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掲載日:2022年7月22日

令和2年12月定例会 意見書・決議

意見書・・・次の6件です。

決議・・・次の1件です。

 減収補塡債制度の対象拡充を求める意見書

世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、我が国にも甚大な影響を及ぼしており、経済の先行きは極めて厳しい状況にある。
東京証券取引所市場第一部に上場する企業の2020年9月期中間決算を発表した約1,300社の集計結果によれば、最終利益の合計額は前年同期比で約40%の減少となり、全体の4分の1に当たる約300社が赤字となったことから、地方税の中でも企業が納める法人事業税及び法人住民税の大幅な減収は避けられない状況にある。
地方税の収入が標準税収入額を下回る場合、その減収を補うために発行される減収補塡債があるが、この起債対象となる税目は、景気の動向に左右されやすい法人住民税法人税割、法人事業税、個人住民税利子割及び地方法人特別譲与税とされている。
しかしながら、減収補塡債の起債対象ではない税目、特に都道府県税の約3割を占める地方消費税においても大幅な減収が生じることが懸念されている。
よって、国においては、今般の新型コロナウイルス感染症のように社会情勢に大きな変化が生じ、全国的に大幅な減収が発生した際は、減収補塡債の対象とされていない地方消費税等の税目についても減収補塡債の対象とするよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和2年12月18日

埼玉県議会議長  田村  琢実

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣    様
財務大臣
総務大臣

 特定健康診査に歯科の項目を追加することを求める意見書

特定健康診査(以下「特定健診」という。)は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、国民の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のために、40歳から74歳までの者を対象に高血圧症、脂質異常症、糖尿病など生活習慣病であって、内臓脂肪の蓄積に起因する生活習慣病を発見するべく毎年実施されている。
さらに、特定健診の結果によっては、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる者に対して、保健師や管理栄養士などの専門スタッフが特定保健指導として生活習慣を見直すサポートを行っている。
生活習慣病は、一人一人が、バランスの取れた食生活や適度な運動習慣を身に付けることにより予防することが可能である。ところが、むし歯や歯周病、歯の喪失などの歯科口腔に関わる疾患等によりそしゃく機能や口腔機能が低下した場合には、野菜等の摂取は減少する一方で、脂質やエネルギーの摂取量が増加することで、肥満につながり生活習慣病のリスクが高まることが指摘されている。
また、誤嚥性肺炎や口腔がんなどの重大疾患及びフレイルは、歯科健康診査を受け、適切な口腔ケア等を行うことにより予防できるものもある。
一方、現在、40歳から74歳までの者を対象とした歯科健康診査は、健康増進法に基づく歯周病検診及び健康保険組合等が独自に実施する健康診査に委ねられているが、その実施状況が不十分であることが課題となっている。
これに対し、平成30年11月に政府の未来投資会議が行った「経済政策の方向性に関する中間整理」には、疾病の早期発見に向けた取組の強化に関し、「重症の歯周病を放置すると、糖尿病が発症する可能性があるとの指摘がある。現在10歳刻みで行われている歯科健診の機会の拡大、保健指導の充実とともに、歯科受診が必要な者については歯科医療機関への受診を促すなどの方策を検討する。」旨明記されている。
平成30年度における特定健診の受診者数は約2,940万人にのぼり、歯周病検診の受診者数である約35万人の84倍に相当する。したがって、特定健診に歯科の項目を組み込んで実施することで、特定保健指導の効果とも併せて、口腔の健康の増進につながり、ひいては国民の生活習慣病の予防に関して大きな成果を上げることが期待できる。
よって、国においては、国民の生活習慣病の予防に資するため、特定健診の対象項目に歯科の項目を追加するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和2年12月18日

