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掲載日:2024年3月15日

胸部外科

胸部外科レジデント募集について 

特色・専門分野

I.当院の呼吸器外科手術の特色 

  • 当科では呼吸器外科領域、主に①肺がん、②転移性肺腫瘍、③縦隔・胸壁腫瘍、④悪性胸膜中皮腫の外科治療を行っています。2021年の年間手術症例数は271例で、肺がん手術症例は175例です(図①)。
  • 患者さんの体への負担が少ない、胸腔鏡手術・ロボット手術を数多く行っています。
  • 進行がんに対する拡大手術や、化学放射線療法後の手術、2回目、3回目の手術等、難易度の高い手術も積極的に行っています。
  • Stage II-III期の局所進行肺癌に対しては、呼吸器内科、放射線治療科と協力しながら、手術・抗がん剤・放射線治療を組み合わせて良好な成績を出しています。
  • 悪性胸膜中皮腫に対しては、患者さんの全身状態を判断しながら、胸膜肺全摘術、または胸膜切除/肺剝皮術 (P/D) を行っています。呼吸器内科、放射線治療科と協力しながら、手術・抗がん剤・放射線治療を組み合わせて良好な成績を出しています。
  • クリニカルパスを導入し、医療の質の標準化・効率化、チーム医療、安全性の向上を図っています。入院期間の短縮、早期の社会復帰の実現にも繋がります。
  • 呼吸器外科専門医が5名在籍しています。

図① 手術件数と疾患の内訳

胸部外科20231

※2020-2021は手術制限あり。(新型コロナウィルス感染症対応のため)

 

II. 原発性肺癌 

  • 肺癌に対する標準治療は肺葉切除術+縦隔リンパ節郭清が基本的な手術術式となります。
  • 積極的縮小手術への取り組み:近年の臨床試験JCOG0802,0804の結果を受けて、早期肺癌に対しては、切除範囲の少ない区域切除、部分切除を行っています。
  • 消極的縮小手術への取り組み:高齢の患者さん、低肺機能、その他体力がない患者さんに対しては、切除範囲の少ない区域切除、部分切除を行っています。
  • Stage II-III期の局所進行肺癌に対しては、呼吸器内科、放射線治療科と協力しながら、手術・抗がん剤・放射線治療を組み合わせて良好な成績を出しています。
  • 胸腔鏡手術・ロボット手術を数多く行っています。

表1 病期別 肺癌手術症例数(肺癌取り扱い規約第8版)

病期

臨床病期

病理病期

0

8

12
 
※ (pCR:3)

IA1

26

36

IA2

35

32

IA3

23

21

IB

43

26

IIA

6

7

IIB

17

17

IIIA

14

11

IIIB

2

3

IV

1

10

175

175

※pCR:手術前に抗がん剤や放射線治療を行い、病理検査でがん細胞が消滅していた状態

図② 2021年の肺癌手術の術式区分

胸部外科20232

  • 2000年から2015年までに切除した病理病期別肺癌切除症例(肺癌取り扱い規約第7版に準拠)の5年生存率は、1A期(904人)85.5%、1B期(367人)73.5%、2A期(86人)68.1%、2B期(148人)53.1%、3A期(223人)49.3%、3B期(180人)43.2%、4期(39人)23.5%でした(図③)。

図③ 肺癌手術症例の治療成績

胸部外科20233

Ⅲ.転移性肺腫瘍 

  • 転移性肺腫瘍に対する術式は、なるべく肺を残す方法:部分切除が基本になります。腫瘍の位置・大きさ・数により、区域切除や肺葉切除も行います。
  • 難易度が高くなる2回目、3回目の手術も積極的に行っています。

表② 2021年の転移性肺腫瘍手術例

原発巣

症例数

大腸・直腸

15

頭頚部

9

5

3

骨・軟部

3

2

食道

2

卵巣

1

乳腺

1

胸腺

1

42

 

Ⅳ.  胸壁・縦隔腫瘍 

  • 胸壁・縦隔腫瘍は、胸腺腫・神経原性腫瘍が大部分を占めています。
  • 胸腔鏡手術・ロボット手術を積極的に行っています。
  • 縦隔に腫大するリンパ節の診断(悪性リンパ腫やサルコイドーシスなど)も胸腔鏡手術で行っています。

V. 悪性胸膜中皮腫 

  • 悪性胸膜中皮腫は比較的稀な疾患でアスベスト暴露が主な原因とされています。胸痛や呼吸困難感(胸水、気胸)などの症状で発症することが多く、初期は無症状の事もあります。
  • 原因不明の胸水の診断には、胸水の細胞診のみならず、積極的な胸膜生検が必要であり、悪性胸膜中皮腫の確定診断には免疫染色による病理診断を行う必要があります。確定診断が得られれば労災認定や環境再生機構から救済を受けることが出来るようになります。
  • Stage I- IIIの患者さんには、手術、抗がん剤、放射線治療を組み合わせた治療を行っています。
  • 手術は、胸膜肺全摘術か胸膜切除/肺剝皮術(P/D)を行います。術式選択は患者さんの全身状態を精査した上で決定します。
  • 2021年の悪性胸膜中皮腫に対する手術数は5例で、胸膜肺全摘術:3例、胸膜切除/肺剝皮術:2例でした。

胸部外科20234

Ⅵ. 胸腔鏡手術(VATS) 

