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掲載日:2023年10月23日

令和2年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(柳下礼子議員)

感染症対策の教訓、医師・看護師不足の解消が急務

Q   柳下礼子  議員(共産党)

コロナ対応で医療崩壊寸前となった本県がくみ取るべき重要な教訓は、医師不足の解消です。4床の第2種感染症病床を持ち、感染症対応に追われる東松山市民病院は、「この間、医師集めに奔走している」と語っています。
私の地元、所沢市民医療センターは、休日、夜間、深夜の小児一次救急で地域の二次救急医療の下支えをしながら、PCR発熱外来も行い、コロナ対応に全力を挙げています。訪問したところ、「今、何としても小児科2名、放射線科と内科医師を合わせて3名の増員が必要です」と切実に訴えをいただきました。この所沢市民医療センターの必死の要望に応えて医師派遣の支援を求めますが、保健医療部長と病院事業管理者、お答えください。
埼玉県の10万人当たりの医師数は169.8人、全国平均は246.7人で、本県は最下位です。長期にわたる医師不足を支えてきたのは、東京都など近隣自治体への医療体制依存です。コロナまん延時、東京の医療機関が危機的な状況に陥りました。東京依存の医療体制では、都市部を中心とした感染症に対応できないということは、この中ではっきり示されたと思いますが、知事、これをどのように認識しているのか、御答弁を求めます。
もちろん、県はこの間、懸命に医師確保に取り組んできました。県内医学部に通う医学生への奨学金、県内出身者で県外医学部に通う医学生への奨学金制度により、医師が育成されつつあります。来年はいよいよ研修を終えた奨学金第1期生の医師たちが、県内医療機関で働き始めます。
奨学金と同時に、臨床研修医と後期研修医にも研修資金貸与制度があります。党県議団は、繰り返し医学生奨学金制度の拡充を求めてきましたが、研修医確保も重要な政策です。現在、県内39病院で後期研修医枠は749人ですが、4割の343人しか埋まっておりません。多くの研修を終えた医師が他県へ流出しています。先日、懇談した埼玉医科大学病院でも、後期研修医を確保するための支援を訴えられました。後期研修医研修資金貸与制度の募集人員を増やすべきと考えますが、保健医療部長、お答えください。
しかし、これだけの努力を続けても、全国最低という医師比率は脱することはできません。党県議団は、この間、県立大学への医学部設置を諦めるべきではないと主張してきました。厚労省は逆に医学部定員削減を打ち出そうとしておりますが、岩手など6県の医師不足県の知事たちが立ち上がり、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会を設立しました。知事もこの動きに呼応し、大県でありながら公立の医学部を持たない本県の医学部定員の増を強く国に働き掛けるべきです。知事の答弁を求めます。
また、本県看護師の10万人当たりの数は全国第45位で、看護師不足も喫緊の問題です。初めに、保健医療部長、看護師の確保方策について答弁を求めます。
本県で勤務する看護師育成のための奨学金制度は、貸与はありますが、かつてあった県内指定医療機関への勤務条件付き奨学金制度は廃止されました。コロナ禍の中で保護者が失業するなど、看護学生の生活も激変しています。コロナ禍を機会に修学を断念するようなケースが生まれてはなりません。せめて家計激変家庭への修学制度を創設すべきと考えますが、知事の答弁を求めます。

A  大野元裕  知事

 

 

東京依存の医療体制では都市部を中心とした感染症に対応できないということが、この中ではっきり示されたと思うが、どのように認識しているのかについてでございます。
新型コロナウイルス感染症患者の受入病床については、県外に依存せず県内で整備していくこととしています。
そこで、これまでも1,201床を確保し、県民の入院患者に対しては、基本的には県内の医療機関で対応しております。
今後も、ピーク時に備えて必要となる1,400床を県内医療機関で確保してまいります。
次に、6県の医師不足県の知事たちが立ち上がり、「地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会」を設立したが、この動きに呼応し、本県の医学部定員の増を強く国に働き掛けるべきについてでございます。
この知事の会につきましては、埼玉県はオブザーバーとして参加しており、今後の動向を注視してまいります。
他方、これまでも県独自で、「医師少数都道府県」に指定された地域や医学部定員が少ない地域については、医学部新設の対応を講じるよう国に働き掛けています。
また、全国知事会を通じても、地域における医師確保のため、既設医学部の定員増など、国に要望をしているところです。
急速な高齢化に伴い、医療需要の急増が見込まれる本県においては、医師確保は喫緊の課題であり、引き続き全力で取り組んでまいります。
次に、コロナによる家計激変家庭への就学制度を創設すべきについてでございます。
看護学生の家計激変家庭への就学制度につきましては、コロナ禍の状況を受けて、国の大学

