Myナビ 彩の国 開く

Myナビ 彩の国

総合トップ

県民向けトップ

事業者向けトップ

テーマ・目的別メニュー

  • 彩の国の安心・安全 危機管理・防災

ドラッグ&ドロップで順番の並び変えが可能です

総合トップ > 教育委員会トップ > 広報・広聴 > 広報 > はつらつ・れんたつ教職員の取組 > 平成30年度 > はつらつ・れんたつ教職員の取組(深谷はばたき特別支援学校 久保田 真奈美 養護教諭)

ここから本文です。

 

掲載日:2018年8月21日

はつらつ・れんたつ教職員の取組(深谷はばたき特別支援学校 久保田 真奈美 養護教諭) 

8月号のはつらつ・れんたつ教職員で紹介するのは、県立深谷はばたき特別支援学校 久保田 真奈美 養護教諭 です。

不登校気味の生徒やクラスでうまく馴染めない子供たちの居場所でもある保健室。

久保田先生がそこでどのように子供たちと接し、どのようにまたクラスの輪へ戻れるよう支援をしているのかその取組を紹介します。

久保田養護教諭

 養護教諭を目指したきっかけを教えてください。

そんなにしっかりとした理由ではないんですけれども、テレビドラマの養護教諭って、みんな美人でかっこよくって優しくっていい役で。白衣もかっこいいし、そういう憧れがありましたね。

でも実際になってみるとドラマみたいにキラキラしてることばかりはなくて、かなりたいへんなことも多かったです。

 養護教諭ですと学校では、1人、多くても2人しかいないですから苦労されることも多そうですよね。

そうですね。私は臨時的任用教員を2年していて、そのあと本採用になって定時制を2校、特別支援学校を1校経験して、その後異動して今この学校にいるんですね。自分も結構それなりに学生時代に挫折を経験してきたかなとかと思ってきましたけど、定時制や特別支援に通っている子の中にはすごい苦労をしてきたり、様々な困難を抱えていたりで。

リストカットしてしまったり、性の問題を抱えていたりする子もいて、そういう1つ1つの問題にしっかり対応しながらやってきて、最初はドラマの憧れからでしたけれども、子供たちとのふれ合いの中で少しずつ養護教諭として成長してこれたかなと思ってます。

 久保田先生は不登校気味の生徒や集団参加が苦手な児童生徒に関わって、登校状況の改善や集団参加の増加などの成果を挙げていると伺っております。こうした取り組みの中で大事にしていることがあれば教えてください。

保健室登校をしている子や集団にうまく入れない子は高等部の生徒が多いんです。それは中学校までいじめだったり集団でいやな思いをしたりとかそういこうとが原因なんですが、子供が教室に入れなくなってしまった時には、まず保健室に入って「ここなら来れる」から始めていきます。保健室の奥にソファがあるんですが、そこに行くのがまず第一歩という感じですね。

保健室って小さい「社会」みたいになっていて、小さい児童が来たりいろいろな先生が出入りしていて、そんな中で子供が1日保健室で過ごしていると、小さい子は先生達にあんなに積極的に関わるんだなとかあの先生はこんな風にほかの人としゃべるんだとか、保健室登校の子が保健室の中にいながら少しずつほかの子とかほかの先生とか外に目が向けていけるようになるのを待つ感じですね。保健室登校している子は養護教諭と他の生徒のやり取りをよく聞いていたり感じているところがあって、あまりこちらからグイグイ行かずにその子に合った距離感を保ちつつ、本人自身が少しずつ人との距離感を測っていけるように見守っています。

前に関わった子の話ですけれども、前の学校でも保健室にしか入れなくて、保健室でも誰かが来ると固まってしまうような子だったんですね。でもだんだん保健室に来る先生達とも少しずつ話ができるようになって、あと小さい子とだったら少しずつ話ができるようになっていって、それで3年かけてクラスに帰って最後は合唱コンクールのセンターで歌った時にはもう号泣しちゃいましたね。

保健室登校してる子は「保健室が自分の本当の居場所じゃない」っていうのはわかっていて、「教室に帰りたい」「教室が自分の居場所だ」って思っているんです。ただそのタイミングが見つからないので、その一歩を少しずつ踏み出していけるよう見守りながら後押しをしています。

そうした子たちが教室に戻れた時は本当にうれしいですけど、また辛くなったら、いつもで保健室に来ていいんだよという気持ちで接してますね。

保健室って聞いて社会というイメージはなかなか浮かばなかったんですが、たしかに普段教室にいるよりも、違う先生や違う学年・クラスの子と接する機会は多いかもしれませんね。

