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教育委員会

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掲載日:2019年2月13日

教育さいたマガジン第168号「巻頭言」(埼玉県立さきたま史跡の博物館・嵐山史跡の博物館 関 義則 館長)

展覧会のみかた

埼玉県立さきたま史跡の博物館長兼嵐山史跡の博物館長 関 義則

 

商売柄、博物館の展覧会をたくさん見に行きます。年間50本が目標で平均すれば週1回ほどですが、特別展・企画展は秋に集中しますのでこれが意外と大変です。今年も東京国立博物館の「運慶」展はやはり壮観でした。一方、夏に六本木の泉屋博古館で開催された「名刀礼賛」は黒川古文化研究所の所蔵する刀剣・刀装具が一同に会する小粒ながらも珠玉の展覧会でした。池袋の古代オリエント博物館の秋の特別展「カミとヒトのものがたり」も見応えのある企画でした。おっと、県内では歴史と民俗の博物館の「上杉家の名刀と三十五腰」や自然の博物館の「秩父鉱山」も忘れてはいけません。「秩父鉱山」は140種類の鉱物も見事ですが、平賀源内など鉱山に関わった人々にも焦点を当てており、一味違った自然系の展示に仕上がっています。

さて、自分の専門に関係無く、さまざまなジャンルの展覧会を見に行くのには理由があります。実は、展示品を観賞するだけでなく、展覧会の企画、構成の組み立て方はもとより、展示の工夫や資料の見せ方、さらには展示品の固定の仕方、パネルやキャプションの表示方法、ライティングの工夫など、いうなれば展覧会の仕方そのものを学びにゆくのです。冒頭に商売柄と書いたのはそのことです。

たとえば、これまでは日本刀の展示台(刀掛け)は、絹布で覆うことが一般的でしたが、「上杉家の名刀と三十五腰」展では絹布を用いず、アクリル製の刀掛けに直接、刀を掛けてありました。刀の当たる部分には鉛板が敷いてあって滑り止めになっています。このところ流行の展示方法ですが、伝統的な展示方法を見馴れた人には多少違和感があるかもしれません。

展覧会を見にゆくと、「へえ、こんなやり方があるのか」と感心することもあれば、他人事ながら「もうちょっと工夫のしようがあったんじゃないの」と思うこともあります。

また、展覧会はあるコンセプトをまとめ上げたものなので展示構成を分解してゆくと、担当学芸員が何を考え、何を表現したかったのかが透けて見えてきます。「なるほどね」と思うこともあれば、何をしたかったのかさっぱりわからない展示構成にぶつかることもあります。

見ていて参考になるような展示の工夫があればぜひ写真を撮りたいところですが、たいていの展覧会では撮影禁止となっていますので仕方なくメモを取ることになります。天井を見上げたり、ケースを覗き込んだりしてぶつぶつ言いながらメモと取る私の姿は、一般の見学者の目には奇異に映っているに違いありません。

このようにして見る展覧会はどうしても“お仕事”になってしまいがちですが、時には展示品そのものに興味や関心があって展覧会を見に行くこともあります。

今年行われた群馬県立歴史博物館の「海を渡ってきた馬文化」展は、さすがにリニューアルオープンだけあり、力の入った展覧会で、韓国の伽耶や新羅の馬具がかなり出品されていましたので、早速勇んで見にゆきました。

だいぶ昔の話になりますが、「日本人と文化の起源をたずねて:アルタイ・シベリア歴史文明展」という展覧会が国内で開催され、都内での展覧会を見損ない、巡回展でしたので次の仙台会場まで見にゆきました。ここにはアルタイ~シベリア地方で出土した火打金が出品されていたのです。当時、日本の古代の火打金のルーツは中央ユーラシアの遊牧民族にあると考えていた私は、どうしてもこれを見ないわけにはいきませんでした。わずか数センチの錆びた鉄の破片を見に仙台まで出かけるのは、モノ好きだと思われるかもしれませんが、展示ケース越しに資料を見た感動は今も忘れられません。

翻って、当館でもわざわざ遠方から「この資料を目当てに来たんですよ」というお客さまに巡り合えたら、博物館人冥利に尽きるというものです。これからもぜひそういう展示を心がけたいと思っています。

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教育局 総務課 報道・広聴広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第2庁舎4階

ファックス:048-830-4950

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