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

の無償化制度や日本学生支援機構の奨学金制度について、対象世帯の拡充や貸与額の引き上げが行われております。また、本県の育英奨学金につきましても、例年6月を締め切りとしている申請期間を現在でも延長しており、利用の拡大を図っております。
お困りの学生の方は、是非、こうした制度を活用していただき、就学を継続した上で、看護職員となっていただきたいと考えております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A  関本建二 保健医療部長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所沢市民医療センターの必死の要望に応えて、医師派遣の支援を求めるについてです。
医療法に基づき、救急医療における初期救急医療及び二次救急医療については市町村の役割であり、県の役割は、小児二次救急及び三次救急医療とされています。
県は小児二次救急の下支えとして、初期救急に対応している所沢市民医療センターへ、平成22年度から大学病院の小児科医師を派遣しています。
また、派遣先病院である所沢市民医療センターに対しても、派遣医師に支払う当直費用の一部を補助しています。
市町村には地域の初期医療から二次救急医療体制を確保していただき、県としては周産期医療や小児二次救急、救命救急医療など、地域に必要な医療体制の確保に努めてまいります。
次に、後期研修医研修資金制度の募集人数を増やすべきについてです。
初期研修から後期研修への定着や、県外からの後期研修医の獲得は、今後の医療を担う若手医師を確保する上で大変重要であると考えます。
このため、後期研修医研修資金の新規貸与枠については、令和2年度は昨年度の8人から2人拡充し合計10人としました。
今後の後期研修医の確保状況をふまえ、後期研修医研修資金制度の充実について検討してまいります。 
次に看護師の確保方策についてでございます。
看護師確保については、まず看護師養成所の運営支援による「新卒看護師の確保」や、結婚や出産などで一旦職を退いた「潜在看護師の復職支援」により、量的確保に取り組んでおります。
また、新人看護師の離職や出産・育児を機会とする離職を防止するため、新人看護師の現場能力を高める研修や、院内保育所の整備や運営に対する支援を行っております。
こうした取組により、人口10万人当たり看護職員数は、937.5人で東京都とほぼ同数まで来ましたが、なお一層の確保に努めてまいります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A  岩中督  病院事業管理者

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所沢市民医療センターの必死の要望に応えて、医師派遣の支援を求めるについてお答えを申し上げます。
現在、県立病院では県の政策医療である小児救急医療を支援するため、県北部の医療機関へ休日夜間に医師を派遣しております。
こうした医師の派遣は大変重要ですが、9月末現在4病院全体で21人の欠員があることから、さらに地域の医療機関へ医師を派遣することは、現状では難しい状況です。
医師を派遣して地域医療機関を支援するためには、先ずは県立病院が医師を確保する必要があります。
県立病院は来年4月の地方独立行政法人化に向けて、法人の独自性を発揮できる制度の利点を活かし、医師の確保に向けた検討を進めています。
医師にとって魅力的な高度専門医療の提供や、スキルや経験を評価する専門医制度を給与に反映できる仕組みや年俸制の導入などにより、優れた医師を確保したいと考えております。
医師から選ばれる病院づくりを進めて早期に医師を確保し、県立病院が地域医療機関との連携のもとに専門性の高い医師を派遣することで、地域医療に貢献してまいります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再Q   柳下礼子  議員(共産党)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所沢市民医療センターに医師派遣をと、現在は5人の医師が足りないということを質問で言いましたけれども、病院事業管理者にお聞きします。
公立4病院で現在、医師が欠員しているということで、医師確保に向けてこれから頑張っていくということで、市民医療センターには現在、大学病院から1名のドクターを派遣して、そこに給与も出しているということなんですけれども、今、国の動きが公立病院を縮小したり廃止したりとか、こういう動きもある中で、やはり県立小児医療センターが新都心に移転するときにも、便利になるから医者も大変集まってくるし、そういう面では足りない小児救急の医師をあちこちに派遣できるという、こういうこともあったわけですね。そういう面では、県としての二次救急に責任があるけれども、実際にはそこに埋まっていないというところを一次救急で頑張ってきたのが、所沢市民医療センターでもあるわけです。
ですから、現地の状況を聞きながら引き続きの増員をお願いしたいと思いますが、この点、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再A  岩中督  病院事業管理者

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小児医療センターはさいたま新都心に移転したことにより、小児科医の集まりが良くなってきていると認識しております。
また、小児科医の専門研修の基幹病院に指定されたこともあり、若い医師が公募に応じて来るようになりました。
しかし、現時点では十分潤沢といえる数が集まっているわけではないことから今後しっかりと小児医療の関係者を集め、その上で公益性の高い業務に関しては医師派遣を含め、対応を考えてまいりたいと考えております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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