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掲載日:2023年12月18日

令和2年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(村岡正嗣議員)

かけがえのない見沼田圃の保全と農業振興を

Q  村岡正嗣  議員(共産党

江戸時代、井沢弥惣兵衛為永により見沼代用水が開削され、新田開発されたのが見沼田圃です。現在では、さいたま市と川口市の2市にまたがる田園風景の広がる約1,260ヘクタールの大規模緑地空間として県民の憩いの場となっています。地区内には芝川と加田屋川が流れ、東西の縁には見沼代用水が引かれ、水辺や遊歩道、桜並木や公園が整備され、都市住民向けの農園整備もあり、水田体験やそばや芋づくり体験、また福祉農園など多様な活用がなされています。豊かな自然が残され県南地域における野鳥の宝庫として、貴重な自然学習の場ともなっています。
他方で、今や見沼田圃とは名ばかりで埋立てが進み、田んぼは全体の5%しか残っていないと言われています。
そこで伺います。
知事は、このかけがえのない見沼田圃をどう守り、次世代にどうつないでいくおつもりですか、お答えください。
もともと見沼田圃の大半は農地で、見沼3原則により土地利用が規制されてきました。急速な都市化の進行などから、見沼田圃の保全、活用、創造を図るとした新たな土地利用方針へと変わりました。現在、県は見沼田圃公有地化事業と農地中間管理事業を進めています。しかし、農家の高齢化と後継者問題、耕作放棄地の増加、更に排水河川の未整備、ごみの不法投棄など、現状は深刻です。
一方、農家にショウガの栽培を委託して発酵ジンジャーエールを生産、販売する取組や若い農業者による有機農業への挑戦も生まれるなど、新たな試みも見られます。課題は山積していますが、県として今後の見沼田圃の農業振興をどう推進していくつもりか、農林部長よりお答えください。
先日、私はさいたま市緑区の見沼代用水東縁周辺へ行き、農家から直接お話を伺いました。案内された畑では、道路境に街路樹のメタセコイアの巨木が連なり、メタセコイア街道と呼ばれています。農家の方からは、その巨木の根が水路を壊し、畑の中まで伸びてきている。トラクターの刃も折れてしまう、細かい枯れ葉が畑一面に落ちてホウレンソウなど葉物野菜では葉の間に入ってしまい大変だなど、深刻な訴えでした。
さらに、農業用の用水路及び排水路も深刻な状況です。各所で壊れ土砂で埋まり、水路としての機能を果たしておりません。水路の底が浅くて勾配が取れてない箇所もあります。また、農業車用の管理道路も未舗装箇所が多く、雑草が生い茂って車の通れない道路もあります。
農林部長に伺います。
こうした農業用インフラの実態把握を行い、改修計画を立て整備を図っていただきたい。
次に、見沼代用水東縁の五斗蒔橋から国昌寺橋区間に関わってです。各所に魚礁が設けられていますが、どれもごみや土砂が堆積してその機能を果たしていません。農家からは、「水自体は透明できれいなのだから、ごみや土砂は撤去して、世界灌漑施設遺産にふさわしい水路にして水を引けるようにしてほしい」との声です。この区間には緑のトラスト保全第1号地もあります。
そこで、原形保全区間にふさわしい水辺環境となるよう整備していただきたい。併せて、答弁を求めます。
最後に、河川改修についてです。
加田屋川の中野橋の上流と下流では様子が全く違うことに驚きました。上流に比べ下流は全く整備されておりません。農家の話では、台風や豪雨のときは周辺の畑はたびたび浸水被害となる、しかも補償は一切ない。バックウォーターもあって芝川との合流地点ではあふれやすく、改修してほしいと切実な要望です。「農業振興、就農支援といわれるが、これではつら過ぎる」との声でした。
加田屋川及び芝川の河川改修の今後の見通しについて、県土整備部長よりお答えください。

