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掲載日:2017年2月1日

はつらつ先生の取組(県立誠和福祉高校 池田温 教諭)

今月号は、県立誠和福祉高校 池田温教諭の取組を紹介します。

池田教諭は、福祉科長として、福祉教育に関する高度な専門知識と経験を生かしながら、生徒に分かりやすく丁寧な授業や介護実習等の指導を実践しています。

また、県高等学校福祉研究会理事長や全国福祉高等学校校長会研修部委員など全国の福祉教育の中心的な存在としても活躍されており、そのきめ細かな指導から生徒や保護者、他教職員からの信頼も厚い先生です。

池田温教諭

教師を目指したきっかけを教えてください。

以前、老人ホームで働いていたんですが、その時に不動岡誠和高校(※)の卒業生も一緒に働いていて、そこで社会福祉を学べる学校があることを知りました。介護福祉士として働かせていただいた後に生活相談員となり、実習生を受け入れたりするような仕事もやっていたんです。多くの実習生と関わるなかで、このような素敵な介護の仕事を一緒に行う仲間をもっと増やしたいなという想いから教師になろうと考え始めました。

(※)平成20年4月に、不動岡誠和高校と騎西高校が統合され、誠和福祉高校となりました。

 

誠和福祉高校は、県内唯一の福祉科と福祉を総合的に学べる総合学科を設置しています。

はい。福祉科では介護を中心とした福祉を学ぶことができます。コースとしては、「福祉進学コース」と「介護福祉士コース」があります。年によって変わりますが、卒業後の生徒の進路としては、「福祉進学コース」が、6~7割が進学で残りが就職、「介護福祉士コース」では、8~9割が就職で残りが進学しています。

また、総合学科では、進学を目指した4つの系列があります。社会福祉士などを目指す「福祉系列」、看護師などを目指す「看護・医療福祉系列」、保育士や幼稚園教諭などを目指す「保育・幼児教育系列」、公務員や一般企業などを目指す「教養系列」です。いずれも大学や短大、専門学校等への進学を目標にしています。

 

池田先生は福祉科の学科長ということですので、福祉科についてお聞きしたいと思います。イメージとしては、「福祉進学コース」が進学、「介護福祉士コース」が就職という感じですか。

卒業後の進路としてそのような結果になっていますが、「介護福祉士コース」は就職だけを目指したコースではありません。介護の現場では、ケアの部分もありますが、今後地域で暮らしていく方々に対して、トータル的な介護の支援を行っていく場合に、ソーシャルワークの知識や技術が求められます。進学して社会福祉士など相談の技術も身に付けてから、現場に出ていくというかたちも大切だと思っています。介護と相談の技術を併せ持つ人材も重要です。

 

「福祉進学コース」と「介護福祉士コース」の違いは。

「福祉進学コース」は福祉の基本的知識や技術を学びながら、福祉系の進学を目指すコースです。ですから、「介護福祉士コース」より授業の時間数は多いんです。「介護福祉士コース」は国家資格である介護福祉士への合格を目指しているため、「福祉進学コース」より専門科目や現場実習を充実させています。高校だけが学びの場ではありません。トータルで見たときに、自分が高校で何を学びたいか、どういう学び方をしたいかで選択するコースは変わってくると思います。

 

現場での実習内容も異なってくるのですね。

はい。

 

「福祉進学コース」ではどのような実習をするのですか。

実習先の職員さんが実際に介護しているところを見学したり、基本的な介護技術を行わせてもらったりが中心になってきます。期間としては、1年生で8日間、2年生で4日間行っています。

 

3年生はないのですか。

実習ではないのですが、グループホームや通所介護を利用されている方などを学校にお招きしたりなどということはやっています。

 

「介護福祉士コース」では。

期間としては、1年生で8日間、2年生で20日間、3年生で24日間行っています。2年生の途中までは、「福祉進学コース」と同じようなかたちで進めていきますが、2年生の後半からは、介護技術に関しても様々な内容を学ばせていただきます。3年生になると、1人の利用者の方の介護計画をつくったりもするんです。

 

現場実習を終えた生徒さんはどのような様子ですか。

私たち教師からも介護現場の話はしていますし、生徒自身もある程度の課題など、理解している部分もあるのですが、実習を経験することで、新たに見えてくることや、現場の職員の方から指導いただくことなどたくさんあります。学校へ戻ってきて、新たな課題などをどうしていこうか考えたり悩んだりの繰り返しですね。どうしても学校だけでは、生徒同士で実習を行うため現場のイメージを描きにくい状況なんです。

