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掲載日:2019年7月24日

はつらつ先生の取組(県立浦和高校 小河園子 教諭)

今月号は、県立浦和高校 小河園子教諭の取組を紹介します。

小河教諭は、専門性の高い指導方法や飽くなき探求心と使命感を持ち、長年にわたり本県の英語教育の発展に貢献されてきました。

また、協調学習を取り入れた学習指導に熱心に取り組まれており、平成26年度には、協調学習マイスター(※)を取得しました。

未来のグローバルリーダーの育成に必要不可欠な先生です。 

(※)協調学習マイスター

大学発教育支援コンソーシアム推進機構(東京大学CoREF)の主催する「本郷学習科学セミナー」を活用して、「知識構成型ジグソー法」による協調学習に基づく授業改善を推進できる高度な見識・知識・技術を持った人材を認定する制度。

小河園子教諭

教師を目指したきっかけを教えてください。

私の家族に教員が多かったんですね。教員という仕事が身近であったこと、これが7割くらいの理由です。父母も叔父叔母も、祖父母も教員だったんですよ。最初は、家族とは違う仕事に就きたいなとも考えていました。例えば、外交官や商社など。しかし、当時は男性優位な社会で、男女が完全に平等であったのは公務員だけでした。やりたい仕事よりもできる仕事の方が良いと考え、得意だった英語を生かして教員になろうと思いました。これが残り3割の理由です。

高校生の時の留学経験も影響していますね。

決して消極的な選択ではなく、雇用環境や女性の社会進出などを考えた妥当な選択だったと思っています。やりたいことにこだわるよりも今の自分にできることを続けていくことで、より成長できるものと実感しています。

留学はどこに行かれたのですか。

アメリカのニューヨーク州です。期間は1年間でした。AFSという団体にお世話になりました。American Field Serviceというんですけど。

当時の思い出は。

当時はまだ言葉の力があまりなかったんですけど、高校生でしたので行動力がありました。世界中から来ている方々とたくさん友達になったことを覚えています。色々な国の人と英語を通してコミュニケーションが取れたことは、大きな経験となりました。

例えばどのような国の人たちですか。

イランやコロンビアなど様々でした。タイやマレーシアから来ている人たちもいました。 

イギリスにも留学されたとか。

教員になってからなんですけど、文部科学省の派遣で、イギリスのランカスターに留学しました。教員用の特別講座を6か月間みっちりと受講してきました。 

印象に残っていることは。

大人の英語への脱皮ですね。例えば、自分に困っていることがあったときに、相手にその状況をしっかりと説明し、より優位な条件を引き出す。ネゴシエーションって言うんですけど、それには英語の丁寧語をしっかりマスターしなければなりません。

例えばどのようなことでしょうか。

物事を頼むときに“~,please”ってよく使っている人がいますが、本当は目上の人が目下の人に対して使う言葉なんです。

「ご苦労様」と同じですね。

そうなんです。英語で丁寧に物事を依頼するときには“Could you ~”“Would you ~”“I was wondering if~(もしよろしければ~)”などを使います。

丁寧語を使った方がちゃんと相手が聞いてくれるんです。日本語でも同じですよね。“I was wondering if ~”など使うと、扉が開くっていうか、相手が「何だ」って耳を傾けてくれるんです。そこから事実関係の説明ですよね。何々がこうだからこうですとか、こういうことに困っていますよとか。

イギリスへの留学で、コミュニケーションのための英語を強く意識するようになりました。

帰国後の授業に変化はありましたか。

生徒がALT(外国語指導助手)に説明する課題のハードルを上げたりと、より実践的な場面を授業に取り入れるようになりました。絵を見せて、その状況を生徒に説明させたり、断り続ける人に対して何とか頼み込んだりしてみたり。活動の種類をちょっと増やすようにしました。

学校では、どのような国際交流をされていますか。

生徒を海外に送り出すこと、また、海外からの生徒を受け入れることの両方を行っています。現在、本校からスペイン語を学びにメキシコに留学している生徒がいますし、デンマークやウズベキスタン、イギリスなどから海外の生徒を受け入れたりしています。また、姉妹校であるイギリスのウィットギフト校とは、長期や短期の交換留学を行っています。