A  大野元裕  知事

見沼田圃をどう守り、次世代にどうつないでいくのかについてでございます。
見沼田圃は、首都近郊に残された数少ない大規模な緑地空間です。
農地だけではなく、緑のトラスト保全1号地などの斜面林や、見沼代用水などの水辺空間もあり、数多くの動植物が生息する豊かな自然にあふれ、広く県民に親しまれています。
県では、この見沼田圃を将来にわたり守っていくため、平成7年に、さいたま市、川口市と連携して「見沼田圃の保全・活用・創造の基本方針」を定め、その保全に取り組んでおります。
基本方針では、見沼田圃の治水機能を保持しつつ、農地、公園、緑地などとして土地利用を図ることとし、それ以外の土地利用を抑制することで、見沼田圃の保全を図ってまいりました。
また、平成10年には、県が土地の買取りや借受けを行って公有地化する事業をスタートさせ、農地として持続的に活用するスキームも導入しています。
しかしながら、近年は耕作放棄地も増加しつつあることから、新規作物の実証栽培などの農業経営に向けた施策も講じるなど、見沼田圃を取り巻く環境の変化にも対応してきたところです。
引き続き、見沼田圃の状況を注視し、さいたま市、川口市と十分に連携して必要な施策を講じるなど、その状況を踏まえながら適切に対応してまいります。
私は、埼玉版SDGsにおいても「埼玉の豊かな水と緑を守り育む」を重点テーマとしたところであり、この地域を治水・緑地・農業などの恩恵が感じられる空間として次世代に引き継ぐことは、我々の責務であると考えております。
現在の基本方針の基となった見沼3原則は、私の祖父が川口市長時代に申し入れ、昭和40年に県が策定したものです。
私は、その思いもしっかり受け継ぎ、見沼らしさを次世代につないでいくよう、かけがえのない見沼田圃を守ってまいります。

A  強瀬道男  農林部長

今後の見沼田圃の農業振興をどう推進していくのか、についてでございます。
見沼田圃は花・植木や野菜、水稲などの生産が行われるとともに、市民農園など、都市住民が身近に農業を楽しむ場としての役割も果たしています。
一方で、排水性が低く生産可能な農作物が限られることや、小区画ほ場により規模拡大が難しいことなどから、農業の担い手の確保が進んでいない状況があります。
見沼田圃の農業振興には、環境に適した高収益作物の導入などにより担い手を育成・確保し、農地を有効活用することが重要と考えています。
県では、これまでも湿害に強いさといもなどの栽培技術の向上を支援してまいりました。
現在は、にんにく、たまねぎなど収益が見込める新たな作物の導入試験を行っており、今後、試験結果に基づき普及拡大に取り組んでまいります。
また、担い手を育成・確保するため、青年農業者組織の活動支援や就農希望者への実践的な研修を行うとともに、農地中間管理事業による農地の集積を推進してまいります。
見沼田圃は首都近郊のまとまった農地であることから、今後とも、地元市や関係団体などと連携し、見沼田圃の農業振興に取り組んでまいります。
次に、農業用インフラの実態把握を行い、改修計画を立て整備を図ることについてでございます。
農業用用排水路や農道、農地などの農業基盤整備を行うためには、まず、関係する農業者の皆様に事業の実施について合意していただく必要があります。
また、事業費について農家の負担を軽減する地元市の支援も欠かせません。
20ヘクタール以上のまとまった農地であれば、市を通じて申請していただくことで県が事業主体となり調査や整備を行うことが可能です。
一方、小規模な区域であれば、市が事業主体となって整備を進めることも可能です。
農業基盤整備には、様々な手法がありますので、県としては地域の実情に応じた整備が実施できるよう支援してまいります。
次に、原型保全区間にふさわしい水辺環境となるよう整備することについてでございます。
見沼代用水東縁五斗蒔から昌寺までの約1.1キロメートルの区間は、水路、田んぼ、斜面林などの景観がすばらしく、原形のまま保全すべきとの要望が地元の市民団体などからありました。
このため、県では、昭和63年度までに、用水機能を確保しつつ、景観に配慮した改修を行うとともに、その後も護岸などの補修を行ってまいりました。
また、農業用水の通水や水質の支障となる大きなごみなどの撤去を行ってまいりましたが、昨年、世界かんがい施設遺産に登録されましたので、今後は、世界かんがい施設遺産にふさわしい水路として、よりきめ細かな管理に努めてまいります。

A  中村一之  県土整備部長

加田屋川及び芝川の河川改修の今後の見通しについてお答えを申し上げます。
加田屋川は、さいたま市が管理する準用河川であり、県が管理する一級河川芝川に合流する支川です。
このうち、芝川合流点から中野橋までの約2キロメートル区間について、芝川の河川改修に関連する工事は、県が行うこととなっておりますが、維持管理はさいたま市が担当しています。
昨年の令和元年東日本台風では、ご指摘のあった加田屋川ほか、芝川流域の多くの箇所で浸水被害が発生しており、流域全体で治水安全度を向上させる必要があると考えております。
このため、芝川では現在、加田屋川合流部から下流の区間において、治水上のネック箇所となっている念仏橋の架換えをさいたま市と進めるとともに、芝川第一調節池の整備を重点的に進めています。
今後の見通しについてでございますが、芝川においては、念仏橋架換えの用地買収に向けた調査や、芝川第一調節池の排水樋管の工事に令和3年度から着手する予定です。
また、加田屋川においては、まずは合流先である芝川の整備を進めることが重要であり、その進捗状況を踏まえ、県が行う工事の着手時期を検討してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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