの懲戒処分について行われた団体交渉での被申立人の対応は、不当労働行為(労働組合法第7条第2号)に当たる。

3 命令の内容 一部救済命令

 〔命令要旨〕

(1) 被申立人が申立人と行った団体交渉における以下の議題に係る被申立人の対応は不当労働行為であると認定されたため、今後不当労働行為を繰り返さないようにする旨記載した文書を申立人らに手交しなければならない。

 ・平成25年3月29日実施の懲戒会議の議事録の開示要求について

 ・S高等学校における体罰による懲戒事例に関する資料の提出要求について

(2) 申立人らのその他の申立てをいずれも棄却する。

 

 〔判断の理由〕

(1) Xに対する昇給停止の懲戒処分について

 Xは学校教育法で禁止されている体罰を行ったので、Xに対する懲戒処分の必要性は認められる。しかし、X以外の「体罰があった」とするアンケートについて被申立人は体罰の有無を確認しなかったので、懲戒処分の合理性は認められない。

 一方、これまで継続的かつ安定的な労使関係が維持されていた。また、被申立人は、世間からの批判を恐れ、体罰の実態を明らかにする考えは希薄だったが、Xが申告してきたのでXにだけ懲戒処分を行ったにすぎない。そのため、労働組合の組合員であることを理由とした懲戒処分とは認められず、不当労働行為(労働組合法第7条第1号)に当たらない。

(2) Xを学級担任から外したことについて

 感情的になって生徒の頭部を10回余り叩くという体罰を行ったXを、教育的配慮から学級担任から副担任に変えたことは合理的である。したがって、学級担任外しは、不当労働行為(労働組合法第7条第1号)に当たらない。

(3) 被申立人の団体交渉での以下の対応が不当労働行為に(労働組合法第7条第2号)に当たるか否かについては、それぞれ下記のとおり判断する。

 ・アンケートの原本を開示しないこと

 平成25年3月及び同年6月に実施したアンケートについて、申立人らは原本の開示を要求している。しかし、原本にはプライバシーに関することが記載されており、その保護のため被申立人が積極的に開示できるものではない。

 したがって、不誠実な対応ではなく、不当労働行為に当たらない。

 ・県学事課に提出した資料を開示しないこと

 申立人らが団体交渉において、当該資料の開示を要求した事実は認められないため、不当労働行為に当たらない。

 ・平成25年3月29日実施の懲戒会議の議事録を開示しないこと

 申立人らは、過去の処分例との比較及びXが体罰を行った経緯が当該会議で議論されたか知るために議事録の開示要求をした。これに対して、被申立人は、Xに対する事情聴取の内容を当該会議で説明したこと以外は議事録は不存在である旨繰り返すのみで、申立人らが理解し納得できるような説明努力をしなかった。したがって、不誠実な対応であり、不当労働行為に当たる。

 ・S高等学校における体罰による懲戒事例に関する資料を提出しないこと

 懲戒処分の相当性を検討するために過去の懲戒事例と比較することが必要である、とする申立人らの主張には理由がある。

 申立人らが具体的な人名は明らかにしなくてよいとの譲歩を示しているのに対し、被申立人はそれでも提出できないことについて申立人らが理解し納得できるような説明努力をしなかった。したがって、不誠実な対応であり、不当労働行為に当たる。

 ・組合員に対する根拠のない誹謗中傷

 被申立人代理人の団体交渉における発言は、要求事項の議論から外れ、Xが体罰について反省しているか否かが水掛け論になっている中でのものであるので、不当労働行為に当たらない。

 ・Xに対する平成25年4月1日付け懲戒処分や学級担任外しについて、団体交渉において撤回しないこと

 被申立人は4回にわたる団体交渉において、懲戒処分の撤回はできないことを理由を付して説明している。また、学級担任外しは就業規則の懲戒規定には当たらないので二重処分ではないこと、降格には当たらず賃金の減額もないことを説明している。

 したがって、被申立人は申立人らが理解し納得することを目指して努力していたと認められるため、不誠実な対応には当たらず不当労働行為に当たらない。 

4 審査の経過

 調査9回、審問6回。平成28年12月12日の公益委員会議で命令を決定。

 

 ・命令書の写し(県労働委員会ホーページ)

 

※労働委員会とは?

 労働委員会とは、労働組合(労働者)と使用者との間の紛争を、中立・公正な立場で、迅速・円満に解決するために労働組合法に基づき設置された行政機関です。労働委員会では、労働組合等からの救済申立により不当労働行為の審査を行い、また、労働組合や労働者、使用者からの申請によりあっせんを行い、労使紛争の解決をサポートしています。

 

※不当労働行為とは? 

 労働組合法第7条により禁止されている「使用者」の次の行為。

 1 労働者が労働組合の組合員であることや労働組合が正当な行為をしたことなどを理由として、労働者を解雇したり、不利益な取扱いをしたりすること。

 2 雇用している労働者の代表者との団体交渉を正当な理由がなく拒否すること。 

 3 労働者が労働組合を結成し、又は運営することを支配しこれに介入すること。また、労働組合の運営経費について経理上の援助を与えること。

 4 労働者が、労働委員会に対して、不当労働行為の救済を申し立てたことなどを理由として、労働者を解雇したり、不利益な取扱いをしたりすること。

 

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