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掲載日:2023年10月17日

令和2年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(飯塚俊彦議員)

流域下水道の維持管理負担金の地域格差について

Q  飯塚俊彦  議員(自民

たびたび指摘されている埼玉県の南北問題、その一つ、流域下水道の維持管理負担金があります。このことについて、平成29年12月定例会でも一般質問させていただきました。その際には、下水道事業管理者から、格差を解消する対策として、包括的民間委託の導入による維持管理コストの縮減や太陽光発電の収益の活用などに取り組むと御答弁をいただきました。
そこで、その後の状況について改めて質問させていただきます。
さて、流域下水道は、市町村が建設、維持管理をしている公共下水道の汚水を集め、都道府県が流域単位でまとめてスケールメリットを生かし、汚水を処理するために建設、維持管理する下水道で、県内には8つあります。私の地元である本庄市は、神川町、上里町、美里町とともに利根川右岸流域下水道に接続しておりますが、流域下水道として運転開始した平成21年度には21.9%であった下水道普及率が、平成30年度末には42.7%と2倍近くに増加しました。
利根川右岸流域では、県の流域下水道の整備と地域の公共下水道の整備が相まって進んでおります。地域住民の快適な生活環境や安全な生活を支える重要なインフラとして、流域下水道が果たす役割は非常に大きいものであります。利根川右岸流域では、この維持管理負担金が令和元年には1立方メートル当たり72円から83円に引き上げられました。さらに、県内の8つの流域の維持管理負担金を見ると、一番安い荒川右岸流域の32円と、一番高い荒川上流流域の99円では3倍以上の開きがあり、県南地域と県北地域では大きな差が生じています。
快適な生活環境の維持や県民の水源となっている利根川や荒川をはじめとする河川の水質の保全などの対価として、受益者負担の考え方に基づき、必要な汚水処理に係る経費を流域関連市町を通じて県民に御負担いただくことは理解します。また、その負担に際して地元市町が行う公共下水道未接続世帯への働き掛けによる接続率の向上、老朽化した農業集落排水の公共下水道への接続など、下水道を利用する住民を増やす努力も必要であることも十分に理解するところであります。
しかしながら、下水処理人口は増加しているものの、今後、本格化する人口減少社会による水量の減少によってスケールメリットが働きにくくなり、今生じている単価差が更に広がっていくことが懸念されます。特に、県北地域は県南地域よりも人口減少のスピードが早く、また減少の度合いも著しいと考えられていることから、地元からはこれら負担がどんどん増えていくのではないかという心配の声も聞かれております。
そこで、次の2点について下水道事業管理者に伺います。
まず、汚水処理に必要な経費を御負担いただくという点に対し、維持管理負担金の改定について、県内の各流域のここ3年間の改定状況と改定による効果がどうなっているのかについて伺います。
次に、前回、一般質問にて御答弁いただきました単価差縮小の取組が、現在、どのような状況にあるのかをお伺いいたします。

A  今成貞昭  下水道事業管理者

まず、「県内各流域のここ3年間の維持管理負担金の改定状況と改定による効果について」でございます。
流域下水道の維持管理負担金は、概ね5年ごとに見直しを行っております。
見直しに当たっては、向こう5年間の見込みの汚水の処理経費を、処理水量で除して単価を算出しております。
ここ3年の改定状況ですが、平成30年度は改定対象流域がありませんでした。令和元年度は荒川左岸北部流域で据置、荒川上流流域で92円を99円に、利根川右岸流域で72円を83円に改定しております。
また、令和2年度は、荒川左岸南部、荒川右岸、中川の3流域でそれぞれ据え置いております。
荒川上流流域、利根川右岸流域の単価引上げは、約20億円ある累積赤字の拡大を抑止し単年度収支を均衡させるものとして、流域関連の市町と協議を重ねて、合意をいただいたものでございます。
改定の効果についてでございますが、改定を行った荒川上流流域は単年度収支が黒字に転換、利根川右岸流域は、依然単年度収支は赤字であるものの、その赤字幅が引上げ前の約7,000万円から約1,600万円に縮小しております。
次に、「単価差の縮小に向けた取組の現在の状況について」でございます。
県北地域にある荒川上流流域と市野川流域で平成18年4月から、また、利根川右岸流域で平成30年3月から、民間活力を積極的に活用した包括的民間委託を導入いたしました。
また、中川水循環センターと小山川水循環センターで平成28年10月から開始した太陽光発電の売電益について、累積赤字のある荒川上流と利根川右岸の2流域に充当することで全8流域の47市町から合意をいただきました。
これを受けて、令和元年度までの3年6カ月における売電益約1億4,000万円を累積赤字に充当しております。
さらに、議員御指摘のとおり、流域下水道事業の経営の安定化については、接続率の向上など流域関連市町における処理水量の増加も欠かせません。
そこで、下水道局では、深谷市、久喜市、本庄市、美里町などの農業集落排水の公共下水道への接続を支援し、処理水量の増加に鋭意努めております。
今後ともこうした様々な工夫を凝らしながら、単価差拡大の抑制にしっかりと取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

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