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埼玉県立がんセンター > 臨床腫瘍研究所 > 研究所プロジェクト紹介 > 神経芽腫における新規変異型キナーゼの機能解析と標的治療の検討

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掲載日:2023年9月12日

神経芽腫における新規変異型キナーゼの機能解析と標的治療の検討

担当: 佐藤俊平、大平美紀、杉野隆一、上條岳彦

 

 ゲノム解読技術の進歩と分子標的薬の開発により、近年様々ながん種において特定の変異遺伝子を標的とする精密医療(プレシジョン・メディシン)が導入されています。しかし、症例数の少ないがん種では遺伝子変異の解析が進んでおらず、依然として分子標的治療の導入が遅れています。本プロジェクトにおいて研究対象とする神経芽腫というがんは、15歳以下の子ども10万人あたり1~2人に発生する悪性腫瘍です。低、中間リスク群の長期生存率は70%を上回りますが、高リスク群の長期生存率は40%程度であり、新規治療法の研究・開発が急がれています。これまでに高リスク神経芽腫症例において高頻度にみられる染色体異常や遺伝子変異がいくつか同定されてきましたが、それらを標的とする分子治療は現段階で臨床応用されていません。

 そこで、本研究プロジェクトでは、高リスク群に対して行ったがん関連遺伝子のシークエンス結果から新規キナーゼ遺伝子の変異を同定し、その機能解析と選択的分子標的薬の検討を行います。キナーゼは標的とする分子のリン酸化を介して様々な細胞内シグナルの伝達を担いますが、特にがん細胞では変異型キナーゼが過剰な増殖シグナルを伝達して、細胞の無秩序な増殖を引き起こすことが知られています。実際、肺がんや乳がんなどの一部症例では特定のキナーゼに対する分子標的薬によって奏効率が改善してきました。私たちは既に治療標的となり得る遺伝子変異の候補を複数同定しており、現在この変異と神経芽腫の発がんや悪性化の関連について検証している段階です。その後、この遺伝子に対する分子標的薬の有効性を評価する予定です。臨床応用への道は長く険しいとは思いますが、将来的にはこの研究結果が高リスク神経芽腫症例に対する精密医療へ繋がることを期待して、日々研究に取り組んでいます。

 

研究プロジェクトの概要図 

本研究プロジェクトの概要

 高リスク神経芽腫症例から同定された新規変異型キナーゼを培養細胞・担癌マウスの実験系において機能解析し、それに対する選択的阻害剤の抗腫瘍効果を評価する。

 

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