確かにそうですね。それと保健室登校の子はちゃんとしなくちゃと思ってる真面目な子も多くいるんですが、保健室によく来るやんちゃな子なんかは私にかなり気さくに話しかけてきて、保健室登校の子からすると先生にあんなに気さくに話してもいいんだと感じるようで、そうやって少しずつ周りを見ながらいろいろな人の関わり方を見る場にしてほしいですね。

保健室でそうした周りをみる力を養って教室に戻っていくんですね。

去年卒業した子でも1年の時はほとんど保健室にいて、奥のソファでスマートフォンを見て一日過ごしていて、もしかしたら他の先生達から何しているんだと思われていたかもしれません。でもそういうことについても校内委員会の中でまずは学校に来てくれることが1番大事という共通理解ができてきて、そうした理解のもとで生徒自身が保健室にいながらしっかりと周りとのかかわり方を模索していく。それを見守っていく環境を作っていくのが大事なのかなと思っています。

それと若い時に養護教諭の大先輩から「子供達は保健室に来るんじゃなくって養護教諭のいる保健室に来るんだよ」という言葉をいただいて、空っぽの保健室にはきっと誰も来てくれないと思っていて、この言葉は今でも大切にしています。

確かに保健室という空間だけ与えられても生徒が保健室登校をしてくれるとは思えないですからね。そういう意味で養護教諭は保健室登校の子にとって社会との橋渡しの役割を担ってくれている存在なんですね。

 保健室の風景

保健室の奥にあるソファ

保健室登校の子はまずこのソファから周りの人たちとの関わり方を模索していきます。

保健室の中にある絵本やぬいぐるみは子供たちがどんなことに興味があるのかを知るためのものだとか。

 

 

 

 

学校の保健学習では教材作成やほかの教員への助言など中心的な役割をされておりますが、その中で苦労したことややってよかったと思うことがあれば教えてください。

前の特別支援学校では15年いたんですが、性教育など指導に困っていることは色々あっても、まだ教材もなければ指導方法も確立されていない状態でした。特に知的障害の健康課題でも肥満と性の問題とあと歯の衛生状態が悪いというのがどこの知的障害の特別支援学校でもあって、それが3大健康課題と呼ばれているんですね。それについて一般の小学校や中学校でどう指導してるかと言えば、しっかりと学習指導要領があって3年生と4年生の保健ではこれをやる、中学校に行ったらこういう勉強しましょうってしっかりとしたカリキュラムが決まっているんです。でも特別支援学校の学習指導要領は障害の種類や程度が生徒によって異なっていることもあって、割と漠然としているものなんですね。

昔は性教育についての授業を集団でやってたんですけど、やっぱりなかなかうまくいかなかったですね。知的に重度の子もいれば、軽度の子達なんかは早い頃からいろんなこと知ってる子もいて。その子たちを同じように授業してもダメなんだという所の気づきがあって、そこからそれぞれに適した教材集めだったりで苦労はありましたね。

でもその時は同じように問題意識を持った体育の先生がいて、その先生や当時の先生方と一緒になって高等部の子でも知的に重度の子から軽度の子がいるので4つのグループに分けて、しっかりとそれぞれのグループで体系的に学習ができるよう教材研究を積み重ねてきました。なので新しい先生が来た時にも障害の軽重や理解の進みで適切な教材や資料を提示できるような体制をとれるようになっていますね。

あとやっぱりこの学校って小1から高3までいるので、今の小1の子達が大きくなって高等部になったらこういう感じになるよっていうのが保健室だったら全体をみてわかりやすいですね。そうした強みを生かして学年の先生方にアドバイスをしています

確かにこちらの深谷はばたき特別支援学校は小学1年生のから高校3年生の子までいるわけですからね。

この部分は保護者の支援の話にも関係するんですけれども、小さい子供の保護者の方は、本当に子供を大事に思っていて、その分いろいろと不安なことも抱えているんですね。でもこの学校に来ると先輩方の様子も見られますし、PTA活動などを通して先輩のお母さんの話を聞けるっていうのも良い部分なのかなと思っています。

学年の外にいて学校全体を見渡せる立場の養護教諭は保護者にとっても重要ですね。

先ほどの保健学習のところもそうですけど養護教諭としてそういった機能を担わなくてはいけないとはとても感じていますね。まだまだ発展途上の修行中の身ではありますが。

先ほど保護者支援の話が出ましたが、久保田先生は保護者の方の教育相談にも力を入れていると伺っていますが。

教育相談と言ったら本当におこがましいですけれども。

私も自分の子供を育てていて、でも自分の子供って比べる対象もいっぱいいて、子どもについての悩みでも同じ悩みを抱えている親もいっぱいいるんですよね。でも特別支援学校の保護者の方は子供についての悩みを話しても、同じ学校の保護者であってもそれぞれに持ってる障害が違えば持っている悩みも違うので、特に小さい子の保護者なんかは一人で悩んでたりとか将来を不安に思ってたりとかそういうことがすごく多いんです。

