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平成版健康知恵袋/心の健康

印刷用ページを表示する 掲載日:2010年3月19日更新

県民の皆さんにお伝えしたい健康情報などについてわかりやすくまとめたものです。
 どうぞ、皆様の健康づくりに御活用ください。


47 いわゆる「ひきこもり」の相談は保健所へ

 相談窓口のひとつとして
 保健所では、いわゆる「ひきこもり」に関する相談を行っています。「ひきこもり」と一口に言っても、実際に御相談を受けてみると、その状態は様々なものがあります。生活状況として、学校や仕事に行けないが、アルバイトやコンビニ等へは行く、家の外には出ないが他は普通に生活している、自分の部屋に閉じこもり家族との接点もほとんど無い、など。また、家族に対する行動として、暴力がある、家族に様々な要求をして家族が困っている、など。更には、精神的な問題として妄想的な言動がある、物事に強いこだわりがある、感情のコントロールができず、イライラや焦燥感が強い、など。御相談の中には、長い間、家族だけで悩みを抱え、苦しんできた方も少なくありません。
 「ひきこもり」の中には、家族の対応方法の見直しや医療機関の受診が、状況の改善のきっかけとなる場合があります。保健所への相談が、全て、問題解決の糸口になるかはわかりませんが、どうしていいかわからず、困り果てている、というような時、「相談窓口」の一つとして、ぜひ、活用していただきたいと思います。 

48 混乱しているときには・・・ひこもりなどの悩みを持つ親御さんとの面接から

 転ばぬ先の杖と無駄話
 不登校・ひきこもりの子どもを持つ親からの相談場面に同席させていただいています。どの親御さんも混乱して疲弊しています。精神疾患など病気の方がマシだとおっしゃる方もいます。たとえ心であっても病気なら治療法があり、病院などに多少分担してもらうことができるからでしょうか(数年前は心の病気は治らないし恐ろしいものという時代だったことを思うと隔世の感があります。)
 相談場面ではいろいろなことが話し合われますが、そのなかでキーワードと思われる言葉があります。親の関心はいつ子どもが学校に行くか、いつ仕事に就いて家から出て行けるかに集中していますが、そんなことは子ども本人にもわからないことです。親の期待もわかりますが、子どもの方は不安でいっぱいの状態です。そんな時は、お天気の話や親のドジ話などお気楽に笑える話をしましょう。そんなネタが見つからない時はそれほど親御さんも疲れているということに気がつきましょう。
 また、子どもには転ぶチャンスがあってもいいのです。転んだら助けてあげればよいのです。転んだらSosを出すことを伝えておいてくださればよいのです。親が杖を用意して子どもの背丈や趣味に合わないこともあるかもしれませんよね。
 親御さんの話は主語が自分になっていますか?いつのまにか子どもが自分の主語になっていませんか?点検してみましょう。大人が変われば子どもも変わります。急がば回れ。ひとまず自分自身が笑えるネタを仕込みましょう。

49 アルコール依存と梅酒

 健康に良いと言われても、お酒です
 梅酒は焼酎から造られている立派なアルコールです。アルコール依存症の病気の人に飲ませるのは、体のためにはなりません。

 夫(60歳代前半)がアルコール依存症で保健師が相談にのっていました。妄想、幻覚があり、布団で失禁してしまうほど状態は良くありませんでしたが、妻は酒を飲むことが原因だとよくわかっていると言っていました。
 受診の勧めのため家庭訪問をしたときの事です。台所には、妻が丹精こめて作っている梅酒のビンが年代別にずらり。
 誰が飲むのか聞いたら、「健康に良いと聞いたので、夫婦で飲んでいる」との返事が。梅酒も夫が飲み出すと、止め処もなく飲んでしまうと妻はこぼしていました。
 梅酒も立派なお酒ですよとお伝えすると、「あ-、そうなんですか」と一言かえってきました。  

