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埼玉県立がんセンター > ピロリ菌の発がん因子Tipαとがん抑制遺伝子BTG2の相互作用による胃発がん機構

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掲載日:2019年2月28日

ピロリ菌の発がん因子Tipαとがん抑制遺伝子BTG2の相互作用による胃発がん機構(埼玉大学大学院連携講座)

担当: 菅沼雅美、ウォンシリシン パタマ、菅野美樹

 

 ピロリ菌による発がんにおいて、炎症性サイトカインであるTNF-αが中心的な役割を担うことから、私共は、ピロリ菌のゲノムからTNF-αを強く誘導する因子としてTNF-α inducing protein (Tipα)をクローニングしました。Tipαは胃粘膜の細胞表面に局在するヌクレオリンに結合した後、NF-κBの活性化を誘導して胃発がんを促進します。最近、がん抑制遺伝子であるBTG2 (APROファミリー遺伝子)が、Tipα受容体であるヌクレオリンの発現を減少させてTipαの活性を抑制することを見出しました。BTG2は正常胃粘膜組織で発現していますが、胃がん組織ではその発現が著しく抑制されていました。このBTG2の発現低下がTipα高感受性をもたらし、胃がんの悪性化を促進すると考えています。ピロリ菌感染が、胃粘膜細胞においてDNAメチル化異常を誘導することはよく知られています。BTG2の発現抑制がDNAメチル化に起因するのか検討を進めています。さらにTipαがDNAメチル化の誘導因子である可能性についても解 析を進め、これらの新しい知見を基に、有効な胃がん予防法の開発に貢献したいと考えています。

ピロリ菌の胃発がん促進機構の図

がん抑制遺伝子BTG2の発現低下がもたらすピロリ菌の発がん因子Tipαの胃発がん促進機構の図

正常な胃粘膜上皮細胞では、がん抑制遺伝子BTG2がヌクレオリン(Tipα受容体)の発現を抑制し、ピロリ菌の発がん因子であるTipαの作用を抑制している。発がん過程でBTG2タンパク質が低下するのに伴い、細胞膜のヌクレオリンが増加し、Tipα高感受性となり胃がん発症が促進される。

 

代表する論文成果

1. Suganuma M et al. Human gastric cancer development with TNF-α-inducing protein secreted from Helicobacter pylori. Cancer Lett., 322, 133-138, 2012. 

2. Devanand P, Suganuma M et al. Inhibition of TNF-α-interacting protein α (Tipα)-associated gastric carcinogenesis by BTG2/TIS21 via downregulating cytoplasmic nucleolin expression. Exp. Mol. Med., 50, e449; doi:10.1038/emm.2017.281, 2018

 

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郵便番号362-0806 埼玉県北足立郡伊奈町小室780番地 埼玉県立がんセンター

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ファックス:048-722-1129

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