埼玉県議会議長  田村  琢実 

衆議院議長
参議院議長       様
内閣総理大臣 
厚生労働大臣

 性犯罪に関する刑法の規定等の更なる見直しを求める意見書

性犯罪は、被害者の人格や尊厳を著しく侵害し、その心身に長年にわたり多大な苦痛を与え続ける犯罪である。
この悪質重大な犯罪に対しては厳正な対処が必要であるが、これまでの刑法の規定では不十分であるという声の高まりを受け、平成29年6月の刑法改正において、性犯罪に関する規定の見直しが行われた。
これにより、改正前より多くの事例が性犯罪と認定されるようになったが、被害者の意に反した行為であるという点は認められながらも加害者側が無罪となる判決が相次いだことなどから、更なる見直しに関する議論が活発化している。
特に、同意のない性的姿態の撮影行為(以下「盗撮行為」という。)については、近年、スマートフォンの普及、撮影機器の高性能化や小型化等により容易になるとともに、インターネット上やSNS等に拡散された盗撮画像は消去が困難であることから、影響が深刻化している。
盗撮行為は、刑法に犯罪として位置付けられていないため、主に各都道府県の迷惑行為防止条例で取締りが行われているが、盗撮行為が行われた場所によっては立件できない事例があったことなどにより、ここ数年、各都道府県において、盗撮行為の規制場所を拡大するための条例改正の動きが広がっている。
しかしながら、迷惑行為防止条例の目的は、いわば公衆レベルの「県民」生活の平穏等を保持するために、それを害する危険性のある行為を規制しようとするものであり、規制場所の拡大には限界がある。
そもそも、盗撮行為はいかなる場所においても許されるものではないことから、都道府県によって規制場所が異なるのは適当ではなく、その行為自体を性犯罪として刑法に位置付け、全国一律に規制すべきものであると考えられる。
よって、国においては、性犯罪に関する刑法の規定等について、被害者の視点に立ったより良い制度を実現するため、下記の事項を実施するよう強く要望する。

1 強制性交等罪や準強制性交等罪等における暴行、脅迫、抗拒不能等の要件の見直しについて検討すること。
2 監護者わいせつ及び監護者性交等罪における加害者の範囲並びに現行では18歳未満とされている被害者の年齢要件の拡大について検討すること。
3 強制わいせつ及び強制性交等罪における現行では13歳とされている被害者の性交同意年齢を引き上げること。
4 強制性交等罪における10年といった刑事訴訟法の公訴時効期間の撤廃を含めた見直しを行うこと。
5 盗撮行為を性犯罪として刑法に位置付けること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 

令和2年12月18日

埼玉県議会議長  田村  琢実 

衆議院議長
参議院議長       様
内閣総理大臣
法務大臣 

 不妊治療への保険適用の拡大等を求める意見書

日本産科婦人科学会のまとめによると、平成30年に不妊治療の一つである体外受精で生まれた子供は5万6,979人となり、前年に続いて過去最多を更新したことが分かった。これは実に16人に1人が体外受精で生まれたことになる。また晩婚化などで妊娠を考える年齢が上がり、不妊に悩む人々が増えてきていることから、治療件数も45万4,893件と過去最多となった。
国は、平成16年度から、年1回10万円を限度に助成する「特定不妊治療助成事業」を創設し、その後も助成額の増額や所得制限の緩和など段階的に拡充している。また、不妊治療への保険適用もなされてきたが、その範囲は不妊の原因調査など一部に限られている。保険適用外である体外受精や顕微授精は、1回当たり数十万円の費用がかかり何度も繰り返すことが多いため、不妊治療を行う人々にとっては過重な経済的負担になっている場合が多い。
国は、不妊治療の実施件数や費用などの実態調査を10月から始めているが、不妊治療は、早期に検査や治療を開始した方が、より治療の効果が高いため、保険適用の拡大及び所得制限の撤廃も含めた助成制度の拡充は、早急に解決しなければならない課題である。
よって、国においては、不妊治療を行う人々が、今後も安心して治療に取り組むことができるよう、下記の事項を早急に実施するよう強く要望する。