50 家族の愛情や心配な気持ちは必ず伝わります

 家族の心配している気持ちを正直に伝えてみましょう
 最近、心の病気を抱えた方の家族から、「家族では連れて行けません」「何とか保健所で(病院へ)連れて行ってください」という相談が多くなっています。
 病気の本人が症状により家族の言うことを聞かなかったり、暴力を受けたりしていると、家族だけで問題に取り組むことができなくなってしまうのかもしれません。
 相談を受けると、説得したり、受診に同伴したりすることもありますが、そんな時ご家族にお話するのは、「家族の心配している気持ちを正直に伝えてみましょう。」と言うことです。そうは言ってもなかなか実行できないことが多いようですが、その中でも、「今すぐ来てください」「連れて行ってください」と相談してきた家族が、保健所の保健師や相談員との相談、アドバイスを受けながら、家族だけで頑張って受診に繋がったケースがありました。「家族だけでできました。」とうれしそうに連絡をくれたのが印象的でした。
 心の病気があり混乱していても、家族の愛情や、心配な気持ちは伝わるということが実証されたような気がしました。保健所は家族の力を側面から応援する存在でありたいと思います。  

51 心の問題を抱えながら、受診をためらわれていませんか。まずは、医療機関に相談を。
   家族の相談からはじまることもあります。
 

 家族の意志の疎通もままならない娘さんと母親
 Aさん(女性)は、家族との意志の疎通もままならなくなり、家に閉じこもるようになって10年近く経過していました。入浴や着替えをせず、髪は伸び、食事は気ままに摂る生活で、感情の波があり昼夜逆転の生活となっていましたが、両親との三人暮らしの間はなんとか生活できていたため、どこへも相談することはありませんでした。しかし、父親が亡くなると、母一人では世話が大変になり、身なりのことや、受診について説得しても聞き入れるどころか大声を出し威嚇するような態度がみられ、自分の娘でも、「こわい」と感じられるようになったため、初めて相談のため来所されました。
 家族は元気な頃の姿が脳裏にあり、大声を張り上げる姿は受けとめられず、かといって強引に病院に連れて行くことは不憫に思われ、結局何もしてやれず月日が過ぎてしまったという状況でした。
 保健所の相談では、家族に受診の必要性を理解していただくことから始まりました。本人受診が無理な場合は、家族が病院にいき、医師に経過と現状を伝え、今後の対応を相談することを勧め、この時も、本人が受診できるようにするため、家族全員の協力が必要であることを伝えました。受診当日の本人の説得には保健所も協力し、2ヶ月の相談を経て、入院治療が開始されました。
 もっと早くに相談の場があるという情報があったなら、この10年は違う生活になっていただろうと感じた相談事例でした。

 心を閉ざす本人と心配と焦りが募る家族の葛藤
 「自分はダメな人間で価値のない存在だ」「寝付きが悪く、朝早くに目が覚めてしまう」「不安で落ち着かない」「はなはだしい物忘れ」「人と接するのを避け落ち込んでいる」・・・。このような様子に、家族が「何言ってるの!」「頑張って!」「惚けちゃったんじゃないの」などと言ったり、心配のあまり強引に受診させようとしたことなどから、心を閉ざしてしまったということが時々あります。
 本人は、「このままどうなってしまうのだろう」という不安を抱え「自分の辛さを解ってもらいたい」という気持ちがあるものの、「悪い病気だったら・・・」「恥ずかしい」といった不安を抱えています。その時、家族が心配と焦りから強引な対応をとってしまうと逆効果になってしまいます。
 こんな時、「眠れない」「疲れがとれない」など本人が辛く感じていることをしっかり聞いたうえで、「何とかしてあげたい」「相談にいきましょう」といって医療機関を受診します。場合によっては、あらかじめ医療機関に相談し、適切な受診日や時間を確認しておきます。
 医療機関への受診が必要か、どのように対応したらよいかなど迷う場合は、保健所の精神保健相談や保健師、精神保健福祉士に相談することができます。家族自身が不安や焦り、疑問などを相談し安心できると、こじれていた問題の糸口が見つかり解決に繋がります。 

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