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With You さいたま > センターの概要 > 広報紙 > 第13回「With You さいたま フェスティバル」講演会

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掲載日:2018年6月26日

第13回「With You さいたま フェスティバル」講演会

「性と柔(やわら)」~アスリートであること・女性であること~溝口 紀子さん(静岡文化芸術大学准教授)

溝口さんポートレイト

2月8日に行われた「第13回 With You さいたま フェスティバル」講演会では、バルセロナ女子柔道・銀メダリストの溝口紀子さんに、女性アスリートが抱える問題について語っていただきました。内容の一部をご紹介します。

スポーツ界は男性中心の文化が大きい世界

  2013年、女子柔道の国際試合強化選手15名が、指導陣による暴力行為やパワーハラスメントを告発しました。この一連の動きで象徴的なことは、告発した選手は名前を公表せず、メディアの力を利用し、「告発文」によって強化委員長、監督、コーチを辞任させたことです。

  スポーツは男性中心の文化がひときわ大きい世界です。記録や指導的立場などにより、男性の優位性を常に見せつけられる中で、女性はマネージャーなど男性を支える側に役割が固定しがちです。柔道界では男性優位がとりわけ顕著で、女性は長らく試合を禁止されてきました。また国際大会では男女は共に黒帯ですが、国内大会で女性は白線黒帯(白線が入っている黒帯)を締めることが規則になっています。

  なぜ日本の女子柔道選手だけが白線黒帯をつけなければいけないのか。柔道は明治時代に嘉納治五郎がたてた「講道館」が発祥です。講道館の柔道は護身術で、女子柔道は上流階級のたしなみとして始まりました。男女が交じっては風紀が乱れるという理由から、男女の区別をするために、女性は白線の入った黒帯を締めることになりました。戦前には「武徳会」という柔道の組織もあり、そこでは女性も黒帯を締める文化がありましたが、戦後GHQによって解散させられたため、講道館の柔道だけが残り、女性の黒帯がなくなりました。白線黒帯は今もその流れで国内大会に残り、国際大会との二重規則の中で女性選手は試合を強いられています。

可視化する。耳を傾ける。言葉で伝える

  15名の強化選手が声を挙げることができたのは、女性柔道家を取り巻く環境がここ20年で大きく変わったからです。女性の指導者は96人から1400人に、約14倍に増えました。メダル獲得数はシドニー五輪で男子と同数、北京五輪では女性が男性を上回りました。こうした活躍を背景に15人の女性選手が声をあげましたが、彼女たちの告発は、同様の暴力行為やパワハラ問題を抱える男性選手にも大きな意味がありました。

  これまでは負けると殴られ、「根性がなかったから負けた」と指導されました。でも、負けた理由は「根性」だけではなく、相手が仕掛けた「戦術」にも負けたのです。これからは、指導者の暴力やパワハラを受容し、耐え忍ぶのではなく、おかしいことはおかしいといえる自浄能力のある組織にしていくことが大事です。

  そのためには、「見ざる」「聞かざる」「言わざる」の逆をいく必要がある。なぜ問題がそこにあるか。数値をあげて可視化していく。相手の話にとことん耳を傾ける。暴力ではなく、自分の思いや考えを言葉で伝える。この3つがムラ社会を脱し、問題を解決していく道だと思います。 

プロフィール 溝口 紀子(みぞぐち のりこ)

静岡文化芸術大学准教授(スポーツ社会学)  静岡県教育委員会委員長  1971年生まれ。92年バルセロナ五輪女子柔道・銀メダリスト。同年、埼玉県民栄誉賞受賞。97年埼玉大学大学院修了。02~04年、日本人初のフランス代表柔道コーチを務める。著書に『性と柔(やわら)女子柔道史から問う』河出ブックス(2013年)、『日本の柔道 フランスのJUDO』高文研(2015年)ほか。  

お問い合わせ

県民生活部 男女共同参画推進センター 事業・相談担当

郵便番号330-0081 埼玉県さいたま市中央区新都心2‐2 ホテルブリランテ武蔵野3階

ファックス:048-600-3802

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