• トップページ
  • 外来入院のご案内
  • 各部門の紹介
  • センターのご紹介
  • 医療関係者の皆様へ

ここから本文です。

 

掲載日:2024年2月22日

移植センター

移植センターのご紹介

移植センター長あいさつ

移植センター長、水田耕一

 

埼玉県立小児医療センター移植センター長の水田耕一です。
2019年4月に18年間勤務した自治医科大学移植外科から異動してまいりました。

埼玉県立小児医療センターでの生体肝移植は、ドナー手術はさいたま赤十字病院外科が、レシピエント手術は埼玉県立小児医療センター移植外科、小児外科、形成外科が協働して行っています。
隣接する二施設は、いくつもの廊下で繋がった一体型の医療施設であり、「さいたま新都心医療拠点」として、総合周産期医療、救命救急医療など多くの高度医療を県民に提供してきました。移植センターでの生体肝移植は、これらに次ぐ二施設連携の医療です。連結する二施設間での臓器移植医療は国内初であり、新たな医療体制の先駆けでもあります。

埼玉県立小児医療センターは、2016年12月27日に、さいたま市岩槻区から、さいたま市中央区新都心へ移転致しました。入院している子どもたちが勉強する院内学校も、岩槻特別支援学校から、けやき特別支援学校と名前を変え、小児医療センターの7階の全フロアに、体育館、プール、図書室、音楽室、家庭科室など、様々な施設を完備した、わが国有数の充実した院内学校となっています。また、移転当初から開設された、家族宿泊施設の「ドナルド・マクドナルド・ハウスさいたま」は、国内初となる病院内に設置されており、利用されるご家族からは大変喜ばれています。

このような素晴らしい環境のもと、私たちは、さいたま新都心医療拠点.・移植センターとして、埼玉県の末期肝硬変の子どもたちはもちろんのこと、関東甲信越・北陸・東北地方の肝移植を必要とする子どもたちとご家族のために、安全で安心な肝移植医療を提供することをお約束致します。

対象となる疾患

  • 胆汁うっ滞性疾患(胆道閉鎖症、アラジール症候群、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症、原発性硬化性胆管炎など)
  • 急性肝不全(原因不明、ウイルス性、新生児ヘモクロマトーシスなど)
  • 先天代謝異常症(Wilson病、OTC欠損症、CPS1欠損症、シトルリン血症、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、メープルシロップ尿症など)
  • その他(肝芽腫、先天性門脈欠損症、先天性肝線維証、原因不明肝硬変、肝GVHDなど)

日本における小児肝移植の現状

わが国の生体肝移植は1989年の開始から30年を迎え、2020年12月までの症例数は約10,500例、その内、18歳未満の小児生体肝移植例は全体の35%に当たる約3600例です。成人の生体肝移植が徐々に減少している中、小児生体肝移植は年間100~120例が恒常的に行われています。

小児肝移植の代表的な疾患は胆道閉鎖症で全体の約70%を占めます。その他、ウィルソン病、OTC欠損症などの先天代謝異常症が約10%、急性肝不全が約10%、肝芽腫などの悪性腫瘍が約5%と続きます。小児生体肝移植(n=3,493)の患者生存率は、術後1年、術後20年で、それぞれ、90.4%、81.9%であり、成人生体肝移植(n=6,267)の、82.8%、54.7%と比較して有意に高くなっています。この成績の差は、グラフト肝のサイズ、ドナーの年齢、術前の全身状態や他臓器合併症の有無などが関連しています。

小児肝移植の成績は胆道閉鎖症、アラジール症候群、OTC欠損症など生存率90%以上と予後良好な疾患が多いですが、乳児の原因不明の急性肝不全、糖原病、原発性高シュウ酸尿症など、疾患の再発や移植後の内科的合併症から予後不良となっている疾患もあります。

新生児肝不全への肝移植や、門脈血流の乏しい胆道閉鎖症では肝移植手術手技や術後管理において困難さを伴いますし、年長児から成人の胆道閉鎖症の手術適応の判断や、肝芽腫の再発例など、肝移植の適応やタイミングに苦慮する症例もあります。また、小児の場合、一定の頻度で、移植後長期に服薬ノンアドヒアランス(免疫抑制剤の飲み忘れ)により、肝機能障害を来す症例があるため、肝移植後の長期フォローの重要性が認識されています。

