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掲載日:2023年12月20日

令和2年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(藤井健志議員)

不登校の児童・生徒の教育環境について - フリースクールへの助成について

Q  藤井健志  議員(自民)

文科省が本年公表した全国の小中不登校の児童・生徒は約18万人で、7年連続増の過去最多となりました。埼玉県でも平成30年度調査で約8,000人と、増えている現状があります。
不登校となった児童・生徒がひきこもりとなってしまうケースもありますが、民間のフリースクールを利用する児童・生徒も多いことは皆さん御承知のとおりです。フリースクールは公的な学校とは認められていないため、もともと通っていた学校に在籍したままフリースクールに通うことになりますが、在籍している学校長がフリースクールを不適切だと判断しない限り、出席扱いになります。フリースクールが半ば公的な役割を担っている、こういった側面があります。しかし、フリースクールやフリースクールに通う家庭への公費による支援はありません。
一方、文科省の調査によると、平成30年度に地方公共団体が1年間に支出した児童・生徒1人当たりの公立学校の経費は、小学校は約94万円、中学校は約113万円、全日制の高等学校は約111万円です。私立学校についても、本県では運営費補助金や父母負担軽減補助金などで助成しています。
フリースクールの学費は、文科省の調査によると平均で年額40万円ほどだそうです。このほかにも通学費やイベント参加費が別途で必要です。これらは全て不登校の親などの負担であり、その負担は決して軽くありません。しかも、フリースクールへ通うお子さんの親が支払った税金は通っていない学校へ還元されている一方で、フリースクールへの公費の投入はないため、いわば二重の負担になっているわけです。フリースクールが公的な役割を担っている側面があるにもかかわらず、このまま公的支援の格差を放置してもよいのでしょうか。
平成29年には、不登校児童・生徒への支援について初めて体系的に規定した教育機会確保法が施行されました。不登校が生じないような学校の環境づくりも重要ですが、同時に不登校の児童・生徒が教育の機会を失わないようにするため、多様で適切な学習活動の重要性などが規定されており、フリースクール等への充実した支援が国と地方公共団体に求められております。
そこで質問ですが、一点目として、フリースクールを含む、学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体施設や不登校児童・生徒及び家庭に関する詳細な調査を埼玉県で行ってはいかがでしょうか。その上で、二点目として、国に先んじて必要な財政支援を行うべきと考えますが、以上二点について、知事にお伺いいたします。誰一人として取り残さないという理念を具現化するために、是非前向きな答弁をお願いいたします。

A  大野元裕  知事

民間の団体・施設や不登校児童生徒および家庭に関する詳細な調査を行ってはいかがかについてでございます。
不登校児童・生徒への支援は、フリースクールなどの民間施設においても様々な取組がなされており、学校などの公的機関は、民間施設の取組の自主性や成果を踏まえつつ、連携を図っていくことが重要です。
こうした民間施設において相談や指導を受けている県内の公立小中学校の児童・生徒の数は、国の調査によれば、平成30年度で189人となっています。
これらの支援を行っている民間施設は、県が把握しているもので県内に12団体あります
今後、これらの団体や、不登校児童・生徒などを対象に詳細調査を実施するなど、実態の把握に努めるよう、教育委員会に伝えてまいります。
次に、フリースクール

に必要な財政支援を行うべきについてでございます。
フリースクールは、個人による経営からNPO法人や社団法人までその運営形態は極めて多様です。
また、児童・生徒への学習指導体制や施設の状況、学校教育との連携の在り方なども様々であります。
このため、フリースクール

 

への財政支援について運営上の透明性の確保児童・生徒への相談指導学習支援在り、あるいは市町村との役割分担など、様々な課題が存在すると認識しております。教育機会確保法案における国会の附帯決議においては、不登校児童・生徒の学校以外での多様な学習活動に対する、負担軽減のための経済的支援の在り方について検討することとされており、フリースクール

 

 

への財政支援には言及しておりません。まずは、実態を把握し、これらの課題を整理してまいります。

 

 

 

 

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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