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掲載日:2019年7月12日

令和元年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(八子朋弘議員)

虐待事件を「0」にするために

Q   八子朋弘   議員(県民

この課題は、先日、会派の松坂議員も取り上げておりましたが、私からもお伺いいたします。
目黒区や野田市で残念な事件が相次いで発生し、多くの国民が心を痛めております。そして、今月に入ってからも、札幌市で事件が起こってしまいました。これまで何度も、事件が発生するたびに様々な検証がなされ、事件が繰り返されないよう対策がとられてきましたが、なかなか不幸な事件が「0」になりません。このたび、国でも児童虐待防止法の改正がなされましたが、悲惨な事件を今度こそ起こさないため、県としてどのような対策を打っているのか。幸い最近、埼玉県では死亡事件は起こっていませんが、具体的な状況を福祉部長に伺います。
警察との連携については、今年度予算で児童相談所と警察署間において虐待情報を共有するシステムの構築が図られていますが、児童相談所へ相談した情報が警察へ共有されることが知れ渡れば、もしかしたら警察が家に来るかもしれない、もしかしたら逮捕されるかもしれないという不安から、育児に悩む親本人や学校、保育園などが相談や情報提供に二の足を踏み、支援が必要な家庭がより孤立するのではないかという懸念が根強いと言われております。こういった懸念も承知の上で、メリットを重視し、このようなシステムを構築する決断をされた県の考え方、そして懸念を払拭するための取組について福祉部長にお伺いいたします。
また、目黒区の事件では、対象の家庭が転居したことにより児童相談所間における引継ぎが不十分であったと言われています。野田市の事例では、児童は一度保護されたものの、結局親元に帰してしまい、結果としてあってはならない事件になってしまいました。これらの事例を踏まえ、埼玉県としてどのような対応を行っているのか、またいくのか、福祉部長の答弁を求めます。
最後に、私は虐待事件を「0」にするための一番のポイントは人であると考えています。どんなに完全に近いシステムを構築しても、それを有効に生かせる人がいなければ意味がありません。児童相談所だけの問題ではありませんが、経験を積んだ職員がその経験を基に共有した情報を生かして、いかにケースバイケースで適切な対応をしていくか、これが悲しい事件を発生させない一番の対策だと思います。人員の拡充は当然のこととして、児童相談所における現場の職員の人事異動はいかに行われているのでしょうか。若い職員に様々な経験を積んでいただくことは大事ですが、じっくり腰を据えて人間関係をつくり、事例に対処していく体制はとれているのでしょうか、福祉部長にお伺いいたします。

A   知久清志   福祉部長

まず「悲惨な事件を起こさないため、県としてどのような対策をうっているのか」についてでございます。
増加する虐待通告に迅速かつ適切に対応するため、児童相談所の体制を強化しています。
今年度は児童福祉司を35人、児童心理司を7人増員するとともに、7カ所目となる草加児童相談所を設置しました。
また、職員の資質向上を図るため、職位ごとの研修に加えて重大事案を検証する研修や弁護士を講師とした法的対応を学ぶ研修を新たに実施いたします。
さらに、警察との連携を強化するため、平成30年8月から全ての虐待情報の共有を始めました。
今年度は児童相談所と警察署を直接つなぎリアルタイムで情報を共有する全国初のシステムを構築いたします。
次に、「児童相談所と警察との情報共有システム構築を決断した県の考え方、懸念を払拭するための取組」についてでございます。
システムを構築することとしたのは、悲惨な事件を繰り返すことなく子供の命を守るためには児童相談所と警察が虐待情報を共有し、連携することが何よりも重要と考えたためです。
共有する情報は虐待情報のみで、虐待に関係のない養育に関する相談などの情報は共有されません。
相談に当たって情報の取扱いに不安を抱いている保護者等に対しては、この点を丁寧に説明してまいります。
次に、「目黒区や野田市の事例を踏まえ、県としてどのような対応を行っているのか、また対応していくのか」についてでございます。
児童相談所間の引継ぎについては、国の児童相談所運営指針に定められているとおり、緊急性が高い場合には対面等により行うという原則を徹底しています。
また、一時保護については、保護者が虐待を認めない、子供を職員に会わせないなどリスクが高いと認識した場合は、躊躇なく一時保護をするなどの対応をしています。
札幌市の事件を踏まえ、国から改めて示された「適切な一時保護」、「48時間以内の安全確認」などのルールを徹底し、子供の安全確保に全力を尽くしてまいります。
次に、「児童相談所の人事異動はいかに行われているのか、事例に対処していく体制はとれているのか」についてでございます。
児童相談所の職員には専門的な知識や経験のほか業務の継続性も求められていることから、一般的な異動基準年数より長い配置となっております。
また、平成31年4月1日付けで異動した職員のうち、引き続き児童相談所に異動した職員は役付職員で約85%、一般職員で約70%となっています。
日々の業務で培った経験や専門知識が生かせる人事ローテーションとしております。
今後も児童相談所職員の能力を最大限に生かせる人材育成に取り組み、現場の対応力向上を図ってまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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