生徒さんにはどのような変化がありますか。

積極性が出てきたり、辛抱強くなったりします。やはり、異文化と接触し、自分たちの常識とは違う世界を体感することは、生徒にとって大きな刺激になるんですよ。

協調学習に取り組まれているそうですね。協調学習とはどのようなものですか。

いわゆるアクティブ・ラーニングの1つの分野なんですけど、簡単に言うと、生徒たちに考えながら話す機会を少しでも多く与えましょうというものです。ステップは同じなんですけど、一斉授業とは異なる手法です。

県と東京大学CoREFが推進する協調学習「知識構成型ジグソー法」があります。

もちろん、ジグソー法も活用しています。それに加えて、普段の授業でも行える独自の方法にも取り組んでいます。

独自の方法とはどのようなものですか。

教員からの問いについて、みんなで考えようというものです。これまでは、生徒1人ずつに質問をしていました。個人ではなく、両隣や前後の生徒、またはグループなど複数人で考えてもらいます。どれくらい生徒が理解しているのか、生徒の声を聞いていると分かるんですよ。生徒が話している内容が、ほとんど正解に近い場合にはすぐに正解を伝えて、気を付けてほしいところだけ話します。生徒たちの意見が割れているときは、異なる意見をそれぞれ発表してもらい、意見をぶつけ合った後に、私から根拠を示した上で正解を伝えます。そうすることで、生徒たちの理解がより深まるんです。

単なる答え合わせではないわけですね。

そうですね。格好よく言えば、真理の探究です。本当のところどうなのよっていうものを考えていくためには、当然、単純な答え合わせだけでは終わりません。時には教科書に書いていないことを題材にして、生徒たちに刺激を与えています。

今日はどのような授業をされたのですか。

IPS細胞についてです。最初は、単語から確認して、山中教授の方法と他の方法との決定的な違いはどこにあるのか。教科書を基にグループで話し合ってもらい、その結果を英語で説明させました。 

違いは受精卵。

そう、“fertilized egg”それと、命の尊厳の問題、“dignity of life”

つまり、以前まで問題であった倫理的な問題をクリアしている。今日の答えはそれを英語で説明できたかどうか。教科書に書いてあることを再構成して、説明するイメージです。

これまでの一斉授業に比べて時間がかかるのではないですか。

実は、みんなで考えることで時間はうんと短縮するんですよ。私の授業を見学に来た方はみんな驚いていますね。教員が発問して誰かが答えて、間違えたら次の生徒という一斉授業より、複数で考える方が正解に近づく確率も高くなるんです。分かっている生徒がいれば、それをみんなで共有できますから。生徒たちの声に耳を傾け、あぁ理解しているなと思えばポイントだけ説明しますし、あまり分かっていないなと思えば、基礎まで戻って説明します。

一斉授業よりも生徒さんたちの理解度がわかりやすいのですね。

はい。常に生徒の理解度をチェックしながら授業を行っています。個人的には、協調的学習と呼んでいます。

協調学習に対する生徒さんの反応はいかがですか。

授業中に生徒が寝ないですね。体育が盛んな学校なので、その後の授業だと寝てしまう生徒もいましたが格段に減りました。常に話さないといけないですし、自分が当然だと思っていた考えと違う意見が隣から聞こえてくると「あれ、何でだ」ってなるからでしょうね。

ディベート全国大会(英語)に出場されましたね。

はい。NFLJ(The NationalForensic League Japan)のパブリックフォーラムという2人制のディベート大会なんですけど。昨年3回行われた日本代表決定戦のうち1回で優勝しました。代表4チームで渡米し、昨日、その世界大会(アメリカ)から帰ってきました。

結果は。

288チームが参加した世界大会は予選敗退でした。敗者復活戦を兼ねた世界大会は国際部門のなかでベスト16に入りました。

世界大会の感想をお聞かせください。

それこそメジャーリーグではないですけど、本場で本気でやっている人たちの1分間の言葉数には驚きました。すごいなと。

そのなかで生徒さんは善戦されました。

お題が「アメリカ大統領選挙について」で、ほんとアウェーだなって感じでした。そのなかで、11試合中4勝できましたから大したもんです。論理性の部分は本場でも通用することがわかりましたので、生徒たちにとって貴重な体験になったと思います。私もとっても楽しませてもらいました。

グローバルリーダー育成に大切なことは何ですか。

ディベート世界大会の印象も含めてなんですけど、1つ目は強靭な体力・精神力だと私は思います。自分の生活リズムが狂うとその後に影響するし、時差もあれば、空間も移動しなければいけない。自分の全く知らない世界に飛び込んでいく機会が増えます。強靭な体力や精神力をつけるためには、自己管理能力が大切です。食欲がなくても何か食べるとか、時間がなくても寝るとか。お母さんに全部やってもらっているようではダメですね。

