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掲載日:2020年3月31日

令和2年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(醍醐   清議員)

保育園・幼稚園等におけるICT化の推進について

Q   醍醐   清  議員(県民

去る1月27日、福祉保健医療委員会では川口市内のフォーマザー西立野保育園を視察されました。この保育園は、県が取り組んでいるIoT・AI等を活用し、保育士の業務負担軽減と保育の質向上を目指すスマート保育園の実証実験のモデル園となっております。この保育園での具体的な取組としては、園児のお昼寝中の体動や体の向きを記録する午睡チェック、スマート体温計により収集した情報を分析し子供の健康状態の異変を早期感知する見守りAI、園での様子を撮影したものや音声録音のデータをAIが処理することで効率的に日誌を作成するスマート日誌などがあります。実際に保育園にお話を伺いましたところ、「保育士として働き方の負担が多過ぎて人手が足りない。IoT・AIを活用することにより、心と時間をサポートすることができている」と、導入の効果がしっかり出ているとのことでした。
国は、業務のICT化を行うためのシステム導入に保育対策総合支援事業費補助金を創設し、保育士の業務負担軽減を図っております。私は、埼玉県でもICT化を推進し、埼玉県の保育園はどこでも「ICT化が進んでいて働きやすい」という評価を得ることが、県に保育士を呼び込む一助になるものと考えます。
以上を踏まえ、2点伺います。
まず、ICT化を導入している保育園は、まだまだ少ないと思われます。現在の県内の保育所では、ICT化の導入はどれくらい進んでいるのでしょうか。また今後、保育園等におけるICT化について県としてどのように推進していくのでしょうか。以上、福祉部長の御所見をお伺いいたします。
また、幼稚園におけるICT化の支援について、今度は総務部長にお伺いします。
幼稚園教諭も、また厳しい人材不足の状況にあります。県内の私立幼稚園においては早朝や朝夕の預かり保育も含め、11時間以上の保育を行い、また夏休みなどの長期休暇においても同じ時間、携帯で預かり保育を実施している園もあり、運営側の負担は年々増しています。加えて、昨年10月に国の幼稚園無償化が開始したことを受け、新年度の園児募集が定員を大きく超過する幼稚園も発生しております。新年度は例年以上に現場の負担が増し、職員不足が喫緊の課題となっております。
そうした中、県では私立幼稚園ICT化支援事業として、国費を財源として平成30年度からICT化を推進し、現場の負担軽減を進めています。しかしながら、この2年間で県下460園ある中で実際に事業に手を挙げたのは、100園に満たない状況とのことです。こうしたICTの導入は、保護者にとっても有意義な取組であります。「今まで電話や連絡帳でのやり取りだった園側との連絡が取りやすくなり、情報も速報性が増し、ペーパーレス化されて情報の整理もしやすくなった」と言います。県民向けの子育て支援策として有益であることを申し添えたいと思います。
以上を踏まえ、さきの保育園の場合と同様、幼稚園のIT化を更に推進する必要があると考えますので、総務部長の御所見をお伺いいたします。

A   知久清志   福祉部長

保育園におけるICT化の推進についてお答えを申し上げます。
まず、県内の保育所等におけるICTの導入状況についてでございます。
保育所におけるICT化は、保育士の業務負担を軽減し、保育の質の向上につながるだけでなく、子どもの事故防止や保護者の利便向上にも役立つことから、県として積極的に推進していくべきと考えています。
しかし、保育現場では、保育日誌の作成や子どもの健康状態の記録など未だ手書きで行っているところが多くあります。
県ではこうした実態を把握するため、令和元年度、県内の保育所を対象に、ICTの導入状況について抽出調査を実施しました。
その結果、タッチパネルやカードを利用して子どもの登園や帰りの時間を記録するシステムが一番利用されていましたが、それでも34%に留まっています。
また、スマートフォン等で保護者と保育所が連絡を行うシステムの利用が29%、子どもの活動や健康状態などを記録するシステムが23%となっており、ICTの導入が進んでいるとはいえない状況です。
次に、保育所におけるICT化をどのように推進していくのかについてでございます。
保育所におけるICT化を推進するには、まず園長などの管理者がその有効性について認識することが必要です。
このため、令和2年度、管理者を対象とした研修のメニューにICT化セミナーを新たに加え、保育所で利用できるシステムや先進事例を紹介するなどICTに対する理解を深めてまいります。
また、ICT導入に係る経費の一部を支援する国の補助制度について、少子化対策協議会や市町村担当者説明会などを通じて市町村へ積極的に働きかけ、保育所におけるICT化を進めてまいります。

A   北島通次   総務部長

幼稚園におけるICT化の支援についてお答えを申し上げます。
幼稚園におけるICT化は、保護者からの連絡への対応、業務日誌や指導計画の作成、そして出欠の記録や会計処理など様々な事務を効率化し、教職員の事務負担を軽減する手段として非常に有効と考えます。
事務負担の軽減によりまして、本来業務である子供の教育活動に専念できる時間を増やすことが可能になり、教育の質の向上にもつながります。
県では、私立幼稚園におけるICT化を促進するため、平成30年度から業務改善を支援するシステムの導入に必要な経費を補助しております。
この補助金を活用いたしまして、これまで県内88の幼稚園がシステムを導入、又は年度内の導入に向けた準備を行っておりますが、議員御指摘のとおり、それでも全私立幼稚園467園の2割に満たない状況です。
一方で、実際にシステムを導入した幼稚園からは、欠席連絡等にアプリを活用することで電話対応などの業務が減り、子供に向き合う時間を確保できるようになった。
また、行事の中止連絡、災害時の緊急連絡など、正確な情報を迅速に配信することで、保護者はいつでもどこでも情報が受け取れるようになり、利便性がアップしたなどのお話を伺っております。
幼稚園におけるICT化を推進するためには、このようなシステムのメリットを現場の教職員に理解していただくことが重要となります。
今後は、システム導入の先進的な取組を事例集にまとめ、職員が幼稚園を訪問する際に直接説明をするとともに、教職員が集まる会議などで紹介をしてまいります。
また、ICT化の効果につきまして幼稚園に理解を深めていただけるよう、関係団体と連携して、システム活用のセミナーや研修等の開催を検討してまいります。
県としては、幼稚園だけではなく保護者や園児にも大きなメリットがあるICT化の推進に向け、しっかりと取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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