実習先で利用者の方の生活場面を直に見たり、そこから感じたり考えたりする中で利用者さんや職員さんからいろいろ学ばせていただいきます。そのようなことを繰り返すなかで、ただ、漠然と介護を行うのではなくその方にとって必要な介護の支援についてのイメージができてくるんです。それによって、個別にどう支援できるかっていうことが徐々に明確になってきます。

 

実習前と後では、生徒さんの様子はだいぶ変わってきますか。

はい。かなり変わりますね。生き生きとしていく生徒がたくさんいますよ。

 

施設実習の様子

介護福祉士国家試験では高い合格率を維持されています。

はい。全員が受かってほしいという想いは当然ありますが、私たちが目指しているのは、その受かった先なんです。生徒には、国家試験に合格したことで、偉くなったと言いますか、知識や技術がすごく身に付いたと勘違いしてしまわないように注意を促しています。試験の合格は、あくまでもスタートラインに立てたという話なんです。

 

スタートした後も気になります。

離職率の問題とかいろいろあります。学ぶ意欲がなくなったり、孤立してしまったり、不平不満だけを言っているだけでは、介護の仕事に限らずどんな仕事もきつくなってしまいます。いろいろなことがあっても働き続けていくためには、一緒に学んでいける仲間づくりがとても重要です。そして働き続ける中で学び合い、視点を広げたり深め、よい介護を提供できるプロへの道を歩いていけると思うんですよ。

 

学校ではどのように学ばれているのですか。

どういう根拠でこうした手順で介護を行う必要があるのかなど、グループで話し合いながら、根拠を明確にしつつ、自身でしっかりと考えてもらえるような授業に取り組んでいます。

 

他にどのようなことに取り組んでいますか。

縦のつながりを持ってもらいたいという想いで、実習に行ってきた3年生が2年生に実習内容を伝えるということもしています。先輩たちの姿というのを下級生たちはすごくよく見ているんです。身近な目標になっています。

あとは、夏休み期間中、卒業した生徒数人にも声を掛けて、国家試験に向けての話をしてもらう機会を提供したりもしています。さらに、卒業間際の3年生に向けて、介護の仕事で活躍している卒業生からエールを送ってもらう時間も設けています。

 

誠和福祉高校への入学を希望する子供たちへのメッセージをお願いします。

福祉や介護は地元密着なんです。地元で暮らす人たちを支えていく実感が持てる仕事ですし、そうした地元とのつながりをつくっていける楽しさもあります。

また、目の前の人たちが輝いてくる瞬間を間近で見られる仕事というのは、いろいろな仕事がありますけど、そんなに多くはないと思うんです。その人の幸せを一緒に探し、喜び合えるとても魅力ある仕事なので、是非学んでいただけたらと思っています。

 

先生にとって教師という仕事は。

3年間の学校生活のなかで、生徒たちはすごく変わっていきます。それが見られることは、すごく幸せなことだと思っています。こちらもハッピーな気持ちになれますし、それをまた生徒たちに返せるので、そういうところがとても魅力的です。離れて見えてくる変化も当然ありますけど、生徒のそばにいて、間近で変化が見れて、それが生徒の将来に大きく影響していく。すごい職業だなというふうに思っていますよ。

 

シーツのたたみ方のデモンストレーション(校内実習)

 

床走行リフターにおける移動の介護(校内実習)

 

誠和福祉高校では、県内ほぼ全域から、場合によっては3時間かけて高校まで通っている生徒さんもいるそうです。

「介護はきついというイメージが先行していますが、人と人とのつながりの中で『幸せの連鎖』を創り上げていけるワクワクするような本当に魅力ある仕事なんです」と語る池田先生。

現場を経験されたことのある先生の熱意溢れる指導のもと、生徒さんたちは、これからの介護社会を支えていく人財として、全国で活躍していくことでしょう。働く側も利用者側も、共に輝ける介護社会の実現のため、池田先生の教育実践はこれからも続きます。

結団式の様子

 

『人の幸せ』を願い、考え、行動できる学校の取り組みについて

埼玉県立誠和福祉高等学校 教諭 池田 温

(1)はじめに

本校は、県内唯一の福祉科を平成3年(当時は不動岡誠和高等学校)より設置している。総合学科は、保育・幼児教育系列、看護・医療系列、福祉系列、教養系列の4系列と対人援助職の基礎を学び進学を目指す。両学科ともに積極的にボランティア活動を行い、「人との関わりを大切にする教育活動を通して、人間性を磨き、地域や社会を支える力と心を持った生徒を育成する。」学校である。

