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センターの概要 > 広報紙 > With You さいたま Vol.57(平成30年11月) > 特集 スポーツで女性がもっともっと力を発揮するために

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ページ番号:140121

掲載日:2018年12月1日

 特集 スポーツで女性がもっともっと力を発揮するために

いよいよ2年後には、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。様々な競技で女性選手の活躍が進む一方、課題も見えてきました。高校で陸上部に所属するゆう子さんと一緒に、スポーツにおける女性特有の課題や取組について考えてみませんか?

ゆう子さんイラストゆう子さん

コーチイラスト1コーチ

 

 

オリンピックでの女性活躍(世界)

 夏季オリンピックと女性選手の参加(抜粋)

 

 

ゆう子さんイラスト22020年の東京オリンピックでは、柔道・卓球など男女混合種目が9 種目追加され18 種目に。想定される女性選手の割合も4 8 . 8%に増える見通しです! 

 

女性指導者が少ない!日本の現状

最近の夏季3大会を見ると、日本選手団のコーチに占める女性の割合は、オリンピックで10% 程度、パラリンピックで20%程度となっており、いずれも女性選手の割合を大きく下回っています。

夏季オリンピック・パラリンピック3大会における女性コーチの割合

 引用:「平成30年度男女共同参画白書」
コーチ数は、各大会の日本選手団情報よりチームリーダー・監督・コーチの合計数

 

 

ゆう子さんイラスト3

 

 

知って欲しい。からだのこと

 痩せたら早く走れるの?

 

ゆう子さんイラスト4昨日陸上部の仲間で食事に行った時、「長距離選手は体重を減らさないと記録を伸ばせない」「生理が来なくなるくらい猛練習しないと勝てない」みたいなことが話題になったんです。これって本当ですか?
コーチイラスト2それは間違い。選手の健康を脅かす誤った考え方ね。ゆう子さん、骨粗しょう症って聞いたことある?
ゆう子さんイラスト4はい。祖母が気にしているので知っています。年齢が高くなるにつれて骨がもろくなるんですよね。
コーチイラスト2そう。高齢の人だけでなく10 代でも、厳しいトレーニングや行き過ぎた体重制限をしていると骨粗しょう症のリスクが高くなることが報告されているの。それに、18歳~20歳は、一生のうちで最も骨量を得られる時期なので、この時までに、十分に骨量を増やせないと、生涯に渡って低いままで、将来骨折のリスクが高まる可能性も指摘されているのよ。
ゆう子さんイラスト4そうなんですね。実は私、次の大会に向けて頑張って痩せようとしていたんです。練習量も増えてきたし、気をつけなくちゃいけませんね。
コーチイラスト2運動と食事はバランスが大事。運動量が増えているのに、それに見合った食事をとらず、エネルギーが不足した状態が続くと、女性は(運動性)無月経になってしまうの。無月経は、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が足りない状態。「エストロゲン」には、骨量を維持する働きがあって、その働きが落ちると、骨密度が下がって、疲労骨折しやすくなるのよ。「 エネルギー不足」「(運動性)無月経」「骨粗しょう症」は、女性選手が陥りやすい3つの障害で「FAT」Female Athlete Triad(女性アスリートの三主徴)と言われているの。
ゆう子さんイラスト4

無月経が骨粗しょう症や疲労骨折の危険を知らせるサインになるんですね。なんだか心配になってきました。自分で気づく方法はあるんですか?

コーチイラスト2

簡単なスクリーニングシートがあるからチェックしてみて。「炭水化物を食べることを制限していますか?」「月経は不規則ですか?」など25の質問に答えるものよ。(※参照1)

 

女性運動選手の種目別の無月経の割合グラフ

 

無月経とは、15歳までに初経がないまたは、3か月以上月経がない状態です。この場合には、婦人科等を受診し原因を明らかにする必要があります。

選手を支える体制を作ろう!

ゆう子さんイラスト4自分の体を知るって大事ですね。これからは、食事にも気をつけます!
コーチイラスト2月経について不安があったら早めに婦人科を受診することも重要よ。指導者は、保護者と一緒にこうした女性特有の問題を正しく理解し、選手の成長に合わせた適切なサポートをする必要があるの。県の教育委員会でも、指導者に向けて「運動部活動のQ&A」を作り、女性部員の(月経期等)健康管理への配慮を呼びかけているのよ。(※参照2)
ゆう子さんイラスト4コーチのようになんでも相談できる人が近くにいると安心です。コーチのような女性がもっと増えるといいな。男性だとからだのことは相談しにくいし、コーチからも声をかけにくいと思うから。
コーチイラスト2指導者が男性という部活はまだ多いよね。その場合は、女性の養護教諭に協力してもらうなど、学校全体で相談できる体制を、整えていく必要があるわね。これからも色々なことを話し合いながら一緒に成長していきましょう!

※参照1 女性スポーツ研究センター
『FATスクリーニングシートダウンロード』で検索

※参照2 埼玉県教育委員会
『動部活動の運営等に係る指導の手引(運動部活動のQ&A)』で検索

フロントランナーに聞く 「女性の持つ”力”や”可能性”を最大限に引き出すために」

鯉川 なつえ(こいかわ なつえ)さん

順天堂大学スポーツ健康科学部先任准教授。同陸上競技部女子監督。順天堂大学女性スポーツ研究センター副センター長。

鯉川なつえさん写真

2017年4月に、スポーツ庁など5 団体は、「2020年までにスポーツにおける女性の意思決定者の比率を40%にする」という『ブライトン・プラス・ヘルシンキ宣言』に調印しました。今、まさに日本において女性リーダー・コーチの育成は急務です。そのための取組みの一つとして、順天堂大学女性スポーツ研究センターでは、スポーツ組織におけるリーダー的立場にある人や、現役コーチ、将来コーチを目指す女性アスリートのために、科学的研究に基づいたコーチ教育・トレーニングを提供しています。
プログラムには、ワークライフバランスや多様性に即した組織運営等、女性コーチに欠かせない視点が盛り込まれています。
女性リーダー・コーチの役割は、単に女性アスリートの活躍だけでなく、全ての年代の女性スポーツ参加にも寄与するはずです。女性スポーツにおける女性のロールモデルが増えることで、今後の発展へとつながる好循環が生まれることを期待しています。

お問い合わせ

県民生活部 男女共同参画推進センター 事業・相談担当

郵便番号330-0081 埼玉県さいたま市中央区新都心2‐2 ホテルブリランテ武蔵野3階

ファックス:048-600-3802

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