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掲載日:2023年12月18日

令和2年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(高木功介議員)

教育環境のICT化促進について

Q  高木功介  議員(自民

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため今年3月から学校休業の際に、埼玉県立高校では、5月の段階でほぼ100%の学校が動画を配信できたと聞きます。これは大変誇るべきことだと思います。
先日、県立浦和第一女子高等学校を視察いたしましたが、浦和一女では動画配信数が8月までに1,600本を超えたそうです。学校休業中にその動画を活用して授業の先取り学習もし、授業再開のときには実際の授業より進んでいた生徒も少なくないとある教諭から伺い、大変感動いたしました。そうした好事例を埼玉県はもっと活用すべきではないでしょうか。
私が提言したいのは、まず、県立学校の補習用動画を作成することです。この動画は学習のレベル別に教科書などの著作権に抵触しないよう、オリジナルで作成することがポイントとなります。次に、その動画をほかの埼玉県立学校の全生徒もアクセスでき、視聴できる環境を整えるべきだと考えますが、教育長の見解を求めます。
実現することにより、六つのメリットがあると考えます。
一点目、自分に合った動画を視聴できます。自分の理解度によって、基礎を指導している学校のものから応用指導している学校のものまで自由に視聴できたら、教育の広がりばかりか、教育の底上げができます。
二点目、教育の格差がなくなります。いわゆる教え方がうまい教師の授業を幅広く提供できます。
三点目、貧富の差による教育の機会均等を是正できます。学校の復習のために学習塾に通わせられない生徒の救済になります。
四点目、緊急時の学習救済に役立ちます。
五点目、動画作成が難しい場合でも、他校の動画を活用することで相互補完の救済措置がとれます。
最後に六点目、繰り返し学習することができます。
以上、六点です。
また、オンライン学習の整備も併せて行うべきだと考えます。私も社会人大学院で研さんを積んでおりますが、4月以降、オンラインと動画配信の講義と討論で、実際にキャンパスで対面講義を受けたことは一度しかありません。オンライン講義の際には補助アプリケーションソフト、具体的には大学の教育支援アプリケーションソフト及びグーグルドライブや電子黒板、コミュニケーションツールSlackがあれば、ストレスなくできると実感いたしております。オンライン講義をフル活用している大学の説明によれば、こうしたオンライン環境は、10年前なら必要なアプリケーションソフトがなくできなかったが、今では全く問題がないと捉えております。
ICTの発展が、現在のコロナ禍における教育に対する被害を軽減しているとも言えます。そのため、人類がCOVID─19を克服したとしても、ニューノーマルという人類の新しい生活様式は変わることはないと思います。
教育についてもしかりです。オンライン授業は動画配信と違い、双方向です。そのため、コロナ禍のような世界の危機に限らず、台風などの災害時にオンライン授業に臨機応変に切り替えるよう平時から併用し、整備を進めるべきだと考えます。
現在、GIGAスクール構想により、各県立学校にはインターネットの接続環境が整っております。また、来春までに高校ではBYOD、つまり各自が所有するパソコンを使用し、ICT教育を受けられるよう整備いたしております。もちろん、このBYODも快適に環境整備ができるか注視していく必要はあります。しかし、とりあえずはそろいます。そして、先ほど申し上げた補助アプリケーションソフトの整備が整えば、すぐにでもできます。
そして、何よりもオンライン学習の活用として是非導入していただきたいのは、海外の高校や大学とのオンラインを使った授業であり交流です。かくいう私も、オンラインで海外の大学の講義を受け、研究者と議論を一日中いたします。お互いの共通言語が英語しかないので緊張感もあり、まるで外国にいる感覚に陥るほど一日中、英語漬けになることができます。
埼玉県立学校では、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の交流授業が毎年行われ、一人40万円程度の県支出で40人ぐらいが選抜され、渡航しております。今年はコロナ禍のため、オンラインで在米のハーバード大学出身者と交流を行う予定であると報告を受けております。
実際に海外に行くことは確かに意義深いものがありますが、オンラインで県立学校の学生が自由に参加し、ハーバード大学やMITの学生と交流や意見交換、又は大学のデモンストレーション授業を受けることができたら、人数に制限なく、何百人もの高校生が埼玉に居ながらにして海外の優れた知見に触れ、英語漬けになる機会、もっと言えば海外留学の体験ができると思います。しかも、費用はほとんどかかりません。教育の機会は均等であるべきです。選抜されたエリートばかりではなく、多くの県内高校生に機会を与えるべきだと考えております。
時差について問題があると言われるかもしれませんが、そのようなときはシンガポールがお薦めです。私もオンライン講義で経験がありますが、シンガポールは時差がたった1時間、お互いに全く問題がありませんでした。シンガポールも英語圏の先進国であり、ハーバード、MITにこだわる必要はなく、広い意味でオンラインを活用した留学体験を是非行ってほしいと考えます。教育長の見解を求めます。

A  高田直芳 教育長

補習用として動画をオリジナルで作成すること、その動画を他の県立高校の全生徒もアクセスし視聴できる環境を整え、活用すべきについてでございます。
新型コロナウイルス感染症に伴う臨時休業期間中、県立学校では生徒の学習保障の観点から数多くの学習動画や課題の配信を行いました。
学校再開後も、教科書の内容に基づいた動画を配信して、予習や復習に活用する学校があるなど、ICTを活用した学びが継続されています。
これまで県立高校で作成した動画の中には、議員御指摘のような広く高校生の学習に活用できる動画もございます。
そこで、これらの動画を有効に活用するためにも、各高校で作成した学習動画の中から、著作権に抵触しないよう十分配慮した上で、多くの高校生が活用できる動画を収集し、配信する手法等について検討してまいります。
次に、世界に目を向け、広い目でオンラインを活用した留学体験を行うことについてでございます。
現在、県立高校に高速大容量通信回線の整備を進めており、この回線を活用することで、緊急時のみならず平常時においても、同時双方向のオンライン学習が可能となります。
また、この環境を活用することで、海外での現地交流に加え、海外の高校や大学とオンラインでつなぎ、より多くの県立高校生が、現地の学生と意見交換や交流をすることができます。
来年の1月には、県の高校生海外派遣事業である「グローバルリーダー育成プロジェクト」において、オンライン上で高校生とハーバード大学の学生が「コロナ禍における社会の在り方」について意見交換する交流会を計画しております。
今後は、議員御提案のように、県立高校の生徒と海外姉妹校などの生徒とのオンラインによる交流を積極的に行ってまいります。
県といたしましては、今年度整備しているICT環境を効果的に活用することで、生徒の目を世界に向けさせ、グローバル社会で活躍できる人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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