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掲載日:2022年10月13日

令和元年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(白根大輔議員)

医師定着対策と隣接県との連携について

Q   白根大輔   議員(民主フォーラム

先日、埼玉新聞で「医師も診療科も偏在」と題した記事で、埼玉県の医師不足の問題が特集されていました。また、先月26日、厚生労働省が、診療実績が乏しく再編統合の議論が必要と判断した424の公的病院等を公表し、本県でも幾つかの病院が対象とされていました。
本県の医療は課題が多いのが実情です。本県では、医師の確保のため、平成25年度に県総合医局機構を創設して医大生らに奨学金を貸与し、医師不足の地域や診療科での本県勤務を促す取組をされています。その結果、平成16年から28年の12年間の増加数は全国6位の2,550人、また、伸び率では28.0%とこちらも全国4位となっています。そして、2年間の初期研修医数でも増加数、増加率とも全国1位となるまでになりました。
しかし、その後の後期研修などにおいて、後期研修制度が始まって初めての調査によりますと、医師の残留率が48.6%と全国46位の低い状態で、いわゆる他の自治体へ医師の卵の方々が流出していることが分かりました。つまり、医師が定着していないということであります。理由はやはり都内の有名大学病院で仕事がしたいなど、病院のブランド力で選ぶ医師が多いことからと推察いたします。
医師も人です。理解できないわけではありません。医学生に貸与された奨学金は、6年間で1,440万円です。現行では、貸与された奨学金の返済免除にも条件がありますが、5、6年間の研修期間中であれば、この1,440万円は返済できてしまいますので、あえて本県にとどまろうとは思わないのではないでしょうか。
そこで、お伺いいたします。県外へ流出せず、医師が定着できるようにするために、県としてどのような取組をされていくのでしょうか。また、知事の公約にもあるとおり、各種医療の充実に向けては、隣接県との連携協力をしていくことも重要と考えますが、隣接県との連携等にどのように取り組まれるのでしょうか。以上、保健医療部長にお伺いいたします。

A   関本建二   保健医療部長

県内医師の地域偏在や診療科偏在の解消には、奨学金制度が最も効果のある施策の一つであると考えております。
この制度は、貸与期間の1.5倍、9年間県内の医師不足地域や小児科、産科、救命救急センターでの勤務を義務付けるものです。
平成22年度から奨学金制度を開始し、6年間の医学教育及び医師国家試験合格を経て、現在30人が義務年限として県内で勤務しております。
今後、奨学金貸与者の卒業が本格化していき、2030年には400人規模の医師を確保する予定です。
議員ご指摘のように奨学金返還の問題については、これまでに義務年限を終了した医師を含めて奨学金を受けて医師となった54人のうち3人の返還事例がありました。その一方で、義務年限の終了後も貸与者の約8割が引き続き県内に定着しております。
県内定着への取組としては、まず学生時代から定期的に奨学生を招いた交流会や病院見学会を開催し、県の魅力を伝えるとともに県内医療関係者と交流を深めています。
大学においても地域枠医学生に対しては、他の医学生とは異なり地域医療貢献を主眼に教育が行われています。
奨学金を受けた研修医には、今後県内で初期及び後期研修を経て専門医を取得するまでのキャリアを積むことができるよう将来ビジョンを示すことが重要です。
そのため、今年度から、オーダーメイド型のキャリア形成プログラムを作成し、ベテラン医師であるキャリアコーディネーターが助言・支援を行っております。
研修医からは「埼玉は患者さんが僕ら医師を待ち望んでいるので医師をするのは最適な場所だと考えている」、「埼玉県のおかげで医師になれた。埼玉県のために頑張りたい。」と力強い言葉をもらっています。
今後、奨学金を受けていない一般の医師も含め、後期研修への県内誘導が進むよう、県内で医師の希望するキャリアを積むことができる研修環境を整備することで、医師の県内定着を図ってまいります。
次に、医療の充実に向けた隣接県との連携についてです。
本県だけでは対応しきれない部分をカバーするために、隣接県との連携は重要です。
例えば、県北地域を中心に、年間3,000件を超える救急搬送を受け入れていただいている群馬県とは、医療機関への搬送・受入れ情報をリアルタイムで見える化する救急医療情報システムを相互に利用し、救急搬送に活用しています。
搬送を担う消防からは、システム連携により搬送先の選定がスムーズになったとの評価を得ており、来年度からは千葉県、茨城県ともシステム連携を開始する予定です。
また、群馬県とはドクターヘリの広域連携により相互に出動することで、速やかな医師による救命医療につなげております。
このほか、胎児に先天性疾患などが疑われるハイリスク妊産婦を県内の医療機関が受け入れできない場合に、東京都内の医療機関へ円滑に転院調整を行う仕組みを構築しています。
今後は、これらの取組に加え、県域を越えた医療連携について隣接県と合同で協議する場を設けるなど、さらなる協力体制の強化に取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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