当院の治療成績と特色

2019年4月1日に移植外科が新設され、移植センターを開設し、2019年9月より二施設一体型の小児生体肝移植を開始致しました。
ドナーの手術は、さいたま赤十字病院消化器外科が担当し、レシピエント手術は、当センター移植外科と小児外科、肝動脈吻合は、さいたま赤十字病院形成外科と当センター形成外科で協働して行っています。

当センターでの二施設連携小児生体肝移植は、成人ドナーと小児レシピエントの手術と術後管理を各々専門性の高い二病院で行うことで、それぞれの患者に適した環境で高度医療を提供することができ、安全性の向上と同時に病院や医師への負担軽減が可能になりました。これまでの生体肝移植数は、39例(2024年1月時点)で、生存率は97%と良好な成績が得られています。

2022年4月から、小児肝移植ドナー(外側区域グラフト)の腹腔鏡下手術が保険適用となりました。当センターでも2023年1月から開始し、これまで9例のドナーに実施致しました(2024年1月時点)。

当科での生体肝移植は、安全な移植医療を提供するだけでなく、子どもたちの将来を見据え、手術の創も小さく(両側季肋下斜切開創)、目立たないように(真皮埋没縫合)行っています。また当センターは、胆道閉鎖症の初回手術である肝門部空腸吻合術(葛西手術)も腹腔鏡下で行っていますので、胆道閉鎖症の患者に対しては、葛西手術から肝移植手術まで、低侵襲でシームレスな医療を提供致します。

 

肝移植1年後の手術創

埼玉県立小児医療センター移植センターの特色
  • 安全な医療を提供するだけでなく、子どもたちの将来をみすえ、手術の創も小さく目立たないように行っています。
  • 子どもに特化した病院であるため、すべての診療科がそれぞれの専門性をもって診療しています。
  • 隣接する「さいたま赤十字病院」と協働して新生児から成人領域まで、継続した治療を提供しています。
  • 病院内に「ドナルド・マクドナルドハウス」があり、ご家族への療養環境が整っています。

