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掲載日:2019年7月12日

令和元年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(山口京子議員)

小・中学校への支援について

Q   山口京子   議員(自民

3月末から4月初めは、小中学校の校長先生にとって子供の転出入の数に敏感になる時期で、数がどうなるかは祈るしかないそうです。なぜなら、1クラス40人で教師一人の配置になるため、一人増えて41人になれば二クラスとなり、教師が更に一人必要となるから加配されるからです。その決定日は4月6日時点なので、微妙な時は一人を本採用、もう一人は臨時採用で対応することになります。県費での採用はそれ以降となり、県費の教師が不在な期間が生じます。その臨時採用の教師も市町村で探しているのが現実であり、そんなにすぐにちょうどいい人材も見つからずに、苦慮しているようです。もちろん、学校にとって一人でも多くの教師が採用されることは、学校を運営する学校長にとってはありがたいことです。
県では、小1プロブレムや中1ギャップ、あるいは国際化による外国人児童生徒のための日本語指導、小学校の英語指導等々、様々な手当てをしていますが、まだまだ小中学校において教師が不足していることは否定できない事実です。何より、学校は子供と先生の居場所であり、安心・安全な環境で、より良い学び、教育を保障しなければなりません。しかし、現実は新採用の教師の志願者は年々減少傾向にあり、埼玉県は何とか小学校で平成29年度が3.3倍の倍率でしたが、今年の試験では志願者が262人減少し、倍率も2.8倍となっています。15年前からしばらく大量の退職の時期があり、現在の学校は若い教師が多くなりましたので、産休・育休も増加していて、臨時教師数が各市町村とも2割は必要となっています。
しかし、先ほども申したとおり確保が難しい状況です。加えて、教職員の精神疾患による病気休職者数は、平成29年度で全国が5,077人、埼玉県が205人で高い値で推移しています。教師が不足しています。
6月20日の朝日新聞の一面でも、経済協力開発機構(OECD)調査で教師の勤務状況と授業内容の双方の課題が浮かび、教師の働き方改革を文部科学省でも待ったなしの課題と位置付けているとの報道がありました。その上、教師は公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法に基づき、昭和41年の実態調査を基に作られた教職調整額により、どんなに勤務時間が超過しても時間外手当が支給されません。
さらに、社会情勢の変化は激しく、多くの学校の中の問題が取りざたされるようになったのは周知のとおりです。いじめ、登下校時の安全、教師によるセクハラ、加えてモンスターペアレンツ等々、若い教師は様々な苦情やクラス運営のため、子供の家庭までフォローしなければならなくなっており、前述した精神疾患にもつながっています。
さいたま市では、このような学校だけでは抱え切れないトラブル解決のため、スクールロイヤーを配置すると新聞報道にありました。県としても、もっと学校に身近なところで、そのような支援も必要となってきているのではないでしょうか。こうした現状から、教育長に3点伺います。
1点目、小中学校の本採用の教師及び臨時採用の教師を、より手厚く加配できるような支援はできないのでしょうか。
2点目、教師の志願者数が減少する中で、より良い人材を確保するための具体策はいかがでしょうか。
3点目、教師、学校の抱える問題に対し、外部からの支援としてスクールロイヤーの配置等は考えているのでしょうか。県教育委員会の目指す具体策をお示しください。

A   小松弥生   教育長

まず、「小中学校の本採用の教師及び臨時採の教師を、より手厚く加配するような支援はできないか」についてでございます。
小中学校の教員は、いわゆる義務標準法の定めに基づき、学級数に応じて配置される教員と、学校の様々な課題に応じて加配される教員とがございます。教員の加配につきましては、小学校の英語教育や日本語指導に対応するためなどの加配がございます。
また、常勤の教員ではございませんが、県独自の取組として、いわゆる小1プロブレムへの対応や初任者研修に参加する教員に代わって授業を行う非常勤講師などを配置しております。
県といたしましては、これからも市町村と連携し、各学校の課題を十分に把握した上で、教員の加配や非常勤講師の配置により、学校を支援してまいります。
また、教員定数の増員につきましては、これまでも国に対して要望しておりますが、引き続き、あらゆる機会を捉えて強く要望してまいります。
次に「教師の志願者数が減少する中で、より良い人材を確保するための具体策について」でございます。
より良い人材の確保には、情熱や使命感のある方々に少しでも多く志願していただくことと、そして適切な選考を行うことの2点が必要だと考えております。
まず、志願者確保については、札幌、仙台、東京、大阪などの主要都市で教員募集説明会を実施するほか、全国100以上の大学を訪問し、個別に説明を行っております。
説明会では、教員採用試験の仕組みだけでなく、働き方改革への取組や、協調学習の取組、教員同士のネットワークなど本県の取組をアピールし、受験を促しております。
次に、選考でございますが、教師に求められる資質・能力が多様化する中、本県では、教育に対する情熱や使命感などの人間性が最も重要な資質だと考えております。
このため、選考試験においては、筆答試験だけでなく面接、集団討論などを中心とした人物重視の選考を行っております。
引き続き、全国の学生に埼玉県の強みをアピールするとともに、選考方法の工夫・改善に努め、より良い人材の確保にしっかりと取り組んでまいります。
次に、「教師、学校の抱える問題に対し、外部からの支援として、スクールロイヤーの配置等は考えているのか」についてでございます。
学校には、いじめをはじめ、生徒指導に係る問題、地域・保護者からの相談や要望への対応など、課題が山積しております。
その中で、過度な要求など学校で解決できない課題に対しては、県内四つの教育事務所に「学校問題解決支援チーム」を速やかに設置できる体制を整えております。
このチームでは、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家のほか、必要に応じて、弁護士からも助言をいただいております。
今後とも、いじめの解決や保護者からの過剰な苦情などに対しましては、弁護士などの法的な側面からのアドバイスを活用するなどして、学校を支援してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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