1 不妊治療は一人一人に最適な形で実施することが重要であるため、不妊治療の保険適用の拡大に当たっては、治療を受ける人の選択肢を狭めることがないよう十分配慮すること。具体的には、現在、特定不妊治療の助成対象となっている「体外受精」や「顕微授精」、さらには助成対象となっていない「人工授精」や「男性に対する治療」についても保険適用の対象に加えることを検討すること。
2 不妊治療の保険適用の拡大が実施されるまでの間は、その整合性も考慮しながら、所得制限の撤廃や回数制限の緩和など既存の助成制度の拡充を行うことにより、幅広い世帯を対象とした経済的負担の軽減を図ること。
3 不妊治療と仕事の両立ができる環境を更に整備するとともに、相談やカウンセリングなど不妊治療に関する相談体制の拡充を図ること。
4 不育症への保険適用や、事実婚の者への不妊治療の保険適用、助成についても検討すること。
5 若年者などに向けて行政が一体となり不妊治療に関する意識啓発や検査を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和2年12月18日

埼玉県議会議長  田村  琢実 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
一億総活躍担当大臣                  様
少子化対策担当大臣
全世代型社会保障改革担当大臣
女性活躍担当大臣
男女共同参画担当大臣

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策が世界最高水準と評価されている台湾の世界保健機関(WHO)への参加を求める意見書

台湾は、我が国にとって経済や観光など様々な分野で深いつながりがあり、強い信頼と友情で結ばれた重要なパートナーである。本県議会においては、令和元年6月に「埼玉県議会日台友好議員連盟」が活動を再開し、その一環として、このコロナ禍において台湾の屏東県から多くの貴重な医療用品が本県に寄贈されるなど、友好のための交流活動が始まったところである。
本県のみならず、全国的にこのような国際交流の進展が図られる一方で、中国の武漢市より発生した新型コロナウイルス感染症などの国境を越える感染症の拡大に対しては関係各国・地域との連携がより一層必要であり、今後、感染症の世界的流行から多くの命を救うためには、感染拡大防止対策が世界最高水準と評価されている台湾をはじめ、世界中のあらゆる情報・知見を総動員して対処していくことが重要である。
世界保健機関(以下「WHO」という。)憲章では「人種、宗教、政治信条や経済的、社会的条件によって差別されることなく、最高水準の健康に恵まれることは、あらゆる人々にとって基本的人権の一つである」と掲げられている。
しかしながら、平成21年から平成28年までの間、WHOの年次総会へのオブザーバー参加を認められていた台湾を、平成29年以降排除してきたことは、この憲章の基本理念に反するものであり、いかなる理由があっても特定の国や地域がWHOへの参加を妨げられてはならない。感染拡大防止について最も成功している台湾の知識、経験、情報、知見等を共有することができれば、国はもとより、本県の感染防止対策にも有益なものになると考えられる。
よって、国においては、台湾のWHOへの参加を実現するため、台湾の参加支持を表明している米国や欧州などの世界各国・地域と連携し、WHOへの働き掛けをより一層強化するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和2年12月18日

埼玉県議会議長  田村  琢実 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣    様
外務大臣
厚生労働大臣