移植センター組織図

埼玉県立小児医療センターと隣接するさいたま赤十字病院との協働での移植センターです。

移植センター組織図

主なスタッフ紹介

役職等 氏名 資格等 所属
移植センター長 水田 耕一

日本外科学会指導医

日本小児外科学会専門医

日本移植学会認定医
埼玉県立小児医療センター
移植外科科長
移植副センター長 新村 兼康

日本外科学会専門医・認定医

日本消化器外科学会消化器外科認定医・専門医・指導医

日本肝胆膵外科学会肝胆膵外科高度技能専門医・評議員
日本胆道学会指導医

さいたま赤十字病院
外科部長
移植センター 冨岡 俊也

日本麻酔科学会麻酔科指導医/機構専門医

日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医

日本医学教育学会認定医学教育専門家

さいたま赤十字病院
副院長、麻酔科部長
移植センター 田口 茂正

日本救急医学会救急専門医・指導医

日本集中治療医学会専門医

日本熱傷学会熱傷専門医

日本臨床救急医学会評議員

日本化学療法学会抗菌化学療法認定医

インフェクション・コントロール・ドクター

さいたま赤十字病院
高度救命救急センター長

第一救急部長、集中治療部長、

院長補佐

移植センター 浅野 聡子

日本精神神経学会精神科専門医
日本精神神経学会精神科専門医制度指導医認定医

精神保健指定医

さいたま赤十字病院
心療科副部長
移植センター 丸田 享

日本肝臓学会肝臓専門医

日本消化器病学会消化器病専門医

日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医

日本プライマリ・ケア連合学会指導医/プライマリ・ケア認定医

日本内科学会認定内科医

がん治療認定医機構がん治療認定医

日本消化器内視鏡学会内視鏡専門医

さいたま赤十字病院

肝・胆・膵内科

移植センター 井原 欣幸

日本外科学会認定医・専門医

日本移植学会認定医

日本小児外科学会専門医
日本肝臓学会専門医

日本周産期新生児学会認定外科医
日本小児栄養消化器肝臓学会認定医

埼玉県立小児医療センター
移植外科医長
移植センター 納屋 樹 日本外科学会専門医 埼玉県立小児医療センター
移植外科医員
移植センター 蔵谷 紀文

日本麻酔科学会指導医

外国人医師臨床修練指導医

埼玉県立小児医療センター
麻酔科科長兼中央診療部門部長

移植センター 岩間 達

日本小児科学会小児科専門医・指導医

日本消化器病学会消化器病専門医

日本小児栄養消化器肝臓学会認定医

日本消化器内視鏡学会専門医
埼玉県立小児医療センター
消化器・肝臓科科長
移植センター 新津 健裕

日本小児科学会小児科専門医

日本集中治療医学会集中治療専門医
埼玉県立小児医療センター
集中治療科科長兼中央診療部門副部長
移植センター 川嶋 寛

日本小児外科学会専門医・指導医

日本外科学会専門医

日本内視鏡外科学会技術認定医(小児外科部門)
日本小児がん学会小児がん認定外科医
埼玉県立小児医療センター
小児外科科長兼外科副部長
移植センター 中澤 温子 日本病理学会専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医

埼玉県立小児医療センター
臨床研究部長兼病理診断科長

移植センター

移植支援室

荒木 尚 日本脳神経外科専門医・指導医
日本救急医学会専門医・指導医
日本小児神経外科認定医

埼玉県立小児医療センター

外傷診療科科長

移植センター
移植支援室
田村 恵美

日本看護協会認定小児看護専門看護師

日本移植学会認定レシピエント移植コーディネーター
埼玉県立小児医療センター
移植外科・臨床研究部・看護部

医療機関の方へ(移植センターへの受診、ご紹介いただくには)

当院では、2019年4月1日に移植外科が新設され、移植センターを開設いたしました。肝移植が必要なお子さんをご紹介いただく場合、下記の方法でご連絡をいただけますようお願いいたします。受診の日程を含めて、当センターの移植コーディネーターにご連絡いただきご相談くださるようお願い致します。

埼玉県立小児医療センター移植センターのご案内(PDF:130KB)

肝移植を希望、肝不全などの相談がある場合の連絡先

 

紹介元で準備していただくもの
紹介状
最近の腹部CTフィルムコピー
手術記録(胆道閉鎖症で手術既往があった場合)
その他、移植センターより依頼のあったもの
紹介時に患者さんが必要なもの
紹介状
最近のCTフィルムコピー
手術記録
マイナンバーカードまたは保険証

母子手帳

小児慢性医療券(お持ちの方の場合のみ)

お子さんが入院中で、ご家族だけの受診の際は、保険診療の規則から、自費診療(6歳未満は3,570円、6歳以上は2,820円)になる旨、お伝えください。
何かございましたら、いつでもご連絡ください。

埼玉県立小児医療センター 移植センター移植支援室
小児看護専門看護師・移植コーディネーター 田村恵美

【連絡先】
電話番号:048-601-2340(直通)または、048-601-2200(代表)
ファックス番号:048-853-5500(直通)
メールアドレス:tamura.megumi(at)saitama-pho.jp
(自動メール送信対策のため、メールアドレスの表記を変更しております。お手数ですが、(at)を@に置き換えてご送信ください。
@は半角文字を使用してください。)

外来診察日程

移植外来は、週2回行っております。合わせて、午後の初診と再診は移植看護外来を開設しております。不明な点がございましたら、いつでもお問い合わせください。

移植外来

診察日 月曜日 金曜日
午前(再診)

水田

井原

午後(再診)

水田

井原

午後(初診)

水田

井原

移植看護外来

診察日 月曜日 金曜日
午前(再診)

田村

田村

午後(初診)

田村

田村

初診の日程が合わない場合は調整できますので、いつでもご相談ください。

お問い合わせ

地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立小児医療センター  

郵便番号330-8777 埼玉県さいたま市中央区新都心1番地2

ファックス:048-601-2201

検査や治療又は診療の内容に関する個別のご相談には応じかねます。
回答にお時間をいただく場合がございますので、ご了承ください。

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?