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掲載日:2020年3月31日

令和2年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木下博信議員)

知事の基本的考え方について - 県と市町村の関わりについて -

Q   木下博信  議員(自民

県は、市町村の上部組織なのか、対等・共同する存在なのか、どちらの認識を持たれているのかということです。
2000年施行の地方分権一括法で、国と地方の対等の関係が明確にされました。だから、「対等・平等です」という答えになるかもしれませんが、法的に担保されている一方で、現実がどうかが問題です。
例えば、「市町村を支援」という表現を多用されています。「支援」「復興支援」等、一見対等に見える言葉です。しかし、それは外から行う支援だから対等な関係に感じるのです。市町村民に対して、埼玉県は外の存在なのでしょうか。違うはずです。全員、埼玉県民です。だから、「市町村を支援する」という言葉を聞くたびに、対等なのではなくて応援してくれる他人、更に言うと、地方分権一括法以前の上から目線が漂ってくるのです。この「支援」という言葉、知事はどうお考えになりますか。
さらに、市町村の多様性をどう考えられるのか伺います。
私の住む27.45平方キロしかない草加市でさえ、地域によってコミュニティの在り方や歴史的風土、市民の感覚は千差万別です。その地域特性を生かすように、それぞれの活性化や住みやすさをつくり出していく方策は、違ったものにしていく必要があるのです。埼玉県は3,798平方キロ、市町村が63もあります。草加市内ですら同じような手法では十分でないのですから、埼玉県内全てに同じやり方が通用することはあり得ません。知事は、そのことを認識して全県的な施策を立案、実施すべきであると考えるのですが、どうお考えでしょうか。市町村全ての状況が違うことを踏まえて、地域特性を生かした施策を立案、実施するのか、一律の施策を全県的に実施することをいとわないのか、お答えください。
そして、就任間もないからこそ伺いたいことですが、市町村長の本音を引き出す方策は何か考えているでしょうか。
直球で何でも言える市長はたくさんいます。しかし、よほど知事が謙虚に耳を傾ける姿勢を持って聞く場を設けない限り、本音は出てこなくなります。県と市町村の現実のバランスを考えれば、市町村を豊かにしていく責任者としての首長は、利益を最大化する大人の判断をするかです。現場で生じる問題・課題、市町村から見た県の課題、こうしたものを円滑に改善していくために、知事と市町村長が本音で課題を議論し合える場を設け、県と市町村が一体化して県民の幸せをつくり出していく関係性、生み出していく絶好の機会は、今しかないと考えます。いかがでしょうか。

A   大野元裕   知事

県は市町村の上部組織なのか、対等・協働する存在なのか、市町村を支援するという言葉をどう考えるのかについてでございます。
県は広域自治体として単独市町村では実施することが困難な広域にわたる事務を担い、市町村は基礎的自治体として基本的に住民に身近な事務を担っています。
私は、県と市町村はこのように役割を分担しているのであり、上下関係ではなく、あくまで対等・協力の関係にあるというふうに考えています。
その上で、広域自治体ならではの立場に基づいて、あくまで補完する視点から「支援」をすることもあるというふうに考えているところでございます。
具体的には、モデルとなる先導的な市町村の取組について横展開を図ることや、広域的な視点から市町村に先進事例を提供することは、県の果たすべき役割、支援の一つの例であると考えます。
次に、市町村の多様性をどう考えるのか、そのことを意識して全県的な施策を立案実施するのかについてでございます。
議員御指摘のとおり、埼玉県は全63市町村と全国でも3番目に多くの市町村数があり、自然豊かな山間部から都市の魅力にあふれた平野部まで個性豊かで様々な地域特性を持つ県と思います。
そのため、例えば地域振興や観光振興などの分野では、地域の実情に応じた柔軟な発想と創意工夫がより必要になると考えます。
このため、埼玉県5か年計画では、体系的に整理した分野別施策とともに、地域の施策展開として県内を10の区域に区分し、地域ごとに進めるべき重点施策を整理して取組を示しています。
その一方で、少子高齢化や持続可能な社会の構築といった社会的課題については、どの地域でも直面する可能性があり、例えば、子育て世帯への支援やCO2削減といった施策については、全県的に施策を進める必要がより高いというふうに考えます。
県といたしましては、全県的な共通施策と地域ごとの施策を適切に組み合わせて、市町村と協働しながら、地域の豊かな個性が発揮できるよう施策を展開してまいります。
次に、市町村長の本音を引き出す方策は何か、本音で課題を議論し合える場を設けてはどうかについてでございます。
「県民本位・県民が主語の県政の推進」のためには、県民に最も身近な市町村長の皆さんと本音で議論することが重要であると認識しています。
これまでも、市町村から提案のあったテーマについて市町村長と直接意見交換を行う「市長会議」、「町村長会議」を開催しており、私もこうした機会に本音の議論を交わしたいと考えています。
しかしながら、市町村ごとの現状や課題は個々に異なるため、こうした会議の場だけでは十分ではない場合もあると思います。
このため、令和元年東日本台風の際には、直ちに被災地を訪れ、地元の市長の皆様と率直な意見交換を行い、現場のニーズを把握し、最も必要とする対策を講じることに尽力いたしました。
また、昨年10月から始めた「ふれあい訪問」の際には、地元市長の方々にも立ち会っていただき、地域の現場において具体的な意見を伺っております。
さらに、地域の祭りや伝統行事などにもできるだけ参加して、地域の実情を肌で感じ、様々な意見を聞くようにしております。
木下議員からの御指摘は元自治体の長としての御経験を踏まえたものと拝察されるところ、御指摘も踏まえながら、これからも様々な機会を捉えて市町村長の声を直接伺い、県政に生かすよう努めてまいります。

再Q   木下博信  議員(自民

県と市町村の関わりの中で、上下じゃないということでオーケーなんですけれども、その中でちょっと気になったのが、モデルとしてある地域で展開していって、それが有効であれば他にも展開していくんだと。これは今までの上田知事のときにもよくやられていたんですけれども、実は先ほど言ったように63市、全部やっぱり都市部から山間部まで違いがあって、その後の例で和光の例も出てきましたけれども、よく松本市長も言っているのが、私たちが見てもそうですけれども、和光でという土地の特性があるところに松本市長というキャラがあって、いろんなつながりがあるからああいう形が実現できるのであって、じゃそこで実現したものが草加でできるか、上尾でできるかというと、包括ケアもそうですけれども、全くやっぱり組上げ方は違ってくるんですね。
そういうふうになってきているので、本当に予算とかを見ると、「先進事例として取り組む」「ここから水平展開するんだ」とあるんですけれども、埼玉県は実は一番多様性があって水平展開がしにくいところではないかと私は感じていますので、是非モデルとして展開するということについても、本当にこれがモデルになり得るのかどうかということは確認していただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。

再A   大野元裕   知事

モデルを他に展開することについてでございます。
御指摘のとおり、それぞれの市町村においては、あるいは市町村の中でも特性や地域要件がある場合があることは私も認識しております。
県の役割のところで述べたとおり、地域に実情に応じ柔軟に取り組む必要があると申し述べましたが、モデルを他に展開する際においても同様に地域の要件や特性について重視をさせていただきたいと思っています。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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