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掲載日:2024年2月13日

夜尿・遺尿外来(生活指導)

夜尿症の治療方針

1.一般的な生活上の注意点

あせらず、おこらず、おこさず

夜尿への基本的な態度である「あせらず」、「おこらず」、「おこさず」の3つの原則についてお話します。

夜尿症のお子さんに見られる排尿機構の未発達は手先が不器用、かけっこが遅いと言ったものと同じであり、発達の個人差により見られているものであり、決しておこったり、あせったりして改善するものではありません。特に夜尿症については本人が全く自覚できない睡眠中の出来事で、昼間「おこって」効果のあるものではありません。たかが夜尿ごときのために子どもをおこすことは絶対にしないでください。その理由の一番目は子どもが成長発育するには深い眠りが絶対的に必要だからです。二番目の理由は決まった時間におこして排尿させていることは一定の睡眠時間、一定の尿量で排尿する習慣を固定化してしまうことになります。三番目の理由として夜尿を根本的に改善させるために必要な抗利尿ホルモン分泌の夜間分泌を増加し、膀胱容量を増加するためのもっとも生理的な刺激は熟睡することだからです。

冷え対策を十分に

夜尿症は冬に気温が低下すると増悪するのが一般的です。また夜尿症児には冷え性の子どもが多いことも指摘させており、夜間睡眠中の冷えをいかに防止するか、就寝前の入浴、部屋の暖房、寝間着、靴下等に工夫する必要があります。あんか、湯たんぽの使用はかえって布団をはぐ場合もあり注意が必要です。

本人、家族に心理的負担をかけない

夜尿をしている子ども、両親ともその原因が親の育てかた、あるいは本人の性格、生活態度の不摂生と考え、夜尿をしていることに引け目を感じ、とかく自分の世界に入り込みやすい様です。夜尿の原因の根本は遺伝的なものであり、決して親の育てかた、本人の性格、生活態度の不摂生が原因でないことを強調しておきます。

2.病型別の生活上の注意点

夜間多尿がある場合(多尿型、混合型)は、いかにして夜間尿量を減らすかが大切になります。

1日の塩分摂取量を減らす

尿量を減らす最大のポイントは摂取する塩分量(時に蛋白質量)をいかに減らすかです。塩分をたっぷり取っていて水分摂取量を減らせと言ってもできません。塩分摂取量については夕食だけ減らせば良いのではなく、1日の摂取量に注意する必要があります。牛乳の摂取量の多いお子さんにも同様な現象がみられることがあります。

夕方からの水分摂取を減らす

食事はよく咀嚼し、唾液の分泌を高め、なるべく水分摂取せずに食事をする習慣を身につけるようにしましょう。体に入った余分な水分が尿になるには3時間は必要です。特に夕食時、あるいは夕食後の水分摂取(果物なども含む)は極力避ける習慣が必要で、就寝前の3時間前に夕食を済ませ、以後はなるべく食べない工夫も必要です。水分摂取量が適当であるかどうかの判断は尿の濃さを身ながら行う習慣をつけましょう。尿が薄いときには本人が何と言おうと水分の摂取量が多い時です。どの程度の体の状態の時に水分を取ると尿がうすくなり、夜尿になるか本人が会得できるようになればこの型の夜尿症の自立は先が見えてきます。

膀胱容量の低下がある場合(膀胱型、混合型)=いかにして1回排尿量、夜尿量、起床時排尿量を増やすかが大切です。

昼間の排尿を我慢する

排尿をなるべく我慢する習慣をつけることが必要です。排尿の仕草を示したり、尿意を訴えた時にすぐ排尿を促さずに我慢させる、外出時など本人が尿意がないのに無理に排尿させないことなどです。特に昼間遺尿を伴っている場合には大部分のお母さん方は早めに排尿をさせています。昼間遺尿の大部分は膀胱容量が低下している時にみられる現象であり、膀胱容量が増加してくれば自然と軽快してきます。すなわち昼間遺尿は膀胱が尿を沢山我慢できるようになると改善します。

排尿を我慢して膀胱容量を増やすことは昼間の膀胱容量を増やし、それに伴い夜間の膀胱容量も増えて夜尿の改善を期待するわけですが、夜尿の改善が悪いお子さんの中には昼間は十分に膀胱容量が増えながら、夜間の膀胱容量がなかなか増えない場合があります。こうしたお子さんは夜尿の治りが悪く、根気よく昼間の排尿の我慢を続けて夜間も膀胱容量の増えるのを待つ以外に現在の所、有効な手段はありません。

排尿中断する

排尿機構がしっかりしてくると排尿抑制は自分の意志でコントロールできるようになります。排尿抑制を高めるには排尿中に尿を止めたり、出したりして自分の意志で排尿をあやつれるようにすることが訓練となります。

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郵便番号330-8777 埼玉県さいたま市中央区新都心1番地2

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