2つ目は。

共感性ですね。1つ目の自己管理能力がベースにあれば余裕ができると思います。友達と仲良くできるか、自分と対立している人に対してもどこでなら相手と共感できるのか。人と共感できる力はとても重要です。ディベートでは、一時的に味方と敵に分かれますけど、試合が終われば必ず握手をします。“good match”良くやったってお互いをたたえ合い握手します。

残りは。

3つ目は深い教養です。各教科などの。そして、最後が言語力ですね。スペイン語であったり、ロシア語だったり別に英語じゃなくてもいいんです。

保護者にできることは何ですか。

子供に生活習慣を身に付けさせることです。「あなたは勉強して、後は私が全部やってあげるから」っていうのは良くないですね。それだと最後につまづいてしまいます。1人で起きて、1人で顔洗って、1人でご飯食べて余裕をもって学校に行く。そのくらい当たり前にできなければ、絶対に世界でなんか通用しないです。生活習慣の確立は、子供のペースでやってほしいと思います。当然、個人差はありますから。苦手なものはみんな違うので、ゆっくり見守って、できたら褒めてあげる。

共感性のことではいかがでしょうか。

自分の子供と他を比べないで欲しいです。「誰々さん家の子は、友達の誰々さんは・・・」って言うことは禁句だと思います。私もそう言ってしまった時期がありましたけど、途中から辞めました。人との比較は何もしない。だけど、その時点でできていない生活習慣はしっかり直させないといけません。遅刻が多いですとか、お弁当箱を鞄に入れっぱなしなんてダメですね。成長してきたら、学習や進路のことは本人に任せるべきだと思っています。

人と比べないことが子供の共感性を高めるのですね。

ありのままでいいよって親に認められた子は、友達にも優しくなれると思うんです。常に競争させられているような目で親から見られている子は、他人に対して優しくなれません。親が1番の子供の味方になってあげないと。自己管理、共感性ができてきらら、今度は得意なことを子供には頑張ってほしい。得意なことを中心に勉強を頑張る。ディベート世界大会に出場した生徒のように、最後は何かに思いっきり挑戦して欲しいと思います。

最後にこれから教師を目指す方へメッセージをお願いします。

肩を貸すっていうんじゃないけど、自分が踏み台になる覚悟がなければいけないと思います。つまり、自分がゴールで、そこまで来なさいっていう教員じゃなくて、自分も道の途中、でも子供たちよりより良い地図を持っている。行ってはいけない道を知っている。私の地図を使ってもっと遠くまで行きなさいと言える教員がもっと増えて欲しいと思っています。自分の知っている世界だけで勝負しないことです。自分の知らないところまで、自分のできなかったところまで子供たちにやってもらえるようにと。

ディベート世界大会に出場した彼らのこともそうなんですけど、同じことをやってくださいと言われても私にはできません。でも、私がいたから彼らがあそこまでできた部分ってあるんですね。スキームややり方を教えたり、絶対にやってはいけないこと、やらなくてはいけないことを教えたりと。いくつかの大雑把なコースを決めてあげて、生徒たちが選んだ道に安心して突っ込めるように。

不安も含めて等身大の自分でやる。教員は謙虚な方がいいです。今ある地図を使ってやればいいんです。そういう人の方が生徒たちと一緒に地図を共有して、もっと良くしようとするし、自分の地図も生徒の地図も広がっていきます。

小河教諭と生徒たち

※左から小河園子教諭、ゴーマン朗馬さん、幅裕斗さん、スコット・エイキンALT

 

 

先生の息子さんは、現在、インドにいるそうです。きちんと自己管理ができるように、人と比べないようにと育ててきたら、今はグローバルリーダーの卵として海外で活躍されているとのこと。紆余曲折もあったり、失敗も何度もしたりと子育てされてきたそうです。「体のベース、心のベース、一般常識のベース、最後に英語でした。それでもなんとか育ってくれました。お陰様でインドの人たちにも信頼してもらっているみたいで。」と話す小河先生。

 

今回のインタビューでは、教師としての先生の姿のほかに、母としての姿も垣間見られました。私も子供を育てる1人の父として、とても勉強になるインタビューになりました。生徒さんの話をしているとき、息子さんの話をしているときの先生の溢れる笑顔がとても印象的でした。

小河園子教諭の取組

 

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