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掲載日:2017年7月21日

はつらつ・れんたつ教職員の取組(坂戸高校 森田 智裕 教諭)

 

今月号は、坂戸高校 森田 智裕 教諭の取組を紹介します。

森田教諭は他の教職員と連携しながら整容指導に積極的に取り組み、生徒の身だしなみを格段に改善しました。現在では落ち着いた生活風景が新たな校風として定着しています。

また、本年度、指導している剣道部では、男子団体を17年ぶり5度目、女子団体を初の関東大会に出場させるとともに、県公立高校唯一の剣道八段の資格を持ち、本県全体の剣道指導の中心としても活躍しています。

他の教職員からの信頼が厚いのはもちろん、剣道部の部活動の一環で近隣中学生との交流も実施しており、地域からも信頼されている先生です。


森田教諭

先生になろうとしたきっかけを教えてください

もともとは自衛隊のパイロットになりたかったので、防衛大学校に進学するつもりでした。でも、高校3年の部活の合宿のときに剣道部の先生に、「お前、将来剣道やらないか」って言われたんです。そこからだんだん自分の中で剣道が大きくなっていき、教員になって生徒に剣道を教えたいという思いが強くなりました。

剣道部ではどんな指導をされているのですか

教員になって目標は2つでした。

一つは母校の剣道部を全国で通用する部に鍛えること。もう一つは竹刀を通して生徒と会話すること。

自分が高校生のとき、竹刀を通して当時の先生と会話した感覚があったので、それを教員の立場から自分もやりたいなと思いました。

ただ、母校の剣道部を全国で通用する部に鍛えることは、思っていたものと少し違いました。母校というプレッシャーがあった点もありますが、一生懸命やっていましたけど剣道が楽しくなかったですね。

当時は、たとえば20人部員がいても、練習試合には実際に試合に出ることになる5人しか連れて行かなかった。その他15人は学校に置いて。そんなやりかたをしていました。

坂戸高校に来た時に、そのようなやりかたはやめようと思いました。5人だけで出かけるよりも、20人でここで練習しようと。その代わり、近所の中学生を呼んで交流しようと思いました。年に6回、10年で60回やろうと目標を立てました。

10年経たずに目標とする回数は達成したと思います。いろんな中学校に声をかけて、生徒たちと一緒に剣道を教えました。地域に発信するような剣道部をイメージしています。当初の目標とは違いますが、剣道の教員になってよかったと思っています。竹刀を通して会話する感覚を生徒とも持つことができていますし、今は剣道がすごく楽しいです。

整容指導に取り組んだきっかけを教えてください

坂戸高校は前々からスカート丈の短い子が多かったので、私も赴任した時から注意はしていました。でも以前はそこまで本気で取り組んでいなかったのが正直なところです。学校全体として、スカート丈の問題はとりあえず置いておいて、という感じでした。

ところが4年前、2年生の担任を持っていた時です。

修学旅行から帰ってきて、「さあ、学校生活を落ち着いて進めよう」と考え、学年集会の時に、「スカート短いのはダメだよ」って言ったのですが、学年集会が終わって体育館から出てきた瞬間、スカート丈を短くしている生徒と出くわしました。

学年集会で話した直後だったので、「何やってんだ!」と怒ったのですが、その生徒たちから返ってきた言葉は「みんな短いからいいじゃん。」でした。

そんな考え方しているのかとショックを受けましたね。

これはもう、本気でやらなきゃだめだと思い、帰りのSHRでクラスの生徒に、「今後はしっかりと注意していくからね」と宣言しました。

具体的にどのような指導をしたのでしょうか

学級通信などでなぜ整容指導があるのか、なぜ短いのはダメなのか、私の考えを説明していきました。

そして、そこからは戦いの日々でした。

スカート丈が短い生徒に会う度に「スカート短い!反省文書いて来い!」と注意していました。最初は少し突っ走っちゃってる感じですよね。

うちの生徒は基本真面目なので、注意された生徒はみんな反省文を書いてきました。反省文だけで100枚ぐらい集まったんじゃないかなと思います。

そこで頑張ったのが、書かせて終わりではなく、一人ひとりと話をすることです。生徒が言いたいことも聞きますが、こちらの思いも伝えます。ここは結構頑張ったところだと思います。