福祉科、2年次より福祉進学コース(40名)と介護福祉士コース(40名)に分かれる。2つのコースでは、取得できる資格に共通の部分と異なる部分がある。福祉進学コースは、2年次に介護の基本的知識と技術等を学ぶ介護職員初任者研修の課程と重なっており、所定の水準を超えた場合に修了証を受け取ることができる。介護福祉士コースは、2年次に介護職員初任者研修の課程を学びつつ、3年次までにさらに専門的な知識と技術を学び1月に介護福祉士国家試験を受験し、合格すると卒業と同時に介護福祉士が取得できる。

福祉科の定員80名の規模は、全国でも最大規模である。また、全国で福祉の教員数が最も多い学校となっている。

(2)福祉科の特徴について

福祉科の特徴は、介護保険施設や障害者支援施設等で実習を行うことである。そのため、約80の事業者と協定を結び、実習させていただいている。つまり、地域の事業者の協力があってはじめて教育活動が成り立っている学校である。

1年次には8日間、2年次には福祉進学コースが4日間、介護福祉士コースが20日間の実習を行う。3年次には、介護福祉士コースが24日間の実習を行い、利用されている方の介護計画を立案させていただく。また、福祉進学コースは3年次に施設実習は行わない。しかし、近隣のグループホーム等を利用されている方を学校にお招きして、1時間程度交流を行う。

このように、実際に施設サービス等を利用されている方の暮らしの場にお邪魔して、職員の方や利用者の方々から介護の視点や技術等について学ぶ。本校の福祉科における学びも、それぞれの実習に向けて基本的な知識や技術を学ぶ。そして、実習にてその実際の状況を学ばせていただき、学校に帰ってきてから「振り返り」を行いながら学びを深める。 

これら一連の流れを繰り返し3年間行う中で、生徒たちは社会人としての体調管理や時間管理、挨拶や身だしなみ、チームを意識する姿勢などを培っていく。それだけにとどまらず、利用されている方の魅力を理解できるようになる。さらに、その方の魅力を感じとりながらその方の「幸せ」についての情報収集を行い、その方の「幸せ」についてほんの少しではあるが、提案することができるようになる。

(3)「介護」の魅力について

入学当初、多くの生徒たちは「人のためになりたい。」と考え入学してくる。その想いが強いほど「何かやってあげなくては」といった自分の想いが優先してしまう傾向にある。

しかし、施設実習等を通して「何かやってあげなくては」といった想いが、介護サービスを利用する方の想いや価値などを全く考えていないことに自ら気づく。

介護を学んでいく中で、その方にとっての「自立」について考えたり、その方の「幸せ」について想いを馳せたりできるようになってくる。介護を提供する場合に、利用されている方の状況を的確にアセスメントできる観察力や情報収集力などがないと、何も始まらないことにも気づく。あるいは、「見守ること」も介護であることや、利用されている方の現在持っている力を大切にするためには「声かけ」がいかに大切であるかを学ぶ。

このような3年間で生徒たちは、自分の想いばかりが強く空回りしてしまっている状況を把握し、利用される方にとっての「幸せ」とは何かを考えずに行動してしまっていた過去の自分と出会い対話できるように変化していく。

このような過程の中で、利用されている方の幸せやその方を支えている周りの方の幸せについても関心を持てるようになってくる。つまり、視野が開けてくる。

3年間の学びの中で生徒たちは、その方に寄り添い、その方の願いを丁寧に捉え実現できる具体的な形を提案し、その結果、その方が輝く時間を共有できる幸せに目覚める。このような場面こそが専門職としての第一歩と私が感じる瞬間である。

そして、学び合っている生徒同士が自分たちで気づき輝きだす瞬間に、私自身が立ち会えることもこの上なく幸せである。

介護の魅力は、「人と人のつながりの中で『幸せの連鎖』を創り上げていくこと」と私自身は考える。

(4)おわりに

私自身が介護福祉士として働かせていただいていた時に感じたことは、「人はどんな時でも輝ける心を持っている。」ということである。そして、利用されている方々と長い時間生活を共にしている専門職である介護職種こそが、その方の「幸せ」について具体的な提案を行えると考えている。

全身を使って行う介護、例えば移動介護や食事介護、入浴介護、排泄介護を行うことのみをイメージしていた生徒たちが、3年間の学びを通じ「介護の知識や技術を何のために活用するのか」といった視点を持つようになる。様々な技術や知識を今まで身に付ける努力をしてきたのは、利用する方の「幸せ」のためにそれらの技術や知識を活用していくことに、仲間との学びの中で自ら気づく。

今後も、生徒たちが介護の魅力に自ら気づき、「幸せの連鎖」を創造し自分の人生をしなやかに歩んで行けるように全力で応援していきたい。

 

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