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掲載日:2022年8月15日

令和元年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(中川   浩議員)

埼玉版SDGs「誰1人見捨てない」の具現化 - 教育 -

Q   中川   浩  議員(改革

教育の県公立高校の入試の在り方です。県立高校入試のこの2年間平均で、例えば10点以下だった子供は1年当たり数学で1,100人、国語で200人もおります。ちなみに、11点から20点は、数学で1,450人、国語で850人です。注目したいのは、そのような試験の在り方でその一人一人の子が高校を卒業できるかどうかです。行政は客観性が問われるはずなのに、入試の在り方については客観的分析をしておりません。
質問ですが、調査をされてはいかがでしょうか。現在の社会は、私たちが子供だったころと比べ、子供も大人、保護者も自己肯定感が低い状況にあると言われております。そういった中で、県公立高校の過去問題集や模擬試験を中学生が解いたとき、点数が10点だった場合と40点だった場合、どちらが自尊心が傷つかずに入試に向けて頑張ろうという意欲が総体的に湧きやすいでしょうか。
現在、家庭教育力の低下が言われて久しいですが、なぜ低下したのか。今の保護者が高校受験生で人口急増期だった30年前に、もしも県公立高校の入試の問題が3パターンだったら、現在は2パターンですが、比較的もっと頑張れると思える部分もあったのではないか。頑張れた結果、保護者になった今、子供に家庭で教える、興味を持たせることもできたのではないでしょうか。これは偏差値教育がいけなかったというよりも、本人主体の入試の在り方が抜けていたのが問題なのではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
高校は、卒業するまでに課される学ぶ範囲が学校によって違います。県内の私立高校全48校では、入学してくる子供に合わせて、入試問題は1校1校違い、私立ごとに過去問題集があるので、私立を目指す中学生はその過去問を繰り返し勉強しています。少子化の中、私立は仕組みで努力をしています。そして、同じ公立である東京都立高校では、試験問題が学校によって12パターンあります。
埼玉県公立高校144校を志望している子が、この学校に行きたいと思っても、その学校に受かるための過去問題集は中学校にはありません。中学での3年間がそのような状態で、高校になってから中退されないようにする現場は苦労をされています。今後も現場任せでしょうか。
少子化なのに県立高校入試の現状はまだ落とす入試なので、来年平均点が上がろうと、10点以下の子が少し減ろうと、新たにそれが生じないように分析をし、入学後を見据えての入試への転換、やる気を起こさせる、頑張らせやすい試験の仕組みに変えませんか。お考えをお聞かせください。
そして、県教育委員会は日頃、学校の独自性・主体性を尊重すると口にされていますが、例えば県立高校から「再来年度、本校では独自の入試問題で行いたい」と申し出があったら、それを実現できるように県は動くでしょうか。また、そういう申し出が上がりやすい仕掛けと雰囲気になっていないと思いますが、具体的にどうされるでしょうか。お考えをお聞かせください。
次に、特別支援学級についてです。
子供本人の意思確認がされずに、もしくは不十分で通常の学級から特別支援学級に転籍した子は県内に何人もおり、これまで県教育委員会に具体的に報告してまいりました。その子たちに話を聞くと、例えば自分が特別支援学級にいたというのがばれたら嫌だから、地元の子との関わりを拒絶したり、支援学級にいたことを隠したりしているなどと聞いております。この子たちの時間は戻らずに、尊厳が傷つき、申し訳なく思います。その人の人生に県庁は責任がとれないですよね。
今、特別支援学級にいる子や、学校、保護者が特別支援学級を勧めるときに、本人によく確認し、慎重な対応が求められていると思いますが、例えば私が申し上げたこのような事例がほかにないか調査をし、研修などで学校へ確認してはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
小中学校で学力、いわゆる勉強ができないことを理由に、学校から親へ通常の学級から特別支援学級への促しはよくあります。では、子供の時代に通常学級という一般社会にいられない生徒を今後も増やしていったら、大人になってから社会に溶け込みづらい構造を生み出すことになるのではないでしょうか。親子関係も悪くなってはいないでしょうか。特別支援学級、特別支援学校に在籍する比率はどうなっていて、今後どうなっていくのか、お考えをお聞かせください。
では、私たちが子供のころと比べてそんなに障害を持った子供が増えたのか。簡単に申し上げれば、小中学校は通常学級か障害のある特別支援学級かの二択です。早期発見、早期療育は必要ですが、早期障害判定は現状バランスを欠いており、インクルーシブへとシフトチェンジする仕掛けが必要です。小学校低学年で落ち着かない子供の多くを障害扱いするのではなくて、他者に暴力を加えず、友達との関係が通常学級でとれる子については、ワンクッション小さな部屋で落ち着かせるなどして、通常学級に戻す新たな仕組みが必要ではないでしょうか。お考えをお聞かせください。

