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掲載日:2023年12月18日

令和2年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(梅澤佳一議員)

小・中学校におけるICT教育について

Q  梅澤佳一  議員(自民)

新型コロナ感染症はいまだ世界中に猛威を振るっており、終息の兆しも見えません。学校は感染拡大防止のために3カ月に及ぶ長期休業となり、当然ながらこの間、登校しての対面による授業は全く行えませんでした。そして、今も学校で感染者が出た場合は、臨時休業や学級閉鎖、学年閉鎖をしなければなりません。
そのような中で、我が国のオンライン授業に象徴されるICT教育の遅れが先進国では際立ち、政府は児童生徒1人1台のGIGAスクール構想を前倒しで実施しました。特に本県の学校のICTの環境整備が全国的にも非常に遅れをとっていることは国の調査でも明らかになっており、子供を持つ保護者の不安となっています。
しかし、県内で私の地元久喜市では臨時休業中にいち早くオンライン授業、それも双方向型のオンライン授業に取り組み、臨時業休業になった場合にはすぐにオンライン授業に切り替える体制を整えており、この一連の取組はマスコミ等で取り上げられました。
一方、県の学校再開後の学習への取組状況等の調査結果によると、学校再開後にICTを授業等で活用している学校は半数以下ということです。私の知り合いの他県の議員に聞くと、その県では県教育委員会の強いリーダーシップの下、市町村を支援するなど様々な取組によって、現在GIGAスクール構想の実現に向けてICTを推進しているとのことです。
本県もこれまで市町村を支援する様々な取組をしてきたと思いますが、今後、市町村の小・中学校に対する財政面も含めた支援を通し、国が示しているような指導体制、ソフト、ハードが一体となったオンライン授業をはじめICTの活用が発展することを期待して、以下、それぞれの点から、教育長に伺います。
まず、指導体制に関して。
県の学校再開後の学習へ取組状況等の調査結果によると、ICT活用の課題としてICT活用能力の高い教員はいるものの、教員の活用の能力の差が大きいと分析しています。これはICTに興味があり自ら能力を高めている教員がいる一方で、ICTが不得意という教員がそのまま置き去りになっている結果なのではないでしょうか。個人の能力に任せるのではなく、全ての教員のICT活用能力が向上するよう、どのように取り組んでいくのか伺います。
次に、ソフト面に関しては、1人1台端末を活用して個別最適化された学習に取り組むためのデジタル教科書・教材の準備が必要です。県として、今後どのように予算を措置し市町村を支援していくのか伺います。
次に、ハード面に関しICT環境整備の一環として、県が市町村の小・中学校に向け発行したサブドメインについて伺います。
このサブドメインは令和4年3月末日までの使用期限があり、その後は廃止すると聞いています。現在、このサブドメインを実際に使用している市町村は幾つありますか。また、なぜ使用期限があるのか。さらに、現在県が発行したサブドメインを使用している市町村は、使用期限切れに伴い新たなドメインの取得と学習履歴等の引継ぎに多額の費用が必要になることなど、財政負担が強いられることはないのか伺います。
最後に、令和の日本学校教育の構築は、小・中学校も高校も同じはずです。大多数の小・中学生は高校に進学するため、GIGAスクール構想における取組も小・中学校と高校を分けて考えるのではなくて、小中高一貫とした取組ができるよう、県がリーダーシップを発揮すべきと考えます。教育長の御所見を伺います。

A  高田直芳 教育長

全ての教員のICT活用能力が向上するようどのように取り組んでいくのかについてでございます。
議員お話しの調査結果からは、ICT活用能力が高い教員はいるものの、市町村や学校単位で、ICT活用を組織的に進める取組が不足している可能性があるとの課題が見えてまいりました。
そこで、県では、調査結果をフィードバックする際に、全ての教員のICT活用能力の向上に向け、各学校に対して、校長をはじめ管理職がリーダーシップを発揮し組織的に取り組むよう依頼いたしました。
また、市町村に対しては、各学校の組織的な取組をしっかりと後押しすることを要請いたしました。
さらに、今後の取組が一層充実するよう、9月に作成した「ICT教育ガイドライン」を改訂し、学校の優れた指導事例の収集及び共有を図ってまいります。
加えて、県が中心となって、各市町村の担当者を集めたワーキンググループを近日中に立ち上げ、市町村の取組をしっかりと支援してまいります。
次に、デジタル教科書・教材について、今後、どのように予算を措置し、市町村を支援していくのかについてでございます。
現在、国においては、デジタル教科書の活用方策などについて検討が進められていると承知しております。
また、文部科学省の令和3年度概算要求では、実証事業としてデジタル教科書等の経費を国が負担するための予算要求が行われております。
こうした国の動向を踏まえながら、デジタル教科書の導入・拡大に向け、各市町村に対して、どのような支援ができるかについて検討してまいります。
さらに、市町村から相談があった場合には、デジタル教科書等の実践的な活用に関する指導・助言を行ってまいります。
次に、サブドメインを使用している市町村はいくつあるのか、なぜサブドメインに使用期限があるのか、県で発行したサブドメインを使用している市町村は、使用期限切れに伴い、財政負担が強いられることはないのかについてでございます。
県では、コロナ禍における児童生徒の学びの保障という観点から、令和2年7月にドメインを取得するとともに、利用を希望する市町村にサブドメインを割り当てております。
現在、29の市町村にサブドメインを発行しております。
今回のサブドメインの発行は、県がコロナ禍における緊急的な対応として経費を負担したものであるため、令和4年3月までの期限を設けて、各市町村に利用していただいております。
また、学校教育においてどのようなソフトウェアを活用するかは各市町村が判断しておりますので、ドメインに係る経費については、市町村に負担していただくことが原則であると考えております。
なお、現在発行しているサブドメインについては、新型コロナウイルス感染症の今後の状況等も見極めつつ、令和4年4月以降の延長の必要性についても検討してまいります。
次に、小中高一貫した取組ができるよう、県がリーダーシップを発揮すべきについてでございます。
議員お話しのとおり、ほとんどの中学生は高校に進学することから、小中学校で取り組んだICTを活用した学びを、高校で継続し発展させるためには、小中高を見通した情報活用能力の育成が重要であると考えております。
現在、ICTの環境整備として、小中学校では、GIGAスクール構想に基づき1人1台端末の整備が進められており、県立高校では、生徒所有の端末を活用する、いわゆるBYODによる1人1台環境の実現を目指しております。
今後、市町村との連携を一層強化するとともに、県がリーダーシップを発揮して、小中高一貫したICT教育の充実にしっかりと取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 


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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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