平成22年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (舟橋一浩議員)
外資による水源地域の山林買収への対応について
Q 舟橋一浩議員(刷新の会)
最近、外国資本による日本国内の水源付近での山林買収に関する報道を見かけます。
東京財団というシンクタンクのまとめた報告書「グローバル化する国土資源と土地制度の盲点」によりますと、三重県、山梨県、長野県、そして本県、埼玉県の林業地にも海外から山林売買の要望があったと記されています。また、同報告書によると、背景には水資源などの資源獲得競争がグローバル化しているという世界的潮流があると指摘しています。
こういった事態に対して、国土交通省と林野庁は私有林の所有権や売買実態について、各都道府県に聞き取り調査を行い、本県でも今年に入って調査を行ったと伺っています。
現行の国土利用計画法では、1ヘクタール未満の土地に関しては都道府県知事への届け出の義務はなく、森林法においても民間林の売買に関する規制はなく、所有者は山林を自由に売買できるとのことで、県による実態把握に関しても農林部や企画財政部など、管轄する部もまたがっているため、限界があるのが現状です。
しかし、水源付近の山林の所有権が外資を含むさまざまな主体に渡れば、森林が本来果たすべき水源涵養(かんよう)機能が失われ、人々の暮らしの安心・安全の維持に支障を来す問題が生じるおそれもあります。そうなる前に、山林というわが国の重要な国土資源を保全する手立てを何か講じることはできないものかと案ずるところであります。
そこで、現時点において県内における外資による森林売買について、どの程度把握されているのか。また、水源地域の森を保全、整備するという観点から、こういった外資による山林売買に対してどのようにお考えになるか、知事のご見解を伺います。
A 上田清司 知事
まず、「外資による森林売買についてどの程度把握されているか」についてでございます。
平成22年の1月、2月と4月に、林野庁から県に森林買収の事実などについての調査依頼がありました。
このため、水源地域を中心とした市町村や県内5つの森林組合、地域の主だった森林所有者などに対しての聞き取り調査を行いました。
その結果、外資による山林売買事例の情報はありませんでしたという報告をしたそうです。
ただ、私の目からすると、「聞き取り調査の事例も少なく、信ぴょう性がないのではないか。」「この程度の聞き取り調査で満足する林野庁も困ったものだ」、「こんな日本政府だからいつの間にか竹島も実行支配されてしまうのだ」と私はそんなふうに思いまして、昨日、答弁審査の過程の中で、再度本格的に調査をするように指示をしまして、今日の午前中に相当、頑張れるだけ頑張りました。
136件の電話による個別聞き取りをしました。この中ではうわさの内容程度で、しかとしたものはございません。
また一方で、土地台帳による山林売買事例の調査もいたしました。
307件の中で、うち相続が175件、林業目的の山林取得が22件、その他で工場用地、採石事業、資産保有、転売、不明とこれが110件ありますので、この詳細を今後調べたうえで改めて報告をしたい、このように思っております。
次に、「外資による山林売買に対してどのように考えるか」についてでございます。
森林はご承知のとおり、水源のかん養や県土の保全、地球温暖化を防止するなど、県民に多大な恩恵をもたらす社会的な資産、財産であります。
また、森林の機能は保全、整備を通じて将来にわたって安定的に確保されるものでもございます。
森林法の下では、本県の森林の39%にあたる4万8千ヘクタールを水源かん養などの保安林に指定しております。
保安林では、面積にかかわらず、樹木の伐採や土地の形状・性質を変更する行為は許可制になっています。
保安林以外についても、転用や伐採に当たっては「林地開発許可制度」や「伐採届け出制度」により森林の機能の保全に努めているところでございます。
しかしながら、現行の法制度では、外資による山林取得だけを取り上げてこれを制限することはできない状況になっておりますので、森林を含む国土の売買の制限については、国レベルの最重要問題として考えるべきだと私は思っております。
県として、先ほど申し上げましたように、林野庁の軽さにつられ、わが埼玉県の農林部もそのノリに合わせてしまっておりましたので、厳しく指摘し、今後は、埼玉県で明確・丁寧な調査をした上で、もし事例があればこのことを林野庁に厳しくお伝えし、国としての対応についても、厳重に行っていただくように要望したいと思っております。
・上記質問・答弁は速報版です。
・上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。