 政治分野における女性の活躍の更なる促進を求める意見書

少子高齢化の進展や複雑化・多様化する社会情勢の変化に対応した活力のある社会を実現していくためには、女性の活躍が必要不可欠であるが、我が国では他国と比較して女性の社会進出が遅れている。
令和元年12月に世界経済フォーラムが公表した「世界ジェンダー・ギャップ報告書」では、経済、教育、保健、政治の4分野14項目における男女格差の状況を指数化し、国別に順位が付けられているが、日本は先進7か国(G7)では最下位となる世界153か国中121位であり、分野別では特に「政治分野」が144位と最も低かった。
国は、平成27年に定めた第4次男女共同参画基本計画において、衆議院議員及び参議院議員の各選挙における候補者に占める女性の割合について平成32年(令和2年)までに30%を目指す、との目標を掲げて取り組んだ。
次いで、平成30年に議員立法により制定・施行された「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」においては、衆議院議員、参議院議員及び地方議会の議員の選挙において、男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指して行われるものとすること等を基本原則としつつ、政党その他の政治団体は基本原則にのっとり、公職の候補者の数について目標を定めるなど、自主的に取り組むよう努めるものと規定された。
しかしながら、女性が議会で働きやすい環境整備が進んでいないこと等から、本年6月現在の我が国の国会議員の女性比率は衆議院が9.9%、参議院が22.9%にとどまり、また、令和元年12月現在の地方議会の議員における女性比率は、都道府県議会は11.4%、市区議会は16.6%、町村議会では11.1%となっていることが課題となっている。
平成30年に国が公表した「政治分野における男女共同参画の推進に向けた地方議会議員に関する調査研究報告書」によれば、立候補や議員活動に伴って仕事を辞めることが経済的に課題となっている者も一定程度存在する。地方政治への女性の参画しやすさの条件を整えることは、性別を問わず参画しやすい条件を整えることにもつながる。
よって、国においては、政治分野における女性の活躍の更なる促進を図るため、下記の事項を実施するよう強く要望する。

1 立候補や議員活動における経済的負担を少なくする観点から、一般の被雇用者が仕事を続けながら議員活動ができるようにする、いわゆる他の職業との兼業をしやすくする仕組みを設けること。
2 国会において、育児を理由とした会議の欠席を認めるなど、議員活動を休止しやすくする制度を設けるとともに、地方議会においても同様の制度を設けることを国が推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和2年12月18日

埼玉県議会議長  田村  琢実 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣                     様
内閣官房長官
一億総活躍担当大臣
女性活躍担当大臣
男女共同参画担当大臣

 科学的根拠を生かした新型コロナウイルス感染症対策を求める決議

本年11月以降の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、県は、大規模な繁華街を抱える地域で酒類を提供する飲食店及びカラオケ店に対し、営業時間を午後10時までに短縮することを要請する方針を決定した。
対象エリアは、さいたま市大宮区、川口市及び越谷市、要請期間は、12月4日から同月17日までの14日間、営業時間は午前5時から午後10時までとし、要請に応じた店舗には、「埼玉県感染防止対策協力金」として28万円を支給することとしている。
また、県民に対する協力要請として、営業時間の短縮を要請している該当地域の酒類の提供を行う飲食店及びカラオケ店を午後10時以降は利用回避するよう求めている。
大野知事は、要請の理由に関し、12月1日に開催した新型コロナウイルス対策本部会議において「期間、対象地域、対象店舗を限定したのは、感染拡大を防止しつつ経済への影響を限定すべく検討した結果である」と述べるにとどまっている。
県は、緊急事態宣言後の4月17日から6月16日までにおいても、飲食店に対して、酒類の提供時間制限を要請したが、この要請が感染拡大防止にどの程度の効果をもたらしたのかの検証が不十分であると思われる。
このため、今回の要請が新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止にどの程度の効果をもたらすのか不明確である。
直近では、日常的に県内との往来が多い東京都内での感染状況が悪化し、新規感染者数が過去最多を更新していることから、対策を強化する必要性はあるが、要請の対象となる飲食店及び県民の側からすれば、対象地域及び対象業種の選定の仕方などについて、県側から明確な根拠や効果が示されなければ、要請に応じるかどうかの重要な判断材料が与えられないまま対応を求められることになる。
よって、本県議会は、県に対し、新型コロナウイルス感染症対策の検証を引き続き実施するとともに、今後は、検証の結果により得られた科学的根拠を生かした対策を実施するよう強く求める。
以上、決議する。

令和2年12月2日

埼玉県議会  

  • 注意:議員の氏名の一部にJIS規格第1・2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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