A   大野元裕   知事

「教育」の「私立高校が定員割れにならず、県立高校が定員割れになっている1つの要因 画一的な入試問題」であります。
定員割れは、県立高校のみならず私立高校においても生じております。
まず、高校入試を10点以下で入学した生徒が卒業できたか調査することについてでございます。
学力検査の得点が思うように取れなかった生徒は、十分な学力が身に付いていないことが懸念されますので、入学後適切にサポートをし、卒業ができるように丁寧に指導する必要があると思います。
教育委員会には、入学時の学力と卒業の関係について、どのような形で調査ができるか研究をしてもらいたいと思っています。
次に、高校入試の過去問題を解いた時、10点と40点だった場合で、どちらが頑張ろうという意欲が湧くかについてでございます。
生徒にとって、より多くの問題が解けることは、学ぶ喜びや学習に対するやる気につながると考えます。
次に、高校入試に受検生主体の視点を盛り込み、受検生にやる気を起こさせる試験の仕組みに変えることについてでございます。
現在の入試制度でも面接を実施している学校もあり、生徒の目的意識や学習意欲など、多面的に評価できる仕組みとなっていると聞いています。
高校入試においては、中学生が学力検査に意欲を持って取り組み、中学校3年間の学習の成果を十分に発揮できることが重要となると考えています。
より良い方向について検討するよう教育委員会に申し伝えます。
次に、学校独自の入試問題を実現できるように県は動くかについてでございます。
毎年、教育委員会では入学者選抜実施後に、中学校及び高校に対し入試のアンケートを実施していると聞いています。
さらに丁寧に学校現場の声を入試に関し聞くよう、教育委員会に伝えてまいります。
次に、「県内の特別支援学級に、本人の意思に反し、在籍した子達の心境をどう受け止めますか」のうち、子供の「意思確認」がされず、特別支援学級に転籍してきた事例の調査と確認についてでございます。
就学先決定に当たっては、子供たちが、その時点でその持てる力を最大限伸ばせる、より良い学びの場を選択できるようにすることが重要であると考えています。
子供たちの就学先の決定は、本人及び保護者に十分情報提供をしつつ、その意見を尊重して、市町村教育委員会が行っていると聞いております。
今後、県教育委員会において議員御指摘のような事例について把握し、市町村教育委員会を対象とした研修において事例について情報提供するなどして、適切な就学先決定に生かせるよう取り組んでいただきたいと考えます。
次に、特別支援学級と特別支援学校の児童生徒の在籍率についてでございます。
平成30年度に教育委員会が策定した「埼玉県特別支援教育環境整備計画」において、今後の特別支援学級と知的障害特別支援学校の児童生徒数の将来推計を行っております。
この将来推計を基にした特別支援学級の在籍率は、令和5年度で
約2.5%となり、平成30年度と比べ、0.9ポイント増加する見込みであります。
また、知的障害特別支援学校の小学部、中学部を合わせた在籍率は、令和5年度で約0.6%となり、平成30年度と比べ0.1ポイント増加の見込みであります。
全体の児童生徒数が減少する中、特別支援学級と特別支援学校へのニーズは依然として高く、当分の間、在籍率は増加していく見込みであると聞いております。
次に、ワン・クッション、小さな部屋で落ち着かせるなどして、通常学級に戻す新たな仕組みについてでございます。
議員御指摘のように、障害のある子供とない子供が共に学ぶために、例えばクールダウンできる場所を設けるなど、合理的配慮がなされていくことは重要であると考えています。
就学後も、学習に集中しやすい環境を整えるなど、市町村教育委員会が合理的配慮を適切に行えるよう、どのような支援ができるのか、県教育委員会で検討してもらいたいと考えています。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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