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掲載日:2018年3月20日

はつらつ・れんたつ教職員の取組(八潮南高等学校 齋藤 繁 教諭)

今月号は、県立八潮南高等学校 齋藤 繁 教諭の取組を紹介します。 

齋藤教諭は顧問を務める野球部において、生徒の未来の可能性を信じて、他県の強豪校と練習試合を積み重ね、公式試合でも県大会で上位に進出し、生徒に自信と勇気を与えています。

「教師の使命は、裏切られても裏切られても子供たちに夢と希望を与え続けること」を信条に日々の教育活動を行っています。 

斎藤先生

 

教員を目指した理由はどんなことでしょうか。

高校野球の指導者になって、もう一度本気で甲子園を目指したい、というのが一番の理由です。

あとは、テレビドラマで熱い先生が生徒と青春しているのを見て、先生っていいなと思ったことも、教員を目指すきっかけになりましたね。

普段はどういった仕事をしていますか

今年度、何年振りかで担任を持たせてもらっています。1年生の担任です。教科は英語です。

分掌は広報部です。これまでの教員生活30年のうち、26年間ずっと生徒指導部だったので、広報部の仕事に新鮮な気持ちで取り組んでいます

 

野球部で指導していく上で大切にしていることはどんなことでしょうか

生徒たちに「夢と希望」を与えたい。これが一番です。いつも考えています。だから、子供達の未来の可能性を奪うキラーワードの「でも だって、どうせ、無理、できない」といった言葉は使わせません。

「だって俺ら公立高校だし、どうせ私立には勝てない」とか、「でも俺ら力無いし」とか。

大人でも言ってしまいますよね、「どうせ無理だよ、できないできない」とか。そういったことは口にせず、できない理由を探さない、という指導をしています。

あといつも言っているのは、「1%の可能性に100%かける!」という言葉です。

甲子園出場の可能性はゼロに近い。でもゼロではない。ゼロじゃなければ、そこに何かをかけていくことで、可能性がどんどん広がっていくと思います。周りから「どうせ無理だよ」と言われても、1%でも可能性があるならそれに賭けてみよう、1%の可能性に100%かけようぜ、と、日頃から言っています

 

なぜそのような指導をしようと考えたのでしょうか

そこそこ勉強ができる子って何かしら成功体験を持っていると思うんですね。でも子供たちの中には、成功体験を持たない子も結構いる。親からも「お前はだめだ」と言われ、学校の先生からも同じような扱いを受け、面倒を見てもらえない。

でも、これまでずっと「だめだ、だめだ。」と言われ続けてきた子たちに、高校でも同じようにだめだだめだと言っていたら、だめになるだけなんですよ。

「どうせ勉強できないし、野球も下手だし」と思っている子たちに、夢や希望を持たせる。これが一番大事ですよね。そこに自分は滅茶苦茶力入れてますよ。

あいつらがやる気になるにはどうしたらいいだろう、可能性が99%無い中で、「よしやってみよう!」と思わせるにはどうしよう、と、24時間考えてます。

 でも、若い頃はいつも怒ってばかりでした。40 歳を過ぎたあたりから、怒るのではなく、「夢と希望を与えたい。」という風に変わってきました

 

昔は、生徒のことを怒ってなんとかしようと?

「四の五の言うな。黙って俺の言うこと聞いていればいいんだ。」という感じでした。ここ10年くらいですかね。指導の仕方を変えて、怒るのをやめて期待するようになったら、結果が全然違ってきました。

今回たまたま表彰をいただいたのは、生徒数も少ない、実績も無い、そんな本校でベスト8という結果を出すことができたからだと思います。勝つようになったのは、怒るのをやめて、夢や希望を持たせる指導をするようになってからです。

ガミガミ怒って指導しているときは、生徒はやらされ感たっぷりでした。彼らは本当はもっと伸びたはずだったのに伸ばしてあげられなかったのかもしれません。そんな思いが自分の中にあります。

具体的にはどんな指導をするのでしょうか。

例えば、初回に10点取られてしまった場合、みんな諦めちゃうと思うんですよ。見てる人も口では頑張れって言っていても、心の中では諦めてると思います

そんなときは「11点とればええやん」と声を掛けます。野球の試合は点差が開いても5回まではやらせてくれます。5回までに1点でも2点でも取れば6回、7回と試合を続けることができます。