  • 当院では患者さんの体への負担が少ない胸腔鏡手術を数多く行っています。
  • 胸腔鏡手術のメリット
    • 肋骨、筋肉を切らないので、痛みが少なく。呼吸機能への影響が少ないです。
    • 早期の離床が可能となり、早期の社会復帰に繋がります。
  • 胸腔鏡手術のデメリット
    • 開胸手術と比較して難易度が高いため、手術の精度や安全性が課題とされてきました。近年は経験の積み重ねにより開胸手術と同等の精度、安全性が確保されています。
    • 一部の進行がんは、胸腔鏡手術の対象にはなりません。
  • 肺葉切除、区域切除に対する胸腔鏡手術(図④)
    • 4つの穴で行う完全胸腔鏡手術(complete VATS)
    • 7cmの小開胸とカメラポートで行う胸腔鏡補助下手術(hybrid VATS)
  • 部分切除に対する胸腔鏡手術
    • 3つの穴で行う完全胸腔鏡手術
    • 4-5cmの小開胸とカメラポートで行う胸腔鏡補助下手術

図④ 完全鏡視下手術(c-VATS)と胸腔鏡補助下手術(h-VATS)

 c-VATS                              h-VATS

胸部外科5

Ⅶ. ロボット手術(RATS) 

  • 当院では2018年12月に埼玉県では最初に呼吸器外科領域でのロボット手術を導入しました。症例数は年々増加し、2022年3月までに119例のロボット手術を行いました(図4)。1名がロボット手術の学会認定プロクター(指導医)を取得しています。
  • 保険診療の対象となるロボット手術は以下の通りです
    • 肺悪性腫瘍に対する肺葉切除、区域切除
    • 良性・悪性の縦隔腫瘍
  • ロボット手術のメリット(従来の胸腔鏡手術との比較)
    • 多関節機能、3次元の高画質モニターにより精細な手術が可能になります。
    • 胸腔鏡手術と同様に、4-5か所の穴を開けて手術を行うため、痛みの軽減、術後の早期離床が可能になります。
    • 術後合併症を軽減するという報告があります。
  • ロボット手術のデメリット
    • 手術時間が長い傾向がありますが、経験の積み重ねで両者の差は少なくなっています。
    • ロボット手術も出血時の対応が課題になります。当院では定期的に、多職種で緊急時対応のトレーニングを行っております。

図4 ロボット手術の月別症例数

胸部外科20236

ロボット手術のポート位置

胸部外科20237

外来担当表 

診療科目 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
胸部外科 平田 知己 秋山 博彦 再 木下 裕康   平田 知己   秋山 博彦 再
木下 裕康 山﨑 庸弘      中島 由貴 
中島 由貴 再        
山﨑 庸弘        

※医師名に「初」の記載があるものは「初診」のみ、「再」は「再診」のみ、記載がないものについては初・再診ともに行っています。

スタッフ 

平田 知己 ヒラタ トモミ

胸部外科平田知己

科長兼診療部長/昭和63年 北里大学医学部卒 平成15年 日本医科大学大学院修了

専門

胸部一般外科

資格

日本外科学会専門医、指導医

日本呼吸器外科学会専門医、指導医

日本呼吸器学会専門医

日本がん治療認定機構暫定教育医

日本消化器内視鏡学会専門医

日本呼吸器外科学会評議員

日本内視鏡外科学会評議員

木下 裕康 キノシタ ヒロヤス

写真:木下 裕康

副部長/平成7年 日本医科大学卒

専門

呼吸器外科

資格

日本外科学会 専門医

日本呼吸器外科学会 専門医
日本癌治療認定医機構 癌治療認定医

中島 由貴 ナカジマ ユキ

胸部外科中島Dr副部長/平成13年 日本医科大学卒   平成23年 日本医科大学大学院修了

専門

肺癌・転移性肺腫瘍・縦隔腫瘍の外科治療、胸腔鏡手術、ロボット手術

資格

日本外科学会 専門医 ・ 指導医

日本呼吸器外科学会 専門医 ・ 評議員

日本呼吸器学会 専門医

胸腔鏡安全技術認定制度 認定医

ロボット支援手術認定プロクター (指導医)
日本癌治療認定医機構 がん治療認定医

肺がんCT検診認定機構 認定医

医学博士

埼玉医科大学非常勤講師

 山﨑 庸弘 ヤマザキ ノブヒロ

YamazakiN医長/平成10年 順天堂大学医学部卒

専門

呼吸器外科

資格

外科専門医

気管支鏡専門医 指導医
呼吸器外科専門医

呼吸器専門医

CT検診認定医

栁原 章寿 ヤナギハラ アキトシ

胸部外科栁原Dr医長/平成22年 埼玉医科大学医学部卒

専門

呼吸器外科

資格

日本外科学会 専門医
日本呼吸器外科学会 専門医

医学博士

 

秋山 博彦 アキヤマ ヒロヒコ

写真:秋山 博彦

平成元年 山梨医科大学卒

専門

肺癌・転移性肺腫瘍・縦隔腫瘍の外科治療、胸腔鏡手術

資格

日本外科学会認定医、外科専門医

日本胸部外科学会認定医、正会員
日本呼吸器外科学会専門医、指導医
日本癌治療認定医機構 癌治療認定医、暫定教育医

 

お問い合わせ

地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立がんセンター  

郵便番号362-0806 埼玉県北足立郡伊奈町小室780番地 埼玉県立がんセンター

ファックス:048-722-1129

※※お問い合わせフォームご活用時の注意点※※

上記フォームからの受診や治療等に関するお問い合わせについては、医療上の安全確保のため回答しておりません。
受診や治療等に関するご相談は、患者サポートセンターへ直接お電話でお問い合わせください。
担当の者が内容を伺い対応させていただきます。
なお、既にがんセンターを受診している方の場合は、診療科外来へお問い合わせください。

【患者サポートセンター連絡先】
電話番号:048-722-1111(代)※「患者サポートセンターに相談したい」とお伝えください。
受付時間:平日9時~12時、14時30分~15時30分

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