この学校は玄関が2階で保健室が1階なので、あまり外から来る人が通らないところなんですけれども、前の学校はそれこそお客さんの玄関の隣の隣が保健室で本当にメインストリートにあったのでよく保護者の方もよってくれて、それはもういろいろな話を聞かせてもらえました。悩みを聞かせてもらうだけでなくて、その悩みを克服したことについても聞かせてもらえることもあって、その悩みを克服する経過だとかを同様の悩みを抱える後輩の保護者の方にも伝えられることもありましたね。

養護教諭として様々な悩みを聞いている分、同じ悩みを抱える保護者同士をうまく繋げてあげることができるんですね。

本当に教育相談なんておこがましいものではないです。自然体で保護者が話しやすい雰囲気を作るよう心がけているつもりですね。教育相談窓口なんて看板を掲げちゃうとかえって向こうも固く構えてしまうかもしれないですしね。ですので気軽にちょっと立ち寄れるところくらいに思っていただきたいですね。

仕事をするうえで大事にしていること、今取り組んでいることなどがあれば教えてください。

日々の積み重ねを大事にすることですね。

学校保健の最大の目標は子供たちが生涯にわたって健康に過ごすことなんです。

でもこれって一足飛びで手に入るものではなくてですね、日々の積み重ねでようやく手に入れるものだと思うんですよ。

学校保健年間目標では学校では望ましい生活、歯と口の健康作り、性に関する指導という3本柱があるんですが、これを地道に積み重ねて子供たちに身に付けてもらえるよう指導しています。

それに加えて子供たちが上手に健康診断を受けられるよう指導していますね。

1年生では体重測定に乗るのも嫌がる子供もいますけれど、次の学年になるとそうした子も後輩のお手本になるくらいしっかりやってくれるようになるんです。

内科検診でも歯科健診でも泣いて嫌がるような子も高校3年生までにはしっかり受けられるようになるんですよ。

健康診断ってただ受けさせるものではなくて、子どもたちがしっかりと受けられるようになることが子供たちの生涯の健康につながっていくと思っています。

私は白衣を着て仕事をしてますが、知的障害の特別支援学校で白衣を着て仕事をする養護教諭ってあまり多くはないと思うんです。小さい学年の子が病院の先生みたいと白衣を怖がってしまうみたいで。

でもそんな子供にこそ保健室に来てほしいって思っています。

子供たちは学校を卒業した後も病院とうまく付き合っていかなければいけません。

ですので白衣を着てる人に少しでも慣れて怖いってイメージがなくなればいいなと考えてます。小さい事かもしれませんがこうして白衣を着て日々子供達と接することも子供たちの健康に繋がると思いながら日々の生活を積み重ねることが大事だと思うんです。

慣れてしまえば自分から私の白衣を着て「みてみて、保健室の先生だよ」何てやったりする子もいるんですよ。

これから教員を目指す方へメッセージをお願いします。

その年齢でしかできないようなことを体験してほしいということですね。勉強で知識を身につけることやスキルを習得することって後からでもなんとかなることが多いんです。でもその年齢でいろいろな経験をしてそこから感じることっていうのはその時期にしかできませんから。ですのでいろいろなことに挑戦をして成功や挫折を経験して人間としての幅を広げてほしいですね。

それと教師になったら子供を好きになってほしいです。好きになると相手のことを知りたくなるじゃないですか。そうすると子供は何故あんなことをするのだろうとか何故そこにこだわるのだろうとか知りたくなって、いろいろ勉強したり、研修を受けたり、時には保護者と一緒に悩んだり、そうしたことが教員としての成長につながると思っています。

 

【取材を終えて】

インタビュー中は、終始笑顔で話をされていて、こちらもリラックスして取材に臨めました。

深谷はばたき特別支援学校の子供たちが保健室を訪れたくなる気持ちがわかるような気がします。

優しい笑顔と話し声の中にも子供たちの健康を願う真剣な気持ちが伝わってきて、保護者からの信頼があついのもうなずけました。

 

 

 

お問い合わせ

教育局 総務課 報道・広聴広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第2庁舎4階

ファックス:048-830-4950

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?