あとは「満塁から3点取られてしまいました」という状況では「3点取られてしまったか…」と嘆くより「4点取られなくてよかったよね。」というような感じですかね。 

目の前に良くない結果が出たとしても、そこに焦点充てて「困ったな。どうしよう」と嘆くのではなく、結果のことはすぐに忘れて、次の行動に目を向けさせるっていうことですかね。

人間、ダメなところだけ見て考えていると心が折れてしまいます。

エラーでノーアウト満塁になりました。普通はピンチだと思います。確かに見た目はピンチかもしれません。でも失点する危険性があるだけで、勝敗にはまだ関係ないですよね。

むしろ、そこを0点で抑えることができれば、ものすごいエネルギーがこっちに来ます。ノーアウト満塁から失点しないで乗り切ったときの子供たちの顔、表情はすごいですよ。「よっしゃーっ!」って。

もし1点とられたとしても「1点で収まってよかったな」と前向きに捉えることができます。逆に、ノーアウト満塁を「ピンチ」だと思って失点すると、きっとベンチに戻ってくるときはがっかりしていると思います。 

目の前の現実に対して、良からぬ結果が起きたとしても、絶対に心を奪われないことが大事だと思います

『部活動再加入キャンペーン』という取組をされたと伺いました

生徒指導主任をやらせてもらっていた時期の話です。

今でこそ、本校は非常に落ち着いているし、部活動も活発になっていますが、私が赴任した9年前は全然違いました。当時の部活動加入率は半分程度。途中でやめてしまう生徒がとても多かったです。

部活を辞めて宙ぶらりんになると、大体の子が遊んでしまいます。でも、また部活やりたいと考えている生徒は絶対いるはずだと思いました。

先生の中には、規律が守れなくなるから、一度辞めたやつは二度と入部させないと考える人もいます。

でも僕らって、夢と希望を与えるのが仕事なんですよ。子供に裏切られたとしても、在籍している以上、期待をかけて、次の一歩を踏み出すチャンスを与えるのが仕事だと思います。

そこで、一度辞めた生徒が部活に戻れるようにと考えたのが、「再加入キャンペーン」です。学校全体で部活動を活性化させようとしていた時期でした。でも具体的にどうやって活性化させていくのかが難しいです。協力を得られないとか、予算が厳しいとか、現場が「こうしてほしい」と考えてもうまくいかないことってありますよね。そんな中で再入部の門戸を開きたかったんです。

辞めた子とか、入るタイミングを逸しちゃって入れなくて、他の部活に入った子とか、やっぱりあの部に入りなおしたいって子、絶対いると思うんですよ。そういう子にきっかけを与えたかった。学校が大々的に再加入キャンペーンを実施すればそういう子たちが部活に入りやすいんじゃないかなと思って提案しました。2週間くらい集中してやって、数人が実際に再加入してくれました。

このキャンペーンはもう一つ目的があって、それは、教員側にも「部活やりたい子はきっといるはずだから、受け入れよう」という土壌を作ることです。長い教員生活の中で、もう一回チャンスをもらった生徒が頑張る姿を見てきました。「セカンドチャンスが人を育てる」ということを教員の皆さんにも伝えたかったんです。

部活加入率が低かった当時は、帰りのショートホームルームが終わると、「あー今日バイトだ、面倒くせー」って言いながらだらだら教室を出ていく生徒がたくさんいたんですよ。

でも今は帰りのショートホームルームが終わるとジャージに”さっと”着替えて、部活に向かって出ていきます。帰りのショートホームルームの光景が全然違いますよね。

 

最近取り組んでいることはどんなことでしょうか。

生徒が「自分で考えて、自分で決めて、自分で責任をもって行動する」、ということをできるようにしたいと考えています。前から取り組んでいるつもりではいるのですが、もっと強化しよう、定着させようと一生懸命取り組んでいるところです。

まだ子供ですから、言われたことに対し一つも質問することなくて「はい」と素直に答えて言われたことだけをする、というのが多いのですが、将来、AIが世の中に広まったら、考えて提案していける人間が職を得る時代になっていくと言われているじゃないですか…、だからそこを教えたいという想いがすごくあります。

