埼玉県立がんセンター > 採用案内 > 臨床工学技士(ME)
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掲載日:2024年3月21日
副病院長の統括のもと、臨床工学技士5名(部長1、主任技士3、技士1)助手4名で業務を行っています。業務拠点は、手術室とHCUに挟まれた3階中央部の臨床工学部と、手術室内のME点検室の2箇所となっています。また、隣接する精神医療センターの医療機器の点検・管理も行っています。
業務は主に、手術室業務、医療機器管理業務、手術室以外の臨床立ち合い業務です。また、医療機器管理委員会の運営を担っており、医療機器安全管理責任者の統括のもと、年間保守点検計画の作成・実施、医療機器導入研修・新規採用研修の企画・実施、マニュアル整備等も行っています。
ダ・ヴィンチ手術、内視鏡手術、術中ナビゲーション、神経モニタリング、ラジオ波焼灼術の立ち合い等を行っています。この他、多くの医療機器が使用されており、手術準備・点検・トラブル対応等に関与することで、スムーズで安全な手術に貢献しております。特徴的業務について記載します。
ロボット(ダ・ヴィンチ)支援下手術
現在、泌尿器科・消化器外科・胸部外科・婦人科の手術で使用されています。技士はダ・ヴィンチ機器準備、設定、ドレーピング補助、ドッキング補助、術中の装置の監視、トラブル対応等を行っています。
手術映像システム(全12室)
内視鏡装置をはじめ、映像機器を使う手術が年々増えています。当院では、映像システムを全12室に導入しました。複雑な配線をする必要はなく、タッチパネルで選択するだけで、各室2枚の天井吊り下げディスプレイ・大型ディスプレイ・移動式ディスプレイ等に映像表示が行え、ハイビジョン・3D映像をサーバー録画できます。技士は、システムの管理・運用検討・トラブル対応等を行っています。
内視鏡専用手術室(3室)
内視鏡手術は、奥行感がないモニタを見ながら、無理な姿勢で細かい器具を使用しての繊細な操作が要求されるため、術者の負担が大きいと言われます。これらを克服する方法として、内視鏡専用手術室を整備しました。①3D内視鏡で奥行感を出す②天井吊り下げアームモニタにすることで無理な姿勢での負担を軽減③ディスプレイ上に超音波画像などの映像ソースを表示させ、手術時に画面から目線を逸らすことによる手元のずれを予防④1つのタッチパネルで様々な医療機器を統括制御し、素早い設定が可能となり、手術操作を円滑にしています。技士は手術立ち合い、プログラム変更、トラブル対応、管理を行っています。
現在、4,385台の医療機器を機器管理システムにて一括管理。電子カルテ端末からWeb予約ができる仕組みを構築し、定期便搬送により、各部門への貸出を行っています。機器の定期点検・修理は、ライセンスを取得した上で技士が実施し、各種チェッカーを用いて定量的評価を行っています。結果入力にタブレットPCを用い、ペーパーレス化を試みています。その他、機器購入の機種選定等の事務業務を行っています。
腹水濾過再濃縮装置の操作、血液成分分離装置の操作(末梢血幹細胞採取・骨髄濃縮・リンパ球輸注)、ラジオ波凝固療法の立ち合い等を行っています。HCUにおいては、人工呼吸器のラウンド点検・設定管理・終業点検・定期点検、CHDF・エンドトキシン吸着療法・血漿交換の対応等を行っています。
以下、特徴的な業務について記載します。
(1)血液成分分離装置の操作(末梢血幹細胞採取):悪性リンパ腫の治療等で大量化学療法を行う場合、副作用で白血球が極端に減少し、ウイルスや細菌に感染するリスクが高まります。そのため、化学療法前にG-CSFという薬を使って白血球のもとになる細胞(幹細胞)を骨髄から血液中に動員した後、血液成分分離装置にて分離採取します。採取した幹細胞は保存し、化学療法後に注入、無事生着すれば白血球が産生され免疫機能が回復します。
(2)腹水濾過濃縮装置の操作:大量腹水のある患者様から腹水を抜き、濾過濃縮装置を使って、癌細胞や細菌を濾過して取り除き濃縮する操作をします。処理後の腹水は点滴にて静脈内に戻します。タンパク成分の保持と苦痛緩和のため、実施する施設が増えています。
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