薬物乱用者の低年齢化について

 新聞報道によりますと、昨年一年間に麻薬取締法違反容疑で検挙された人数は全国で四百三人です。このうち二十歳代は二百二十三人で、全体の五五・三パーセント、二十歳未満も全体の一五・六パーセントに当たる六十三人で、若い世代に薬物が浸透していることが浮き彫りになってきています。
 また、本県においても、高校生や中学生が、薬物の所持や使用により逮捕される事例があり、昨年六月には、県東部の女子高校生が覚せい剤の所持で逮捕され、また、この二月にも県西部の中学生の男女が大麻所持で書類送検されるとの報道がありました。
 信じがたいことですが、薬物の乱用は確実に低年齢化しております。高校生や中学生でさえ簡単に薬物を手に入れることができる環境、これは誠に憂慮すべきものと思います。そしてまた、私は、このことは氷山の一角にすぎないのではないかと懸念を禁じ得ません。
 学校教育の現場では、薬物は恐ろしいもので絶対に手を出してはいけないということ、薬物を勧められた際には強い態度できっぱりと断ることができるようにするための努力をしていると聞いております。また、平成十七年度の「青少年健全育成施策概要」の中でも、駒場スタジアムにおいてJリーグのチームや県内各団体の協力を得て各種のキャンペーンを実施していることは承知をいたしております。
 しかしながら、県内の生徒が薬物にかかわる事実は現実に起きております。これからの施策を更に進め、子供たちに薬物を使用させないための教育を強力に推進すべきと考えております。
 県内の中学、高校生の薬物使用の事例を受け、県教育委員会では学校現場における薬物乱用防止教育について、今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたしたいと思います。




稲葉喜徳 教育長   県内においても、残念ながら中学生、高校生の薬物に関わる事件が発生し、大変憂慮しております。
 これまでも学校では、児童生徒の発達段階に応じて、保健学習や特別活動を中心に薬物乱用防止について指導をしてまいりました。
 また、県内小中高等学校では毎年度1回以上、警察官などを講師に招き、薬物乱用防止教室を開催しております。
 本年度は新たな取組として、県薬剤師会の御協力をいただき、薬物は一度でも使用すれば、体は元に戻らなくなる恐ろしいものだということについて、学校薬剤師の方に、薬物乱用防止教室で講演していただく体制を整えました。
 今後も、学校薬剤師の方々の全面的な協力をいただき、薬物乱用防止教室の一層の推進・充実を図ってまいります。
 さらに、児童生徒が主体的に参加できるロールプレイングや事例を取り入れた指導案を作成し、これに基づいて、学校のクラス担任が、ホームルームの時間などで、薬物使用を誘われた時の断り方などについて指導ができるよう研修会を開催し、その活用の徹底を図っているところでございます。
 平成18年度には、保護者向けのリーフレットを新たに作成し、薬物乱用の現状や子どもを守るための情報を保護者会などをとおして、小学校5年生以上のすべての保護者に配布することとしております。
 特に、現状として、青少年でも入手ができるほど価格が下げられていること。インターネットや携帯電話を介して購入できること。また、ラムネ菓子のような形をしたMDMAなどの合成麻薬が流通していること等々について充分な注意を喚起したいと思います。
 薬物乱用者の低年齢化は、大変深刻な課題でございますので、今後とも、知事部局や県警察本部の協力をいただき、保護者や地域社会と連携した薬物乱用防止教育の一層の推進に努めてまいります。