私は生徒指導主任でもなんでもないのですが、学年を超えて地道に取組みました。

でも、中には全然理解してくれない子もいます。先生の指導、よくわかりませんと。すぐには結果は出ませんでした。

2年生の担任を持っているときに取組みを始めて、進級して3年生になって、下の学年の先生方も賛同して協力してくれて、ようやく結果が出てきたかなという感じです。

結果的には最初に一人で突っ走ったのがうまくいったのかなぁと思っています。

今はどんな状況ですか

今はほとんどスカートの長さで注意することはありません。まだ時々短い生徒がいますけど。本当に、4,5年前の感覚からは随分かわりました。

スカート丈の短さが解消されることで、どんな効果がありましたか

学校全体が落ち着いた雰囲気になりますよね。

本当に伝えたいことが生徒に伝わる環境が出来上がると思います。

あいさつするとか、時間を守るとか、生活の基礎基本ができていないと、本当に伝えたいことが生徒の意識に入っていかないと思います。1年生から2年生中盤までに生活の基礎基本をしっかりやっていかないと、3年生になって進路の話をしても、生徒にうまく伝わらないです。 

坂戸高校は本当にいい学校です。部活も頑張っているし、当時担任をしていた学年は、進学実績もすごく良かったんですよ。

当たり前の部分ができるようになって、本当に大切なところに力を注げるようになったのではないかなって思います。

良い時って学校全体が良い雰囲気なんですね。生徒や先生のエネルギーが本来向かうべき方向に向かうようになれば、いい学校になるのかなって、思います。

剣道の例ですけど、剣道の強豪校の生徒を見ていると、やっぱり、あいさつとか基本的な部分がしっかりとできているんですね。そうしないと本物が伝わらないし、本物になれない。

今後はどのような取組を行っていこうと考えていますか

今年はさらに上着のボタンをしっかりしようという取組をしています。男子生徒の制服が詰襟タイプなので、第一ボタンはしめようと。あとは足元でしょうか。このあたりを生徒指導部の先生と話しています。私は生徒指導部ではないのですが。

整容指導を進める上でのポイントはどんなところでしょうか

教員の意思を統一してやることが大事だと思います。

教員によって生徒への当たり方に強弱はありますけど、「教員みんなでやっているよ」っていう雰囲気が大事です。君たちのこと、先生みんなで見ているよっていうアピールですね。それを生徒に感じさせるのがすごく良いかと思います。

教員同士のコミュニケーションが頻繁に取れていると、生徒たちもそれを敏感に感じているところがあります。そうすると、いろいろな場面で教員の話が生徒に上手く伝わっていくことが多いと思います。

その点、私は一緒にやってくれる先生、周りの先生に恵まれました。特に体育科の先生方とは様々な面でサポートしあえていると思っています。本当にありがたいことです。

これから教員になる人へのメッセージをお願いします

相手の気持ちを身体感覚で感じることが大事かなと思います。

最近わかってきたことがあるんです。剣道は人と仲良くなるための技術を学ぶ場であるのではないか、人と仲良くなるために剣道やってるのではないかなと。

剣道って、自分勝手に技を打っても一本にはなりますが、相手の心には響かないんです。

自分で攻めておいて、相手と足並みを揃えて置いて、パカッと打つから、相手も「参った」って思える。

そういう技術を毎日毎日練習しているうち、剣道に限らず、色々な場面で、相手と仲良くならなきゃ物事は進まないわかってきました。この人何考えているんだろうなとか、相手に合わせていく力だとか、人と仲良くなる力だとか、そういうものが大事なのかなと思います。

 

 

【インタビューを終えて】

「坂戸高校は素晴らしい!」「いい学校なんです!」と繰り返しおっしゃっていた森田教諭。坂戸高校が大好きなことが伝わってきました。

学校が大好きな森田教諭だからこそ、整容指導を着実に進められたと感じました。

また、インタビュー中、ほとんどの話が剣道に繋がっていきました。「先生の話はいつも剣道に帰結するんですね」、と生徒からよく笑われてしまうそうです。

生徒や周囲の先生方との信頼関係をしっかりと築き、整容指導に取り組む情熱あふれる先生でした。

森田 智裕 教諭の取組

整容指導について (PDF:105KB)

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