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掲載日:2022年10月13日

令和元年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(梅澤佳一議員)

堤防強化対策と自転車道・森づくりについて

Q   梅澤佳一   議員(自民

首都圏氾濫区域堤防強化対策は、平成15年度に利根川・江戸川の右岸堤防の強化策として国が定め、国直轄事業としてスタートいたしました。国は当初、平成16年から10年間で第一期工事期間である利根川、茨城県五霞地先から羽生市の東北自動車道橋りょう部分の完成を目指すと言っていましたが、いまだに完成に至っておりません。地元では早期の完成を願っています。15年以上経過しても完成に至らない、工事期間が長くなれば地域のコミュニティも崩壊し、地域住民は堤防強化対策の必要性に鑑み賛同してきましたが、完成が見えない状態では酷であります。
そこで、利根川・江戸川の堤防強化対策の進捗と第一期工事区間の完成はいつになるのか、また、埼玉県の大きな協力が必要と思われます。地域の安心・安全のためにもできるだけの協力をお願いしたいと思いますが、併せて県土整備部長の御所見を伺います。
次に、埼玉県が国との協力の下、利根川や江戸川河川敷を利用した自転車道路について伺います。
前知事は、日本一の自転車道路として利根川・江戸川自転車道路をアピールしてきました。自転車道路としては、県が利用しているのは堤防の天端部分です。天端部分はところによっては狭いところも多く、草刈りも十分ではないため、一層狭く感じられています。また、地域の方は散歩などにも利用されています。看板での表示をしているようですが、事故発生が心配です。距離表示やトイレ休憩所の設置もありません。県は河川の天端部分の占有と周辺の公園施設やトイレの案内をしていますが、自転車愛好家が安心して安全に快適に利用していただくためにも改良が必要と考えます。
今回、堤防強化対策では、築堤工事のために工事用道路が建設されていますが、この道路の利活用も魅力的であります。この道路は大型車が交互通行できる幅があり、今後堤防強化対策が完成した後、県としてこの道路も使った自転車道路の整備を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、県土整備部長に伺います。
次に、堤防強化対策の森づくりについて伺います。
堤防強化対策で築堤された堤防ののり面に最大68万本の森を造ろうと、掛け声高らかに始まりましたが、10年以上経過し現状はどうですか。この事業は本多静六博士の森づくりと称し、大利根地先でスタートいたしました。この大利根地先での森づくりはある意味、成功事例です。要因は機械化でした。なだらかなのり面ですから、乗用の草刈り機を素人が運転しながら作業することができました。ただ、購入は個人でしたので、当時60万円ほどの草刈り機を2台購入、作業していきました。木々も成長し、森らしくはなってきましたが、今も隣接する堤防ののり面は普通の堤防のままです。なかなか連続した堤防の森はできていません。何が要因なのでしょうか。堤防のり面は雑草との戦いです。
今後、堤防の森づくりは続けますか、続けるとしたらどのように進めるのでしょうか、全てがボランティアで森ができますか。以上、農林部長に伺います。
また、前知事名でボランティア団体や地元市、国土交通省関東地方整備局の河川事務所長と締結をいたしました強化堤防における森づくりに関する協定書の中で、堤防に植林した森の維持管理の話はどうなっているのか、県土整備部長に伺います。

A   中村一之   県土整備部長

まず、利根川・江戸川の堤防強化対策の進捗と第一期工事区間の完成時期・県の協力についてでございます。
国では首都圏氾濫区域堤防強化対策として、利根川の茨城県五霞町から羽生市を一期区間、その上流深谷市までを二期区間、江戸川では吉川市から上流で事業を進めております。
本事業の進捗状況につきましては、平成30年度末時点で用地買収率が79%、工事進捗率が約39%となっており、このうち一期区間の完成は令和5年度を目標としていると聞いております。
県といたしましては、本事業は県民の安全・安心を確保する上で大変重要であることから県道の付替えを共同で進めるなど、引き続き必要に応じて国に協力してまいります。
次に、河川敷を利用した自転車道の整備についてでございます。
堤防強化対策の事業区間には群馬県から利根川・江戸川の堤防上を走り、東京に至る延長約170キロメートルの自転車道がございます。
この堤防強化対策事業により堤防の幅を広くすることで、堤防天端の舗装幅は7メートル程度に拡幅される部分もあるなど、自転車道を取り巻く状況が大きく変化しております。
また、河川敷の工事用道路は区間によっては未舗装であり国の占用の考え方も異なっております。
今後は進捗状況を見ながら、より安全で使いやすい環境となるようルートや維持管理の面について国と調整してまいります。
次に、強化堤防における森づくりに関する協定書についてでございます。
国が整備した強化堤防を利用した森づくりについては、江戸川と利根川において地区ごとに協定書を締結し、ボランティア団体と地元市、国土交通省、県が各々行うべき事項を定めています。
この中で下草刈りなどの維持管理についてはボランティア団体が担当することとされており、団体で行えない作業等についてはそれ以外の者も協力することとなっております。
引き続き、締結した協定書に基づき、強化堤防を利用した森づくりに参画してまいります。

A   牧   千瑞   農林部長

堤防強化対策の森づくりについてお答えを申し上げます。
まず、連続した堤防の森ができていない要因についてでございます。
この事業は平成20年度に始まり、国、県、地元市町、ボランティアが連携し、各々の役割分担のもとで森づくりに取り組むものです。
これまでに利根川と江戸川において2.6ヘクタールの森づくりを行ってまいりました。
このうち利根川では二つのボランティア団体が森の管理を行っており、その間の350メートルは森づくりを行っておりません。
それはこの間の堤防工事の後の盛土の状況が安定していないことによるものです。
次に、今後堤防の森づくりは続けるのか、続けるとしたらどのように進めるのか、全てがボランティアで森ができるのかについてでございます。
今後の森づくりにつきましては盛土の安定が確認されれば実施に向け関係機関と調整をしてまいります。
また、森づくりには下草刈りなど継続して行うボランティアの存在が不可欠です。
併せてボランティアに対する支援も必要と考えております。
県では活動の状況に応じて必要な技術支援を行ってまいります。
活動初期に下草の刈払機代や燃料費など5年間にわたり支援する県の仕組みもございますので周知をしてまいります。
さらに、市町にも森林環境譲与税を活用した活動への支援をお願いしているところです。
今後もボランティアの協力をいただきながら、県民参加による森づくりを進めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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