何でも「はい」と言ってる子には、「君の考えは?何か質問はないか?自分はこう思いますというはないのか?」と問いかけます。「知恵や考えや工夫」を出せって言っています。耳にタコができるくらい繰り返し言い続けています。

例えばバッティング練習で、10本打たせた場合に「今何の練習した?」と聞いても答えられないのは、何もやっていなかったのと一緒です。10本打つ中で知恵とか工夫はなかったのか、自分の考えはなかったのか問いかけます。

練習メニューもあまりこちらから全てを指示するのではなく、生徒たちに考えさせています。言いたいことを我慢して我慢して、答えを出してくるのを待ちます。

いろんな人に、「子供には無理だよ、高校生には無理だよ」って言われるんですけどね。でも、私、全国の高校野球の優勝監督のところに行って話を伺ったり練習を見させてもらったりして、優勝するような学校はどんな指導をしているか研究しているんですけど、強豪と呼ばれるところはどこも、子供たちに、自分で考えて行動することを求めているんですね。命令されて動くのではなく。

例えば、監督がバントのサインを出した時、相手の守備陣形がバントシフトになっているのを見て、自分の判断でバッティングに切り替えるとか、一球見送るとか、その場で自分で考えることが必要になってきます。

監督がバントのサインを出したからといってそのままバントしていたら相手の思うツボです。言われたことは忠実にこなしているけれど、試合では役には立たないわけですよね。目的はバントすることではなく、ランナーを送ることですから。

うちの高校でもできると思うんです。やってやろうと思うんです。絶対、うちの学校の子たちでもできると信じて。やれる可能性はあるはずなんです。

言われた指示とは違うかもしれないけれど、現場を見た瞬間に自分で判断して目的を達成するための行動をする、そんな子供たちになったら格好いいなと思います。

教員を目指す方へメッセージをお願いします。

今の若い人達は、ルールに縛られている人が多い気がしています。ルール通りにやることを教えるのは単なる躾だと思います。

そうではなく、我々がやっているのは教育であって、躾も必要ですが、我々の仕事のメインではないはずです。躾と教育を一緒にしてほしくないですね。今の若い人は躾と教育を混同してしまっている感じがするんですよね。ルールに則ったことだけをやるような感じです。

物事にはルールの前に本質があるはずなんですよ。本質があって、それをわかりやすくするためにルールがあると思います。

例えば、生徒たちにグラウンド整備をさせると、トンボを掛けますよね。でもトンボを掛けることは本質ではない。グラウンド整備の本質はグラウンドを平らにすることです。

日々の掃除でも現れますよね。床を拭く当番の生徒が一生懸命床を拭いても、端の方に汚れが残ってたりする。生徒は「拭きました」と答えるけど、何のために拭くのかを意識していないことが多いですよね。拭くことが目的ではなく、本質は教室をきれいにすることなんですよね。そんな時は「確かに君は一生懸命拭いていた。でも掃除の目的はなんだ?」と問いかけるんです。

これから教員を目指す人、教員になってまだ間もない若い人などには本質を見極めることをしてもらいたいですね、

少し別の言い方をすると、「相応しいか相応しくないか。望ましいか望ましくないか。好ましいか好ましくないか。」をその場で考えて物事を判断できるような人を育ててほしい。ルールだからダメ、とか、ルールに沿ってるからよい、ではなくて。

相応しくないことをする人が多いからルールを決めたわけで、その前にある本質を大事にして子供たちに接することができる大人になってほしいです。

教育は人を作る、人と関わっていくんですから。

好ましいのはどちらか、なんでダメなのか、自分で考えて行動できる生徒になるきっかけを与えられる教員を目指してほしいと思います。

 

 

【インタビューを終えて】

どんな状況でも前向きに物事を捉えて「生徒に夢と希望を持たせる」。そんな先生の話を聴いているだけで自然とこちらも前向きな気持ちになれるぐらい、明るい、熱い先生でした。

取材当日は雨で野球部の練習を見させていただくことができませんでした。いつかぜひ齋藤先生率いる野球部が活躍する姿を見てみたいと思いました。

 

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教育局 総務課 報道・広聴広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第2庁舎4階

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